上 下
17 / 232
第1章 迷宮の異世界 ~パンドラエクスプローラーⅠ~

第17話 覚めない夢

しおりを挟む
「ミヅキーッ! 無事だったかー!?」

「うっぶぅ!?」

 ダンジョンを出るなり、下腹部みぞおちめがけてキッキに全力でタックルを決められてしまった。
 心配をして抱きついてきたのだろうが、獣人の身体能力で突進からのしがみ付きは相当に当たりが強かった。

「あっ、噂のエルフのおねーさんたち!」

 強かに後頭部を地面に打ち付けるミヅキに馬乗りになったまま、キッキはエルフ姉妹の二人に気付いた。
 素早く立ち上がり、畏まって頭を地面に付くくらい下げた。

「このたびは、うちのミヅキが大変お世話になりましたぁーっ! あたしや兵士のみんなも助けてくれて、ありがとうございますぅーっ!」

 身体中で謝意を表すキッキに、アイアノアは笑顔でいえいえ、と応えた。
 エルトゥリンも黙って頷いていた。

「……」

 そんな三人の様子を見つつ、仰向けに倒れたままのミヅキは空を見上げていた。

 日は高い位置にあり、まだ正午の時間というところだろう。
 視界の半分は青空で、もう半分は山肌にせり出したパンドラの入り口とその物々しい装飾たちだ。
 男と女の魔神を表しているであろう畏怖の石像を見上げている。

「……まぁ、いくら何でもちょっとなぁ……」

 誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。

 選ばれし勇者に与えられた大いなる使命は、パンドラの地下迷宮の踏破。
 だが、こんな恐ろしくて危険なダンジョンの攻略など真っ平御免である。

 先ほどアイアノアに愛想悪くした通りで、使命なんてどうでもいいし、危ない目に遭わせられるのなんて論外だ。
 何なら、今からでもこれらは全部夢で、ほら夢だった、使命だの勇者だのは一夜の妄想でしかなかったと、目覚めた後でせせら笑いたいくらいだ。

──何度だって思うよ。こんなときに、こんなところで、こんなことをしている場合じゃないんだ。とてもじゃないけどそんな気分にはなれやしない……。

「あっ、いかんいかん」

 空を見ているつもりだったが、キッキの背中越しに仰向けの自分を見下ろしているアイアノアとエルトゥリンの脚線美が目に飛び込んできた。
 この世のものとは思えない魅惑のローアングルである。

 風にふわふわ揺れるアイアノアのスカートの裾から健康的な太腿がちらつく。
 エルトゥリンの丈の短い衣服から引き締まった筋肉の脚が存在を誇示していた。

 この上ない目の保養だが、あまり見ていては目の毒だ。
 覗きだと思われる前にさっさと起き上がり、背後を振り返ってダンジョンの暗闇を見やる。

「……むぅ」

 またひどい胸騒ぎがする。
 頭の奥が重くもなった。

 危険極まり、妖しい魅力を放つダンジョンだからという理由だけではない。
 ミヅキはこの巨大な地下迷宮が何故だか気になった。

 傲然ごうぜんとミヅキらを見下ろすパンドラは何も語らない。
 底無しの深淵より畏怖を滲ませる。

 おそらく、ここでいくら考えても答えは出はしないのだろう。
 パンドラの踏破、それを成さない限りは。
 但し、ミヅキにそれをやる気はさらさら無い。

「……よいっしょ、と」

 立ち上がるとキッキが振り返り、アイアノアとエルトゥリンの視線が集中した。

「ゴメンな、ミヅキぃ……。ほんと迷惑掛けちゃった……」

「いいよ、みんな無事だったし。怪我はしてないか?」

 殊勝な態度で首を縦に振るキッキに気を遣う。

「あのぅ、ミヅキ様……。先ほどの使命の話の続き、またさせて頂いてもよろしいでしょうか……? 色よい返事をお聞かせ願えますよう、どうかどうか、宜しくお願い致しますっ」

