192 / 232
第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~
第192話 対決、牛頭鬼の冥子4
しおりを挟む
多々良との約束通り、みづきは必殺の剣を冥子に見事決めてみせた。
と、格好良く必殺技を決めた余韻に浸り、残心に努めていたそんなとき。
「あっ!? やばいっ!」
みづきは冥子を見たまま、顔を真っ青にして激しく動揺をすることになった。
神鎮ノ花嵐は技の特性上、真下から切り上げる剣の軌跡を辿る。
そのため、冥子の肉体に剣を走らせた際に、立派過ぎる胸を申し訳程度に守る鎧までを真ん中で切り裂いてしまっていたのだ。
当然の結果として、見た目通りの重量を誇る豊かな両乳房が、破損した軽装から解放されて今にもこぼれ落ちそうになっている。
はらりと鎧が落ち、胸を露わにしてしまう冥子の人間形態は筆舌に尽くしがたく艶やかであった。
『三次元印刷機能実行・修復対象選択・《牛頭鬼・冥子の胸部軽鎧》』
みづきはすかさず地平の加護の権能を発動させた。
材料さえ揃っていれば記憶にある器物を作成できる能力を使い、冥子の胸を覆う鎧を直しに掛かる。
みづきが慌てて手をかざすと、真っ二つに切れたはずの胸部鎧の切断面が独りでにくっついて元通りとなった。
すんでのところで、神聖な天神回戦に卑猥な危機が訪れるのを防いだのである。
必殺と銘打った剣で切りつけておいて、今更過ぎる心配だったことは言うまでもないが、それはそれ、これはこれだ。
「ふぅ、危ない危ない……。冥子の裸をみんなに見られちまうとこだったよ……」
冷や汗を拭って心底ほっとしていたみづきは、ふと視線を感じて顔を上げる。
「うひっ!? 冥子っ……!」
するとそこにはかんかんに怒り、頬をひくつかせる冥子の恐ろしい顔があった。
みづきはぎょっとしてたじろいだ。
「みぃづぅきぃぃぃっ……!」
今の一手では勝負は着いていない。
まだまだ冥子との戦いは続行中だ。
地獄の獄卒鬼の頑丈さは流石で、中途半端に傷を負わせて怒りを買った。
但し、冥子が苛立ちに震えるのはそれだけが原因ではなかった。
「……ど、どこまで私を舐めれば気が済むの!? 肌を衆目に晒すからって、敵に鎧を直してもらったなんて生まれて初めてよっ! 屈辱よっ、許さなぁいッ!!」
激情する冥子は怒り半分、辛さ半分の顔をして目に涙を浮かべていた。
大技を決められた挙げ句、装備が剥がれそうだからと丁寧に対戦相手に直されたなど、これだけの目がある前でみっともないことこのうえない。
「お、落ち着けって! 俺は冥子が恥を掻いたらいけないって思って……」
「うるさいっ、無用な気を回すなっ! もうお遊びはお終いよぉっ!」
みづきの弁明を聞く耳持たず、冥子は雄叫びをあげる。
黒い瘴気をあげて、勇ましくも美しい人の姿が化け物のそれに変じていく。
見る見るうちに身体が巨大化して地獄の鬼の本性へと戻った。
白と黒の斑模様、ホルスタイン柄の牛頭の再登場である。
そして、鬼の巨躯と重さに脆い剣の森は耐えられない。
すぐさま音をたてて崩壊を始めた。
その破壊は森全体へと瞬く間に伝播する。
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァーンッ……!!
