魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした

真弓りの

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食堂で情報収集

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「そうか! そうだな」

「海が荒れてる系の情報も聞けるかも知れないし、まずはいきなり聞き込み始めるより、偵察してからにしません?」

「……そうだった」


さては聞き込みのこと忘れてたな? リカルド様もそんなに夢中になることがあるのかぁ。

あまりにも嬉しそうなリカルド様の様子に、こんなに喜んでくれるんならホントに卒業後は二人で世界巡っても面白そうだなぁ、なんて思ってしまった。まぁ、魔物を討伐しながらの旅になるとしても。

さすがに恥ずかしかったのか、リカルド様が積極的にお店を覗いてみてくれて、やがてあたし達は一軒の食堂に落ち着いた。店内に入った時の感動はもう「ヤバい」のひとこと。

だって! まさに色んな種族の皆様がごった煮状態。

お昼時だからかカウンターにも二人がけ、四人がけの席にも目立った空きはなくて沢山の人々が楽しそうに食事をしている。みんな笑顔だってことは、きっとご飯も美味しいんだろう。それもまた楽しみだ。

あたし達は色んな会話を聞きつつも町の様子もじっくりと見渡せるように、窓際の席に腰かけた。


「いらっしゃい! メニューはそこらの壁に書いてあるから、決まったら声かけて!」


髪をくるくるっと巻き上げた威勢のいいおねーさんがそう声をかけてくれる。見回したら確かにそこここにたくさんのメニューが書かれた紙が貼り付けられていた

でも、文字だけじゃやっぱりイメージが掴めないもんね。ここはやっぱり実物でしょ。


「とりあえず、周りの人が頼んでるの見て、美味しそうなの頼んじゃいましょ」


見た目と匂いは、割合と真実を語ってくれる筈だしね!

わくわくしながらあたりのテーブルを見回すと、意外や意外、テーブルに着いているのは魚人や獣人、鳥人といった多種多様な人々なのに、食べているものはいたって普通。

もちろんあたしでも知ってるようなステーキとか唐揚げっぽいのとかサラダとかもあれば、ちょっと変わった盛り付けのものもある。でも、全部美味しそう。


「うわぁ、どれにしようかなぁ。意外と普通! どれも美味しそう!」

「そうだな」

「すっごく!!! おいしーよ!」


いきなり可愛らしい声が聞こえたかと思ったら、リカルド様の肩の上に、ぴょこんとわんぱく坊主っぽい子供の顔が飛び出てきた。


「!!!」


おお、かなりびっくりしたのかリカルド様の肩が揺れた。それでも声すらあげないの、さすがだなぁ。

どうやらこのオチビちゃんはあたし達の会話が聞こえたらしく、リカルド様の背後の席から身を乗り出してきたらしい。
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