マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

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第63話

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ギシッ、ギシッ、ギシ、ギシッ……

パチュンパチュンパチュンパチュン……

「アッ、アッ、アッ、アッ……」

ブルンッ、ブルンッ、ブルルンッ、ブルンッ


ランプの明かりの中、ベッドを軋ませているモノカさん。

彼女は初回から何度かの経験を積むと、今は俺の上で跳ねてその大きな胸を縦横無尽に暴れさせていた。


「アッ……クゥウンッ♡」

ビクビクビクッ


モノカさんは何度目かの絶頂を迎えて身体をひくつかせると、蕩けた顔でこちらへ倒れ込んでくる。


トスッ、ムニュリ

「ハァ、ハァ、ハァ……エヘヘェ……」


彼女は俺の身体で自分の胸を潰しながら、手足で全身を撫で回してきた。


スリスリ……

「ハァァ……」


そうして……モノカさんは一頻り撫で終えると俺の首筋に吸い付き、


「チュウゥ……チュパッ、ハァ……スゥ……」


と、眠りにつく。



彼女が寝たのを確認し、現在の時刻を表示した時計を作成すると……0時過ぎか。

今は秋で日が落ちるのも早いので、モノカさんが来訪した時間からすると6時間以上もヤッていたことになる。

まぁ、俺は栄養剤の中身だけを口の中で作成して飲んでいたから平気だったと思うのだが……味のこともあるのでモノカさんには与えていない。

つまり、彼女は素でこれだけ長時間の行為に耐えられるというわけで、その上最後まで俺の上で腰を振っていたほど貪欲だった。

……次があったとして、栄養剤は必須だな。

そんな事を考えると、俺は自分の上からモノカさんを退かして後始末を始めることにする。

俺が出したものは大体彼女がしてしまったので、片付けるのは主に彼女が放出したものだ。

魔石周りのことに関しては彼女も関係者ではあるし、避妊を考えて行為中に魔鎧を使う必要もあったので"魔繕法"として教えてある。

なので俺が出したものは魔鎧の内部に留まり、本人の希望によってが駄目ならばと全て口内で解放することになったのだ。

で、モノカさんが出したものだが……その殆どはベッドの上の自作したマットに吸収されたので、ベッドの外で楽しんだ分の後始末をすればそれでおしまいである。

マットに吸収された分は床に吸水シートを敷き、その上でマットを魔力に戻して水分を吸わせてから水場でそのシートも魔力に戻せばいい。

このマットは2層式で水はけの良い上部に保水力の高い下部という仕様であり、上面は特に濡れた感触もなくこのまま寝ても大丈夫なのでこちらの後始末は朝にやるとしよう。

というわけで、先にモノカさんの身体を全身に使えるボディシートで拭き上げ、自分も身綺麗にすると床などの後始末を終えて俺も眠りについた。






「ん……」

「おはようございます♡」


俺が目を覚ますと、その瞬間に隣から目覚めの挨拶をされた。

当然それはモノカさんからのものであり、横を見ると彼女はこちらに身体を向けている。

季節柄、朝は寒いかもと思って厚手のシーツを一緒に掛けていたが……ランプの灯りの中、その光に照らされて浮かび上がる胸に目が行った。

重力によって下へ引かれるも、その弾力によって形そのものはあまり崩れていない。

あれだけ柔らかいのに不思議だなぁと思って見ていると……モノカさんはその身をシーツから少し出し、それによって露出した胸を俺に差し出してくる。


ススッ

「どうぞ♡」

「……」

ワシッ、モミモミ……


寝起きというのもあって素直に彼女の胸を揉み、それを本人はニコニコとして俺が止めるまで揉まれ続けていた。



暫くして、本格的に目が覚めてきた俺は時間を確認する。

モノカさんが起きているので時計は作れず、木窓の隙間から差し込む光で判断するしかない。