粉砕音を轟かせ、粉々に砕け散った剣の葉の刀葉林は役目を終えて地面の下へ、地獄の奥底へと消えていった。
沈む鉛色の森を背景に、戦場は地上へと戻る。
ずしんっと重々しい着地音をたてて大地に立つ冥子と、ひらりと軽やかに地面に降り立って背の翼をしまうみづき。
二人はまたも相まみえる。
「モォウッ、ただじゃ置かないんだからっ! みづきっ、さっきのお返しよっ! 本気の私のこの技で、叩き潰してあげるわッ!」
荒い鼻息を吹き出して、冥子は次なる地獄の力を召喚する。
にわかに足下の地面から黒く歪曲した直線的な光が発生し、激しく流れ出した。
それは黒い電光で、冥子の呼び出した黒き雷である。
みづきはその黒い雷を見て顔色を変えた。
覚えがあったからだ。
「行くわよっ! まみお様と同じに、ぺしゃんこになっておしまいッ!」
甲高く叫び、金砕棒に黒い雷を巻き付かせ、大きく真上に振りかぶる。
これは冥子の必殺技。
雷をまとった金砕棒を、冥子の全力で打ち下ろす会心の一撃である。
先の試合で、まみおにとどめを刺した因縁の大技だ。
「……」
それをうろたえることなく、黙って見上げるみづきは何を思うのか。
ちらり、とまみおの見ている観客席に視線をやり、戻した。
そして、不滅の太刀を立てて構え、もう片方の手の甲を刃の背中に押し当てる。
斬り掛かる構えではない。
見るに明らかな防御の構えである。
「みづき、馬鹿者っ! それはその鬼の大技じゃっ! 受けてはならぬっ!」
冥子の必殺技を受けて立とうとするみづきに、日和は立ち上がって叫んだ。
何故か、あえて、回避せずに真っ向から防御をするという手段を選ぶ。
黙する多々良の隣、いつもの調子に戻った慈乃が鼻で笑った。
「どうやら日和様のシキは気が触れたようですね。地獄の雷を伴った冥子の渾身の一撃は、この私でさえまともに受ければ手傷を負わされるというのに」
自分ではなく冥子が活躍するのは面白くないが、みづきが目の前で無残に倒されてしまうほうが気分が良い。
これで少しは気が晴れる、慈乃はそう思っていた。
みづきの判断をおかしく思うのは冥子も同じだ。
「良い度胸ね、みづきっ! これを受けられると思っているなんて、つくづく私も舐められてしまったものだわ! 後悔しなさいな、地獄の底でっ!」
揺るぎなく逃げようとしないみづきに、冥子は殺意剥き出しに打ち掛かった。
唸りを上げて、天に突き掲げた金砕棒を雷もろとも振り下ろす。
バリバリバリッ、と放電の輝きが四方へと散った。
「えええええええええぇぇぇいッ! 奥義っ! 電光鼓ぃッ!」
「来ぉいっ! 冥子ぉッ!!」
叫び合うみづきと冥子。
ぶつかり合う不滅の太刀と雷の金砕棒。
落雷そのものの轟音と衝撃が二人の間で大いに炸裂した。
ドドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォンッ……!!!
冥子の巨体から繰り出されたとてつもない一撃は、間違いなくみづきを強く打ちのめした。
いくら刀で防ごうとも、この重量と速度の打撃はどうにもならない。
ちっぽけなみづきは、まみお同様に潰されて一巻の終わりである。
静まり帰った会場の観客全員がそう思ったことだろう。
「み、みづき……! なんで避けないんだよ……!」
泣きそうな顔をして思わず声を漏らすまみお。
あれを受けた自分だからわかる。
みづきでもきっと耐えられない。
見た目ど派手な決まり手に、あえなく勝負が終わってしまったかに見える。
「……」
当の冥子は両肩を細かく揺らしていた。
勝利した歓喜に打ち震えている。
いいや、そうではなかった。
打ち込んだ自分が真っ先に気付き、その結果に驚いてわなないているのだ。
「な、な……!」
赤い目を見開いて金砕棒の下にある、確かなみづきの感触に愕然とした。
倒し切れていない。
それどころか、自分の必殺の奥義が途中で止まっている。
電光鼓は、ものの見事に防がれてしまっていたのである。
「なぁにぃっ!? う、受け止めたですってぇぇっ!? 嘘でしょおっ……!!」
冥子の絶叫を聞きながら、雷と金砕棒と受けたみづきの口許は笑っていた。
防御の態勢のまま、二の足でしっかりと立ち、五体満足の無事でいる。
「……ちょっと痺れたけど、どうやら俺の読み通りだったみたいだな!」
金砕棒越しに冥子の狼狽を感じつつ、みづきは不敵に呟いた。
