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第80話
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コージがニナにお誘いを受けていた頃の、ダンジョン街のとある大きな建物の一室。
2人の男がある報告を受けて話し合っていた。
その建物は"宝石蛇"の事務所であり、1人は"宝石蛇"の代表アーロンという体格の良い冒険者で、もう1人は……簡素ながらも品質の高そうな出で立ちの、高貴な家の者であることが覗える男だ。
その割には冒険者であるアーロンと変わらぬ体格の良さであり、相応に鍛えられていて筋肉質な体をしていた。
2人の議題はもちろん先ほど受けた報告の件で、配下の一部隊が襲撃を受けた件についてである。
「どうしましょうかねぇ?」
「こちらの者を1人も始末しなかったということは、其奴も好き好んでこちらと事を構えるつもりはないのだろう。その気なら連絡役だけを残せばいいからな」
そう返す高貴な男に、聞いたアーロンは頷いて言葉を返す。
「そうでしょうね。報告では最近この街に来たようですし、こっちのことを詳しくは知らないから様子見ってとこですかね」
「かもしれん。ただ……偶然立ち寄った店が被害に遭っていたからと首を突っ込むぐらいだ、自分の力に自信があるのだろうな。そうなると本人が言った通り、似たような状況に出くわせば同じように首を突っ込んでくるだろうし……次は見逃さんだろうな」
「となると……ウチの連中、フェリスがダンジョンから出てくるまでは大人しくさせておきますか」
「そうだな。フェリスの件は失敗できん。奴をモノにできればこの街を当家が支配でき、街長のヴァーミリオンはただのお飾りになる。そうなればあそこのフレデリカもモノにでき、自分で使うなり交渉の道具として使うなりして存分に利用してやれる」
「そうなれば……魔石の出荷先をお家のご意向に合わせて調整でき、それによって派閥を増やしていずれはそちらが本家になる、と。そのときにはこちらのこともお願いしますよ?」
「わかっている。使える連中は取り立て、従う限りはこの街も好きにさせてやる」
その答えにアーロンは満足すると、"宝石蛇"に所属する者達へ大人しく過ごすよう通達を出した。
コージ視点
「ん……」
俺は"牛角亭"の、予約してあった部屋で目を覚ます。
昨夜は"コージ"として"牛角亭"に戻ってくると店は通常営業に戻っており、俺の姿を見たリンナが安心したように迎え入れてくれた。
で、食事は済ませてきたからと言って部屋へ案内してもらうと、"宝石蛇"と"フラード"についての話を聞かされてから休むことになったんだよな。
やはりというか、ティリカさんを始め数人が"フラード"へ特別な感情を抱いてしまったようだ。
まぁ、仕事は普通にするつもりのようなので問題はないらしいが……
「あ、私は別にそういう気持ちじゃないから。感謝はしてるけどね」
リンナがそう言って身を寄せてくるも"宝石蛇"が再訪するかもしれないので、俺はダンジョン帰りで疲れていると言ってお断りし1人で寝ることにした。
結局"宝石蛇"の再訪はなく、普通に朝まで眠ることができたようだ。
1人なのでLEDのランタンを作成して暗い部屋を照らし、身支度を整えて食堂が稼働する時間まで今日の予定を考える。
まずは"フータース"に行っていくつかの魔物素材を納品し、ダンジョンで栽培したミニトマトをウェンディさんに見てもらうか。
その後は……"銀蘭"からの連絡があればそれ次第だし、モノカさんが来るつもりならそのお相手だ。
あぁ、ウェンディさんには"モーズ"として借りる部屋を紹介してもらうか。
住所不定はやはり少し不便だし、昨夜のように連絡先を問われて答えられないのは前世の感覚があると少し恥ずかしいからな。
"フータース"では雇った会員に部屋を紹介していると聞いており、契約の際に連絡先が決まっていないことで部屋を紹介しようかとは言われていたし。
なので"モーズ"として使う部屋も適当な所を紹介してもらうことに決め、少し暇を潰してから食堂へ向かった。
やはりというか、数人の店員から"フラード"の話を聞かされつつ食事を終えると……"牛角亭"を出て路地裏で"モーズ"となり、ダンジョン前の広場へ向かう。
"フータース"へ向かうにしても朝イチではウェンディさんも忙しいだろうし、少しだけ露店でも見て回って時間を潰そうと思ったのだ。
ダンジョン前の広場で露店を眺めていると、冒険者達で混雑している中で周囲の人達の話が聞こえてくる。