「どのぐらいの時間かな……」


聞いたわけではないが彼女はそれに反応し、ササッとベッドを立って窓を開けた。


ガタッ、キィッ

「このぐらいですね。まだ暗くはありますがこの時期ですし、人通りを見るともう朝かと」


窓を開け、こちらを向いてそう言ったモノカさんはもちろん全裸である。


「ああ、もういいですよ。外から見えそうですし」

「はい♪」

キィッ、パタン


俺の部屋は4階で、同じぐらいの建物は少ないが存在する。

大きな街とはいえ土地は限られており、そうなると増える住人に対応するため上へ伸びる建物もあるからだ。

そんな高めの建物もあるなら外が暗ければ明かりをつけているこちらがよく見えるかもしれず、彼女の裸体を見られるのは良くないだろうと窓を閉めさせた。

やはりニコニコしているモノカさんは俺の隣に戻ってくると、深呼吸をしながらその身体を擦り付けてくる。


スリスリ……

「スゥゥ……ハァァ……」


そのウットリとした表情と柔らかな感触に俺は手を伸ばすと、肩越しに彼女の胸を揉みながら頬に手を当ててこちらを向かせる。


ワシッ、モミモミ……

ソッ……クィッ

「……」


その意図を即座に察したモノカさんはすぐに目を閉じ、緩く開いた口唇を俺に差し出した。


「ンッ、チュウゥ……」

チュ……チュプッ……ジュルルッ


遠慮なく口を付けて舌を差し込むと昨夜通りに歓迎を受け、当然ながら俺のは反応する。

彼女もそれはわかっていたのかそこに手を伸ばすと、躊躇なく握って刺激し始めた。


シュッ、シュッ……

スッ……チュパッ

「ンハァ……あの、いかがされますか?」

ムニムニ……


俺が顔を離してキスを止めると、モノカさんは胸を擦り付けながらそう聞いてくる。

意図は明白であり、朝から元気になったを治めようと提案しているらしい。

昨日は休みだったと言ってあった。

なので今日は俺が仕事をするのではないかと考え、今から体力を使う行為はよろしくないと思ってそう聞いてきたようだが……


キュッ

「その、良ければ私が動きますが……」


と情欲の宿った目でので、俺が「じゃあ、1回だけ」と言うと即座に彼女は跨ってきた。







「あの、今更ですが今日のご予定は?」


外が若干明るくなってきた頃。

俺達は水瓶から"たらい"に水を移し、その水で身綺麗にすると服を着てから朝食を取っていた。

そう聞いてきたモノカさんが少し申し訳無さそうなのだが、それは身体を拭いている最中にもを刺激してきて、結局3回ほどヤることになったからである。

嫌なら応じなければいいだけなので、俺が応えた以上は気にしなくていいのだが。


「んー……」


そんな彼女に俺は少々考える。

イリス達に昨日は休みだと言ってあったが、今日に関しては何も言ってないんだよな。

本来なら、昨日のうちに予定を決めて伝えておくべきだったか。

予定ねぇ……

ダンジョンではなるべく奥に行って解呪のマジックアイテムを狙うわけだし、そうなると第4区よりも先の地区へ進むことになるだろう。

"魔繕法"のことは2人に教えてあるし、彼女達も魔力の鎧で守れば危険度の高い第3区を行き来するのはそう難しくない。

しかし……頻繁にダンジョンと街を行き来していれば第4区に滞在している冒険者達も注目するだろうし、拠点を持つ大手カンパニーに目をつけられそうだ。

頻繁に街と往復できるということは相応の戦力を持つと思われ、最前線もしくは物資補給の護衛として望まれるのは想像に難くないからな。

そうなると……2人には第4区の拠点に滞在してもらうか?

セリアは長期の派遣となるが、治癒魔法の触媒は基本的に使う予定がないから補充の必要もないしな。

ただ……俺は魔石の納品などでコッソリ街へ戻ったりすることになるので、滞在先になる"金獅子"の拠点の治安が懸念点だ。

2人共美女であり、状況次第では狙われることが実績としてあるからな。

ここでふと思いつく。

2人だけ、女性のみのカンパニーである"銀蘭"の拠点に滞在できないか?

