マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

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第69話

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"銀蘭"の拠点に入り、代表のフェリス達と"モーズ"として再会した。

こちらとしてはイリス達を滞在させてくれればそれでいいのだが、同行して俺の実力を見定めていたニナの報告だけでは済まなかったようだ。

"コージ"として彼女と会ったことのある俺はフェリスとの面会を避けたかったが、それを断って不審者扱いをされればイリス達との連絡が取りづらくなるからなぁ。

そんなわけで、俺は前回会ったメンバーが揃う会談場所のテントに来ており、その俺を視線で品定めしたフェリスが口を開いた。


「私が代表のフェリスよ。そして……」


彼女は名乗った後に他のメンバーを紹介し、それに応じて名を挙げられた人は自分のことであると軽く手を上げる。

そこで前回は聞いていなかった2人のうち、弓を使う女性がシーラさんで、派遣されている聖職者がアンジュさんであることを知った。

そうしてあちら側の自己紹介が終わると、俺のことに話が移る。


「で、アンタはモーズって言うのよね?」

『ええ』

「……」


名乗る前にそう問われ、俺は簡潔にそれを肯定すると……フェリスはジッとこちらを見てきた。


『……何か?』


彼女に合わせてか周囲も同様に沈黙していたことから、"コージ"だと気づかれた可能性に不安を覚えてそう聞いてみる。

声はだいぶ違うが、口調は下手に変えると崩れた場合にかなり怪しまれるだろうと思ってそのままなんだよな。

それに、正体を隠すためにいつもの口調から大きく変えるとなれば、どちらかというと荒い口調になるだろう。

しかし、そうなると立場が上になるであろう相手へ失礼な物言いをすることになり、本人やその周囲の人が俺を良くは思わないと考えられる。

その影響で拠点の利用を断られる可能性が大きくなると考えられるので、そういった事も含めて口調はいつもどおりにしておいたのだが……やはり口調も変えるべきだったのか?

そんな事を考えていると……フェリスはイリスに目を向けて言った。


「とりあえず、貴女達がこの拠点を利用することは許可するわ。でも場所はこちらで指定させてもらうわよ?」

「ありがとうございます。場所について特に希望はありませんので、端のほうにでも置いていただければ」


軽く頭を下げてそう返すイリスに、フェリスは首を横に振る。


「逆ね。なるべく中心部の、私達のテントの近くに居てもらうわ」

「えっ?何故でしょうか?」

「んー……簡単に言えばモーズに対する人質ね。彼がこちらへの害意を見せれば、それを抑止するために貴女達を利用させてもらうわ」


微妙に言葉を選んだ感じのフェリスに、イリスは声を荒げて抗議する。


「そんなっ!?モーズにそちらへの害意などありません!」

「初対面でそれがわかるのって、そういったことを調べられるスキルやマジックアイテムを持つ者だけでしょう?」

「う……」


フェリスの返す言葉に口ごもるイリス。

まぁ、人の内心なんて長い付き合いがあってもわからなかったりするし、フェリスの言い分に否定できるところはない。

ただ……俺はその前の、イリス達を拠点の中心部へ置く理由に引っかかりを感じた。

内容自体におかしいところはなかったのだが、さっきの態度からするとどうも本心で言っているようには思えなかったのだ。

人の内心などそう簡単にはわからないとはいえ、この拠点が女性を保護する場所でもある以上はその理念に則るはずで、同じ女性であるイリス達を人質という危険な役にすることが不自然に思える。

まぁ、俺に害意があってイリス達をスパイのように利用している可能性を危惧しているのなら、多くの女性に被害が出るよりはとイリス達を危険な目に合わせるほうを選んでもおかしくはない。