「ああ、うん、また後でね。一応、前向きに検討してみるよ」

 両手を胸に、訴えかけるような上目遣いのアイアノアとはどう話したものか。

「ねえ、ミヅキ。さっき姉様のスカートの中、覗いてなかった?」

「えっ!? ばっ、馬鹿っ、覗いてなんていねえよっ!」

 やっぱりしっかりと覗きを疑われていた。
 じと目をさらに細めて睨んでくるエルトゥリンには相当泡を食った。

 ともあれ──。
 パンドラの地下迷宮での思わぬ騒動は、ひとまずのところ事態の収拾を見た。

 その後、ダンジョン奥でドラゴンから逃れた他の兵士たちも、無傷ではなかったが無事に救出された。
 レッドドラゴン以外の魔物が、他に全くいなかったことが幸いしたようだ。

 仲間とはぐれて孤立した者には悲惨な結末が待っている。
 それがダンジョンの通例だというなら、今回は不幸中の幸いであった。

「へぇぇー……」

 ミヅキは初めて見る神秘に感心しきりであった。
 兵士詰め所にて、アイアノアの回復魔法による治療がひっきりなしに続いている。

 何とか死地から脱したものの、負傷者はまだまだ多かった。
 しかし、献身的な彼女の頑張りの甲斐あり、大事に至る兵士は誰一人いない。

「魔法って、本当にあるんだなぁ……」

 詰め所内で簡素な丸椅子に座り、ミヅキは回復魔法なるものを観察していた。
 跪いたアイアノアの手からゆらゆらと緑色の優しい光が波のように出ている。
 彼女が使うのは、おそらくは風を元にする回復魔法だ。

 床に横たわる兵士の傷ついた身体や患部から少し離れた位置に、片手ないし両手を掲げて、瞳を閉じて精神を集中させていた。

 理屈は不明だが、人体の自己再生力を活性化させているのか、外部から直接癒しのエネルギーを送り込んでいるのか、明らかに容態は快方に向かっている。
 魔法とは何とも不思議で、幻想的な力は神秘そのものだった。

「ミヅキ様も診せて下さいまし。お背中失礼致します」

「うわわっ?!」

 重篤な怪我人から手際よく処置を済ませ、アイアノアはミヅキの元にやってくる。
 後ろからミヅキの服を遠慮無く捲くり上げ、背中の肌を露わにした。
 麗しいエルフの女性の看護に、ミヅキは恥ずかしがって肩をすくめる。

「ああ、やはり火傷を……。すぐに良くして差し上げますねっ」

 通りで背中がひりひりすると思った。
 しかし、鉄をも溶かすドラゴンの炎を背中に受け、軽い火傷で済んだのはミヅキの付与魔法による堅固さを物語っていた。

「──優しき風の気流よ、傷付きしこの者を癒やし給え」

「おぉー……」

 そして、自分も回復魔法の神秘を体験してみる。
 様式美とも言える詠唱の言葉の後、背中を伝って半透明な緑のカーテンがふわふわとかぶさってくるようだ。

 瞳を閉じて、聞こえるか聞こえない小声で何事か唱えているアイアノア。
 自分が付与魔法を使う際には何も必要としなかったが、これはこれで異世界情緒があって感慨深いと感じてしまう。

──傷が治ってくときに痒みや痛みを感じるかと思ったけど想像と違うな。じんわりと楽になっていく感じだ。あったかい春のそよ風みたいで気持ちいいなぁ。

 背中の火傷が治癒していく快感をミヅキの心は享受する。
 風の回復魔法を受ける、という得も言われぬ良い体験に心が躍った。
 そうして、癒やしの風が途切れる頃、火傷の痕は綺麗に消えてしまっていた。

「お身体と、お心持ちはいかがですか? 楽になられましたか?」

「ああ、ありがとう。良くなったよ、魔法って凄いね」

「お加減良さそうで何よりです」

「う、うん……」

 微笑むアイアノアにまた照れて、誤魔化すみたいに辺りを見渡す。

「ふうっ、大ごとだなこりゃ」

 ミヅキは一息ついて呟いた。

 負傷して横になる兵士たちで詰め所はいっぱいで、さながら野戦病院のようだ。
 後から事情を聞いたミヅキは思い出していた。

──そもそも事の発端は、ダンジョンから響いてきた聞いたことのない魔物の鳴き声だった。歩哨中の兵士たちがどんな魔物なのか様子を見に行ったけど、いつまで経っても帰ってこない。だから、隊長さんが大勢を引き連れてダンジョン内に踏み込んでいったんだそうだ。そしたらまさか、あんなドラゴンに出くわすなんて夢にも思わなかっただろうな。