中に入るのが2人だけなら受け入れてくれるかも知れず、代表者であるフェリスとも知り合いなので交渉の余地はあるかもしれない。

タイマーの件もあるし……あっ、あのときは"コージ"の姿だった。

"コージ"とイリスの関係は伏せておきたいので、そうなるとフェリスに紹介するのは難しいか。

まぁ、"金獅子"の拠点が問題なく維持されている以上、治安もある程度は問題ないはずだ。

普通に女性も居たのを見かけているしな。

というわけで、今日はそれを話し合う日ということにする。


「今日は今後の予定について話し合うつもりです」

「えっ!?それは、その……いえ、私はいいのですが……」


俺の言葉に顔を赤くし、何やら激しく動揺するモノカさん。

え、何だ?と疑問に思っていると、彼女が何を考えているのかが判明した。


「まぁその、2人だけならともかく、こ、子どもとか出来たらここではちょっと狭いでしょうし、2、3人産むのを考えるともっと広い部屋を探さないと……」

「いや、ちょっと」


"今後の予定"を自分との事だと勘違いし、色々とすっ飛ばした想像をするモノカさん。

俺は彼女を止め、改めて今日の予定を正確に伝える。

それに対し、自分の早とちりで更に顔を赤くした彼女だったが……


「……あの、私はなるのを期待していますので、その気になったらいつでもにお出しくださいね♡」


と言って、を再び反応させかけた。



その話が一段落付くと、モノカさんが持参した布類に言及する。


「あの、後始末のために持って来ていた布は置いて行ってもいいでしょうか?」

「それは構いませんが、どうしてですか?」

「その……」


聞けば、昨夜は孤児院の関係者にこのマンションの掃除を手伝うことになったと言って来ていたそうだ。

急な話の上に夜という部分を気にされたらしいが、孤児院の業務に影響しないように配慮されたものだと説明したとのこと。

これまでの部屋探しで、融通を利かせてもらった代わりだと言って納得させたらしい。

泊まったのも掃除する場所が多いからだということにし、泊まる場所も空き部屋を借りることになっていると言って来ていたそうだ。

持参した布類をこのまま持ち帰り、濡れてすらいないと不自然に思われる。

というわけで、ここの水場で洗濯して干してあることにしようと考えたらしい。

俺はそれに再度了承すると、彼女は使った水の廃棄を手伝うと言ってきたが……そちらは俺がやると言って断った。

容器や水は魔力に戻して、汚れだけを一纏めにして捨てに行けばいいからな。



後始末の話が済むと、モノカさんはそろそろ帰ると言い出した。


「朝に帰ると言ってありますので」

「あぁ、そうなんですか」


ならばと俺は外まで送ろうとするのだが、彼女は「あ、ここまでで結構です」とそれを固辞して部屋の前まででいいと言う。

理由は……


ギュッ

「ンッ♡」

チュウゥ……


と、最後にキスをして別れたいからだったらしい。

これを外でやるのは恥ずかしいそうだ。

そんなモノカさんの要望に俺が積極的に応えると、彼女は「では、また♡」と言って安心したような笑顔で去っていった。



暫くして、残っていた後始末を終えた俺も部屋を出ると、マンションの1階で使用済みの水を廃棄する。

その後、俺がマンションを出ようとしたところ……管理人室前でサクラさんと遭遇した。


「おはようございます」

「……おはようございます」


外は程々に明るくなっているが、採光用の窓は小さめなので建物の中はまだ薄暗い。

そんな中、ランプの灯りに照らされた彼女の顔は微妙に眠そうなのが見て取れた。


「寝不足ですか?」

「まぁ……」


俺の問いに、やはり微妙な顔で答えるサクラさん。

少しふらついているので、心配になって事情を聞いてみる。

ここの管理人なわけだし、仮にも世話になっている立場になるからな。


「あの、何かありました?」

「それは……その、何と言うか……」


言いたいけど言いたくない。

そんな雰囲気の彼女に俺は言う。


「別に誰にも言いませんよ?」

「その心配はないと思いますが……」

「?」


どういうことだ?

言い触らされても困らないから問題ないということだろうか?

そう思っていると、彼女は顔を赤くして気不味そうに言った。


「あの……女性を部屋に呼ぶのはいいんですけど、コソコソ歩かせるのは止めてください。怪しいから確認する必要があるじゃないですか」

「あぁ……」


なるほど。

モノカさんが掃除しに来ているというのは彼女がでっち上げた嘘なので、彼女はサクラさんに俺の部屋へ入るところを見られるのは不味いと判断したわけだ。

夜に部外者が彷徨いているのは不審に思われて当然だしな。

そういえば足音は静かだった気も……ん?

サクラさんがそれを確認したとなると……


「……あの、寝不足なのって」

「し、仕方ないでしょう!気になったんだから!」


どうやら、遅い時間まで部屋の外でされていたらしい。

建物の中で施錠もしていたので、魔力の糸による索敵は不要だと判断してやってなかったんだよな。

聞かれて不味いことまで聞かれてないだろうか?

そこは確認しておく必要があるな。


「あの、どこまで聞こえてましたか?」

「どこまでって、その……女性のしか聞いてませんけど」

「ああ、そうですか」


俺はホッとした。

モノカさんの嬌声しか聞こえていないということは、普通に話しているときの声は聞こえていなかったようだ。

部屋探しのときに壁の厚さにも注目しておいて良かったな。

安心した俺は少しだけサクラさんをからかうことにする。

モノカさんが怪しかったのは仕方ないが、俺の部屋に入った時点で不審者に対する心配が不要であることはわかっていたはずだ。

となれば……その後のも不要なはずであり、モノカさんの嬌声を聞かれたのは彼女の名誉的によろしくない。

そんなわけで、俺はサクラさんに顔を寄せると小さめの声ながらハッキリと聞く。


「寝不足になるほど聞いていたってことは……何回んですか?」

スッ……プニッ

「っ!」

ビクッ


言いながら指で彼女の胸をつついてみると……ビクッと身体を跳ねさせるも、その身を引かせることはなく俺の問いに言葉を返す。


「な、何でそんなことを答えないといけないんですか……?」

「モノカさんの恥ずかしい声は聞いたんでしょう?彼女が俺の部屋に入った時点で確認は不要になったはずですし、だったら貴女はただの興味で聞いてたんですよね?」


プニプニ……

「ンッ……♡そ、それは……」


指先を動かして胸を弄る俺に、その刺激を甘んじて受けるサクラさん。

やはり、ある程度は良くなかったという自覚があるのだろう。

ただまぁ……この事が恥ずかしいのはモノカさんだろうし、俺がこの感触を楽しむのも筋違いではあるか。

というわけで、俺は探り当てていたを摘み、軽く捏ねて彼女に言っておく。


キュッ、クニクニ……

「ンンッ♡」

「まぁ、今回のところはこの辺で」

ギュッ

「ウゥンッ♡……は、はい……」


サクラさんは理解わかってくれたようなので、次の機会があったとしてもは遠慮してくれるだろう。

というわけで……俺は手を離して彼女に背を向けると、


「じゃあ、行ってきます。寝不足にはお気を付けて」


と言って返事を待たずにマンションを出た。
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