冥子の大技を受ける寸前、みづきは地平の加護を発動させていた。
無論だが、無策で捨て身だった訳などではない。
それは確かな考えと洞察の結果による、正しい判断であったのだ。
『対象選択・《シキみづき》・洞察済み対象を基に特質概念を構築』
『《獄卒鬼・馬頭の牢太》・キャラクタースロットへの挿入完了』
新たな特質概念を自らに付与していた。
忘れもしない天神回戦一戦目の対戦相手、冥子と同じく多々良陣営のシキ。
地獄の獄卒鬼、馬頭の牢太である。
『ウオオオオオオォォォォーーーーッ!!』
「ええっ! ろ、牢太っ!?」
さらに驚いて大口をあんぐり開けた冥子の目の前、地面の下から自分と同じ程度の大きさの影が、雄叫びをあげながらみづきの背後に堂々と立ち上がった。
毎日顔を合わせている獄卒鬼の相方、牢太の屈強な巨体が突然に出現した。
みづきの傍ら、概念体のまみおが腕を組んで得意そうな顔をしている。
化け狸の変化術を自由に操れる今のみづきなら、牢太の幻影を見せる幻術も使い放題で、以前のように幻を投影するスクリーンも必要ない。
「な、何故ですッ!? どうして冥子の技で倒れないのですかッ!? そ、それにあれは牢太ではありませんかっ! ど、どういうことですかっ、日和様ッ!?」
「ええいっ、私に聞くでないわっ。みづきの考えつくことなど私には見当もつかんのじゃっ……!」
驚いているのは慈乃も同じで、詰め寄られた日和にも何が何だかわからない。
ぽんと手を打った多々良には種がわかったようで、感心に目を細めている。
「なるほど、同じ獄卒の鬼なら冥子の技にも耐えられる、そういうことなのだね」
その頃になって、みづきがまだやられておらず、反撃が開始されたことに場内は再びの熱気を取り戻していた。
大きな歓声がワァッとあがっている。
みづきはもうすでに牢太を洞察し終え、地獄の鬼の特性を看破していた。
手持ちの金砕棒どころか、身体中に雷を伝えても冥子自身には影響がなかった。
それなら、同じ地獄の鬼の牢太にも雷が効かないのは至って普通の道理である。
まして、地平の加護を用いた本物の雷の直撃に対しても牢太は耐性を持っていたのをみづきは知っていたのだから。
あとは自分と特質概念たちと力を合わせ、物理的な攻撃を凌ぐだけでいい。
『我は死馬の骨などではないぞぉっ! 冥子ぉっ!!』
牢太の概念体が吠え、それに合わせてみづきは金砕棒を力任せに押し返す。
記憶から声を再現するだけでなく、みづきが思い描く言いそうな台詞を概念体に喋らせることもできるようだ。
多分、牢太はそんなことを言っていない。
「こりゃ面白い。──さぁ冥子、今度はこっちの番だぞっ!」
「み、みづきっ……! あ、ああぁっ……!?」
そこからみづきの一気呵成の反撃が開始された。
牢太の豪腕剛脚の力が加わり、最早冥子に力負けをしない。
剣を振るって自分の何倍もある長大な金砕棒を弾き返し、仰け反って体勢を崩す冥子に飛び掛かった。
みづきも力を込めた打ち下ろしを叩き込む。
「……んぬぅッ!!」
かろうじて金砕棒を真横に構えて、冥子はみづきの刀を受け止める。
しかし、その手に掛かる斬撃の重さは尋常なものではなかった。
自分に比べて一回りも二回りも身体の小さいみづきの剣を受け、冥子の足は地面に沈む。
質量と力の大きさが、見た目と全く釣り合っていない。
「ど、どこにこんな力が……! さっきまでとは、全然違うじゃないのよっ……!」
焦燥の声を漏らす冥子の眼前に、顔中に光の線模様を浮かべるみづきが迫った。
その目には戦いの高揚にぎらつく好戦的な光が灯っている。
立て続けに地平の加護が追撃を加える。
文字通り、嵐のように。
『対象選択・《シキみづき》・洞察済み対象を基に特質概念を構築』
『《父・佐倉清楽》・キャラクタースロットへの挿入完了』
『特質概念体・《父・佐倉清楽より技能再現》・効験付与・《神鎮ノ花嵐》』
アイアノア、まみお、牢太、劣化再現の慈乃に加えて、思い出の中の父を呼ぶ。
相変わらずのネクタイとスーツ姿に、真剣を構えるへんてこな佇まいである。
手にあるのは刀で、それはみづきが複製した概念の、不滅の太刀だ。
清楽の概念体は優しげな顔でみづきを見上げ、刀を頭上に掲げる動作をした。
すると、清楽の足下から退魔の光である花弁が群れを成して湧き上がり、空一面に広がっていく。
