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第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~

第161話 日和の怒り

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 一度は逃げ出したと思っていたまみおがまた帰ってきた。
 そういえばそんな約束をしていたと思い出す。

「約束は約束だからな。みづきが知りたがってた、大昔に日和様と夜宵様が戦ってたっていう悪い神様のことを教えてやるよ」

 得意げな顔で秘密を教えてくれようとしているまみお。
 これでまた一歩、異世界渡りの物語の核心に迫れる手応えを感じるみづき。
 と、まみおの言葉に、塞ぎ込んでいた日和の背中がぴくりと震えた。


「日和様と夜宵様と敵対してたのは、二人の女神様と同じ土地に密かに祀られてた古い古い神様でさ。確か名前は、や──」


 まみおがそこまで言い掛けたときだった。
 にわかに金色の空に強い閃光が走った。
 それが歪曲した直線の稲光で、攻撃的な意志を持つ落雷だと気付いたのはすぐ後のことだった。

 至近距離で炸裂する光と衝撃、何よりの凄まじい轟音。
 ガラガラガラッ、ピシャアァーン、という空が破ける音が間近で響いた。

「ぎょええええええええええええええええええええええぇぇぇーっ!!」

 まみおの頭上にまともに雷が落ちてきた。
 天罰と言うばかりの直撃雷ちょくげきらいに、悪さを働いた狸の神は断末魔だんまつまの絶叫をあげた。

 あまりの突然のことに、みづきも後ろに吹っ飛んで尻餅をついて腰を抜かす。
 一瞬の雷が去ると、後には黒焦げなった毛玉のまみおがぶすぶす煙をあげながら仰向けの大の字でのびていた。

 恐る恐る振り返るみづきの視線の先。

「……度重なる私への無礼の返礼じゃ。受け取るがよい」

 そこには、すっかりと髪型も服装も元の状態に正した日和の立つ姿があった。
 しかし、明らかにその様子がおかしい。

 普段は少々緩んだ丸い童顔の可愛らしかった表情は、今は眉根を上げて冷たく引き締まり、朱色の目弾めはじきがその眼差しをさらに強調している。

 何と言っても日和の全身を包む、神通力の衣というべきか神々しいまでのオーラが目に見えて揺らめき、振るわすほどに空気を張り詰めさせていた。

「ひ、日和……?」

 みづきは座ったままで、まだ状況が掴めないでいた。

 不意に高まる緊張感のなか、日和はまみおに向けていた人差し指をすっと下ろす。
 その指先はバチバチッと光り、余剰の電光をまだ放っていた。
 今、まみお目掛けて雷を落としたのは間違いなく日和だろう。

「あと! 私の前でそやつの話をするでない! 断じてじゃ!」

 ドスの利いた重苦しい声が衝撃波のように広がった。

 みづきは日和のそんな声を一度だけ聞いたことがあった。
 あれは初めて天神回戦に勝利した後のことだ。

 試合に勝ち、仮初めの元の姿を取り戻した日和の前に妹である破壊の神、夜宵が現れたときである。

 慇懃いんぎんな態度で日和の破滅を願う悪意に、真っ向怒りの感情をぶつけていた。
 そうだ、日和は今、あのとき同様に激しい怒りを燃え上がらせている。
 そこには、普段の腑抜けた調子の日和の面影はまったく無い。

「お、おっ……、覚えてろよーっ! ちくしょーっ!」

 黒ずんだ炭の塊だったまみおは、試合の時みたいにブルブルッと身体を揺すって元通りに復元すると、今度こそ一目散《いちもくさん》に逃げ出すのであった。
 そんなまみおを見送った後、みづきは日和のほうを見て眉をひそめる。

「し、試合の外での喧嘩は御法度ごはっとなんじゃなかったか……」

 冗談っぽく笑い、わざとらしくよっこいしょ、と言いながら腰を上げるみづき。
 但し、日和は視線をこちらに寄越さず何も答えない。

 ゆっくりとした動きで日和の首がすぅっと動き、冷徹なままの目つきがみづきを真っ直ぐに見つめた。
 その声は妙に冷えていて、心身の奥底まで凍り付かせる怒気を感じさせた。

「さて、みづき……。どういうことなのか教えてくれぬか?」

 みづきはごくりと唾を飲み込むと、冷たい汗が額に浮かぶのを感じた。
 刺し貫くばかりの威圧を込め、日和の両の目がこちらを睨み付けている。
 そして、ただならぬ緊張感のなか、そのときは訪れた。

「遥か昔、私と夜宵が戦ったあのけがれた野放図のほうず、──蜘蛛くものことなどを、どうして今更みづきが知りたがっておるのじゃ? ……心して答えよ」

 蜘蛛くも、確かに日和はそう言った。
 天神回戦が始まったことのきっかけとなった、日和と夜宵が共に繰り広げていた神々の世界を揺るがした戦い。
 その宿敵、それが蜘蛛である、と。

 地平の加護が新しい情報を得ようと、思考回路に熱を帯びさせ頭の芯を熱くする。
 同時に、差し迫った危機を察知しているのか目の奥でチカチカッと光が点滅し、まるで警鐘けいしょうを鳴らしているかのように視界が眩しい。

「な、なんだよ、日和……。何をそんなに怒って──」

「──答えよと言った!」

 しどろもどろに口を動かすみづきの言葉は強引に遮られた。
 シキのみづきに心臓があるのなら、力強く乱暴に鷲掴わしづかみされたようだ。

 日和の放った大きな怒声に大気が怯えて震えている。
 蜘蛛の存在に迫ろうとしたみづきは、おとなしく眠っていた荒神こうじんを起こしただけでなく、虎の尾を踏むか龍の逆鱗に触れる禁忌を犯してしまったのである。

「いくらみづきの思うところであろうとも、他ならぬあやつに関わることとなればどのような些事さじであろうと看過はできぬ。それゆえ、正直に申せ」

 それは、自らのしもべのシキに向ける目ではなかった。
 憎悪する仇敵と相対した一触即発の鉄火場てっかばの時と同じに。

 少しでも敵意や反意を見せようものなら、一切の迷いも慈悲も無く、ひと思いに天罰を下すことも辞さない恐ろしい目であった。

「……うむぅ」

 みづきは空気の重圧に呻き、改めて認識をし直す。

 日和にとって蜘蛛は不倶戴天ふぐたいてんの敵なのである。
 この様子から、その事実は今でも色あせることなく変わっていないようだ。

──元はと言えば俺の蒔いた種だけど、まみおの言動から思い掛けずやぶをつついて蛇を出しちまったみたいだな。これは不用意な発言は許されない緊迫の場面だぞ。

 みづきはそう思い、努めて冷静に言葉を選んで窮地きゅうちを切り抜ける。
 こんなところで味方である日和に敵視されていてはたまらない。

「……まみおが教えてくれたんだ。日和が今は落ちぶれてるけど昔は凄かったんだぞってな。日和たちとその悪い神様の戦いが激し過ぎたから、天神回戦が始まったんだっていう世間話だよ。そんな話を聞いたら、日和がどんな相手と戦ってたのか気になるだろうが。そんなにおかしなことじゃないだろ、……なに怒ってんだよ」

 初めから何もやましいことなどありはしない。
 下手に嘘を言うより、当たり障りのないことだけを正直に言えばいいのだ。

 日和が他者の心を読む神であるなら隠しようもないが、実は蜘蛛とおぼしき怪しい存在にもうすでに心当たりがある、などという事実は伏せておくのが正解だろう。

「事情は知らないけど、聞いちゃいけないことだったなら悪かった。謝るよ」

 だから、みづきは何も知らないといった顔をして、主の神が気を悪くしたことについて素直に謝る姿勢を見せ、ぺこりと頭を下げた。

 頭を上げても日和の懐疑的な鋭い目線は変わっていない。
 切迫の空気に押し黙ったまま、みづきも日和も互いを凝視し合っていた。

 どのくらい時間が経過したのかあやふやなほど、長い間そうしていた気がする。
 すると、日和がふぅと長いため息をついた。
 それで緊張の糸はようやくにして弛緩しかんする。

「……そうか、ならばよいのじゃ。変に勘繰かんぐってすまぬ。どうか許しておくれ」

 つり上がっていた眉と目つきは緩み、日和はいつも通り穏やかな表情に戻った。
 みづきも顔と態度に出ない程度に安堵の息をつき、胸をなで下ろすのであった。

 くるりと日和は背を向け、少し振り向き加減に疲れた風に漏らす。
 激動だった昔の記憶を思い出しているのか、その表情は物憂げだ。

「みづき、あのような不愉快な輩のことはもう忘れよ。あやつのことなど、考えるだけでもけがらわしい。……もう帰ろうなのじゃ」

「お、おう……」

 今日の試合の務めは終わり、傷ついたまみおの介抱も済んだ。
 もうここ、太極天の社に留まる理由は無い。
 ただ、みづきは日和の背姿を見て、もう一度喉を鳴らして息を呑んでいた。

