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金策、再び
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異世界生活17日目
私はこの世界に来て17日目の朝を迎えた。
この世界は、1つの海、1つの大陸、1つの国から成っている。
バシレイア王国、それが国の名前。
大陸の中央に、王の住まう王都である聖都サーライがある。
大陸の四方には東都ザクセン、西都ガルー、南都ジュピア、北都レイガルの四大都があり、そこには中央から総督として将軍が派遣され、それぞれの地域を治めていた。
今いるのは東都ザクセン。
ザクセンは四大都の中で最もよく栄えていて、総督のフェルディナンド将軍は、四人の将軍の中で最も若く、近い将来バレイシア王国の中で最も強大な軍団になると目されている。
国家間の戦争がないこの国では、軍の存在理由でもっとも大きなものは魔物の討伐で、剣術や武術も、基本的に人と人が争う歴史の中で作られたものではなく、魔物との戦いの歴史の中で作られている。
自分の生死も分からないままに異世界で目覚めた私は、祖父に教わった剣術と、私と共にこの世界に来ていた祖父形見の日本刀を駆使して、今日まで散々な目に逢いながらも頑張ってきた。
そして、私はとある人に異世界から来た事を話し、この世界の真実を知る人にあと2日3日くらいで会える……というところまで来ている。
数日後、私の運命が決まる。
私が聖者でなかったとしても、魔物と同じように違う世界から来たという事実は、結構重たく扱われるのではないだろうか。
最悪殺されたり、幽閉されたりするのかもしれない。
そういえば、私がいない間にスラムで大規模抗争とかが起こったらどうしよう?
なんだか色々な事を考えて情緒が安定せず、身の回りの事に全然手が付かなくて、宿に引きこもっていたら、お昼過ぎになって、フェリクスが再び兄カールマンを連れてきた。
「こんにちは。ははは」
恥ずかしそうなのは相変わらずだけど、前回よりは幾分落ち着いていて、人間の域にとどまってると言って良い。
次にライディール様が来たときにと思って購入したティーセット最初のお客様がアナタです。
お湯はないから水出しだけど。
ゼトさんの事を考えて、椅子も買い足して、テーブルを三人で囲めるようにした。
はい。その椅子を最初に使ったのも、カールマンさん。アナタです。
「フェリクスの面倒をみていただいて、ありがとうございます」
彼はよいしょと頭をさげる。
私もお辞儀で返す。
前から思っていたけど、お辞儀って文化があるのよねココ。
「僕は、ラターナ……あ。故郷の名前ですが、そこで一番剣が強くてですね」
フェリクスも隣でウンウンと頷いている。
「一つ年下の妹にフェリクスを任せて、剣で身を立てるとザクセンに来て、3年が経ちました。騎士になりたかったけど、相手にしてもらえず、その後ずっと日雇いでなんとか……。本当は一日も早く立派になって、二人を呼び寄せようとおもっていたのですが、そうしてる間に、妹が病気で亡くなり、身寄りがなくなったフェリクスは僕を探しにここに……」
両親のお話が出てこない以上、何かの事情があって、フェリクスの家族は、カールマンさんと、そのお姉さんだけなのだろう。
やっぱり、フェリクスが私の世話を焼きたがる理由は……。
「見ず知らずのイズミさんに、失礼承知でのお願いです。もう暫くフェリクスと一緒に居てやってはくれませんでしょうか?」
フェリクスは私を食い入るように見ている。
どうしよう。
私はもしかしたら、2日後とかにここを発って王都である聖都サーライに向かい、もうザクセンには戻ってはこれないのかもしれないし、そもそもあと31日で存在そのものが消えるかもしれないのだ。
私がいなくなっても、フェリクスが泣かない様に、困らない様に、なにか出来る事はないかと考えた。
そして一案が浮かぶ。
「私にも、何があるかわからないし、二人さえよければ……この隣の部屋を借りちゃいません?お金は私が出します」
「え!?そんなにまで……いいんですか!?」
私の提案は、二人を喜ばせた。
100ダラ金貨10枚を渡して、今お部屋を借りて必要なものも買ってきちゃいなさいよとウィンクを決め、二人を送り出す。
私が消えた後、せめてこの二人が幸せになってくれれば……そう考えると、またどこかでもう少しお金を稼ぐべきかもしれない。
スラム街西 闘技場跡地周辺付近 悪魔教団アジト
そこは、見事に半壊した闘技場の付近にある、西スラム勢力の本拠地。
「まさか、貴女が自ら出向いてくるとは」
「はい。こんにちはこんにちは」
私は出迎えたマルドゥークに雑な返事を返して、ささっと本題に入った。
「出演料、もらってなかった❤」
「は?」
間の抜けた返事をした彼の腕をばちん!と強めに叩く。彼の部下の前だからと言って遠慮はしない。
「何言ってるの。私がここで戦って、客を盛り上げてあげたでしょ。ホラ❤」
グイッと両手を出す。
「しかしあの興行は……途中で……」
「私の試合は終わってました。その後の事はそちらの都合ですぅ❤」
私のロジックには一点の曇りもない。
特殊な状況下だったとはいえ、彼らは私の実力証明を求めていた。私からタダでもいいから証明させて!とお願いしたわけでもない。
スラムの大物がそろって私のモンスターファイトを決めた時に、私に対するファイトマネーは無しでいい、なんてみみっちい事前取り決めはしてないだろう。
ヴィクターがそんな条件を付けてないのなら、私にはファイトマネーを求める正当な権利がある。
「私の所有者でもないくせに、お尻を好き放題悪戯してくれた分も上乗せでよろしく❤」
今や彼は私の力を知っている。オーク管理長にしたようなまだるっこしい手は使わない!