『特質概念体・《エルフ・アイアノアより技能再現》』
『効験付与・《風魔法・エアソード》』
続けざまに、清楽の後ろにアイアノアが姿を現し、得意の風魔法を巻き起こす。
鋭利な空気の刃でかまいたちのように敵を切り裂く一陣の風である。
長い金髪を揺らし、超自然の申し子たる彼女から意思を持った嵐が吹いた。
風の刃は清楽の起こした退魔の花弁たちを共連れ、身動きの取れない冥子に一斉に襲い掛かる。
それはさながら、聖なる剣技と幻想の魔法との共演であった。
『効験合成・《退魔の太刀風、──吹放花吹雪』
「あああああああああああァァァァッ……!? か、身体が灼けるぅッ……!」
みづきとの力比べの最中で、冥子に為す術はない。
真正面から一方的に自分だけが魔を払う聖なる力の直撃にさらされる。
鋭さを備えた光の花弁が風に乗せられ、冥子の身体を切り裂き、焼いていく。
鬼の巨躯が揺らいだ。
もう一押し、みづきはさらに地平の加護を使う。
身体中を駆け巡る回路模様がより一層強く輝いた。
『特質概念体・《化け狸・まみおより技能再現》』
『効験付与・《変化宿し》・《亡霊武者召喚》・同期完了』
空中で冥子と剣を合わせるみづきのすぐ後ろ、概念体のまみおが現れる。
投げ放った呪印の木の葉で変化術を施し、髑髏顔の亡霊武者を呼び出した。
その数は三体で、まみおが呼び出せる限界とする概念の表れである。
概念体が召喚した概念体の力が寄り集まってみづきへと合一、出力を合算する。
結果、さらなる重さと威力がみづきの剣に宿ることになった。
まみおが、三体の亡霊武者が、そしてみづきが揃って剣を大きく振り上げた。
「えええぇぇいッ!!」
ガギイィィィィィィィィィィィィィーンッ……!!
気合いの声と共にもう一度、不滅の太刀を冥子の金砕棒に叩きつける。
瞬間、剣と金棒との打ち合いとはとても思えないほどの大音響と、巨大な何かが激突してきたかのような凄まじい衝撃が起こった。
それらはみづきが全力を結集させて放った一撃が生んだものだ。
まともに受けてしまった冥子はひとたまりもない。
「あ、あっ……! あぁーれぇーッ……!!」
堪えきれずに冥子は押されるがまま後ろに大きく仰け反ると、勢いもろとも派手に倒れていく。
巨体の背を地に着け、金色の天を仰いだ。
どしぃんっ、と地を轟かせて仰向けになり、がらんがらん、と音を鳴らして手を離れた金砕棒が転がっていった。
みづきの前には大股を広げてぶっ倒れる冥子の大きな肢体。
腰布が大っぴらにまくれ上がったあられもない格好なのだが、生憎と今は恐ろしい牛頭鬼の姿に戻ってしまっている。
股ぐらの全開状態に冥子は羞恥の悲鳴をあげた。
「いやぁんッ……!」
「う、嬉しくない……」
それを見てみづきはげんなりと顔をしかめる。
その瞬間、ひときわ騒々しい歓声がまたも方々からあがった。
「みづきぃーっ! 良いぞー、その調子じゃぁーっ! やぁってしまえーっ!」
日和も興奮して赤い座布団の上でぴょんぴょん跳ねている。
多々良は微笑んだまま表情動かないが、慈乃は心底面白くない顔をしていた。
「みづき、すげぇ……! あのでっかい鬼をひっくり返しやがった……!」
ほっかむりのまみおも感嘆の声をあげ、すっかりと目を奪われている。
今やもう、会場中の目はみづきの活躍に釘付けであった。
この勝負の大勢は誰の目にも明らかなほど決しつつある。
小さな身体のみづきが大きな身体の冥子を打ち倒した鮮烈な絵が、勝敗の行方を強く物語っている。
太極天の恩寵による黄龍氣の無限供給とアイアノアの太陽の加護のお陰で、地平の加護は変わらず充分な余力を残していて、みづき自身のシキの身体も健在で息も切らしていない。
決着の時が近かった。
神々の異世界に来て、最初の試合の時と同様である。
八百万順列末席のみづきが、順列第二位の多々良陣営を再び打ち破る。
と、格好良く必殺技を決めた余韻に浸り、残心に努めていたそんなとき。
「あっ!? やばいっ!」
みづきは冥子を見たまま、顔を真っ青にして激しく動揺をすることになった。
神鎮ノ花嵐は技の特性上、真下から切り上げる剣の軌跡を辿る。
そのため、冥子の肉体に剣を走らせた際に、立派過ぎる胸を申し訳程度に守る鎧までを真ん中で切り裂いてしまっていたのだ。
