34 / 95
第34話
しおりを挟む
魔法の触媒をダンジョン内で受け渡しするという話がセリアと決まり、彼女が商会から届く触媒を受け取れる日時を相談する。
「届く前に言っていただければいつでも構いません。基本的には暇なので」
本人的には良くないのだろうがこちらとしては都合がいいので、触媒の購入が決まったら伝えに来るということにして解散となった。
「では、よろしくお願いします」
相談室のある別館をセリアと共に出ると、彼女は俺に一礼してダンジョン前のテントに戻る。
戻ったセリアに同僚らしき女性が声をかけているが……心配しているような表情だし、俺に変なことをされていないかを確認しているようだ。
すぐに否定の言葉が返ってきたのかホッとした顔になったので、変な疑いが晴れたらしいことに俺もホッとしてその場を離れた。
さて、次はフレデリカに教えてもらった"フータース"という商会へ向かうとしよう。
街の南西地区にあると言っていたがこの街は大きく、かなりアバウトな説明なので聞き込みながら向かうしかないな。
暫く歩き、時折人目のない路地に入ってコンパスで方角を確認しつつ南西地区へ向かう。
非武装の人も多いので、この辺りは商店街なのかな?と思って進んでいると……周囲の建物に比べて一際大きい建物が見える。
"フータース"は大きい商会だとフレデリカが言っていたし、あれがそうなのかもしれないな。
そう思って近づいてみるとやはり商店ではあったらしく、広い入口の前で客引きらしき女性達が呼び込みをやっていた。
「いらっしゃいませーっ!この時間だけお安くなってる商品がございますよーっ!」
露出がことさら多いわけではないが、身体に対してサイズがやや小さめの服で声を張る女性達。
赤いスカーフを巻いているので、彼女達自身が商品ということではないようだ。
少し離れた周囲には、彼女達を眺めている男達が居る。
高級店ではないと聞いているので、金がないからといって入店できないわけではないはずだ。
何らかの理由で出入り禁止にでもなったのだろうか?
それでも呼び込みの女性達は見ていたいということでここに来ているのかもしれないな。
そんな様子を見ながら店に近づき看板を確認する。
うん、"総合商店フータース"と書いてあるな。
それを確認していた俺に、呼び込みの女性達が声をかけてくる。
「いらっしゃいませ!冒険者の方がよくお求めになる物は3階と4階になっておりまぁす♪」
その言葉に上を見上げると、この建物は6階建てらしいのが見て取れる。
何階までが売り場なんだろうか?
1番上の階に責任者の部屋があるイメージだが、エスカレーターやエレベーターがないとちょっと面倒だよな。
他の客が出入りする中、その辺りをどうしているのか気にしていると再び呼び込みの女性に声をかけられる。
「お客様?」
「ああ失礼。お邪魔する」
「はい、ごゆっくりどうぞー♪」
"フータース"に入店すると、客が多くて見通しは悪いが、それでも店内の広さが窺えた。
100m四方はないぐらいに見えるが、バックヤードを含めるとそれぐらいはあるのかもしれない。
1階は食料品と日用品がメインのようで、どちらかというと女性客が多いようだ。
店員は幾分女性が多く見え男女それぞれの制服を着ており、男性はウェイターのような、女性は外で客の呼び込みをしていた人と同様に少しピチッとした制服だった。
どちらも外見が整っているように思えるので、それが採用基準において大きなウェイトを占めているのかもしれない。
当然のように女性店員に目を引かれる中、俺は先に来ているはずのイリスを探してみるが……見当たらないな。
この階には保存食などの冒険者が求めそうな物も置いてあるし、俺がうろついていてもおかしくはないはずだ。
だが、商品を見ず何も買う気配のない全身鎧姿の人間はやはり目立つようで、主に女性客から訝しむような視線が飛んできている。
そんな周囲の目を気にして、他の階を探そうとフロアの端にあった階段へ向かうが……そこでこの店の制服を着た女性に声をかけられた。
「お客様、なにかお探しでしょうか?」
長めの明るい茶髪をポニーテールにした若い美女だ。
例に漏れず身体のラインが出ており、メリハリのあるその身体に目が行くも……とっとと用事を済ませようという気持ちが勝って問われたことに返答する。
「ああ。探しているのは確かだが、それは先に来ているはずの俺の連れでな。この店で合流することになっているから店内には居るはずなのだが……」
「お連れ様、ですか?どのような方でしょう?」
「女の冒険者で20歳は行かないぐらいの、剣と防具を身に着けた……まぁ、美人だな」
そう答えると女性店員は思い当たる節があったようで、俺の名前を出してきた。
「あら、もしかしてモーズ様ですか?」
「ああ。それがわかるということは、イリスのことも知っているのか?」
「ええ。少し前に声をおかけしましたらウェンディ様にご用件とのことで、ある方の紹介状をお持ちでしたので先ほどご案内いたしました」
話に聞くとイリスは出入り口付近で俺を待っていたそうで、女1人とはいえ武装した者にその場で留まられるのは困るから声をかけたようだ。
俺と行き違いになるのを避けたかったんだろうな。
で、イリスがウェンディへの紹介状を持っていたので別室で待機させ、紹介状が本物だと確認されたのでウェンディのところへ案内したそうだ。
「そうなのか。ただ、それだと俺がモーズであることを証明する必要があると思うが……」
「あぁ、はい。ですのでその紹介状がどなたからの物かをお聞きしてよろしいですか?」
そう言って女性店員は俺に耳を向けてくる。
ある程度はそれで証明になるのかもしれないが……それでいいのか?と思いつつも、本人には違いないのでまぁいいかと向けられた耳に囁いて答える。
「フレデリカ・ヴァーミリオンからの紹介状だ」
「んっ♡……は、はい。モーズ様ご本人に違いないようですので、ウェンディ様の所へご案内いたします」
俺の囁きに少し変な反応をしていた女性店員だが、とりあえずは案内してもらうことに。
「ではこちらへ」
「ん?階段はそこだが……」
何故かすぐそこにある階段ではなく、反対側にあるドアへ向かう女性店員。
彼女は進みつつ俺の問いに答えた。
「一般の方は有料ですが、上の階へ楽に移動できる物があちらにありますので」
「ほう」
どうやらエレベーターのような物があるらしいのでついていくと……ドアの前に到着し、女性店員がそれを開く。
ガチャッ……ガチャッ
「どうぞ中へ」
開かれたドアの先には箱状のゴンドラ?があり、乗り口の柵も開けられて乗るように促された。
……大丈夫か?コレ。
街の技術的な発展度合いを見ていると、安全面に不安を感じてしまうのだが。
一応、人が落ちそうな隙間などはなく、天井には整備や非常時に使われるであろう乗降口があるので止まってもなんとかなるか。
そもそも俺は魔鎧で飛べるし、今日はダンジョンで魔石を使った魔力の補給もしているので、ゴンドラが落下したとしてもある程度は耐えられるはずだ。
「あの、大丈夫ですよ?魔石は必ず一定以上補充しておく決まりとなっておりますので、途中で落ちたりはしませんから」
ゴンドラに乗らず、中の様子を窺う俺に苦笑しながらそう言う女性店員。
「魔石?これはマジックアイテムなのか」
「ええ。ちょっと失礼……ここの箱に魔石が入っておりまして、ここから魔力がマジックアイテムへ供給されます」
俺の横を通ってゴンドラへ先に乗り込んだ女性店員は、壁についた箱を指してそう言った。
箱には溝が入っていて、中の魔石が見えている。
箱の表面に横線が入っているので、これが補充しておかなければならない量の基準なのだろう。
その隣に上下を表すボタンがあり、それで操作するのだと思われる。
となると……電気製品のないこの世界で電気的なスイッチは作れないだろうし、このゴンドラ全体がマジックアイテムなのかもしれないな。
細かい仕組みが気になるが彼女にも自分の仕事があるはずで、これ以上の時間を取らせるのも申し訳ないのでゴンドラに乗り込んだ。
バタン、ガチャン
「では、上へ参ります♪」
ドアとゴンドラの柵を閉じた女性店員が上昇するスイッチを押すと、ゴンドラは音もなく動き出した。
モーター音などはしないが……どうやら動かす間はスイッチを押し続ける必要があるらしく、女性店員はスイッチを押したままである。
ドアの裏に数字が書いてあるので、それで現在地を確認して手動で操作するようだ。
その様子を見ながら上の階に到着するのを待っていると、エレベーターと大して変わらない速さで6階へ到着した。
女性店員は少し出来ていた乗降口の段差をなくすように微調整し、それが終わるとスイッチから離れてドアと柵を開く。
ゴンドラは空中に留まる形になるが、この間は魔力を消費するのかが気になるな。
「どうぞ、お降りください」
促されてゴンドラを降りると、ゴンドラの柵とこの階のドアを閉じた女性店員も降りてきて再び俺を先導する。
派手ではないが高級そうな置物が置かれる通路となっており、各所に警備員が置かれているが……彼らは俺達に何も言わない。
店員が案内しているからだろうと気にせず進むと、応接室と書かれた部屋の前に到着した。
「こちらでお待ちです」
女性店員はそう言うと、ドアをノックしてその向こうへ入室の許可を取る。
「イリスさーん、お連れしたわよー」
「あ、はい!どうぞ!」
ん?この場合はウェンディ氏にお伺いを立てるものだと思ったが……今は部屋にイリスしか居ないのか?
だとしたら何故それを把握しているのだろう?
そんな疑問を持ちつつも、ドアを開いて「どうぞ」と入室を促されたので入ってみると……ソファから立ったらしいイリスと再会する。
無事にここへ通されていたことに安堵するも……彼女の口から発せられた言葉に俺は驚いた。
「あ、モーズ……ってウェンディさん、何故そんな格好を?」
「えっ」
その発言に案内してくれた女性店員を見ると、彼女は俺に自己紹介をする。
「はじめまして。"総合商店フータース"の管理部部長、ウェンディ・フータースです♪」
「届く前に言っていただければいつでも構いません。基本的には暇なので」
本人的には良くないのだろうがこちらとしては都合がいいので、触媒の購入が決まったら伝えに来るということにして解散となった。
「では、よろしくお願いします」
相談室のある別館をセリアと共に出ると、彼女は俺に一礼してダンジョン前のテントに戻る。
戻ったセリアに同僚らしき女性が声をかけているが……心配しているような表情だし、俺に変なことをされていないかを確認しているようだ。
すぐに否定の言葉が返ってきたのかホッとした顔になったので、変な疑いが晴れたらしいことに俺もホッとしてその場を離れた。
さて、次はフレデリカに教えてもらった"フータース"という商会へ向かうとしよう。
街の南西地区にあると言っていたがこの街は大きく、かなりアバウトな説明なので聞き込みながら向かうしかないな。
暫く歩き、時折人目のない路地に入ってコンパスで方角を確認しつつ南西地区へ向かう。
非武装の人も多いので、この辺りは商店街なのかな?と思って進んでいると……周囲の建物に比べて一際大きい建物が見える。
"フータース"は大きい商会だとフレデリカが言っていたし、あれがそうなのかもしれないな。
そう思って近づいてみるとやはり商店ではあったらしく、広い入口の前で客引きらしき女性達が呼び込みをやっていた。
「いらっしゃいませーっ!この時間だけお安くなってる商品がございますよーっ!」
露出がことさら多いわけではないが、身体に対してサイズがやや小さめの服で声を張る女性達。
赤いスカーフを巻いているので、彼女達自身が商品ということではないようだ。
少し離れた周囲には、彼女達を眺めている男達が居る。
高級店ではないと聞いているので、金がないからといって入店できないわけではないはずだ。
何らかの理由で出入り禁止にでもなったのだろうか?
それでも呼び込みの女性達は見ていたいということでここに来ているのかもしれないな。
そんな様子を見ながら店に近づき看板を確認する。
うん、"総合商店フータース"と書いてあるな。
それを確認していた俺に、呼び込みの女性達が声をかけてくる。
「いらっしゃいませ!冒険者の方がよくお求めになる物は3階と4階になっておりまぁす♪」
その言葉に上を見上げると、この建物は6階建てらしいのが見て取れる。
何階までが売り場なんだろうか?
1番上の階に責任者の部屋があるイメージだが、エスカレーターやエレベーターがないとちょっと面倒だよな。
他の客が出入りする中、その辺りをどうしているのか気にしていると再び呼び込みの女性に声をかけられる。
「お客様?」
「ああ失礼。お邪魔する」
「はい、ごゆっくりどうぞー♪」
"フータース"に入店すると、客が多くて見通しは悪いが、それでも店内の広さが窺えた。
100m四方はないぐらいに見えるが、バックヤードを含めるとそれぐらいはあるのかもしれない。
1階は食料品と日用品がメインのようで、どちらかというと女性客が多いようだ。
店員は幾分女性が多く見え男女それぞれの制服を着ており、男性はウェイターのような、女性は外で客の呼び込みをしていた人と同様に少しピチッとした制服だった。
どちらも外見が整っているように思えるので、それが採用基準において大きなウェイトを占めているのかもしれない。
当然のように女性店員に目を引かれる中、俺は先に来ているはずのイリスを探してみるが……見当たらないな。
この階には保存食などの冒険者が求めそうな物も置いてあるし、俺がうろついていてもおかしくはないはずだ。
だが、商品を見ず何も買う気配のない全身鎧姿の人間はやはり目立つようで、主に女性客から訝しむような視線が飛んできている。
そんな周囲の目を気にして、他の階を探そうとフロアの端にあった階段へ向かうが……そこでこの店の制服を着た女性に声をかけられた。
「お客様、なにかお探しでしょうか?」
長めの明るい茶髪をポニーテールにした若い美女だ。
例に漏れず身体のラインが出ており、メリハリのあるその身体に目が行くも……とっとと用事を済ませようという気持ちが勝って問われたことに返答する。
「ああ。探しているのは確かだが、それは先に来ているはずの俺の連れでな。この店で合流することになっているから店内には居るはずなのだが……」
「お連れ様、ですか?どのような方でしょう?」
「女の冒険者で20歳は行かないぐらいの、剣と防具を身に着けた……まぁ、美人だな」
そう答えると女性店員は思い当たる節があったようで、俺の名前を出してきた。
「あら、もしかしてモーズ様ですか?」
「ああ。それがわかるということは、イリスのことも知っているのか?」
「ええ。少し前に声をおかけしましたらウェンディ様にご用件とのことで、ある方の紹介状をお持ちでしたので先ほどご案内いたしました」
話に聞くとイリスは出入り口付近で俺を待っていたそうで、女1人とはいえ武装した者にその場で留まられるのは困るから声をかけたようだ。
俺と行き違いになるのを避けたかったんだろうな。
で、イリスがウェンディへの紹介状を持っていたので別室で待機させ、紹介状が本物だと確認されたのでウェンディのところへ案内したそうだ。
「そうなのか。ただ、それだと俺がモーズであることを証明する必要があると思うが……」
「あぁ、はい。ですのでその紹介状がどなたからの物かをお聞きしてよろしいですか?」
そう言って女性店員は俺に耳を向けてくる。
ある程度はそれで証明になるのかもしれないが……それでいいのか?と思いつつも、本人には違いないのでまぁいいかと向けられた耳に囁いて答える。
「フレデリカ・ヴァーミリオンからの紹介状だ」
「んっ♡……は、はい。モーズ様ご本人に違いないようですので、ウェンディ様の所へご案内いたします」
俺の囁きに少し変な反応をしていた女性店員だが、とりあえずは案内してもらうことに。
「ではこちらへ」
「ん?階段はそこだが……」
何故かすぐそこにある階段ではなく、反対側にあるドアへ向かう女性店員。
彼女は進みつつ俺の問いに答えた。
「一般の方は有料ですが、上の階へ楽に移動できる物があちらにありますので」
「ほう」
どうやらエレベーターのような物があるらしいのでついていくと……ドアの前に到着し、女性店員がそれを開く。
ガチャッ……ガチャッ
「どうぞ中へ」
開かれたドアの先には箱状のゴンドラ?があり、乗り口の柵も開けられて乗るように促された。
……大丈夫か?コレ。
街の技術的な発展度合いを見ていると、安全面に不安を感じてしまうのだが。
一応、人が落ちそうな隙間などはなく、天井には整備や非常時に使われるであろう乗降口があるので止まってもなんとかなるか。
そもそも俺は魔鎧で飛べるし、今日はダンジョンで魔石を使った魔力の補給もしているので、ゴンドラが落下したとしてもある程度は耐えられるはずだ。
「あの、大丈夫ですよ?魔石は必ず一定以上補充しておく決まりとなっておりますので、途中で落ちたりはしませんから」
ゴンドラに乗らず、中の様子を窺う俺に苦笑しながらそう言う女性店員。
「魔石?これはマジックアイテムなのか」
「ええ。ちょっと失礼……ここの箱に魔石が入っておりまして、ここから魔力がマジックアイテムへ供給されます」
俺の横を通ってゴンドラへ先に乗り込んだ女性店員は、壁についた箱を指してそう言った。
箱には溝が入っていて、中の魔石が見えている。
箱の表面に横線が入っているので、これが補充しておかなければならない量の基準なのだろう。
その隣に上下を表すボタンがあり、それで操作するのだと思われる。
となると……電気製品のないこの世界で電気的なスイッチは作れないだろうし、このゴンドラ全体がマジックアイテムなのかもしれないな。
細かい仕組みが気になるが彼女にも自分の仕事があるはずで、これ以上の時間を取らせるのも申し訳ないのでゴンドラに乗り込んだ。
バタン、ガチャン
「では、上へ参ります♪」
ドアとゴンドラの柵を閉じた女性店員が上昇するスイッチを押すと、ゴンドラは音もなく動き出した。
モーター音などはしないが……どうやら動かす間はスイッチを押し続ける必要があるらしく、女性店員はスイッチを押したままである。
ドアの裏に数字が書いてあるので、それで現在地を確認して手動で操作するようだ。
その様子を見ながら上の階に到着するのを待っていると、エレベーターと大して変わらない速さで6階へ到着した。
女性店員は少し出来ていた乗降口の段差をなくすように微調整し、それが終わるとスイッチから離れてドアと柵を開く。
ゴンドラは空中に留まる形になるが、この間は魔力を消費するのかが気になるな。
「どうぞ、お降りください」
促されてゴンドラを降りると、ゴンドラの柵とこの階のドアを閉じた女性店員も降りてきて再び俺を先導する。
派手ではないが高級そうな置物が置かれる通路となっており、各所に警備員が置かれているが……彼らは俺達に何も言わない。
店員が案内しているからだろうと気にせず進むと、応接室と書かれた部屋の前に到着した。
「こちらでお待ちです」
女性店員はそう言うと、ドアをノックしてその向こうへ入室の許可を取る。
「イリスさーん、お連れしたわよー」
「あ、はい!どうぞ!」
ん?この場合はウェンディ氏にお伺いを立てるものだと思ったが……今は部屋にイリスしか居ないのか?
だとしたら何故それを把握しているのだろう?
そんな疑問を持ちつつも、ドアを開いて「どうぞ」と入室を促されたので入ってみると……ソファから立ったらしいイリスと再会する。
無事にここへ通されていたことに安堵するも……彼女の口から発せられた言葉に俺は驚いた。
「あ、モーズ……ってウェンディさん、何故そんな格好を?」
「えっ」
その発言に案内してくれた女性店員を見ると、彼女は俺に自己紹介をする。
「はじめまして。"総合商店フータース"の管理部部長、ウェンディ・フータースです♪」
116
お気に入りに追加
408
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる