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9話
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暇な時間ができた俺は石鹸を作ろうと、まずは木灰を集めることにした。
灰は各家庭で薪を使っているので毎日出来ており、土壌の質によっては肥料に使われたりするはずだが、この村では外の森か川に捨てられているらしい。
なので俺はサリーさんとリーナさんを伴い数軒を回り、灰のゴーレムを作って自分の家とサリーさん達の家の中間辺りに運ぶと石鹸作りに挑戦した。
まぁ、手順をどこかで見聞きしていただけだし、失敗する可能性は十分高いんだがな。
石の容器を作ってその中で熱湯と灰を撹拌し、それからゴーレムの力で液体のみを取り出して別の容器で加熱しながら油を混ぜる。
灰を沈殿させるためか一晩置くのが普通らしいが、ろ過装置の上に敷き詰めた灰の層を通しただけでも作れていたようなので上澄みが出来るのは待たなくてもいいだろう。
どうせお試しだしな。
暫く混ぜ続けてドロっとしてきたので、石でカステラが収まりそうな四角い容器を作って流し込む。
予想より早く期待した変化が見られたのは、ゴーレムの力で化学反応を促進させたいと願ったからだろうか。
科学的な知識が豊富というわけではないので、必要な成分などは把握していないのだが……
で、この後は1日ぐらい放置してもしも固くなってきたら適当な大きさにカットして乾燥と熟成だ。
1ヶ月ぐらい置いておくほうが良いんだったかな?
なので自分の部屋の窓際に物を置ける台を作って取り付け、そこに置いておくことにした。
「それで出来上がり?」
「いや、あと一月ぐらいかな?」
「へぇ、そんなものなのね」
石鹸を作ると聞いて、物としては知っていたが製法は知らなかったサリーさんにそう話す。
旦那さんは商人だったわけだし、町で暮らしていたなら存在さえしていれば知っていてもおかしくはないな。
完成までの時間をあまり長く思っていないようだが、時代的に何でも時間が掛かるからか。
さて、魔石が少ないので石鹸作りはこの辺にしておき、残った灰を地面に埋めて次の行動に移る。
石鹸は自分で使いたいのもあって試したのだが、魔石を買うために金になる物を作らないとな。
なるべく稼ぎたいのなら人の多い土地を狙うことになるが、ゴーレムの力が広まる前提で考えるとこの村に留まっている未来は予想しづらく、恒常的に出荷を求められても俺がいないと応えられないような製品を売り出すのは不味いだろうな。
生産を求める人や製法を調べに押しかけて来る者が出てきて、村に迷惑を掛けることになる。
つまりは特殊すぎない製品になるわけだが……材料で比較的入手しやすいのは木材だろうから、作るなら当然木製になる。
前世の創作物などで出てきたリバーシなんかの娯楽製品は……ハマって仕事が疎かになる可能性を考えると責任を追求されそうなのでそれは避けたい。
似たような理由で炭なんかもダメだな。
一酸化炭素中毒で死亡者なんかが出て、炭のせいだとバレたら間違いなく責められる。
となると……食器類か?
成形というか削り出しはゴーレムの力で部分的に解放するって方法でどうとでもなるけど、水分に触れる機会が多いし防腐剤が必要だよな。
村の外に多いのはナラっぽい木なので樹皮から防腐剤を作れないこともないだろうが、石鹸どころじゃない長い熟成期間が必要だと聞いたような気がする。
うーん、防腐加工だけ別の業者に任せたりできるのだろうか?