当然の結果として、見た目通りの重量を誇る豊かな両乳房が、破損した軽装から解放されて今にもこぼれ落ちそうになっている。
はらりと鎧が落ち、胸を露わにしてしまう冥子の人間形態は筆舌に尽くしがたく艶やかであった。
『三次元印刷機能実行・修復対象選択・《牛頭鬼・冥子の胸部軽鎧》』
みづきはすかさず地平の加護の権能を発動させた。
材料さえ揃っていれば記憶にある器物を作成できる能力を使い、冥子の胸を覆う鎧を直しに掛かる。
みづきが慌てて手をかざすと、真っ二つに切れたはずの胸部鎧の切断面が独りでにくっついて元通りとなった。
すんでのところで、神聖な天神回戦に卑猥な危機が訪れるのを防いだのである。
必殺と銘打った剣で切りつけておいて、今更過ぎる心配だったことは言うまでもないが、それはそれ、これはこれだ。
「ふぅ、危ない危ない……。冥子の裸をみんなに見られちまうとこだったよ……」
冷や汗を拭って心底ほっとしていたみづきは、ふと視線を感じて顔を上げる。
「うひっ!? 冥子っ……!」
するとそこにはかんかんに怒り、頬をひくつかせる冥子の恐ろしい顔があった。
みづきはぎょっとしてたじろいだ。
「みぃづぅきぃぃぃっ……!」
今の一手では勝負は着いていない。
まだまだ冥子との戦いは続行中だ。
地獄の獄卒鬼の頑丈さは流石で、中途半端に傷を負わせて怒りを買った。
但し、冥子が苛立ちに震えるのはそれだけが原因ではなかった。
「……ど、どこまで私を舐めれば気が済むの!? 肌を衆目に晒すからって、敵に鎧を直してもらったなんて生まれて初めてよっ! 屈辱よっ、許さなぁいッ!!」
激情する冥子は怒り半分、辛さ半分の顔をして目に涙を浮かべていた。
大技を決められた挙げ句、装備が剥がれそうだからと丁寧に対戦相手に直されたなど、これだけの目がある前でみっともないことこのうえない。
「お、落ち着けって! 俺は冥子が恥を掻いたらいけないって思って……」
「うるさいっ、無用な気を回すなっ! もうお遊びはお終いよぉっ!」
みづきの弁明を聞く耳持たず、冥子は雄叫びをあげる。
黒い瘴気をあげて、勇ましくも美しい人の姿が化け物のそれに変じていく。
見る見るうちに身体が巨大化して地獄の鬼の本性へと戻った。
白と黒の斑模様、ホルスタイン柄の牛頭の再登場である。
そして、鬼の巨躯と重さに脆い剣の森は耐えられない。
すぐさま音をたてて崩壊を始めた。
その破壊は森全体へと瞬く間に伝播する。
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァーンッ……!!
粉砕音を轟かせ、粉々に砕け散った剣の葉の刀葉林は役目を終えて地面の下へ、地獄の奥底へと消えていった。
沈む鉛色の森を背景に、戦場は地上へと戻る。
ずしんっと重々しい着地音をたてて大地に立つ冥子と、ひらりと軽やかに地面に降り立って背の翼をしまうみづき。
二人はまたも相まみえる。
「モォウッ、ただじゃ置かないんだからっ! みづきっ、さっきのお返しよっ! 本気の私のこの技で、叩き潰してあげるわッ!」
荒い鼻息を吹き出して、冥子は次なる地獄の力を召喚する。
にわかに足下の地面から黒く歪曲した直線的な光が発生し、激しく流れ出した。
それは黒い電光で、冥子の呼び出した黒き雷である。
みづきはその黒い雷を見て顔色を変えた。
覚えがあったからだ。
「行くわよっ! まみお様と同じに、ぺしゃんこになっておしまいッ!」
甲高く叫び、金砕棒に黒い雷を巻き付かせ、大きく真上に振りかぶる。
これは冥子の必殺技。
雷をまとった金砕棒を、冥子の全力で打ち下ろす会心の一撃である。
先の試合で、まみおにとどめを刺した因縁の大技だ。
「……」
それをうろたえることなく、黙って見上げるみづきは何を思うのか。
ちらり、とまみおの見ている観客席に視線をやり、戻した。
そして、不滅の太刀を立てて構え、もう片方の手の甲を刃の背中に押し当てる。
斬り掛かる構えではない。
見るに明らかな防御の構えである。
「みづき、馬鹿者っ! それはその鬼の大技じゃっ! 受けてはならぬっ!」
冥子の必殺技を受けて立とうとするみづきに、日和は立ち上がって叫んだ。
何故か、あえて、回避せずに真っ向から防御をするという手段を選ぶ。
黙する多々良の隣、いつもの調子に戻った慈乃が鼻で笑った。
