マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

文字の大きさ
上 下
67 / 95

第67話

しおりを挟む
教会の相談室にて、イリスとセリアをダンジョン内にある"銀蘭"の拠点に滞在させる件をセリアに伝えた。

まずは俺の実力テストのようなものがあることも伝えると、それを了承したセリアの派遣予約を入れてから教会を後にする。

次のダンジョン活動はそのテストが主な目的であり、そこまで長い派遣期間ではなかったので普通に予約を入れることができた。


「では、明日はお預かりしていたものをすべてお持ちしますね」

『ああ。じゃあまた明日』


再び"モーズ"になっていた俺はそう言うと、これからダンジョン前の救護テントへ向かうセリアと別れる。

彼女は解呪のマジックアイテムを購入することになるかもしれないので、少しでも稼いでおきたいとのことだ。

まだお昼前ではあるし、救護テントで待機していれば貰える手当に減額などの影響はないと言っていた。

その額は普通の人が1日に稼ぐのと同等らしい。

治癒魔法やそれに使う触媒を独占しているからか、教会は金に余裕があるんだろうな。



その後は"銀蘭亭"へ向かい、戻ってきていたニナに翌日出発することを伝える。

彼女はいつでも良いと言っていただけあって異論を唱えず、独自に用意すると言ったので俺達は物資の準備をして明日に備えた。

まぁ、水や食料は俺が用意する事になっているし魔力で作成すればいい。

なので購入すべきものはイリスの細々とした物だけであり、すぐに終わった買い物の後は"銀蘭亭"で夜まで過ごした。

それはイリスに誘われたからだったが……ダンジョンで過ごすことが増えればセリアも近くにいることが増えるだろうし、彼女はヤる機会が減ると考えたからのようだ。





翌日に備えて夜にはイリスの部屋を出ると、ニナにジト目で見送られながら俺は"牛角亭"へ戻る。

マンションに帰っても良かったが……交渉事でお偉いさんと外泊すると言ってあったので、無事であることを知らせておく必要もあったからな。

で、"コージ"に戻って帰還の報告をした結果。

 リンナやティリカさんにも無事であることを確認させろと言われたが、流石にイリスで満足していたし、翌日はダンジョンへ入るからと言って断った。

まぁ、2人掛かりですることまでは確認されたが。






翌日。

身支度を整えると食事を取り、宿を出てから路地で"モーズ"になる。

同時にリヤカーや物資を作成してダンジョン前へ向かうと、やはり若手の冒険者で賑わうダンジョン前の広場へ。

で、すり替えておいた自作のスカーフを探知してイリスを探すと……お、居たな。

誰かと一緒に居たので注意して近づくと、隣にいたのは武装したニナだった。

イリスと似た感じの装備で、皮の防具に扱いやすさを重視した小さめの盾とショートソードを身に着けている。

彼女は丁度こちらに気づき、イリスに俺の事を伝えたようだ。


『おはよう』

「おはよう、モーズ」
「おはようございます」


俺達がそう挨拶を交わしていると、教会の方からセリアが現れた。


「お、おはようございます」

『おは……よう』


たった4文字の挨拶が途切れたのは、セリアが両手で抱える木箱に胸を乗せるような形で現れたからだ。

1日では戻ってこない予定だからかそれなりに荷物も用意したようで、背負った鞄のストラップだけでも強調されている胸が木箱に乗っていることで更に強調されていた。

周囲は男性冒険者が多く、非常に視線を集める事になっている。

おそらく、この木箱は預けてあった魔法の触媒なのだろうが……恥ずかしそうにはしているので、箱の大きさで仕方なくそうなっているということだろう。