その辺りのことを、街で暮らしていた経験のあるサリーさん達に聞いてみる。
「木製の食器とか家具とか、腐り難くする加工って街でやってましたか?」
「ええ、やってたはずよ?食器は水に触れる機会が多いし、家具や建物は腐って脆くなったら大変だし」
「雨の日は出さない屋台でも、それをやらなかったせいで壊れちゃったってこともあったしね。まぁ、それは職人に頼むのをケチって自分で組み立てたって人の場合だけど」
「なるほど……ここで食器を作って、その加工だけ街でやってもらうことは可能ですかね?」
その問いにサリーさんが答える。
「どうかしら。仲介する商人がどういう形で納品するかによるんじゃない?」
「形、ですか?」
「ええ。木工所にそのまま売ってしまうか、防腐加工だけ頼んで引き取るかで対応は変わると思うわ」
そのまま木工所に売るならその後の販売は木工所が好きに値段をつけられるが、防腐加工だけをとなるとその工程そのものに対価を設定することになる。
まぁ、利益を自由に設定できる前者の方が好まれるだろう。
危ない物でもないし、こちらとしては商人に売ってしまった後はどうでもいいので金か魔石になりさえすればいい。
結局は商人が俺から買ってくれるか次第だな。
作ろうと思えばすぐに作れるので、次の商人が来た際に注文を聞く形にするとしよう。
そう考えていた俺にリーナさんが尋ねてくる。
「食器を作って売るの?」
「ええ、俺なら簡単に作れますし。最悪木材のまま売ってもいいんですけど……まぁ、次に来る商人さんと話して決めようかと」
「ふーん……じゃあ、この後は暇ってこと?」
「え?まぁ、特に必要な用事はありませんが……」
石鹸作りでそれなりの時間にはなっているが、それでも夕暮れまでには暫く時間が掛かるだろう。
川にちょっとした水車でも設置して、屈まずに洗い物が出来る場所を作ろうかとも思っているが、別にすぐ必要というわけでもないからな。
なのでそう答えた俺に、リーナさんは目に妖しい光を灯して身を寄せてくる。
「じゃあ、うちでゆっくり休んでいかない?」
「あら、それは良いわね♪」
リーナさんの言葉にサリーさんも乗り、彼女も目に情欲を孕ませていた。
2人に挟まれ、左右から柔らかいものを押し付けられる。
その感触に、現世では覚えたてのこの身体は顕著な反応を見せてしまう。
「あっ♪今日も元気だね♡昨日はあれだけ出したから無理かもって思ったんだけど」
「人によってはお年寄りでもお元気みたいだし、このぐらいの男の子なら毎日でも出したほうが良いのかもね♪」
スリ……スリ……
そう言いながら俺の股間を撫で回す2人に、出した物はゴーレムの力で回収できるし遠慮はいらないと判断した俺は……2人の硬度が増した尖端を摘んで捏ね回す。
「あんっ♡」
「んんっ♡」
声を上げつつも抵抗する素振りは見せず、むしろさらなる刺激を求めるように左右から感じられる体温と肉の圧が高まっている。
俺はそれに応えるべく、目で促しながら2人の家へ歩を進めたのだった。
シャアアア……
暫くして、俺はサリーさん宅で温めのシャワーを浴びていた。
この家は川沿いにあり、川はゴーレムの力で魔石を飛ばせる範囲なので水の取捨がしやすくて良い。
両隣ではサリーさんとリーナさんもシャワーを浴びており、落ち着いた身体から汗と汚れを落としている。
2人が身体を手で擦る度に揺れる胸が気になるが、そろそろ父も帰ってくるだろうし俺も帰らねば。
一応、ヤろうと思えばまだヤれるんだけどな。
シャワーを浴び終わり体の表面から水を収集して乾かすと、水を入れ替えてから湿らせた布で軽く顔などを湿らせる。
かなり簡易的なものにはなるが、乾燥肌になるのを防げないかと保湿しているのだ。
効果があるかはわからないが、そもそもそこまでカラカラに乾くわけでもないので必要なさそうではあるんだけどな。
認識できれば必要な成分だけ収集できそうだし、石鹸作りに使った灰汁の取り出しも調整できたし。
で、保湿作業?を終えて服を着ると、俺達はイチャつきながらお別れ前の雑談をしていた。
「今日もスゴかったわ♡」
「またシようね♡」
そんなことを言いながら再び身を寄せてくる2人だったが、リーナさんがこんなことを言い出した。
「あ、そう言えば友達からキレイになったって言われたんだよね」
「え。それって色々とヤッたことがバレたんですか?」
