二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~

けろ壱

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第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~

第171話 神水流夕緋との再会

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■大いなる災い

 記憶の映像は先に進んでいた。
 暗転した暗闇の前で、三月と雛月は空中に浮かんだような格好で待っている。

 ただ、次の記憶が再現される気配は無い。
 永遠とも思えるどす黒い闇が渦巻いているのみである。

 両目を閉じ込んで辛そうな顔をしている三月を横目に、致し方ないといった感の雛月が助け船を出して言った。

「次は朝陽が命を落とすことになる災いなのだけど……。真っ暗で静かだね。何も見えないし、何も聞こえない。やっぱりまだ思い出すのは怖いかい?」

「うぅ、すまん……」

 雛月に責めるつもりがないのはわかっていたが、三月はひどく惨めで申し訳ない気持ちになっていた。

 真っ暗で沈黙の光景は、三月の覚悟ができていないがゆえの産物なのである。
 この記憶のブラックアウトはまさにそれを物語っていた。
 あの時を思い出すと、やはりまだ恐ろしくて全身の震えが止まらなくなる。

「わかった、いいよ。じゃあ、軽く説明するだけにしておく」

 雛月は三月の心身の状態を鑑みて、過去を振り返るのを強要しない。
 地平の加護の宿主たる三月自体が、またあのときのように壊れてしまっては元も子もない。

 何より、朝陽の心に触れてしまった雛月は三月が心配でならないのだろう。
 寄り添い、その丸まった背中を優しくさすりさすり、言葉を続ける。

「日和亡き後、三月の故郷に運命の時が訪れる。朝陽の命はこの時に失われ、三月の人生は滅茶苦茶めちゃくちゃに狂ってしまった。……後はよく知る通りだよ」

 三月が心を閉ざしているせいで何が神巫女町かみみこちょうに起こったのかは未だ不明である。
 ただ、パンドラの地下迷宮の深奥に打ち捨てられ、廃墟と化した故郷の悲惨な姿を見れば、何があったのか想像をするのは難しくはなかった。

「現実世界の三月からすれば、もう「あれ」は済んだ話だけれど、この神々の世界からすると未来の話になる訳だから、そのとき日和の身に何が起こったのか……。想像はできるよね、足掻いて足掻いて、その先でどうしようもなくなって、敗北の眠りについてしまったのだろうさ」

 傷心の三月に雛月の言葉はまるで容赦が無かったが、せめても慰めに背を撫でる手だけは止めなかった。
 そんな優しさとは裏腹に、雛月は決定的な結論を言葉にする。

「だから、神巫女町に夜宵の神威しんいはまともに襲い掛かってきた。創造を伴わない、純然たる破壊の災禍に見舞われてしまったんだ」

 突き刺さる事実に三月は顔を伏せ、何も言うことができずに黙ったままだった。
 暗闇の向こうにどんな凄惨な記憶が映っていたのか。
 恐怖の感情と深い心の傷が邪魔をして、今の三月にはどうしても思い出すことはできなかった。

 夜宵が破壊をもたらし、日和は創造を為し得なかった。
 暗黒の帳の向こう、過去の三月と夕緋の慟哭どうこくの声が聞こえたような気がした。


■故郷を捨て逃げ出した先で

「俺は逃げ出すみたいにあの場所──、神巫女町を後にして一人で県外へと出た。誰にも行き先を言わずに、もう戻らないって決めていたんだ」

「目を背けたくなる現実だらけだったからね。無理もないよ」

 沈痛な面持ちで押し黙っていた三月は重々しく口を開いた。
 雛月に気を遣わせるのを何とも心苦しく思う。

 災禍が過ぎ去り難を逃れた三月だったが、もう生まれ育った故郷に留まり続ける理由をすっかりと無くしていた。

 すべてを捨て、外の世界へ出て行こうとするまでそう時間は掛からない。
 三月はそれを逃げ出した、と表現していた。

 災いの後、間もなく三月は県外へと出て、同じく生き残った夕緋とも何年もの間を会っていない。
 天涯孤独てんがいこどくに、全部忘れて一人で過ごす毎日を送った。

「三月は働き者だね。ぼくはいつも見ているよ」

 仕事に就ければ何でも良かったが、職安(公共職業安定所)で話をしたところ、地元の電子組み立ての会社を紹介してもらい、期間工で入社して以来、工場勤務を続けている。

 持ち前の真面目さで何年か勤めた後、正社員登用試験に合格し、今では勤務帯の班長を任されるようになっていた。

 三月の不幸な事情を会社側がよく理解をしていて、若い孤独な身の上を温かく見守ってくれていた。
 元々の温厚な性格から人間関係も良好だった。
 会社や同僚の配慮は、三月にとって大変ありがたいものであったが、それが故の心苦しさを感じていたのも事実であった。