どうやら、昨夜は途中から"宝石蛇"の連中が大人しくなったらしく、普通に金を払って飲み食いし、中には食事を終えたらさっさと引き上げた団体もいたらしい。
ふむ、俺が退けた連中の隊長はすぐに報告し、その結果そういう対応になったんだろうな。
なら、少なくともフェリスがダンジョンから出てくる日までは大人しくしているのだと思われる。
予定通りであれば明日のはずだが……
フェリスから聞いていた予定を思い出していると、昨日路地裏で"宝石蛇"の連中に絡まれていたココルさん達がやって来た。
「モーズさん、おはようございます。昨日はありがとうございました」
そう声を掛けてきたココルさんに続き、ライルさんや他のチームメンバーも俺にお礼を言ってきた。
『いえ、お気になさらず。それより今日もダンジョンに入られるようですが、身体の方は大丈夫ですか?』
格好や荷物からそう判断してライルさんに聞いてみると、彼は自分の胸をドンと叩いてみせた。
「ええ、大丈夫です。聖職者に治癒魔法を掛けてもらいましたが、特に効いた感じはなかったので貴方の薬だけでも十分だったようでして」
『そうですか。なら良かった』
そう返す俺に、ライルさんが顔を寄せて小声で話す。
「あの、薬のお代は必ずお支払いするつもりですが……それとは別に、良かったらココルを誘ってやってください。"宝石蛇"の連中は大人しくなったみたいですがいつ同じ目に合うかもしれませんし、それならいっそ恩のある貴方に、と言ってますので」
『えーっと……』
その言葉にココルさんを見ると、ライルさんの言葉が聞こえていたのか顔を赤くしてこちらを見ていた。
否定してこないところから、本人としてもそのつもりではあるようだ。
まぁ、"宝石蛇"の連中に目を付けられるぐらいには可愛いのでその気にならなくはないが、恩をダシにしてというのは少々気が進まない。
モノカさんのような、恩をきっかけにという例もあるしな。
しかし絶対に嫌だというわけでもないし、きっぱりと断るのは彼女の自尊心を傷つける可能性があるので……
『まぁ、機会があれば。なので怪我などしないようにお気をつけて』
と答えておく。
「は、はい!その……お待ちしてます!」
嬉しそうなココルさんの言葉にライルさんが頷き、それで話はまとまったということになったのか彼らはダンジョンに入っていった。
それを見送った俺はそろそろいいだろうと"フータース"へ向かうことにし、ダンジョン前の広場を後にする。
"フータース"の前に到着すると、大きめのカバンを背負った俺に客引きの女性店員が声を掛けてきた。
この人は……各部署にいる、ウェンディさんの直属という立場の女性だな。
俺がここに所属していると知っているからか、それを考慮した対応をするようだ。
「いらっしゃいませ!今日はお買い物ですか?」
『何かあれば買うつもりではありますが……まずはいくつかの魔物素材の納品と、後はウェンディさんにお見せしたい物がありまして』
「あら、そうなんですか。では先に素材の方を査定に出しておきましょうか?」
『ええ、お願いします』
「では、こちらへ」
断る理由もないのでそう答えると、その店員に先導されて店の裏手にある納品所へ連れて行かれた。
制服によって身体のラインがはっきりと出ている後ろ姿を鑑賞しつつ到着すると、俺は鞄から魔物素材が詰まった袋を出して担当者に提出する。
「あ、この方はうちに所属してる人だから」
「あぁ、そうなんですか。会員証はお持ちですか?」
どうやら会員だと買い取りにも多少の色が付くらしく、女性店員の言葉に受付の男性がそう聞いてきた。
『あ、はい。まだ仮のなんですが』
そう言って仮の会員証を提出すると、担当者はそれを見て頷く。
「大丈夫です、仮の物でも扱い自体は変わりませんので。えっと……モーズさんですね、お返しします」
そう言って返された会員証を仕舞うと、ここまで案内してきた女性店員が納品所の担当者に査定の指示をしだした。
「お帰りの際に査定結果のお知らせや換金ができるよう、なるべく早く処理してくださいね」
「わかりました。そこまで量は多くありませんし、すぐに査定を始めてもらいます」
「お願いします。では……行きましょうか、モーズさん」
『はあ』
何やら急いで事を進める女性店員に若干の違和感を覚えるが、意にそぐわぬことをしているわけでもないので素直についていくと……彼女は店内に入ってエレベーターのマジックアイテムを使い、俺をウェンディさんの部屋へ案内する。