「んー……どうかなぁ。ジオ君の力で湯浴みができたからかもしれないわ」
「あぁ、そっちの意味もあるかもしれないのか」
単純に、衛生的な意味で綺麗になったと言われた可能性もある。
そこにサリーさんが口を挟む。
「どっちの意味でもあるんじゃない?生娘じゃなくなると雰囲気は変わるし、気づかれててもおかしくはないわ。ただ、お相手がわからないから汚れが落ちたって意味でも聞いて探ってきたのかもね」
「あー、あり得るわね。で、そこでジオ君との関係を言って良いのかわからなかったから、湯浴みさせてもらったことだけを話したんだけど……良かった?」
こちらを窺うように聞いてきたリーナさんに、俺は少し考えてこう返す。
「んー……まぁ、ゴーレムの力は普通に使うつもりですし、こういう関係が知られるよりは問題が少ないでしょうから構いませんよ」
「そう?まぁ、私としてはジオくんとの関係が知られても良いんだけど」
少し熱を帯びた目で言うリーナさんだが、それには待ったを掛けておく。
「いや、それは……俺は村を出ることになる可能性が高いし、場合によっては危ない所に行く可能性もありますから。ここに残るリーナさんのその後のことを考えると俺との関係は秘密のほうが良いかと」
「え、出て行っちゃうの?」
「ゴーレムの力隠してはおけませんでしたし、偉い人が俺を欲しがる可能性は高いでしょうから」
「そんな……」
俺の言葉に残念そうな顔をするリーナさん。
そんな彼女にサリーさんが言い聞かせる。
「リーナ。ジオ君がゴーレムの力を隠さなかったのは私達がゴブリンに襲われたことを隠すためで、その後の検査を避けるためでもあったんだから仕方がないわ。まぁ、特に何も起きずこの村に留まってくれる可能性もあるけど」
魔物に犯された可能性があると、魔物がその場で産まれた場合に対応するため男がいる前で中まで調べられるし、その後の経過観察中、監視役の男達に手間を掛けさせるお礼としてヤられることになるらしいからな。
それを避ける手段として、農作業中の彼女達を帰らせるためにゴーレムの力を隠す事はできなかったのだ。
その事情はわかっているからか、リーナさんは複雑そうな表情で誤ってくる。
「ごめんね、ジオ君。私のせい村を出るかもしれないのね……」
「リーナだけのせいじゃないわ。私もジオ君に助けられたんだし」
「でも、あれは私が捕まったからだし……」
「いえ。それなら、そもそも私が街でもっと頑張っていれば……」
このままだと、責任の所在で2人が自責の渦に飲み込まれそうなので止めておく。
「いやあの、俺は一切後悔してないんで。お2人とこういう関係になって愉しんでますし、その……次の機会も期待していいんですよね?」
モミモミ……
「「んっ♡」」
言いながら2人の胸を遠慮なしに揉みしだくと、彼女達は小さく声を上げつつ肯定の意を口にする。
「フフッ、もちろんよ♡」
「私も、いつだって構わないからね♡」
「「チュッ♡」」
そう言って左右からキスしてきた2人に、ひとまず自分を責める様子が見えなくなったことで俺は安心する。
後悔していないのは事実だし、2人との関係も気兼ねなく愉しむつもりだからな。
一応、公にする気はないが。
そう考えていると、リーナさんがこの話になったきっかけである友人達について言及してきた。
「あ。それで友達の話なんだけど……ジオ君との関係を隠したほうが良いと思って、キレイになったのは湯浴みをさせてもらったからだって言っておいたの。それで……」
「ああ、その人達も湯浴みをしたいと言い出したんですね?」
俺の言葉に頷くリーナさん。
まぁ、キレイになることに関して女性は男よりも敏感で貪欲である傾向があるし、そういう展開になってもおかしくはない。
実は……魔石は残り3個まで減ってるんだよな。
やはり液体をゴーレムとして操るのはコストが高く、温度が変化するほどの操作はそれに拍車をかけてしまう。
十分な大きさの容器か十分な量の水が入る容器を用意し、その中で温度だけを維持するとなれば……"形状の維持"というコストは省けるか。
そこまで考えた俺はリーナさんに確認する。
「リーナさん、そのお友達って何人ですか?」
「え?3人だけど……」
「なら、昨日みたいにお湯に浸かるのは厳しいんですけど、お湯で濡らした布で身体を拭くのなら可能ですよ」
「いいの?」