「どうやら日和様のシキは気が触れたようですね。地獄の雷を伴った冥子の渾身の一撃は、この私でさえまともに受ければ手傷を負わされるというのに」
自分ではなく冥子が活躍するのは面白くないが、みづきが目の前で無残に倒されてしまうほうが気分が良い。
これで少しは気が晴れる、慈乃はそう思っていた。
みづきの判断をおかしく思うのは冥子も同じだ。
「良い度胸ね、みづきっ! これを受けられると思っているなんて、つくづく私も舐められてしまったものだわ! 後悔しなさいな、地獄の底でっ!」
揺るぎなく逃げようとしないみづきに、冥子は殺意剥き出しに打ち掛かった。
唸りを上げて、天に突き掲げた金砕棒を雷もろとも振り下ろす。
バリバリバリッ、と放電の輝きが四方へと散った。
「えええええええええぇぇぇいッ! 奥義っ! 電光鼓ぃッ!」
「来ぉいっ! 冥子ぉッ!!」
叫び合うみづきと冥子。
ぶつかり合う不滅の太刀と雷の金砕棒。
落雷そのものの轟音と衝撃が二人の間で大いに炸裂した。
ドドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォンッ……!!!
冥子の巨体から繰り出されたとてつもない一撃は、間違いなくみづきを強く打ちのめした。
いくら刀で防ごうとも、この重量と速度の打撃はどうにもならない。
ちっぽけなみづきは、まみお同様に潰されて一巻の終わりである。
静まり帰った会場の観客全員がそう思ったことだろう。
「み、みづき……! なんで避けないんだよ……!」
泣きそうな顔をして思わず声を漏らすまみお。
あれを受けた自分だからわかる。
みづきでもきっと耐えられない。
見た目ど派手な決まり手に、あえなく勝負が終わってしまったかに見える。
「……」
当の冥子は両肩を細かく揺らしていた。
勝利した歓喜に打ち震えている。
いいや、そうではなかった。
打ち込んだ自分が真っ先に気付き、その結果に驚いてわなないているのだ。
「な、な……!」
赤い目を見開いて金砕棒の下にある、確かなみづきの感触に愕然とした。
倒し切れていない。
それどころか、自分の必殺の奥義が途中で止まっている。
電光鼓は、ものの見事に防がれてしまっていたのである。
「なぁにぃっ!? う、受け止めたですってぇぇっ!? 嘘でしょおっ……!!」
冥子の絶叫を聞きながら、雷と金砕棒と受けたみづきの口許は笑っていた。
防御の態勢のまま、二の足でしっかりと立ち、五体満足の無事でいる。
「……ちょっと痺れたけど、どうやら俺の読み通りだったみたいだな!」
金砕棒越しに冥子の狼狽を感じつつ、みづきは不敵に呟いた。
冥子の大技を受ける寸前、みづきは地平の加護を発動させていた。
無論だが、無策で捨て身だった訳などではない。
それは確かな考えと洞察の結果による、正しい判断であったのだ。
『対象選択・《シキみづき》・洞察済み対象を基に特質概念を構築』
『《獄卒鬼・馬頭の牢太》・キャラクタースロットへの挿入完了』
新たな特質概念を自らに付与していた。
忘れもしない天神回戦一戦目の対戦相手、冥子と同じく多々良陣営のシキ。
地獄の獄卒鬼、馬頭の牢太である。
『ウオオオオオオォォォォーーーーッ!!』
「ええっ! ろ、牢太っ!?」
さらに驚いて大口をあんぐり開けた冥子の目の前、地面の下から自分と同じ程度の大きさの影が、雄叫びをあげながらみづきの背後に堂々と立ち上がった。
毎日顔を合わせている獄卒鬼の相方、牢太の屈強な巨体が突然に出現した。
みづきの傍ら、概念体のまみおが腕を組んで得意そうな顔をしている。
化け狸の変化術を自由に操れる今のみづきなら、牢太の幻影を見せる幻術も使い放題で、以前のように幻を投影するスクリーンも必要ない。
「な、何故ですッ!? どうして冥子の技で倒れないのですかッ!? そ、それにあれは牢太ではありませんかっ! ど、どういうことですかっ、日和様ッ!?」
「ええいっ、私に聞くでないわっ。みづきの考えつくことなど私には見当もつかんのじゃっ……!」
驚いているのは慈乃も同じで、詰め寄られた日和にも何が何だかわからない。
ぽんと手を打った多々良には種がわかったようで、感心に目を細めている。
「なるほど、同じ獄卒の鬼なら冥子の技にも耐えられる、そういうことなのだね」
その頃になって、みづきがまだやられておらず、反撃が開始されたことに場内は再びの熱気を取り戻していた。