 仕事の合間の休憩時間。
 机と椅子が並び、自動販売機と電子レンジが配置された簡素な休憩室の隅で、三月はいつも一人でぼうっとおとなしくしている。
 その様子を見つめる雛月はやるせなさそうに眉尻まゆじりを下げた。

「休憩時間独りぼっちでいるのは、見ててちょっと切なくなるなぁ。ぼくが一緒に居てあげられればいいのに。そしたら少しは淋しくないだろう?」

「会社で女子高生とおっさんが一緒とか、変な噂が立つどころか色々と問題になるからやめてくれ。まったく、会社にいられなくなるっての……」

 本気か冗談かわからない雛月に、三月は気の抜けたため息で答えた。
 一人きりでいることに三月はさして苦痛を感じている訳ではなかった。

「それに、一人で居るほうが楽なんだよ。みんないい人だから、俺の境遇にやたら気を遣ってくれるんだけどな。──それはそれで、なんか窮屈きゅうくつでな」

「ふぅん。まぁ、それはそうかもね」

 気持ちを察したようで、雛月も仕方なさそうに納得していた。
 傷心の三月は手厚く構われるより、そっとしておいて欲しかったのだろう。
 分身の雛月にもその気持ちは当然理解できた。

 かくして、運良くすぐに職が見つかり、先だって契約していた現在の住居であるアパートという生活規範を手に入れることができた。
 三月はそうして、不幸を迎えた日から10年の歳月を過ごしたのであった。

 その途中でのことだった。
 懐かしき同郷の幼馴染みに再会するのは。

 あれは木枯らしが吹き始める秋も終わりの寒い日のことであった。
 日も暮れて、仕事を終えた三月は帰途につき、自宅アパート2階への鉄製階段をカンカン、と音を立てて上がり終える。
 そして、2階通路の奥から2番目の自室の前を見て足が止まった。

「あっ……!」

 三月は思わず声をあげた。

 自室のドアに寄りかかって背中を預けている、長い髪の女性の姿がある。
 女性は帰宅した三月に気付くと、姿勢を正して両手をお腹の前辺りで組んで深くお辞儀をした。

 階段を上がった所で棒立ちになっていた三月は、おろおろしながらお辞儀を返すとゆっくりと女性のほうへと近付いていった。
 徐々に距離が狭まり、懐かしい顔が誰のものであったのかを鮮明に思い出す。

「──まさか、夕緋ちゃんか?!」

 驚いた三月がそう声を掛けると、女性のきゅっと結んでいた口が緩み、安心したみたいに表情に笑みを浮かべた。
 どこか影のある、暗い笑顔だった。

「み、三月、さん……。ご無沙汰してます、私のこと覚えててくれたんですね」

 もう一度改めてお辞儀をするのは、他でもない同郷の幼馴染み、夕緋だった。
 何の言伝ことづても残さず一方的に別れた末、それから一切の連絡を絶ち、何年も会ってはいない。

 長く付き合いの無い離れていた期間がそうさせるのだろう、いつの間にか大人になった世慣よなれのすれた態度は夕緋の言葉遣いに表れていた。
 ただ、容姿を含めた自分のことを覚えていてもらえて夕緋は嬉しそうだった。

「そりゃ、幼馴染みの顔を忘れる訳ないよ。でも、どうして──」

「──あ、あの、偶然、街で見かけて、もしかしてって思って……。失礼かなとは思ったのだけど、ここの大家さんにお伺いして、それでっ……」

 突然押しかける形になり、部屋の前で待ち伏せしていたことを夕緋はひどく気にしている様子だ。
 聞いてもいない弁明をあたふたと口にし、恐縮している。

「あ、いやいやっ……。そ、それは、全然構わないんだけど……」

 しどろもどろになる三月だったが無理もない。

 長く会わない内にすっかりと大人になった夕緋は、本当に綺麗で成熟した女性へと変わっていた。
 一段と長くなった黒髪はつやがあってさらさらであり、化粧を覚えて大人の色香を漂わせる顔は憂いを帯びてとても美しい。