にっこりと笑いながら殺気を漂わす高等テクニックを使用する。
「よ・ろ・し・く❤」
「抜け目のない……まあいいでしょう。そんな事で教団の財政は揺るがないのですから!」
無意味に両手を広げて、なんか偉大さアピール(?)みたいなのをした西スラム王は、呼びつけた部下に事情を説明する。
「西スラム王さんの度量が楽しみ❤」
ボソッと呟くと、ピタっと止まったマルドゥークは、部下に1言2言を付け加えた。
そこそこズッシリした革袋を受け取り、お邪魔様と頭を下げる。
「本日、ヴィクターとの会談の予定があったのですが、急遽キャンセルとなりました。私はその理由を告げるために、もしくは代理として、貴女が来たのかと思ったのですが……」
帰りしなに、彼は本日の予定をヴィクターがキャンセルした事を告げて、私にその理由を尋ねてきた。
そうだった。私は一応、彼ら視点ではヴィクターの手駒なんだよね。
欠席の理由は……二階から投げ落とされて身体が動かない、とかだったりしないだろうか。
「ベッドから落ちて腰でも打ったんじゃないかしら」
そう返事して、悪魔教団を後にする。
あ、あの返事だとなんか私との匂わせっぽく取られたかも……?まあいいかっ。
一度宿に戻り、お金を置いてまた外に出る。
ヴィクターの所に顔を出そうと思うけど、気まずい……。
そういえば、北スラムとの抗争って、どんな感じになるのだろうか。
総力戦で、あちこちで血を流して、前線を押し合って、最終席に優勢側が敵の居城に殴りこんで、王を討つ……とかかな?
それがどんな規模なのか分からない。
関ケ原みたいな10万人の大戦でも、数時間で決着したって言うし、短期決戦なら、半日もあれば勝敗が決するのだろうか。
ヴィクターには力を貸してあげたいけど、彼に復讐目的の殺人を、させたくないな。
クロードとか言う北スラムの王は、どんな奴なんだろう……。
私の脚は、自然とスラム街北に向いていた。
私はこの世界に来て17日目の朝を迎えた。
この世界は、1つの海、1つの大陸、1つの国から成っている。
バシレイア王国、それが国の名前。
大陸の中央に、王の住まう王都である聖都サーライがある。
大陸の四方には東都ザクセン、西都ガルー、南都ジュピア、北都レイガルの四大都があり、そこには中央から総督として将軍が派遣され、それぞれの地域を治めていた。
今いるのは東都ザクセン。
ザクセンは四大都の中で最もよく栄えていて、総督のフェルディナンド将軍は、四人の将軍の中で最も若く、近い将来バレイシア王国の中で最も強大な軍団になると目されている。
国家間の戦争がないこの国では、軍の存在理由でもっとも大きなものは魔物の討伐で、剣術や武術も、基本的に人と人が争う歴史の中で作られたものではなく、魔物との戦いの歴史の中で作られている。
自分の生死も分からないままに異世界で目覚めた私は、祖父に教わった剣術と、私と共にこの世界に来ていた祖父形見の日本刀を駆使して、今日まで散々な目に逢いながらも頑張ってきた。
そして、私はとある人に異世界から来た事を話し、この世界の真実を知る人にあと2日3日くらいで会える……というところまで来ている。
数日後、私の運命が決まる。
私が聖者でなかったとしても、魔物と同じように違う世界から来たという事実は、結構重たく扱われるのではないだろうか。
最悪殺されたり、幽閉されたりするのかもしれない。
そういえば、私がいない間にスラムで大規模抗争とかが起こったらどうしよう?