 目の前に居る本来の姿の日和は、力を無くしてしぼんでいた小さな日和とは違う。

 まみおのような弱者、敗者を嘲笑ったり、力ある恐ろしい顔を見せたりと──。
 当初抱いていたわがままで身勝手だけど憎めない残念な女神、という日和への印象は少しずつ変化を見せていた。

『女神様にあまり深入りをしては駄目よ! 女神様は私たちの土地を守ってくれていた、ありがたい存在であることに間違いはないけど、人間の私たちが向き合っていいような生易しいお相手ではないわ……!』

 ふと、神と関わるのを必死な思いで憂慮ゆうりょしていた夕緋の顔がよぎった。
 あれはきっとこういうことだったのだろう。
 その片鱗を味わった気分だった。

 但し、もう今となっては後戻りはできようもなく、するつもりもない。
 付き合い方に気をつけよう、と思い直し、夕緋の警告は留意するに済ませた。
 危険な綱渡りだが、下手を打たなければ谷底へ真っ逆さまとはならないだろう。

「あ、ちょっと待った」

 帰ろうとする日和の背にみづきは声を掛けた。
 剣呑な女神への配慮はさておき、忘れずにやっておきたいことがある。

 何事かと振り返る日和の前で、みづきは目の前にそびえる試合会場である太極天の社に向かって深く二度頭を下げ、ぱんぱんと両の手の平を二度打った。

「力を貸して頂きありがとうございます。今は何もできませんが、また今度お供え物でも持って行きます! これからもどうか宜しくお願いしますっ!」

 張り上げた声で言うと、もう一度頭を下げて一礼した。
 みづきがこの世界で試合に勝利し、シキとしてやっていけるのは太極天なる大神が大いなる力を貸し与えてくれているに他ならない。
 だからせめて、感謝の気持ちは忘れないようにしたい。

 姿は見えず、声も聞こえず、この太極山の大地そのものであるとてつもない相手にこの行為がどれほどの意味を持つのかは見当がつかないが、それは神に向き合うみづきにある確かな信仰の心であった。
 夕緋に心配され、脅されたからといってみづきの根っこは揺るがない。

「みづき……」

 一瞬、ぼうっとしていた日和はみづきの信仰の敬虔さを思い出していた。

 初めての試合で勝利を収めたことの褒美として何か願いは無いかと問うと、ぼろぼろに荒れていた自らの神社の再興を願ってくれた。

 神社が廃れているのが気分が悪い、という我欲の無い率直な理由の願いだった。
 日和は独り頷き、何かを決心して表情を引き締める。

「……そういえば、私とみづきも約束をしておったな。此度の試合に勝利を収めたあかつきには、みづきの知りたがっていることを教える、と……」

 そう言うと、みづきが勢いよく日和のほうに振り返った。
 つい先ほどまで険しく詰め寄られていたというのに、みづきときたらそれを差し置いて、待ってましたと子供っぽく喜んでいる。

「おおっ、ほんとかー!? 助かる、日和ー!」

 厳然げんぜんとしていた毒気をすっかり抜かれ、もう一度ため息をつく日和は眉を八の字にして口許に力無い笑みを浮かべた。
 そして、両肘を抱いた格好で申し訳なさそうに言った。

不穏当ふおんとうな言葉で気を悪くさせてしまった詫び代わりと言ってはなんじゃが、約束通り神水流かみづるの巫女、朝陽と私の関係を余すことなく教えよう」

 みづきもその言葉に心弾んだ。
 一時はどうなることかと焦ったが、日和からの疑惑は晴れたようで一安心だ。

「誰がどこで見聞きしているかわからぬ。人目をはばからぬ場所へ行こうなのじゃ」

「わかった、行こう」

 日和は目線だけ左右に行き来させると、くるりと踵を返した。
 みづきもその後に続いて、太極天の社を立ち去るのであった。

 その内密な事実は信頼のおける味方以外、何人たりとも漏洩ろうえいさせられない。
 大地の女神の日和と、大切だった朝陽の関係。

 とうとう一つの真実に辿り着き、その核心に触れるに至った。
 それは他人事では済まされない、みづき自身の運命に関係することだ。
 殊更ことさらに深く──。

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