 と、三月のこらした視線がたまらなくなり、夕緋は赤面して顔を伏せてしまう。

「は、恥ずかしい……。そんなにじろじろ見ないで、ください……」

「あぁっ、ごめんよっ……!」

 三月は見違えて美女となった夕緋から慌てて視線をそらして泳がせた。
 学生の頃から十分清楚で美麗な容姿だったが、さらに磨きが掛かっている。
 そっぽを向いて固まる三月に、夕緋はぽつぽつと言った。

「何年ぶり、かな……。また、こうして会えるなんて、とっても不思議です……。三月さん、急にいなくなってしまったから……」

「それも、ごめん……」

 あらぬ方向を向いた顔はそのままに、夕緋と目を合わせられずに三月は謝った。

 逃げ出すように故郷を離れたことを三月もまた気にしていた。
 同郷のよく知る人物に会ったのならその気持ちは尚更強く感じるというものだ。
 三月の落ち込んだ様子を見て、夕緋は儚げに微笑んだ。

「謝る事なんてない、です。私もこっちへ出てきました。……神巫女町あのまちにはもう、私の居場所はありませんでしたから」

「夕緋ちゃん、そっか……」

 打ちひしがれる夕緋の言い方に三月も何となく察する。
 故郷に居場所を失ったのは何も三月だけではないのだろう。

「……」
「………」

 肌寒い静かな夜風に吹かれ、二人はドア照明の明かりに照らされている。
 微かに見つめ合ったまま、しばらくお互いに沈黙を続けていた。

 意に決して夕緋は声をあげる。
 それは、何故か突拍子もなく聞こえた。

「あの、三月さんっ。もし、良かったら、またあの時と同じように、そのっ──、お、お友達でいてくれない、ですか……?」

 両の拳を握りしめ、身体を震わせ、必死な表情で夕緋は言った。

 言葉の内容はともあれ、それは愛の告白でもするかの勢いだった。
 見た目も年齢も申し分の無い大人なのに、勇気を振り絞ったその姿は妙に子供っぽく見えた。
 一瞬面食らうが、三月にはそれを断る理由もなければ、今更のことでもある。

「あ、ああ、もちろん構わないよ。故郷を捨てて逃げ出した俺を、まだ友達だって思ってくれるんならね……」

 自嘲に悪びれる三月の顔を見つめ、夕緋はほっとした安心の表情を浮かべると、首をゆっくりと左右に振って答えた。
 朗らかに破顔する。

「あぁ、良かったぁ……。もしも振られてしまったらどうしようかと思いました。あっ、じゃあ、三月さん、今日のお夕飯は決まってますか? せっかくだから一緒に食べません? 私、張り切ってつくりますよ!」

 そう言うと、足下に置いていた厚手の黒いショッピングバッグをいそいそと取り上げる。
 開いた中にはすでに買ってきていた食材がたっぷり詰まっていた。
 白菜に長葱、豆腐にえのき茸、豚肉やら色々具材に加えてメーカー製の鍋の素。

 三月はその献立こんだてに嬉しそうだが渋い顔もする。

「鍋かぁ、いいね。あっ、でもごめん。うち、肝心の鍋が無いんだよ……」

 一人暮らしで大勢で食事をする習慣がない三月は、皆でつつける鍋自体を持ってはいない。
 せっかくの夕緋の申し出なのにどうしたものかと思っていると。

「大丈夫です。そんなこともあろうかと、お鍋自体も用意してますから」

 すると、夕緋は足下に置いてあったもう一つの鞄をひょいと持ち上げて見せる。
 中身は当然みたいに土鍋で、2人で食べるには十分な容量がありそうだ。

 食材が入った袋を片手に持ち、もう片手で土鍋やら、お玉や菜箸等の調理器具に加えて、自分と三月の分まで取り揃えた食器が入った鞄を持っている。
 準備が良いのにも驚かされるが、それらを平気で持ち上げていられる夕緋はそういえば随分な力持ちだったものだと思い出さされた。

「うはっ、準備いいなぁ。夕緋ちゃん、そういうところは全然変わらないね」

「うふふっ──。じゃあ、お邪魔させてもらっても構わないですか?」

「うん、歓迎するよ。……何か悪いね、後で俺もお金出すよ」

 笑顔で頷く夕緋を、二つ返事で部屋に招き入れる三月。

 和気藹々わきあいあいとしながら二人はアパートの部屋の中へと消えていった。
 それを、少し離れた空の上から見送った三月と雛月。
 愉快そうな、それでいて何だか軽薄そうな調子の雛月が言った。