しかし、そうであれば最初からイリス達を受け入れなければいいだけの話なので、受け入れを許可したこと自体がおかしいことになる。

そういった点での疑問点に頭を悩ませていると、外から女性の声が掛かった。


「フェリス様、準備が整いました」

「わかったわ」


フェリスはそう応えると、イリス達に退室を促した。


「じゃあ、貴女達のテントが用意できたみたいだからそちらへどうぞ」

「えっ?あの、モーズは?」

「彼にはまだ話があるから」

「なら私も……」

「貴女が居てはできない話なの」

「えぇ……?」


フェリスの言葉に不安そうな顔で俺を見るイリスだったが、それに俺は軽い態度で応えてみせる。


『大丈夫だ。向こうはお前達を俺に対する抑止力にすると言っていたし、この場で俺をどうにかするつもりならお前達を人質にする必要はないだろう?』

「それは、まあ……」

『わかったら行け。俺も"金獅子"の拠点で寝床を確保しなきゃならないし、話が長引くとぼったくられるっていう"宝石蛇"の拠点に行かなきゃならなくなるかもしれない』


夕暮れにはまだ早いし、上空から軽く見た感じだが"金獅子"の拠点を利用する冒険者の数からすると空いている場所はあるだろう。

とはいえ、遅くなって暗い中でテントを立てるのは面倒なので、早くこの会談を終えるためにもイリス達には早々に退室してもらいたい。


「……わかったわ。セリア、行きましょう」

「え、ええ」


その思いが通じたのか、イリスはセリアと共に席を立った。


「……」


先にテントを出たセリアに続きイリスも出ようとしたのだが、その足を止めた彼女はこちらを見つめてくる。

フェリスは街の壁を壊せるほどの異常な筋力を持つと聞いているし、俺の糸では拘束できないのではないかと不安なのだろう。

そんなイリスにフェリスは軽く溜息をつき、安心させるように言った。


「ハァ……安心なさい。今後はともかく、この場では危害を加えないと約束するわ」

「本当ですか!?」

「ええ、このままじゃ話が進まないしね」

「そうですか……わかりました、では」


フェリスの約束に安心したのかイリスはテントを出て行き、閉じられた入口の向こうで待っていたセリアと共に自分達に割り当てられたテントへ向かったようだ。

そうしてイリス達が出ていってたテントの中で、おそらく今回の本題であろう話が始まった。


「ふぅ……まずは確認しておきたいのだけど、イリスが何者かは把握してる?」

『いえ、知りません』


フェリスのその質問に、イリスが貴族かそれに近しい者だと返しても良かったのだが……その場合、どうしてその考えに行き着いたのかという話になる。

俺がイリスの立場をそう予想したのは呪いをかけられた貴族の女性を治すという目的と言動からであり、それを話せば呪われた女性のことをフェリス達に知られてしまう。

もちろんその件は秘密なので口にするわけにはいかず、そうなると俺はイリスの正体を言動のみで予想していることになるわけで。

その場合、言動だけでその立場や出自がわかるのは貴族や王族などの特殊な存在になると俺は考えているのだ。

となれば、俺はイリスがその特殊な存在だから力を貸していると推察される可能性が大きく、女性を男性から保護するという彼女達からすると俺がイリスを利用して権力を得ようとしているように見られるかもしれない。

そうなると当然俺の印象は悪くなり、この場では危害を加えないと明言していたがその後の保証はなくなると考えたほうがいいだろう。

フェリスの力に俺の魔鎧が魔力的にどの程度耐えられるかという不安があるので、彼女に襲われるということはなるべく避けたい所存である。

というわけで、俺はイリスの出自などを「知らない」と答えたわけだ。


「「……」」


そんな俺に、フェリスだけではなくこの場にいる全ての女性から鋭い視線が突き刺さる。

いやまぁ、視線が刺さっていたのは最初からだが。

数秒ほどその視線に晒されていると、フェリスが胸を持ち上げるように腕を組んで次の質問をしてくる。


「じゃあ、あの娘の目的は?」

『いえ、詳しくは。本人に聞けばいいのでは?』


イリスの目的については、おそらく彼女の出自よりも秘匿すべきことだろう。

詳しいことは俺にしか言っていないはずで、セリアにすら現時点では教えていないようだ。

まぁ、セリアに教えられないのはお目当ての物が同じだからなのだが……

とにかく、俺はこちらについても知らないと答えることにした。

続けて本人に聞けばいいと言った俺に、フェリスは難しい顔で言葉を返す。


「聞けなかったからアンタに聞いてるのよ」

『聞いたことがあるんですか?』

「あの娘がうちに加入しようとしていた事は知ってる?」

『ええ。そこで聞けなかったから俺に、と?』

「そうよ。やけに図々しい待遇を望んでいて、"何か"を欲して加入しようとしたことまではわかってるんだけど……で、アンタは詳しい目的も知らされずに力を貸してるワケ?」