『……取り敢えず俺の荷車に荷物を載せろ。イリスとニナもな』

「あ、うん」
「はい」


俺の言葉で即座に動く2人だったが、ニナは動く前に確認をしてきた。


「私の荷物もいいのですか?」

『ああ。何か問題があるのか?』

「いえ、そういうわけではありませんが……」


彼女は冒険者ではないようだし、体力的にはセリアと大差はないと思われる。

であれば、途中で疲れて監視の目が甘くなり、それで正確な審査が出来なかったのでもう一度と言われる可能性がないとは言えない。

まぁ……"銀蘭"の拠点へ行ってそこの関係者にイリスを引き合わせた時点で、俺にイリスを害するつもりなど無いと証明できるはずではあるが。

そこまでしておいてイリスに何かがあったら"銀蘭"から真っ先に疑われるのは俺なのだし、あのフェリスに狙われるとわかっていて事を起こすわけがないからな。

そんなわけで一応ではあるが、ニナには下手に疲れられると困るので荷物を預かり、最悪彼女自身もリヤカーに乗せるつもりである。


『とりあえず荷物を載せろ。俺以外は女ばかりだし、変に絡まれると面倒だ』

「あぁ……わかりました、では」


セリアが先程の姿で周囲から注目されており、美女を3人連れている俺も注目されていると考えたほうがいいだろう。

先日のように女性目当てで襲われるのも面倒なので、そんな説明をしてニナの荷物もリヤカーに乗せさせた。

そうして出発の準備ができた俺達は、用意しておいた松明に近くの篝火から火を移してダンジョンに入る。



第1区ではいつものようにゴブリンの取り合いになっていたので、最短ルートで第2区へ。

その第2区へ入って暫く進んだ所で魔物を感知し、それらがこちらへ向かってきていたので他の3人に戦闘態勢を取らせた。


『来るぞ。数は……5体ぐらいかな』

「そこまでわかるのですか?」


警戒を促す俺に、ニナが剣と盾を準備しながらそう聞いてくる。

当然、魔石で感知しているとは言えないので、


『魔物が多い土地で暮らしてたんでな』


とだけ答えておく。

程なくしてやってきた魔物はゴブリン3体と魔狼2体であり、向かってくるそれらに対して俺は魔力で出来ている盾を通路いっぱいに広げた。


「……」


この"盾の拡大"についてはここまでの道中でニナに話しており、実際に拡大して見せてもいたので驚きはしていない。


「ガァアアアッ!」
「ギギャァッ!」

ドンッ!ドドッ!


吠えながら向かってきた魔物達は俺の盾にその突撃を抑えられ、少しだけ空いている隙間からその身を滑り込ませようとする。

そうしてねじ込まれた体に、俺は斧を振り下ろす。


ガズッ!
ズドッ!


魔物も逃げるときは逃げるのだが、それは個体差がある知能によるものであるらしい。

第2区の魔物にはそこまでの知能はないようで、程なくして5体全てが俺にことになった。

イリスとセリアが倒した魔物から魔石を回収していると、剣を収めたニナが声を掛けてくる。


「盾を大きく出来るのはともかく、重さはどうなっているのですか?」

『重さ?特に変わらないが……』


重量が変わるとなれば拡大した際に扱い難くなるはずで、それによってイリスの護衛に支障が出ると思われるかもしれないのでそう言っておいた。

その返答にニナはジト目をしてみせた。


「ということは、魔物5体を押し止めるだけの腕力があるということですよね?でしたら私の力には楽に抗えたはずですね」


弱いゴブリンでも、成人男性と大差ないぐらいの力は持っている。

それを複数、盾の重さもそのままなのに受け止められるとなれば……俺の腕力がかなり強いことになり、その力があれば部屋に引っ張り込もうとしたニナに抵抗できたはずだと言っているのか。