「ふぅん、これが三月と夕緋の、久方ぶりな再会風景だった訳だ」

 三月のほうを見ずに、淡々と饒舌じょうぜつに取って付けた風の台詞が回る。

「故郷を離れたこんな所で夕緋と再会できたのは幸運だったね。いや、本当に凄い偶然だよ。夕緋も三月に会いたくて会いたくてたまらなかっただろうしさ。運命の二人がまた出会えたのは必然だったと言ってもいいくらいだ」

 また腕組みをしてふんぞり返り、閉じた部屋のドアを見下ろしている。
 勢いそのままで雛月は続けて言う。

「三月と食事をご一緒したくて調理器具やら自分の食器まで買い揃えてるなんて、用意周到なのを通り越して執念を感じるね。流石は夕緋だ、抜け目がない」

「雛月?」

 怪訝そうに見やる三月に構わず、雛月は声高にどんどんまくし立てる。
 様子がおかしいのは一目瞭然だった。

「狭い部屋で見ればわかるとはいえ、三月が何か言うまでもなく、照明のスイッチがどこかわかってたり、洗面所とトイレの場所の区別が付いてたり、初めての訪問だったのに関わらず、勝手見知ったるてきぱきとした調子だったのには本当に頭が下がる思いだよ」

 当然この後、部屋の中で三月と夕緋がどうやって過ごしたかを知っている雛月は矢継ぎ早に状況を話し出す。
 三月はぎょっとしていた。

「おい、雛月、どうし──」

 そう言い掛けたところで、ぐるんっと急な首の動きで雛月がこちらを見た。
 ぎらぎらとした光の目で三月を見つめている。

「夕緋の一途で積極的な愛情表現には参っちゃうよね。押しも押されもしない夕緋のこの勢いで押されちゃあ、もう三月も観念するしかないねっ。知ってる? 実はもうこの時すでに、夕緋が施してくれた魔除けの結界が部屋の中にあったんだよ。手厚い配慮には恐縮しちゃうね。いやはやまったく、参った参った!」

 あっはっはっは、と半ばやけくそ気味な雛月の高笑いは妙に乾いていた。
 と、不意にすっと冷めた顔になり、表情が消えた。
 俯き加減に三月を上目遣いに見上げ、低い声でゆっくりとそれを言った。

「──ねえ、三月」

 もう雛月は笑ってはいなかった。

「変なことを言い出したと思わず、真面目に聞いてくれないか」

 言い聞かせ、身構えさせるよう念を押す。

「答えなくていいから、ちょっと考えていて欲しいんだ」

 わざわざ言葉を切りながら、雛月は冷えた声の言葉を並べると次に言った。
 今まで三月はそんなことを考えたことすらなかったというのに。

「行方を眩ませたはずの三月に、夕緋が再会できたのって偶然だと思う?」

「雛月……?」

「──本当に偶然だと思う?」

 何を聞かれたのかわからない三月に、雛月は被せて強調するように問い掛ける。

 意味ありげな鋭い視線が、三月の瞳の奥を心の底まで見通すまで貫いていた。
 詰め寄ってくる雛月に圧倒されつつ、不本意ながら抑えられない衝動に突き動かされて今頃になって思い返してみる。

──確かに、俺は故郷を出るとき、誰にも行き先を告げてきてはいない。県外のこの新しい住処すみかを決めてからもそれは同じだ。そもそも、俺を知ってる人がいない所へ行こうって思ったのが始まりだしな。だけど、夕緋は俺と再会できたのは偶然だって言っていた。雛月はそれを疑っている、──いや違うな。俺に疑いを持てって言ってるのか?

 何故、どうして、と考えるのは後回しにしようと思った。
 聞いても雛月はきっと答えてくれはしないだろう。
 思えば、初めて至る発想に考えを巡らせてみる。

──偶然じゃないって言うんならどういうことだ? 何年も時間はあった訳だし、俺を探して方々をしらみつぶしに当たったのか、何らかの伝手つてを頼ったのか、或いは興信所みたいな専門家に依頼でもしたのか。いや、それよりも……。

 得体の知れない胸騒ぎがするのを感じた。
 多分それは、今だからこそわかる事実が原因だろう。

 夕緋と一緒に居るはずの、ダークエルフのフィニスと蜘蛛の着物の男の存在。
 おそらく、二人が夕食を楽しんでいたときもきっと傍らに居て、言葉無くじっと監視していたに違いないのだ。
 そう思うとぞっとして背筋が寒くなった。

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