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幕間 密告
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スラム街 ???
双月の月光も届かない、スラムの奥。
瓦礫の陰に、二人の男の姿があった。
二人は闇の中にあって尚深々とフードを被り、身振りなく、もし誰かがこの光景を目にしても、一対の石像がそこにあるかのように錯覚するだろう。
「クロードの旦那に報告を。ヴィクターのガキが、とんでもねぇ手駒を手に入れましたぜ」
「それほどか」
「今あんた達が本気でかからなければ、奴は支配領域を拡大させて、全てを失うことになるだろう」
「まあ待て。派手にやらかすには時期が悪い。俺達が南を攻めれば、他2地区も必ず動く。この貧民窟は戦争になる」
「何をそんな悠長な……」
「ヴィクターを裏切りこちらについたお前が、俺らの後ろに治安維持機関があるのを知らないはずが無かろう。今はダメだ。奴らは各地で頻発している魔物の制圧に神経を尖らせている。そんなタイミングで、お膝元のザクセンで余計な騒動を起こせば、どうなると思う?俺達は無能の烙印を押されて厄介払いされ、この美味しい特権は他所に流れちまうだろう」
「それはそうだが……」
「それに、それほどの手駒なら、味方に引き入れるのが得策だ。違うか?」
「……」
「ヴィクター亡き後、南地区はお前に任せるとは言った。だが、お前の野心の為に我らが動くと思うなよ?」
「ああ、それは肝に銘じてるよ……」
夜風が吹き、二つあった「石像」の一つが姿を消す。
もう一体は暫くその場に佇み続けた後、闇に溶けるように消えた。
双月の月光も届かない、スラムの奥。
瓦礫の陰に、二人の男の姿があった。
二人は闇の中にあって尚深々とフードを被り、身振りなく、もし誰かがこの光景を目にしても、一対の石像がそこにあるかのように錯覚するだろう。
「クロードの旦那に報告を。ヴィクターのガキが、とんでもねぇ手駒を手に入れましたぜ」
「それほどか」
「今あんた達が本気でかからなければ、奴は支配領域を拡大させて、全てを失うことになるだろう」
「まあ待て。派手にやらかすには時期が悪い。俺達が南を攻めれば、他2地区も必ず動く。この貧民窟は戦争になる」
「何をそんな悠長な……」
「ヴィクターを裏切りこちらについたお前が、俺らの後ろに治安維持機関があるのを知らないはずが無かろう。今はダメだ。奴らは各地で頻発している魔物の制圧に神経を尖らせている。そんなタイミングで、お膝元のザクセンで余計な騒動を起こせば、どうなると思う?俺達は無能の烙印を押されて厄介払いされ、この美味しい特権は他所に流れちまうだろう」
「それはそうだが……」
「それに、それほどの手駒なら、味方に引き入れるのが得策だ。違うか?」
「……」
「ヴィクター亡き後、南地区はお前に任せるとは言った。だが、お前の野心の為に我らが動くと思うなよ?」
「ああ、それは肝に銘じてるよ……」
夜風が吹き、二つあった「石像」の一つが姿を消す。
もう一体は暫くその場に佇み続けた後、闇に溶けるように消えた。
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