「まぁ……最悪1つでも残ってれば外で魔物を狩ることもできますし、なんなら商隊相手に魔石をお代として湯浴みをさせる商売もできそうですから。リーナさんの今後のことを考えると、お友達との関係がおかしくなってしまうのは避けたほうが良いでしょうしね」
商隊なら途中で魔物を狩っている可能性が高く、商品として運んでいる可能性もあるからな。
「っ!」
ガバッ
チュウウウゥ……
言うと同時にリーナさんは俺に抱きつき、今度は口にキスをしてきた。
彼女は即座に舌まで挿入し、俺の口内でそれを大暴れさせる。
じゅっ、ちゅるる、ずずっ、じゅばっ……
サリーさんが笑顔で見守る中、少しの間好きにさせると……多少落ち着いたのかリーナさんは唇の接触を解除した。
「ご、ごめんね。私のことを考えてくれてるのが嬉しくてつい……」
「いえ。それでいつにします?俺はいつでもいいんですが」
「そう?うーん、明日話してみるから、早ければ明日って言われるかも」
「それならそれでいいですよ。ただ、畑の水やりとかありますし、そういう仕事が終わってからになりますが」
「うん、それは大丈夫だと思うわ。あの娘達だってそこまでわがままを言ったりはしないはずだから」
「じゃあ、そういうことで。そろそろ帰らないと」
話がまとまったのでそう言うと、俺は2人に見送られて家に帰る。
その後、母の手伝いで夕飯の支度に従事することとなり……ゴーレムの力について、ちょっとした発見をすることになった。
灰は各家庭で薪を使っているので毎日出来ており、土壌の質によっては肥料に使われたりするはずだが、この村では外の森か川に捨てられているらしい。
なので俺はサリーさんとリーナさんを伴い数軒を回り、灰のゴーレムを作って自分の家とサリーさん達の家の中間辺りに運ぶと石鹸作りに挑戦した。
まぁ、手順をどこかで見聞きしていただけだし、失敗する可能性は十分高いんだがな。
石の容器を作ってその中で熱湯と灰を撹拌し、それからゴーレムの力で液体のみを取り出して別の容器で加熱しながら油を混ぜる。
灰を沈殿させるためか一晩置くのが普通らしいが、ろ過装置の上に敷き詰めた灰の層を通しただけでも作れていたようなので上澄みが出来るのは待たなくてもいいだろう。
どうせお試しだしな。
暫く混ぜ続けてドロっとしてきたので、石でカステラが収まりそうな四角い容器を作って流し込む。
予想より早く期待した変化が見られたのは、ゴーレムの力で化学反応を促進させたいと願ったからだろうか。
科学的な知識が豊富というわけではないので、必要な成分などは把握していないのだが……
で、この後は1日ぐらい放置してもしも固くなってきたら適当な大きさにカットして乾燥と熟成だ。
1ヶ月ぐらい置いておくほうが良いんだったかな?
なので自分の部屋の窓際に物を置ける台を作って取り付け、そこに置いておくことにした。
「それで出来上がり?」
「いや、あと一月ぐらいかな?」
「へぇ、そんなものなのね」
石鹸を作ると聞いて、物としては知っていたが製法は知らなかったサリーさんにそう話す。
旦那さんは商人だったわけだし、町で暮らしていたなら存在さえしていれば知っていてもおかしくはないな。
完成までの時間をあまり長く思っていないようだが、時代的に何でも時間が掛かるからか。
さて、魔石が少ないので石鹸作りはこの辺にしておき、残った灰を地面に埋めて次の行動に移る。
石鹸は自分で使いたいのもあって試したのだが、魔石を買うために金になる物を作らないとな。
なるべく稼ぎたいのなら人の多い土地を狙うことになるが、ゴーレムの力が広まる前提で考えるとこの村に留まっている未来は予想しづらく、恒常的に出荷を求められても俺がいないと応えられないような製品を売り出すのは不味いだろうな。
生産を求める人や製法を調べに押しかけて来る者が出てきて、村に迷惑を掛けることになる。
つまりは特殊すぎない製品になるわけだが……材料で比較的入手しやすいのは木材だろうから、作るなら当然木製になる。
前世の創作物などで出てきたリバーシなんかの娯楽製品は……ハマって仕事が疎かになる可能性を考えると責任を追求されそうなのでそれは避けたい。
似たような理由で炭なんかもダメだな。
一酸化炭素中毒で死亡者なんかが出て、炭のせいだとバレたら間違いなく責められる。
となると……食器類か?