なんだか色々な事を考えて情緒が安定せず、身の回りの事に全然手が付かなくて、宿に引きこもっていたら、お昼過ぎになって、フェリクスが再び兄カールマンを連れてきた。
「こんにちは。ははは」
恥ずかしそうなのは相変わらずだけど、前回よりは幾分落ち着いていて、人間の域にとどまってると言って良い。
次にライディール様が来たときにと思って購入したティーセット最初のお客様がアナタです。
お湯はないから水出しだけど。
ゼトさんの事を考えて、椅子も買い足して、テーブルを三人で囲めるようにした。
はい。その椅子を最初に使ったのも、カールマンさん。アナタです。
「フェリクスの面倒をみていただいて、ありがとうございます」
彼はよいしょと頭をさげる。
私もお辞儀で返す。
前から思っていたけど、お辞儀って文化があるのよねココ。
「僕は、ラターナ……あ。故郷の名前ですが、そこで一番剣が強くてですね」
フェリクスも隣でウンウンと頷いている。
「一つ年下の妹にフェリクスを任せて、剣で身を立てるとザクセンに来て、3年が経ちました。騎士になりたかったけど、相手にしてもらえず、その後ずっと日雇いでなんとか……。本当は一日も早く立派になって、二人を呼び寄せようとおもっていたのですが、そうしてる間に、妹が病気で亡くなり、身寄りがなくなったフェリクスは僕を探しにここに……」
両親のお話が出てこない以上、何かの事情があって、フェリクスの家族は、カールマンさんと、そのお姉さんだけなのだろう。
やっぱり、フェリクスが私の世話を焼きたがる理由は……。
「見ず知らずのイズミさんに、失礼承知でのお願いです。もう暫くフェリクスと一緒に居てやってはくれませんでしょうか?」
フェリクスは私を食い入るように見ている。
どうしよう。
私はもしかしたら、2日後とかにここを発って王都である聖都サーライに向かい、もうザクセンには戻ってはこれないのかもしれないし、そもそもあと31日で存在そのものが消えるかもしれないのだ。
私がいなくなっても、フェリクスが泣かない様に、困らない様に、なにか出来る事はないかと考えた。
そして一案が浮かぶ。
「私にも、何があるかわからないし、二人さえよければ……この隣の部屋を借りちゃいません?お金は私が出します」
「え!?そんなにまで……いいんですか!?」
私の提案は、二人を喜ばせた。
100ダラ金貨10枚を渡して、今お部屋を借りて必要なものも買ってきちゃいなさいよとウィンクを決め、二人を送り出す。
私が消えた後、せめてこの二人が幸せになってくれれば……そう考えると、またどこかでもう少しお金を稼ぐべきかもしれない。
スラム街西 闘技場跡地周辺付近 悪魔教団アジト
そこは、見事に半壊した闘技場の付近にある、西スラム勢力の本拠地。
「まさか、貴女が自ら出向いてくるとは」
「はい。こんにちはこんにちは」
私は出迎えたマルドゥークに雑な返事を返して、ささっと本題に入った。
「出演料、もらってなかった❤」
「は?」
間の抜けた返事をした彼の腕をばちん!と強めに叩く。彼の部下の前だからと言って遠慮はしない。
「何言ってるの。私がここで戦って、客を盛り上げてあげたでしょ。ホラ❤」
グイッと両手を出す。
「しかしあの興行は……途中で……」
「私の試合は終わってました。その後の事はそちらの都合ですぅ❤」
私のロジックには一点の曇りもない。
特殊な状況下だったとはいえ、彼らは私の実力証明を求めていた。私からタダでもいいから証明させて!とお願いしたわけでもない。
スラムの大物がそろって私のモンスターファイトを決めた時に、私に対するファイトマネーは無しでいい、なんてみみっちい事前取り決めはしてないだろう。
ヴィクターがそんな条件を付けてないのなら、私にはファイトマネーを求める正当な権利がある。
「私の所有者でもないくせに、お尻を好き放題悪戯してくれた分も上乗せでよろしく❤」
今や彼は私の力を知っている。オーク管理長にしたようなまだるっこしい手は使わない!
にっこりと笑いながら殺気を漂わす高等テクニックを使用する。
「よ・ろ・し・く❤」
「抜け目のない……まあいいでしょう。そんな事で教団の財政は揺るがないのですから!」
無意味に両手を広げて、なんか偉大さアピール(?)みたいなのをした西スラム王は、呼びつけた部下に事情を説明する。
「西スラム王さんの度量が楽しみ❤」
ボソッと呟くと、ピタっと止まったマルドゥークは、部下に1言2言を付け加えた。
そこそこズッシリした革袋を受け取り、お邪魔様と頭を下げる。
「本日、ヴィクターとの会談の予定があったのですが、急遽キャンセルとなりました。私はその理由を告げるために、もしくは代理として、貴女が来たのかと思ったのですが……」
帰りしなに、彼は本日の予定をヴィクターがキャンセルした事を告げて、私にその理由を尋ねてきた。
そうだった。私は一応、彼ら視点ではヴィクターの手駒なんだよね。
欠席の理由は……二階から投げ落とされて身体が動かない、とかだったりしないだろうか。
「ベッドから落ちて腰でも打ったんじゃないかしら」
そう返事して、悪魔教団を後にする。
あ、あの返事だとなんか私との匂わせっぽく取られたかも……?まあいいかっ。
一度宿に戻り、お金を置いてまた外に出る。
ヴィクターの所に顔を出そうと思うけど、気まずい……。
そういえば、北スラムとの抗争って、どんな感じになるのだろうか。
総力戦で、あちこちで血を流して、前線を押し合って、最終席に優勢側が敵の居城に殴りこんで、王を討つ……とかかな?
それがどんな規模なのか分からない。
関ケ原みたいな10万人の大戦でも、数時間で決着したって言うし、短期決戦なら、半日もあれば勝敗が決するのだろうか。
ヴィクターには力を貸してあげたいけど、彼に復讐目的の殺人を、させたくないな。
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