 引き続きアイアノアは兵士の怪我を看て回り、キッキも率先して介抱を手伝っていて、昼食を摂る余裕はなかった。

 空腹感を感じていると、エルトゥリンがいなくなっているのに気がついた。
 そう言えば、詰め所に戻ってから姿を見ていない。
 これも後から聞いた話である。

──蛮族エルフは、森に入ってドラゴンの尻尾を川で冷やしたり、木に吊して血抜きしたり、食べるための下処理をしてたらしい。人命よりも獲物が大事だなんて、ちょっとはお姉さんを見習えってんだよ。

「あっ、ミヅキ。こんなところに居た」

 エルトゥリンに毒づいていると、ぱたぱたとキッキがやって来る。
 その顔は少し赤くなって見えて、照れているようだった。

「そういえばちゃんとお礼言えてなかったって思って。──ありがとっ! ミヅキに命、救われちゃったなっ!」

 にっかりととびきりのスマイルでお礼を言われ、こちらのほうが照れてしまう。

「あ、ああ。何事も無く帰れそうで何よりだよ。もう無茶はしないでくれよ……」

「ゴメンゴメンっ。じゃああたし、また手伝ってくるね」

 目を逸らしながら言うと、キッキはまた猫みたいにぱっと走っていった。
 そんな少女の背中を見送りつつ、自然と緩む口許に気付く。

──まあ、なんだかんだでいいことできたみたいだし、良しとするか。

 まだこれが夢か現実かはわからない。
 ただしかし、おかしなスキルを使って活躍し、それで誰かを助けて感謝されるのは気持ちの良いものである。

 これも異世界転移に付きものな醍醐味なのだろう。
 そう思い、ミヅキはとりあえずはほっと胸を撫で下ろすのであった。

「──事後処理はこちらでやる。もう帰ってもらっても問題無い」

 そして、ようやく事態が落ち着いた頃──。
 髭の兵士長ガストンはミヅキたちにそう言った。

 もういつの間にか日は西に傾き始めている。
 兵士詰め所前でお互いに向き合い、ひとまずの別れのやり取りを交わす。

 知らない内にエルトゥリンも戻ってきていた。
 肩にぐるぐると巻いて畳んだドラゴンの尾を担いで。

「荷物と代金は後で届けさせよう。世話になってしまったな、感謝するよ。帰ったらパメラさんによろしくな」

「ガストンさん、大丈夫かよ? ふらふらしてるぞ」

 まだ多少よろめきながらも、ガストンは穏やかな笑顔でキッキに答えた。

「もう平気だよ、キッキ。そちらのエルフのお嬢さんの魔法がよく効いたようだ」

 視線を向けられ、アイアノアはニコッと微笑み頷いて返した。
 そうして、今度はガストンはミヅキに視線を向ける。
 こちらは初対面だが、向こうはそうではないようであった。

「あんた、パメラさんところの居候だろう? 驚いたよ、まさかあんなに凄い魔法を使う魔術師様だったとはな……」

「いやあ、魔術師様だなんて、そんな大層なもんじゃ……。実際問題、あんなことができたなんて自分でも驚きっスよ……。ははは……」

 愛想笑い付きのごく普通なミヅキの受け応えに、ガストンは一瞬驚いた顔をした。
 パメラ同様、ミヅキの記憶障害時の状態を知っているのだろう。
 よほどボケボケしていたのか、そんなに驚かなくてもいいとも思った。

「もしや、記憶喪失だと聞いていたが記憶が戻ったのか? ──そういえば、エルフさんたちが探している勇者というのは、まさか……」

 と、そこまでガストンが言うと、すっとアイアノアが一歩前に出た。

「兵士様、お願いがございます。ミヅキ様と私たち姉妹のこと、特に今日起こったことは秘密にしておいて下さいませ。まだあまり目立ちたくはありませんので」

 険しい表情と言うには遠いが、凛々しさを増したアイアノアの顔と声色。
 ミヅキと話すときとは随分と違う雰囲気を漂わせている。
 ガストンは僅かに沈黙したが、すぐにため息混じりに言った。