大きな歓声がワァッとあがっている。
みづきはもうすでに牢太を洞察し終え、地獄の鬼の特性を看破していた。
手持ちの金砕棒どころか、身体中に雷を伝えても冥子自身には影響がなかった。
それなら、同じ地獄の鬼の牢太にも雷が効かないのは至って普通の道理である。
まして、地平の加護を用いた本物の雷の直撃に対しても牢太は耐性を持っていたのをみづきは知っていたのだから。
あとは自分と特質概念たちと力を合わせ、物理的な攻撃を凌ぐだけでいい。
『我は死馬の骨などではないぞぉっ! 冥子ぉっ!!』
牢太の概念体が吠え、それに合わせてみづきは金砕棒を力任せに押し返す。
記憶から声を再現するだけでなく、みづきが思い描く言いそうな台詞を概念体に喋らせることもできるようだ。
多分、牢太はそんなことを言っていない。
「こりゃ面白い。──さぁ冥子、今度はこっちの番だぞっ!」
「み、みづきっ……! あ、ああぁっ……!?」
そこからみづきの一気呵成の反撃が開始された。
牢太の豪腕剛脚の力が加わり、最早冥子に力負けをしない。
剣を振るって自分の何倍もある長大な金砕棒を弾き返し、仰け反って体勢を崩す冥子に飛び掛かった。
みづきも力を込めた打ち下ろしを叩き込む。
「……んぬぅッ!!」
かろうじて金砕棒を真横に構えて、冥子はみづきの刀を受け止める。
しかし、その手に掛かる斬撃の重さは尋常なものではなかった。
自分に比べて一回りも二回りも身体の小さいみづきの剣を受け、冥子の足は地面に沈む。
質量と力の大きさが、見た目と全く釣り合っていない。
「ど、どこにこんな力が……! さっきまでとは、全然違うじゃないのよっ……!」
焦燥の声を漏らす冥子の眼前に、顔中に光の線模様を浮かべるみづきが迫った。
その目には戦いの高揚にぎらつく好戦的な光が灯っている。
立て続けに地平の加護が追撃を加える。
文字通り、嵐のように。
『対象選択・《シキみづき》・洞察済み対象を基に特質概念を構築』
『《父・佐倉清楽》・キャラクタースロットへの挿入完了』
『特質概念体・《父・佐倉清楽より技能再現》・効験付与・《神鎮ノ花嵐》』
アイアノア、まみお、牢太、劣化再現の慈乃に加えて、思い出の中の父を呼ぶ。
相変わらずのネクタイとスーツ姿に、真剣を構えるへんてこな佇まいである。
手にあるのは刀で、それはみづきが複製した概念の、不滅の太刀だ。
清楽の概念体は優しげな顔でみづきを見上げ、刀を頭上に掲げる動作をした。
すると、清楽の足下から退魔の光である花弁が群れを成して湧き上がり、空一面に広がっていく。
『特質概念体・《エルフ・アイアノアより技能再現》』
『効験付与・《風魔法・エアソード》』
続けざまに、清楽の後ろにアイアノアが姿を現し、得意の風魔法を巻き起こす。
鋭利な空気の刃でかまいたちのように敵を切り裂く一陣の風である。
長い金髪を揺らし、超自然の申し子たる彼女から意思を持った嵐が吹いた。
風の刃は清楽の起こした退魔の花弁たちを共連れ、身動きの取れない冥子に一斉に襲い掛かる。
それはさながら、聖なる剣技と幻想の魔法との共演であった。
『効験合成・《退魔の太刀風、──吹放花吹雪』
「あああああああああああァァァァッ……!? か、身体が灼けるぅッ……!」
みづきとの力比べの最中で、冥子に為す術はない。
真正面から一方的に自分だけが魔を払う聖なる力の直撃にさらされる。
鋭さを備えた光の花弁が風に乗せられ、冥子の身体を切り裂き、焼いていく。
鬼の巨躯が揺らいだ。
もう一押し、みづきはさらに地平の加護を使う。
身体中を駆け巡る回路模様がより一層強く輝いた。
『特質概念体・《化け狸・まみおより技能再現》』
『効験付与・《変化宿し》・《亡霊武者召喚》・同期完了』
空中で冥子と剣を合わせるみづきのすぐ後ろ、概念体のまみおが現れる。
投げ放った呪印の木の葉で変化術を施し、髑髏顔の亡霊武者を呼び出した。
その数は三体で、まみおが呼び出せる限界とする概念の表れである。
概念体が召喚した概念体の力が寄り集まってみづきへと合一、出力を合算する。
結果、さらなる重さと威力がみづきの剣に宿ることになった。
まみおが、三体の亡霊武者が、そしてみづきが揃って剣を大きく振り上げた。
「えええぇぇいッ!!」
ガギイィィィィィィィィィィィィィーンッ……!!
