マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

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第57話

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大手カンパニーの1つである"銀蘭"に所属し、透明になった俺を見つけられるというフェリス。

立場は不明だが怪力を持つと自負し彼女の仲間もそれを認めていることで、それなりの影響力は持っていると思われる。

そんな相手であるため、俺が透明になる能力を悪用していると疑われたままなのは都合が悪い。

なので……透明化のマジックアイテムだと偽った自作であるただのタイマーを渡し、それを使用させている最中に時間切れとして消滅させることでもう透明にはなれないと言い張ることにする。

これで今後は透明にはなりづらくなるが、変に疑われやすい立場からは外れることができるだろう。

と考えていたわけだが、話の流れでそのタイマーを返してもらう事になってしまった。

残り時間は……彼女の手に渡って作動された時点で9分以上あったはず。

透明になったフェリスを含めてのやり取りで数分は経過していると思うのだが、彼女達の眼の前で時間切れになったタイマーを消滅させたいので……次の機会を待つべきか?

と思っていたら、タイマーを返すと言ったフェリスは透明なまま、俺の前でタイマーを服の中というか胸の谷間に挟み込んだ。


「ほら、どうしたの?」


そう言いながら、透明な姿の彼女は胸を突き出している。

周囲からは見えていないのだろうが俺達のやり取りで状況は把握しているらしく、その顔は赤かったり興味深そうだったりと様々だ。

一応、透明化の悪用を変に疑ったことのお詫びとして、手探りで回収していいと言っているフェリス。

いいのか?と、この集団のまとめ役らしきルカさんに視線を送ると……


スィッ


と目を逸らされるも、彼女はフェリスを止めようとはしなかった。

これはまぁ、透明化のマジックアイテムが時間制限をリセットできないと思っており、そんな貴重な物を無駄に消費させたと認識しているからなのかもしれない。

ふむ……ならばタイマーを返してもらうのに時間を掛け、この場で透明化のマジックアイテムが効果を失って消えるところを見てもらうか。

となると、それだけフェリスの身体をまさぐることになるわけだが……ただ探しているだけでそこまでの時間を掛けるのは不自然だ。

つまり、彼女の身体を長く触り続ける自然な理由が必要なわけで。

そう考えた俺は……自分の腰辺りの高さで両手を広げ、左右から挟み込むように透明なフェリスを抱き寄せた。


ぎゅっ

「あら」

「「あっ!?」」


フェリスが見えていない周囲の女性達だったが、俺の動きと彼女の声で俺達の状況を察したようだ。

そんな中、当の本人は少し驚くも落ち着いた態度を見せる。


「あぁ、このほうがマジックアイテムを探しやすいでしょうね。でも、変に避けて返さないってつもりはなかったわよ?」

「だったらマジックアイテムを止めてからでも良かったんじゃ……」

「それじゃお詫びにならないじゃない?見えないから好きな所を触れたのに、これじゃすぐに見つけちゃうんじゃないの?」

「好きな所を、ですか?」

「ええ。胸でもお尻でも……オ◯ンコでもね♡」


また直接的な表現だな。

怪力でアソコの力も強く、締め潰すだろうと言っていたので……もしかすると、それに耐えられる相手がいないことで彼女は性的なことに飢えているのかもしれない。

もちろんそういうつもりはなく、言葉でふざけるのが好きなだけなのかもしれないが……この様子なら多少は攻めても大丈夫か?

そう判断した俺は左手でフェリスの腰を抱え込んだまま、右手を彼女のお尻へずらす。


「んっ」

「「あっ」」


俺の右手の動きで、再び声を上げるフェリスと周囲の女性達。

しかし……それは誰も止めることなく、俺の右手はフェリスのお尻を撫で回す。


スリ、スリ、スリ……

「ンフッ、見つかりそう?」

「どうでしょうね……というか、下着は履いてないんですか?」


お尻を撫で回したことでわかったのだが……滑らかな肌触りの赤いチャイナドレスの下には、少なくともパンツの感触は存在しなかった。

その点について尋ねてみると……


「ほら、横から見えちゃうじゃない?これだけ深い切れ込みがあると」


と言って、俺の左手を掴みその切れ込みをなぞらせた。


きゅっ、スススッ……


確かに。

この感触からするとサイドのスリットは腰の上まであるし、パンツを履いていれば横から見えてしまうだろう。

それと履かないことを天秤にかけ、履かない方をえらんだということか。

しかし、この件にはそもそもの疑問点がある。


「あの、別の服を着たら良いのでは?その服って袖もありませんし、草で肌を切ったりしませんか?」

スススッ、スルッ……


そう聞いた俺の左手は再び彼女に動かされ、手首辺りまでが見えなくなってしまう。

つまり……俺の左手は彼女の服の中に入り込んでいるということだ。

スリットから差し込まれた俺の手はフェリスの滑らかな肌を感じ、そこに傷などはないことが確認できた。


「どう?傷なんてあった?」

「いえ、ありませんでしたが……」

「でしょう?私の肌に傷が入ることなんてそうはないし、だから肌触りが気に入ってて丈夫でもあるこの服を着てるのよ」

「はあ、それって力が強いことと何か関係が?」

「まぁ……そんなところね。ほら、マジックアイテムを探さなくていいの?」


彼女はそう返すと俺の両腕を掴み、どちらも服の下へ招いてその感触を味わわせる。

微妙に誤魔化された気もするが……その感触に俺はつい手を動かしてしまう。


モミモミモミモミ……

「ふふっ♡遠慮がなくなってきたわね」

「あ、すみません」

「いいって言ってるでしょ?ほら、好きに探しなさい」


彼女の言葉に手を止めかけた俺だったが、そう言うのならとタイマーの捜索を続行する。

可能であればタイマーの時間切れまで続けたいので、それがあるとわかっている、中々に大きい胸へ手を伸ばすわけにはいかず。

となれば下半身のみを弄ることになり、そこで物を挟み込める場所となると股間しかないだろう。

流石に怒られて、他者からも認められているほどの怪力で攻撃されるかもしれないが……魔鎧で防げば死にはしないだろうし、その場合は高速で吹き飛ばされてみせ、浮くスキルで衝撃を逃がしたから無傷だと言い張るか。

というわけで……俺はフェリスの身体を反転させて後ろを向かせる。


クルッ

「わっ、なに?」

「いえ、を探すなら後ろからのほうが探しやすいかな、と」

「あぁ、なるほどね。しっかり探しなさい♪」


そう言って俺に身体をもたれさせ、背を反らして胸を張るフェリス。

彼女のだらりと下げられた両腕からは力が抜かれており、俺はその両脇から両手を前に回す……と思わせて両サイドのスリットから服の中に手を入れる。


「んっ?あれ?そっち?」


予想外らしき反応ではあるが、その態度から怒ってはいないようで……ならばと両手を徐々に進行させてへ到着させた。

周囲の女性達も俺の手が透明になっていくことでどこへ向かっているかわかったようだが、やはり本人が止めないからか彼女達も止める気配はない。

というか……他の女性達はチラチラと周囲の警戒をしているが、男嫌いの魔法使いであるタイアはじっとこちらを見ている。

……興味自体はあるのか?

まぁいい、今はこっちのことに集中しよう。

俺の両手が到着した場所は芝生も生えていない更地のようで、お尻と同じく滑らかな地表にやや温度の高い渓谷があった。

特に咎められることもなく到着したが、攻め入る前に確認しておく。


「好きに探して……いいんですよね?」


体勢的に耳が近かったので、音量を抑えて囁くように聞いてみると……


「んちゅっ」

「んぐ」


と口に濡れた感触が発生し、その直後にフェリスが俺の問いに答えた。


「レロッ……本当に危ないから、指だけだとしてもに挿れるのは止めておきなさいよ?それさえ我慢できるなら……


その言葉に俺は魔鎧で覆った指先を駆使し、様々な動きで"タイマーの捜索"を行うことにした。




ヴヴヴヴヴ……

「あふっ……ぐぅっ!」

ビクンッ!


高速で振動する俺の手に、自身の両手で塞いだ口から声を漏らして腰を跳ねさせるフェリス。

まだタイマーのアラームが鳴っていないので時間は少ししか経っていないはずだが、彼女の身体はかなりの熱を持って震えている。

その声からか周囲の女性達の顔は更に赤くなり、タイアは何故か草の丈が高い場所へ移動した。


「ハァ、ハァ……」


顔は見えており、こちらを見ていることも確認できるので危険はないと思うが……


カサカサカサカサ……

チュクチュクチュクチュク……


をしているのか、ある程度は予想できているので放っておいたほうがいいのだろうが、彼女の目線は俺の股間へ向いていた。

俺の前にはフェリスがおり、その身体を弄って……いや、タイマーの捜索をしている影響で股間がしていた。

その彼女が透明なことから、の様子は何者にも遮られることなく周囲へ顕となっている。

周囲の女性達が顔を赤くしているのはこのせいか?

それなりに恥ずかしくはあるも、仕方ないと割り切っていたのだが……タイアはそれをにしているようだ。

男嫌いだとは言いいながら、自体には関心があるのか。

まぁ、彼女の事は放って置くとしてフェリスに集中しよう。


「くぅっ!ふぅんっ!」

ガクガクッ、ガクッ!

ドスッ!


彼女の反応は徐々に激しくなり、ガニ股でカクつかせる腰が時折俺の股間へ打ち付けられていた。

魔鎧による魔力の消費から察するに、結構な衝撃を受けているものと思われる。

もしかしたら、彼女達にはこれに耐えている時点で普通ではないと思われてしまうかもしれないが……見た目よりそこまで衝撃は強くなかっただけだと言い張るしかない。


「アッ、ダメこれ、イッ、アァッ……クゥゥッ!」

グイィンッ!


そうしている内にフェリスは絶頂を迎えたらしく、腰を大きく前に突き出してを堪能し始めた。


ガサガサッ

「ふっ……ィクッ……」

ビクビクッ


どうやらタイアもようで、草むらの小刻みな動きが収まっていく。

本来の目的はタイマーの時間切れを迎えることであり、もうそろそろ残り時間が尽きてアラームが鳴るはずなのだが……と思っていると、


ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ……


と、アラームが鳴り出した。

あ、いかん。

早くタイマーを回収して周囲の目がある中で消滅させ、もう存在しないことにしないと。

そんなわけで、まだ余韻の真っ只中にいるフェリスの両脇から手を突っ込み、胸の谷間にあるタイマーへ手を伸ばす。


ズッ、ブルンッ

「んあんっ♡」


手を彼女の服の中に入れたのだが……思いの外伸縮性がなかったのか、無理矢理突っ込むことになる。

その上ブラ的な下着も着ていなかったようでフェリスの服が中央に寄り、彼女の胸は左右から溢れるように露出した。


ピピピピピ……


アラームの間隔が短くなったことから、おそらくこれが時間切れを迎える最終段階の音なのだろう。

ただ、使い切ったことがない設定の俺はそれを知らないはずなので、あくまでも音の発生源からタイマーの位置が明らかになったから、という態度で動かねば。

時間切れを迎えていると予想される以上はフェリスの服を直している暇はないと判断し、音を鳴り響かせるタイマーを掴み外へ取り出す。

それと同時にフェリスの透明化を解除すると、タイマーの効果が切れたように見せかける。


「「あっ……」」

「……あ?」


驚く周囲の声に、フェリスは状況を把握できていない間の抜けた声で反応した。

そこには胸を露出しガニ股で俺にもたれかかるフェリスが現れており、周囲の女性達の顔は更に赤くなっている。


「…………」

スッ


数秒後、自分が透明でなくなったことを理解したらしい彼女は俺にもたれかかるのを止めると……その格好のまま俺に向き直った。


クルッ、ブルンッ

「……」


フェリスは無言であり、微妙に怒っているような表情だが……怪力で攻撃されるのは嫌なので、まだ音が鳴っているタイマーを差し出して見せる。


ピピピピピピ……

「あぁ……それ、どうなった?」

「残り時間が0になってますね。ほら……」

「あ、ほんとだ」

「透明化も解除されましたし、もう使えないんですかね……あっ!」

「「あっ」」

フッ


答えながら時間が表示されている部分をフェリスに見せると、彼女がそれを確認したタイミングでタイマーを魔力へ戻す。

その様子は周囲に居る彼女の仲間達にも見えており、一斉に驚きの声が上がった。


「「……」」


少しの間、無言の時間が過ぎる。


「あの、えっと……」


おそらく謝罪しようとしたであろうルカさんだったが、そこでフェリスが動き出した。


スッ……

ガシッ


胸を露出したまましゃがみ込み、俺のズボンを止めているベルトに手を伸ばす彼女。

それに対し、俺は即座にベルトを掴んで防御する。


「……手、退けなさいよ」

「いや、何をする気ですか」

「お詫びよ。道中で使ってきたって言ってたし、浮けるスキルがあっても30分でここには来れないだろうから何度か時間を戻せるんだと……まさか物自体が消えるとは思わなかったわ」


あぁ、透明になれる時間を何らかの手段で回復できると思っていたのか。

ルカさんはタイマーの時間を戻せないと予想していたが、フェリスは戻せると読んでいたようだ。

マジックアイテムには、魔石を触れさせることで動作に必要な魔力を補充できる物があると聞く。

今消したタイマーがそれと同種の物であり30分で第4区まで来るのは無理だと考えていたから、時間を戻せると思って気軽に使わせろなどと言ってきたわけか。

つまり、制限時間が30分という設定をしたのがミスだったんだな。

これでフェリスが実行しようとしているを受けるのは気が咎めるのだが……彼女は俺の腰に手を回し、その怪力を使って俺を捕える。


ガシッ

「ほら、脱がせてあげるから手を退けなさい」

「いや、いいですって」

「ダメよ。詫びと借りはなるべく早く精算しておくものだから」


それはわかる、精算を先送りにすると大体精算しづらいタイミングで精算することになるからな。


「それはわかりますけど、周りの目もありますし……」

「私なんかひどい格好を晒されたんだけど。あの時点ではマジックアイテムが消えるとはわかってないわよね?」

「あー……」


つまりまぁ、フェリスに恥ずかしい格好をさせた時点ではタイマーの再使用が可能であるかもしれず、その場合彼女はお詫びをする必要がなかった。

なのでこの件に関しては俺の落ち度となり、俺も恥ずかしい目に合うべきだろうというわけか。

筋は通っているような、通っていないような。

そう考えている俺のベルトに彼女の手が掛けられた。

見た目からは普通の女性的な手にしか見えない。

しかし、この手に怪力が宿っているのは先程のカクついていた腰の動きと……今、俺の腰に回された腕で把握している。

ここで抵抗できてしまうと、俺に"浮く"以外の能力があると思われてしまうよな。

……仕方ないか。


「ハァ……その、手短にお願いしますよ?」

「それはアンタ次第よ♡」


そう返してきたフェリスは露出したままの胸を揺らしながら、機嫌良さそうに俺のベルトを外し始めた。
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