つまり、あのときはエロい事を期待して抵抗を控えたのだと推察され、それでジト目の表情を見せられているということだ。

イリスと愉しんだ後だったし、そのつもりは一切なかったのだが……それを言うと「では何故抵抗して立ち去らなかったのか?」という話になるな。

事実通りに「内密な話だと思った」と言ってもいいのだが、街に来て間もない俺に内密な話をする者などそうはいない。

となると内密な話をされる何らかの事情があるのだと思われてしまうだろうし、それがイリスに係ることだと判断されるかもしれないか。

実際、ニナはあのときイリスがこの街に来た理由を探ってきたしな。

その推察が彼女の解呪したい女性にまで至ってしまう可能性もあるので……ニナの誤解はそのままにしておいた。

この件が済めば関わることはなくなるだろうし、必要以上に親しくなるつもりはないからな。

その後、何度かの戦闘を重ねながら第3区の手前にある小部屋で休憩し、食事を取ってから先へ進んだ。




第3区に入ると俺は警戒を強める。

周囲に電撃をばら撒く魔狼が存在し、今回からは同行者を守りながら対応することになるからだ。

今日は暗視ゴーグルも使えず魔力の糸で拘束することもできないので、どうしてもあちらに先手を取られることになるんだよな。

なので……魔物を感知すれば早めに戦闘態勢へ移行し、イリス達から距離を取って対応するつもりである。


『向こうから来るな。雷を放つ魔狼がいるから少し離れて処理をする』

「わかったわ。灯りは大丈夫?」

『そこまで離れるわけじゃないが……一応もう1本用意しておくか』


第2区までとは違った通路の中、灯りの心配をするイリスにそう返して予備の松明に火を着けた。


「ガァアアウッ!」

バチバチバチッ!


程なくしてやってきた魔物の集団に盾で通路を塞ぎ、ここまでと同じように対応していると……例の魔狼が電撃を放つ。

数が減るまで待っていたようなので、味方を巻き込むのは避けたいと考える程度の知能はあったようだ。


ガスッ

「ギャッ……」


もちろん俺には通用せず、その魔狼は他の魔物と同じ運命を辿って戦闘は終了した。


「あの光るやつ、びっくりしたわ」

「雷と同じようなものだとは聞いておりましたが……あれだけで死にはしなくとも、体が動かなくなって結局殺されてしまうことになるそうなので注意しましょう」


イリスの感想にセリアがそう答えていると、ニナが俺を気遣うように質問してくる。


「直撃はしなくとも、金属を身に着けていれば近くにいるだけで影響を受けると聞きましたが……大丈夫なのですか?」


イリスとセリアはこの鎧が金属でなく、大抵のダメージを受けないとわかっていたから心配はしていない。

しかしニナはそれを知らず、金属の鎧が雷を通してしまうことを知っていたから俺を心配したようだ。

困った……これに対しての答えは用意してなかったな。

装備自体に耐雷効果があることにすると、その情報が外部へ漏れた場合に装備を狙われてしまうだろう。

かと言って俺のスキルか何かだと言えば、第3区を行き来する機会が多い人達から俺自身を狙われる。


『あー……まぁ、問題ない。当たらなければ』

「はぁ。それはそうでしょうけど」


俺の返答にイマイチ納得のいっていない顔をしていたニナだったが……そんなとき、遠くから大量の魔石がやって来るのを感知した。

魔石の集まりは大きいものが1つと……その周囲に小さい集まりが複数か。

おそらく、これは人が運んでいるものだ。

大きい集まりは荷車か何かに載っている分で、小さい集まりはその周囲にいる人が個人で持っている分だろう。

それ自体はいいのだが……その移動速度が気になった。

結構早い気がする。

魔物と遭遇するかもしれないわけだし、それを避けるためにいそいでいるのかな。


『……』

「どうしたの?」


黙り込んだ俺に3人の視線が集まっており、その中から聞いてきたイリスの質問に俺は答える。


『いや、大勢の足音が聞こえてきた気がしてな』


ニナの前で魔石を感知したとは言えないので、そう言ってこちらへ向かってくるであろう団体への警戒を促した。

急いでいるのなら最短ルートを通るだろうし、それは奥へ向かう俺達と同じルートである。

実際、魔石の反応からは最短ルートを使っていることがわかるので、規模によっては通路いっぱいに広がっているかもしれず、俺達が邪魔になって揉め事になるのは面倒なのでルートを変えた。

確か、今日は"宝石蛇"の輸送隊が街に帰還する予定だと聞いているし、現時点ではまだイリスと接触させないほうがいいだろうからな。

そうして、その団体が最短ルートで街の方へ去っていくのを把握しながら暫く進み、俺達は門番の部屋に到着した。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

処理中です...