気合いの声と共にもう一度、不滅の太刀を冥子の金砕棒に叩きつける。
瞬間、剣と金棒との打ち合いとはとても思えないほどの大音響と、巨大な何かが激突してきたかのような凄まじい衝撃が起こった。
それらはみづきが全力を結集させて放った一撃が生んだものだ。
まともに受けてしまった冥子はひとたまりもない。
「あ、あっ……! あぁーれぇーッ……!!」
堪えきれずに冥子は押されるがまま後ろに大きく仰け反ると、勢いもろとも派手に倒れていく。
巨体の背を地に着け、金色の天を仰いだ。
どしぃんっ、と地を轟かせて仰向けになり、がらんがらん、と音を鳴らして手を離れた金砕棒が転がっていった。
みづきの前には大股を広げてぶっ倒れる冥子の大きな肢体。
腰布が大っぴらにまくれ上がったあられもない格好なのだが、生憎と今は恐ろしい牛頭鬼の姿に戻ってしまっている。
股ぐらの全開状態に冥子は羞恥の悲鳴をあげた。
「いやぁんッ……!」
「う、嬉しくない……」
それを見てみづきはげんなりと顔をしかめる。
その瞬間、ひときわ騒々しい歓声がまたも方々からあがった。
「みづきぃーっ! 良いぞー、その調子じゃぁーっ! やぁってしまえーっ!」
日和も興奮して赤い座布団の上でぴょんぴょん跳ねている。
多々良は微笑んだまま表情動かないが、慈乃は心底面白くない顔をしていた。
「みづき、すげぇ……! あのでっかい鬼をひっくり返しやがった……!」
ほっかむりのまみおも感嘆の声をあげ、すっかりと目を奪われている。
今やもう、会場中の目はみづきの活躍に釘付けであった。
この勝負の大勢は誰の目にも明らかなほど決しつつある。
小さな身体のみづきが大きな身体の冥子を打ち倒した鮮烈な絵が、勝敗の行方を強く物語っている。
太極天の恩寵による黄龍氣の無限供給とアイアノアの太陽の加護のお陰で、地平の加護は変わらず充分な余力を残していて、みづき自身のシキの身体も健在で息も切らしていない。
決着の時が近かった。
神々の異世界に来て、最初の試合の時と同様である。
八百万順列末席のみづきが、順列第二位の多々良陣営を再び打ち破る。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
妻が女神になりまして!?~異世界転移から始まる、なんちゃってスローライフ~
玉響なつめ
ファンタジー
吉田ヨシヤ、四十歳。
ある日仕事から帰ると妻が待っていた。
「離婚するか、異世界に一緒に行くか、選んで!!」
妻の唐突な発言に目を白黒させつつも、愛する女と別れるなんて論外だ!
だがまさか妻の『異世界』発言が本物で、しかも彼女は女神になった?
夫として神の眷属となったヨシヤに求められているのは、信者獲得!?
与えられた『神域』は信者獲得でレベルアップした妻により、どんどん住みよくなっていく。
これはヨシヤが異世界で手に入れた、夢の自給自足生活(っぽいもの)の物語……のはずである。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる