マガイモノサヴァイヴ

狩間けい

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第44話

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「はい、ここがご紹介する404号室ですよ」

カチャッ、キィッ……


そう言いながら鍵とドアを開けるトーラさん。

部屋の数字に違和感があったが、☓☓4号って下一桁が4なところか。

日本じゃ縁起が悪いとかで飛ばされていたりしたのだが、こっちでは普通に使われるんだな。

まぁ、日本でもそういう部屋番号の飛ばし方は減ってきていたらしいが。

8畳ぐらいの部屋には机と椅子が1セットと、マット部分のないベッドだけがある。

シングル……いや、セミダブルぐらいかな。


「ふーん……置いてあるものはこの部屋の物ですか?」

「はい。退去時にこれらは持ち出さないようにするか、持ち出したければ買い取っていただくことになります」


ふむ。

ここを借りるとして、家具類はどうするかな。

品質を考えると"紛い物"で用意したいところだが……基本的に他人を連れ込む気はないにしても、入口から見られるぐらいはするかもしれない。

ドアは外開きなので内側に暖簾を掛け、室内を見るのにワンクッション障害を設けておくか。

まぁ、置くのは住むための家具というより、収納のための物だけどな。

そんな事を考えると、気になった部分をトーラさんに質問する。


「トーラさん、ここの水場はどうしてるんですか?」

「それは裏手に井戸があって、ここの1階に炊事場と洗濯場を兼ねた場所があるんです」


井戸は周辺地域の共有物だそうで、そこから水を運び込むらしい。

下水道のことも考えると、どこにでも井戸を掘るわけにはいかないしな。

まぁ、建物を出てすぐの所にあるのなら十分マシなほうだろう。


「洗濯物はどこで干すんですか?」

「それはほら、あっちとこっちにある出っ張りに紐をかけて、小さめの物はその紐に掛けて干すんです。大きい物でしたら屋上か裏庭に」

「へー……」


室内には一対の出っ張りが向かい合った壁に設置されており、それに紐をかけて干すようだ。

小物は部屋干し、それ以外は外にということらしい。

女性の住人ばかりだと聞くし、下着類の盗難などを警戒してのことなんだろうな。

ついでに聞くとトイレも1階で、水で下水道へ流せるようになっているそうだ。

まぁ、流すための水を事前に専用のタンクへ補給しておかなければならないが。

やはり水回りは結構面倒だな。

だが……トイレ以外、自分で作った物は消して処分すればいいし、そもそもここに住み込むわけじゃないからそこまで問題にはならないか。


「じゃあ、次はその水場を……」


と、広いわけではないので個室はすぐに見終わり、続いてその水場へ案内しようとしたトーラさんだったが……俺はそれを止める。


「あぁ、そっちはいいです。基本的に倉庫として使うだけなんで」

「いいんですか?」

「ええ。それでここの家賃は?」

「一月で70000オールです」


"牛角亭"に毎日泊まるよりは断然安い。

ただ、ダンジョンの奥へ行くことになれば毎日宿に帰ることはできないだろうし、それを考えれば高いとも言える。

そもそも、倉庫が欲しければ倉庫を探すべきで、そのほうが借りる料金は安いのだろうが……最悪、イリスが追われることになった場合に彼女を隠す場所としても使えるしな。

そんなわけで……


「じゃあ、ここに決めようと思うんですが」


と、トーラさんに伝える。


「あ、はい。家賃の交渉はされないんですね」

「しても良かったんですか?」

「家賃となれば借りている限り支払い続けるものですし、普通は少しでも下げようとするものですが」

「なるほど……まぁ、稼げばいいんで大丈夫です」


そう返すと、彼女はホッとして笑顔を見せた。


「そうですか。フレデリカ様の関係者ですし、無理な値下げ交渉をされたらどうしようかと……」

「あぁ、ハッキリ言ってそこまで深い仲でもないので、そんなに気を遣われなくてもいいんですよ?」

「そういうわけにも……ああ、それでお支払いについてのお話ですが」

「はい。どういった形に?」

「基本的には月末に一括で。前払いも可能です」

「月末ってことは……税金と同じような感覚か」

「そうなりますね。そして自己都合で退去される場合ですが……その月の分をお支払い済みであれば、部屋を開けて鍵を返却した日以降の分は返金されますので」


半月しか住まなかったら半月分は返ってくるのか。

借りる方にとっては有り難いのだろうが、貸す方は面倒そうだな……ん?


「あの、支払いはどなたに?」

「部屋の貸し主である大家さんですね。まぁ、ここの場合は管理人のサクラさんですが」

「ああ、そうなんですか」


となると、返金処理が必要な場合はあの娘に負担をかけることになるのか。

まぁ、彼女の担当がこの物件だけなら大した負担にはならないだろうし、遠慮なく返金してもらっていいだろう。



その後、モノカさんが保証人になるという話も事前に決めていた条件で受け入れてもらい、俺が一度滞納したらその月の分だけ彼女が支払うことに。

代わりにその時点でモノカさんは保証人でなくなり、俺は住人でないという扱いで部屋の物も建物の持ち主に所有権が移ってしまうが……そうなる予定はないので問題ない。

持っていかれた所で、"紛い物"で作った物なら魔力に戻してしまえばいいからな。

まぁ、家賃滞納という契約違反でそうなるわけだし、代わりに何か別の物で補填しなければならないが。

というわけで、書類と筆記用具を持ってきていたトーラさんがその場で契約書を作成し、俺達はそれぞれのサインを入れた。


「その場で契約って普通なんですか?」

「逃がしたくない方の場合は、ですけどね♪」

「なるほど」


フレデリカの影響で良客と判断されたようだ。

んー……都合はいいが、アイツが何を目論んでいるのかは警戒しないとな。



契約が完了すると、トーラさんは書類を仕舞って俺に鍵を差し出した。


「はい、どうぞ。今日からここはコージさんのお部屋です」

「どうも。じゃあ、サクラさんにご挨拶でも……あ、こういうときって近所の人に何か贈り物とか持って行くものですか?」


特にサクラさんは俺の入居に微妙な顔をしていたし、何かしら持っていったほうが多少は印象が良くなるかな?と思って聞いてみるが……


「いえ?こういう物件でそういったことは……コージさんの故郷ではそういうものだったんですか?」

「あ、いや。そういうところもあると聞いたことがあるってだけです」


どうやら、個人で粗品を持参してのご挨拶周りはしないらしい。

俺が生きていた頃の日本でも都市部ではあまりやらなくなっていたようだし、武器の携帯が割と普通な世界である以上は手ぶらのほうが良いぐらいだそうだ。

というわけで、俺達は手ぶらで1階の管理人室へ。

再びトーラさんがサクラさんを呼び出し、出てきた彼女に俺の入居を伝えると……やはり、彼女は微妙な顔をする。


「あー、そうですか……あの、1つ気をつけていただきたいことが」

「なんでしょう?」


難癖をつけてキャンセルさせるつもりか?

と、思っていたところ……彼女は俺とモノカさんを交互に見ると、少し顔を赤くして至極真っ当な注意点を挙げた。


「夜は騒ぎすぎないように。するなとは言いませんが……程々でお願いします」


出入りするのは俺1人だと言っておいたのだが、モノカさんを連れ込むだろうと思われているようだ。

とりあえず……隣で顔を赤くしているモノカさんの熱い視線を受け流し、現時点ではその予定はないと言っておく。




サクラさんへの挨拶を終えるとトーラさんは店に帰り、モノカさんは掃除などを手伝うと言ってくれたが……サクラさんの働きによりその必要はなかったので帰っていただいた。

彼女には魔石の仕分けを頼むという利益があるとはいえ、ちょっとしたお礼ぐらいは何か用意しようかな。

俺はそんなことを考えつつ、魔石の査定状況を確認しにギルドへ向かう。

フレデリカは終わっていればギルドの口座に入れておくと言っていたので、表側のギルド受付へ行ってもいいが……部屋を借りることができた報告も兼ねて彼女の居る解体場へ。

都合よく利用されないよう、近づかれ難くするために胸を揉んだりしたのでちょっと気不味いが仕方ない。

どうせ、また顔を合わせることにはなるだろうしな。



というわけで解体場へ到着し、フレデリカの受付へ向かうと……彼女は俺に気づき、読んでいた書類から顔を上げる。


「部屋はもう見つかったの?」

「ええ、まぁ。契約もしてきました」


"コージ"としての態度に微妙な顔をするフレデリカだったが、それには納得しているのか彼女は話を進めた。


「そう、なら良かったわ。イリスを連れ込むのもいいけど、できればモノカも連れ込んであげて欲しいところね」

「……そのつもりはないと言っただろう?」


人に聞かせる内容ではないと思ったので、俺はカウンターに身を乗り出して小声でそう返す。

それに応じたフレデリカも、俺に顔を近づけて小声になる。


「言ったでしょう?あの娘自身の望みだって。アンタは私に利用されたくないからそう言ってるんでしょうけど……こっちも無理なことをさせる気はないから遠慮しなくていいのよ?」

「その言葉をそのまま受け取れる関係でもないだろ。知り合って2、3日だぞ」


そう返す俺に、フレデリカは憂鬱そうな顔で口を開く。


「世の中には会ったこともない奴と結婚が決まってたりする事もあるのよ?それに比べればマシじゃない?」

「それは政略結婚の事を言ってるんだろうけど……目的がハッキリしてるぶん、そっちのほうがマシに思えなくもないぞ」

「むぅ……」


俺の言葉に納得できる部分があるのか、口籠って唸るフレデリカ。

彼女の表情から政略結婚に良いイメージがないようだが……言い出したのがモノカさんとはいえ、結果的に似たようなことをしているわけだからな。

第三者の利益を目的にくっつけられるのは気に入らない。


「とにかく、お前の目的がハッキリしないうちはモノカさんを受け入れる気はないぞ」

「ハァ、仕方ないわね。わかったわよ」


フレデリカは軽くため息をつくと、とりあえずは諦めた素振りを見せた。

"宝石蛇"の、イリスに対する動きを調べてもらう件を持ち出してくる可能性もあったが……最悪どうとでもなると言った俺の言葉もあってか、完全に関係が切れるのを避けようとしたのかもしれない。

とりあえず、話に一区切り付いたので本来の目的に移る。


「まぁ、その話はこの辺にしておいて……魔石の査定は終わってるのか?」

「終わってるわよ。仕分けはちゃんとされてたから、手伝いは隣の娘1人だけで済んだわ」

「隣?」


そう言われて隣の受付を覗き込むと、睨むような表情の受付嬢さんが俺を見てくる。

普通の表情をしていれば可愛らしいのではないかと思える顔だが……仕事を手伝わされた原因が俺だとわかっているからこの表情なのか?

そう予想していた俺に彼女が恐る恐る話しかけてくる。


「な、なにか……?」


表情の割には気弱そうな声色だな。

その違和感が気になるが……まぁ、今はいいか。


「いえ、俺の持ち込んだ魔石の査定を手伝っていただいたそうで。ありがとうございます」

「いえ……仕事をしただけですから」

「は、はあ。じゃあ……」


そっけない態度にあまり話を続けないほうがいいと判断し、俺はフレデリカの受付へ戻る。


「おかえり。好みだった?」

「そういうつもりで見に行ったわけじゃないぞ」

「わかってるわよ。で、査定表がこれだけど……どうする?」

「どうって?」


カウンターの上に差し出された査定表は2枚あり、ゴブリンと魔狼の魔石を数えた数が書かれていた。

合わせて2000弱か……仕分けに出したのはこれで全てではないだろうし、吸収した分もあるので魔物を倒した数はもっと多いはずだ。

俺の場合は魔物をすぐに見つけられるし、倒すのも拘束してするだけの作業だったからなぁ。

しかし、その2枚には気になる点があった。

記載されている魔石の数に大きな差があり、多い方にフレデリカ、少ない方にジルという名前が査定担当者として書いてある。

隣の受付嬢がジルという名前なのだろうが、手伝わせたにしては少なめで魔石の数は500個ほどと書かれていた。

フレデリカが遠慮したのか、途中からジルに頼める状態になったのか。

コイツが遠慮するような女には思えないので、後者なのかもしれないな。

そんな査定表を出しながら何かを尋ねてくるフレデリカに聞き返すと、彼女は質問の意図を説明した。


「この数を1日で、となれば……この書類を扱った職員に目をつけられるのは間違いないわよ?」

「中には情報を売る職員が出てもおかしくない、と?」

「そういう規則違反に対する罰は重いわ。指名手配されて冒険者から狙われるし、買った側からも口封じで消されるでしょうから……まぁ、まともな判断ができればやらないでしょうね」

「なら……」


大丈夫じゃないか?と聞こうとする俺に、フレデリカが先んじて答える。


「少人数でこれだけの稼ぎというのが問題ね。そうなると1人当りの取り分は多いとわかってしまうし、同情を引いたり色目を使ったりしてアンタをモノにしようとするでしょう」


孤児院であったネロの件が思い出されるな。


「なるほど……じゃあ、貯め込んでた分を換金したってことにすればいいんじゃないか?」

「街に来て数日のアンタがここまで貯められるわけないでしょ?」

「街に来るまでの分ってことにはできないか?」

「そんな荷物を持って街に入ってきたの?」


そう問われて思い返すと……


「んー……今回査定に出した分が何とか入るぐらいだったかもな」

「それなら今回は誤魔化せるかもしれないけど、次からはもっと稼ぐつもりなんでしょ?その場合のことは考えてるの?」

「そう言われると……そこまでは」


ギルド相手にも稼ぎが多い事を隠さなきゃならんのか。

まぁ、今のところはイリスが"宝石蛇"に目を付けられていないようだし、目立たないに越したことはない。

これまでも面倒な事になっているというのに、更に面倒な事が発生するとはなぁ。

どうしたものかと頭を捻っていると……周囲を見回したフレデリカが更に顔を近づけてきた。


ズィッ

「っ!」


下手をすると唇同士が接触しそうな距離で、警戒している相手だとしても美女なのでドキリとする。

接触する前に止めているのでではないだろうし、内緒話だろうと思って彼女へ耳を向けた。

するとそれは予想通りだったようで、フレデリカは更に耳へ口を近づけるとかなり小さな声で言う。


「……裏でウェンディに流しなさい」

「ハァ!?」


その言葉に驚き、漏れる声を抑えつつフレデリカに顔を向けた結果……


スリッ……


と、唇同士が接触した。
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