「……わかった。ただ、トリスはああ見えて狭い街だ。しかも住む者も皆噂好きときているからな。そちらの動向次第ではすぐに話は広まるだろう」

「そうなってしまってからは仕方がありませんが、今はまだ……」

「うむ、今日の件の報告は濁しておくよ。安心してくれ」

「ご配慮、感謝致します。くれぐれもよしなに」

 畏まって一礼をするアイアノアにガストンは、大変だなあんたたちも、と一言を付け加えていた。
 或いは、とても重要なやり取りが交わされたようだが、ミヅキはとりあえず知らぬ振りで聞き流した。

 どうしても深入りしたくないなあ、という気持ちは変わらない。

 この世界の事情に明るくなれば、やはりあのダンジョンに近付くことになる。
 ちらりと視線を向け、パンドラの地下迷宮の門を見やった。

 神託の勇者の使命は、この伝説のダンジョンを攻略すること。
 ダンジョン内の魔の空気と、レッドドラゴンの脅威を思い出して身震いする。

「……それにしたって、これいつまで続くんだ……? 夢でも異世界転移でも、もうどっちでもいいから、そろそろ終わりにしてくれないもんかなぁ……」

 ミヅキはげんなりとため息をついてぼやいた。

 夢が覚めて明日が来れば会社に出勤しなくてはいけないし、こんなに疲れる思いをして元気に起きられるかどうか甚だ怪しい。
 時間も異世界転移した当時に戻れるのならまだしも、知らず時間が経過していたともなると現実世界の自分がどうなっているか心配でならなかった。

 うまく危機を脱し、仲間と無事に帰れてめでたしめでたし。
 もういい加減、区切りの良い頃合いだろう。

 それなのに、ミヅキを取り巻く異世界物語は一向に終わる気配が無かった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした

宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。 聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。 「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」 イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。 「……どうしたんだ、イリス?」 アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。 だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。 そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。 「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」 女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。

異世界の親が過保護過ぎて最強

みやび
ファンタジー
ある日、突然転生の為に呼び出された男。 しかし、異世界転生前に神様と喧嘩した結果、死地に送られる。 魔物に襲われそうな所を白銀の狼に助けられたが、意思の伝達があまり上手く出来なかった。 狼に拾われた先では、里ならではの子育てをする過保護な里親に振り回される日々。 男はこの状況で生き延びることができるのか───? 大人になった先に待ち受ける彼の未来は────。 ☆ 第1話~第7話 赤ん坊時代 第8話~第25話 少年時代 第26話~第?話 成人時代 ☆ webで投稿している小説を読んでくださった方が登場人物を描いて下さいました! 本当にありがとうございます!!! そして、ご本人から小説への掲載許可を頂きました(≧▽≦) ♡Thanks♡ イラスト→@ゆお様 あらすじが分かりにくくてごめんなさいっ! ネタバレにならない程度のあらすじってどーしたらいいの…… 読んで貰えると嬉しいです!

転生兄妹の英雄譚―いずれ世界を救う兄妹は、それぞれのユニークスキルで無自覚に無双する―

椿紅颯
ファンタジー
極普通の高校生二年生、佐近守と一つ下の妹佐近恵海。 彼らは本当に極普通で特技も特にない極普通の青少年少女。 ただ、守は少しだけ人より正義感が強く、恵海は少しだけ人より笑顔が似合うだけ。 そんな佐近兄妹はある日、不慮の事故により命を落としてしまう。 時は過ぎ、それぞれに同じ異世界で再び生を受ける兄妹。 だが、再び兄妹として生まれるほどロマンチックなことは起きず、現実世界と同じ年齢になっても尚巡り合うことすらなかった。 そんなある日、アルクスは一人の少女をパイス村にて助けることに。 生まれ変わっても尚、己の正義感を捨て去ることはできず行動するのだが、それをきっかけに止まっていたかのような時間が動き出す。 再会を果たす兄妹。 それは運命の巡り会わせなのか、それとも偶然なのか。 動き出した小さな歯車は次第に大きくなり、村を、街を、国を、世界をも巻き込んでいく。

処理中です...