エレベーターはそう気軽に使うものではないはずなので更に違和感を感じていたところ、その部屋に到着しウェンディさんと会うことになったのだが……そこには何故か、"銀蘭"のシャーリーさんも居た。
2人の男がある報告を受けて話し合っていた。
その建物は"宝石蛇"の事務所であり、1人は"宝石蛇"の代表アーロンという体格の良い冒険者で、もう1人は……簡素ながらも品質の高そうな出で立ちの、高貴な家の者であることが覗える男だ。
その割には冒険者であるアーロンと変わらぬ体格の良さであり、相応に鍛えられていて筋肉質な体をしていた。
2人の議題はもちろん先ほど受けた報告の件で、配下の一部隊が襲撃を受けた件についてである。
「どうしましょうかねぇ?」
「こちらの者を1人も始末しなかったということは、其奴も好き好んでこちらと事を構えるつもりはないのだろう。その気なら連絡役だけを残せばいいからな」
そう返す高貴な男に、聞いたアーロンは頷いて言葉を返す。
「そうでしょうね。報告では最近この街に来たようですし、こっちのことを詳しくは知らないから様子見ってとこですかね」
「かもしれん。ただ……偶然立ち寄った店が被害に遭っていたからと首を突っ込むぐらいだ、自分の力に自信があるのだろうな。そうなると本人が言った通り、似たような状況に出くわせば同じように首を突っ込んでくるだろうし……次は見逃さんだろうな」
「となると……ウチの連中、フェリスがダンジョンから出てくるまでは大人しくさせておきますか」
「そうだな。フェリスの件は失敗できん。奴をモノにできればこの街を当家が支配でき、街長のヴァーミリオンはただのお飾りになる。そうなればあそこのフレデリカもモノにでき、自分で使うなり交渉の道具として使うなりして存分に利用してやれる」
「そうなれば……魔石の出荷先をお家のご意向に合わせて調整でき、それによって派閥を増やしていずれはそちらが本家になる、と。そのときにはこちらのこともお願いしますよ?」
「わかっている。使える連中は取り立て、従う限りはこの街も好きにさせてやる」
その答えにアーロンは満足すると、"宝石蛇"に所属する者達へ大人しく過ごすよう通達を出した。
コージ視点
「ん……」
俺は"牛角亭"の、予約してあった部屋で目を覚ます。
昨夜は"コージ"として"牛角亭"に戻ってくると店は通常営業に戻っており、俺の姿を見たリンナが安心したように迎え入れてくれた。
で、食事は済ませてきたからと言って部屋へ案内してもらうと、"宝石蛇"と"フラード"についての話を聞かされてから休むことになったんだよな。
やはりというか、ティリカさんを始め数人が"フラード"へ特別な感情を抱いてしまったようだ。
まぁ、仕事は普通にするつもりのようなので問題はないらしいが……
「あ、私は別にそういう気持ちじゃないから。感謝はしてるけどね」
リンナがそう言って身を寄せてくるも"宝石蛇"が再訪するかもしれないので、俺はダンジョン帰りで疲れていると言ってお断りし1人で寝ることにした。
結局"宝石蛇"の再訪はなく、普通に朝まで眠ることができたようだ。
1人なのでLEDのランタンを作成して暗い部屋を照らし、身支度を整えて食堂が稼働する時間まで今日の予定を考える。
まずは"フータース"に行っていくつかの魔物素材を納品し、ダンジョンで栽培したミニトマトをウェンディさんに見てもらうか。
その後は……"銀蘭"からの連絡があればそれ次第だし、モノカさんが来るつもりならそのお相手だ。
あぁ、ウェンディさんには"モーズ"として借りる部屋を紹介してもらうか。
住所不定はやはり少し不便だし、昨夜のように連絡先を問われて答えられないのは前世の感覚があると少し恥ずかしいからな。
"フータース"では雇った会員に部屋を紹介していると聞いており、契約の際に連絡先が決まっていないことで部屋を紹介しようかとは言われていたし。
なので"モーズ"として使う部屋も適当な所を紹介してもらうことに決め、少し暇を潰してから食堂へ向かった。
やはりというか、数人の店員から"フラード"の話を聞かされつつ食事を終えると……"牛角亭"を出て路地裏で"モーズ"となり、ダンジョン前の広場へ向かう。
"フータース"へ向かうにしても朝イチではウェンディさんも忙しいだろうし、少しだけ露店でも見て回って時間を潰そうと思ったのだ。
ダンジョン前の広場で露店を眺めていると、冒険者達で混雑している中で周囲の人達の話が聞こえてくる。
どうやら、昨夜は途中から"宝石蛇"の連中が大人しくなったらしく、普通に金を払って飲み食いし、中には食事を終えたらさっさと引き上げた団体もいたらしい。
ふむ、俺が退けた連中の隊長はすぐに報告し、その結果そういう対応になったんだろうな。
なら、少なくともフェリスがダンジョンから出てくる日までは大人しくしているのだと思われる。
予定通りであれば明日のはずだが……
フェリスから聞いていた予定を思い出していると、昨日路地裏で"宝石蛇"の連中に絡まれていたココルさん達がやって来た。
「モーズさん、おはようございます。昨日はありがとうございました」
そう声を掛けてきたココルさんに続き、ライルさんや他のチームメンバーも俺にお礼を言ってきた。
『いえ、お気になさらず。それより今日もダンジョンに入られるようですが、身体の方は大丈夫ですか?』
格好や荷物からそう判断してライルさんに聞いてみると、彼は自分の胸をドンと叩いてみせた。
「ええ、大丈夫です。聖職者に治癒魔法を掛けてもらいましたが、特に効いた感じはなかったので貴方の薬だけでも十分だったようでして」
『そうですか。なら良かった』
そう返す俺に、ライルさんが顔を寄せて小声で話す。
「あの、薬のお代は必ずお支払いするつもりですが……それとは別に、良かったらココルを誘ってやってください。"宝石蛇"の連中は大人しくなったみたいですがいつ同じ目に合うかもしれませんし、それならいっそ恩のある貴方に、と言ってますので」
『えーっと……』
その言葉にココルさんを見ると、ライルさんの言葉が聞こえていたのか顔を赤くしてこちらを見ていた。
否定してこないところから、本人としてもそのつもりではあるようだ。
まぁ、"宝石蛇"の連中に目を付けられるぐらいには可愛いのでその気にならなくはないが、恩をダシにしてというのは少々気が進まない。
モノカさんのような、恩をきっかけにという例もあるしな。
しかし絶対に嫌だというわけでもないし、きっぱりと断るのは彼女の自尊心を傷つける可能性があるので……
『まぁ、機会があれば。なので怪我などしないようにお気をつけて』
と答えておく。
「は、はい!その……お待ちしてます!」
嬉しそうなココルさんの言葉にライルさんが頷き、それで話はまとまったということになったのか彼らはダンジョンに入っていった。
それを見送った俺はそろそろいいだろうと"フータース"へ向かうことにし、ダンジョン前の広場を後にする。
"フータース"の前に到着すると、大きめのカバンを背負った俺に客引きの女性店員が声を掛けてきた。
この人は……各部署にいる、ウェンディさんの直属という立場の女性だな。
俺がここに所属していると知っているからか、それを考慮した対応をするようだ。
「いらっしゃいませ!今日はお買い物ですか?」
『何かあれば買うつもりではありますが……まずはいくつかの魔物素材の納品と、後はウェンディさんにお見せしたい物がありまして』
「あら、そうなんですか。では先に素材の方を査定に出しておきましょうか?」
『ええ、お願いします』
「では、こちらへ」
断る理由もないのでそう答えると、その店員に先導されて店の裏手にある納品所へ連れて行かれた。
制服によって身体のラインがはっきりと出ている後ろ姿を鑑賞しつつ到着すると、俺は鞄から魔物素材が詰まった袋を出して担当者に提出する。
「あ、この方はうちに所属してる人だから」
「あぁ、そうなんですか。会員証はお持ちですか?」
どうやら会員だと買い取りにも多少の色が付くらしく、女性店員の言葉に受付の男性がそう聞いてきた。
『あ、はい。まだ仮のなんですが』
そう言って仮の会員証を提出すると、担当者はそれを見て頷く。
「大丈夫です、仮の物でも扱い自体は変わりませんので。えっと……モーズさんですね、お返しします」
そう言って返された会員証を仕舞うと、ここまで案内してきた女性店員が納品所の担当者に査定の指示をしだした。
「お帰りの際に査定結果のお知らせや換金ができるよう、なるべく早く処理してくださいね」
「わかりました。そこまで量は多くありませんし、すぐに査定を始めてもらいます」
「お願いします。では……行きましょうか、モーズさん」
『はあ』
何やら急いで事を進める女性店員に若干の違和感を覚えるが、意にそぐわぬことをしているわけでもないので素直についていくと……彼女は店内に入ってエレベーターのマジックアイテムを使い、俺をウェンディさんの部屋へ案内する。
エレベーターはそう気軽に使うものではないはずなので更に違和感を感じていたところ、その部屋に到着しウェンディさんと会うことになったのだが……そこには何故か、"銀蘭"のシャーリーさんも居た。
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