『まぁ、稼ぐ以外に目的はありませんでしたから。別にいいかなと思いまして』


そう返す俺にフェリスはジト目で言葉を続ける。


「その上で身体も使わせてもらえる、と」

「「……」」


その発言に周囲の視線は鋭さを増した。

いかん、助力することをダシにして身体を要求したと思われたかもしれない。

それは誤解だし心外なので、あくまでもイリスから言い出したことだと弁明しておいた方がいいだろう。


『いや、あの……』

「ああ、あの娘の方から言い出したのはわかってるわよ」

『ああ、そうですか』


なんだ、肉体関係を強要していると誤解されていたわけではなかったのか。

まぁ、ニナからだってある程度の事情は伝わっているはずだろうしな。

なら周囲の視線が鋭くなったのは……それに応じたことに対してか。

しかし、あのときの俺は初めて人を殺してしまって精神的なストレスが大きかったので、できれば大目に見て欲しいところなのだが。

というか……ここまで気に掛けられているということは、あちらはイリスの正体を知っているのか?

その辺りのことを尋ねてみた。


『あの、そこまでイリスを気に掛けられているということは……彼女の正体をご存知なんですか?』

「「っ!?」」


俺の質問で女性陣の視線がフェリスに集中し、どう対応するのかを気にしているようだ。

そんな視線の中、フェリスは暫く考え込んでから答えを口にした。


「それこそ本人に聞いて欲しいことだから詳しくは言えないけど……あの娘は貴族よ」

『あぁ、そうでしたか』

「あまり驚かないわね。察してはいたの?」

『まぁ、予想の範囲ですが』


イリスが貴族であると断言でき、詳しくは言えないということから彼女の出自を把握できているのだろう。

となると……


『加入を断ったのは"宝石蛇"の件だけではなく、ダンジョンに近づけないためでもあったんですか?』

「私はその現場に居たわけじゃないけど、シャーリーからの書類にはそう書いてあったわね。だからあの娘が貴族ってことぐらいまでしか知らないんだけど、何の戦力にもならない女1人なら身体目当てでしかチームに誘われたりしないでしょう?」

『まぁ』

「その上であんなに都合の良い待遇を望んでるんだから、寄ってくる連中は最初からあの娘の目的を達成させる気なんてなくて、犯すだけ犯して逃げるに決まってるじゃない?あの娘もそれをわかってるだろうから、シャーリーはまたうちに来て目的を教えてくれると考えてたらしいんだけど……」

『とりあえずはここまで連れてこれる協力者を得ていた、と』

「そうよ。せっかく連絡がつきやすい宿を紹介したのにって書いてあったわ」


フェリスの話からすると、彼女はイリスが"銀蘭"へ加入の申込みに行く前からダンジョン内に滞在しているのだろう。

イリスのことはニナから伝えられた書類などで知ったのだと思われるが……イリスのことを知っていたシャーリーさんは何者なんだ?

その点について聞いてみると、


「言わないし、もう一度聞いたらあの娘との約束を反故にしてでもアンタを殺すわよ」


と返されたので追求しないこととする。

シャーリーさんも全身を鎧で隠していたし、ここまで言われるということは……彼女もイリスと同じような出自なのかもしれない。

同じような出自となれば過去にイリスとどこかで会っていた可能性があり、だからこそ加入の申し込みに来た彼女の正体がわかっていて、それでなるべく安全で連絡のつきやすい宿を紹介したのだろうか?

そんなシャーリーさんがダンジョン街に居る理由が気になるも、出自を聞いただけで殺すと言われたのでもちろん聞かないことにする。

こちらとしては拠点にイリス達を置いておければいいわけだし、無駄に揉め事を起こす気はないからな。



そうして、俺からイリスの目的について聞けないことがわかるとフェリスは軽くため息をついた。


「ハァ。シャーリーもそう簡単に人を動かせないから、あの娘の家を調べさせられないわよね。結局あの娘の目的もわからないままか」


あ、そうか。

出自が分かっているのなら、誰かに調べさせに行くこともできるよな。

まぁ、何らかの理由でその人手がないようなので、今のところは呪われた女性のことがバレたりはしないようだが。

そんな風に安堵していた俺へ、フェリスは若干前のめりになって今後の予定を聞いてきた。


「それで、これからアンタ達はどう動くつもりなの?」

『どう、と言われましても。それはイリスの目的にも繋がりますので』

「言えない、と」

『ええ』


俺の返答に難しい顔をするフェリス。


「うーん……こちらとしてはあの娘が危ない目に遭うのを防いでおきたいのだけど、聞いた限りではアンタのスキルって第3区までのほうが使いやすいわよね?」

『まぁ、それはそうですが』

「なら、ここを起点に第3区で稼ぐってことかしら?」

『どうでしょうね。奥のほうが稼げると聞いてますし、セリア……連れの聖職者が治癒魔法の効果をなるべく早く上げたいとのことでして』


確かに、彼女がニナから聞いたであろう"盾の拡大"は、閉所である第3区までの使用が適している。

だが、マジックアイテムを狙うとなればなるべく奥へ行く必要があるらしいからな。

しかし目的がマジックアイテムだと言ってしまえば、普通の手段では解決できない問題が発生していると勘付かれてしまうだろう。

そうなると呪いに考えが行き着く可能性もあるので、セリアの件を理由にもっと奥へ進むかもしれないと言っておく。

奥へ進むことは伏せておいたほうが良かったかもしれないが……実際に奥へ進もうとすればその情報は伝わるだろうし、そうなると俺はフェリスに嘘をついたことが明らかになるからな。

その結果力ずくで止められることになるのはお断りなので、奥へ進む事自体は正直に答えておいた。

で、俺の答えを聞いたフェリスだが……彼女は何かを疑うような表情を浮かべて聞いてくる。


「ここから奥は通路じゃないのよ?次の地区からは森になっててどこから魔物が来てもおかしくないし、盾を大きくしたら扱いにくくなってあの娘達を守りきれないんじゃない?」

『それは……なんとかなる、としか』


実際にはイリス達も"魔繕法"として魔鎧で覆うつもりだが、それを言うと"他人を魔力で覆う"ということから"コージ"として透明化させたときのことを思い出すかもしれないので言うわけにはいかなかった。

しかし、その答えにフェリスは何らかの確信を得たのか、ニヤリとして口を開く。


「ふーん……あの娘達を守るという点ではそれなりに自信があるみたいね。それってアンタが全身に纏ってる魔力と何か関係ある?」


あ、やはりそこに突っ込まれるか。

彼女は魔力を大まかにだが見えるらしいし、魔鎧を使っていればそれはすぐにわかっただろう。

ただ、この時点で鎧自体が魔力で出来ていることまではわかっていないだろうし、"コージ"だと気づかれないように誤魔化しておく。


『あぁ、この鎧はマジックアイテムでして。門番達を押し潰せるほどの力はこれのお陰なんですよ』


手に持つ盾であれば何らかのタイミングで手放すこともあり、そこを狙って奪うことを考える者が出そうなのでマジックアイテムだということにはしなかった。

しかし、鎧であれば脱がす必要があり、その鎧が筋力を与える物というのであれば奪うのは困難だと考えるはずだ。

イリス達には鎧が魔力で出来ていることを教えているが、それはあくまでも魔力の糸による"魔繕法"としてである。

ここで、そもそもが魔力で鎧を作る能力だと気付かれればいずれは俺の出自に辿り着かれるかもしれないので、こうしてマジックアイテムの鎧だということにしたのだ。


「へぇ……」

ガタッ


その答えに笑みを深くしたフェリスは席を立つと、俺に拳を向けてこんな事を言い出した。


「じゃ、力比べしましょうか♪」


あー……そうなりますか。
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