成形というか削り出しはゴーレムの力で部分的に解放するって方法でどうとでもなるけど、水分に触れる機会が多いし防腐剤が必要だよな。
村の外に多いのはナラっぽい木なので樹皮から防腐剤を作れないこともないだろうが、石鹸どころじゃない長い熟成期間が必要だと聞いたような気がする。
うーん、防腐加工だけ別の業者に任せたりできるのだろうか?
その辺りのことを、街で暮らしていた経験のあるサリーさん達に聞いてみる。
「木製の食器とか家具とか、腐り難くする加工って街でやってましたか?」
「ええ、やってたはずよ?食器は水に触れる機会が多いし、家具や建物は腐って脆くなったら大変だし」
「雨の日は出さない屋台でも、それをやらなかったせいで壊れちゃったってこともあったしね。まぁ、それは職人に頼むのをケチって自分で組み立てたって人の場合だけど」
「なるほど……ここで食器を作って、その加工だけ街でやってもらうことは可能ですかね?」
その問いにサリーさんが答える。
「どうかしら。仲介する商人がどういう形で納品するかによるんじゃない?」
「形、ですか?」
「ええ。木工所にそのまま売ってしまうか、防腐加工だけ頼んで引き取るかで対応は変わると思うわ」
そのまま木工所に売るならその後の販売は木工所が好きに値段をつけられるが、防腐加工だけをとなるとその工程そのものに対価を設定することになる。
まぁ、利益を自由に設定できる前者の方が好まれるだろう。
危ない物でもないし、こちらとしては商人に売ってしまった後はどうでもいいので金か魔石になりさえすればいい。
結局は商人が俺から買ってくれるか次第だな。
作ろうと思えばすぐに作れるので、次の商人が来た際に注文を聞く形にするとしよう。
そう考えていた俺にリーナさんが尋ねてくる。
「食器を作って売るの?」
「ええ、俺なら簡単に作れますし。最悪木材のまま売ってもいいんですけど……まぁ、次に来る商人さんと話して決めようかと」
「ふーん……じゃあ、この後は暇ってこと?」
「え?まぁ、特に必要な用事はありませんが……」
石鹸作りでそれなりの時間にはなっているが、それでも夕暮れまでには暫く時間が掛かるだろう。
川にちょっとした水車でも設置して、屈まずに洗い物が出来る場所を作ろうかとも思っているが、別にすぐ必要というわけでもないからな。
なのでそう答えた俺に、リーナさんは目に妖しい光を灯して身を寄せてくる。
「じゃあ、うちでゆっくり休んでいかない?」
「あら、それは良いわね♪」
リーナさんの言葉にサリーさんも乗り、彼女も目に情欲を孕ませていた。
2人に挟まれ、左右から柔らかいものを押し付けられる。
その感触に、現世では覚えたてのこの身体は顕著な反応を見せてしまう。
「あっ♪今日も元気だね♡昨日はあれだけ出したから無理かもって思ったんだけど」
「人によってはお年寄りでもお元気みたいだし、このぐらいの男の子なら毎日でも出したほうが良いのかもね♪」
スリ……スリ……
そう言いながら俺の股間を撫で回す2人に、出した物はゴーレムの力で回収できるし遠慮はいらないと判断した俺は……2人の硬度が増した尖端を摘んで捏ね回す。
「あんっ♡」
「んんっ♡」
声を上げつつも抵抗する素振りは見せず、むしろさらなる刺激を求めるように左右から感じられる体温と肉の圧が高まっている。
俺はそれに応えるべく、目で促しながら2人の家へ歩を進めたのだった。
シャアアア……
暫くして、俺はサリーさん宅で温めのシャワーを浴びていた。
この家は川沿いにあり、川はゴーレムの力で魔石を飛ばせる範囲なので水の取捨がしやすくて良い。
両隣ではサリーさんとリーナさんもシャワーを浴びており、落ち着いた身体から汗と汚れを落としている。
2人が身体を手で擦る度に揺れる胸が気になるが、そろそろ父も帰ってくるだろうし俺も帰らねば。
一応、ヤろうと思えばまだヤれるんだけどな。
シャワーを浴び終わり体の表面から水を収集して乾かすと、水を入れ替えてから湿らせた布で軽く顔などを湿らせる。
かなり簡易的なものにはなるが、乾燥肌になるのを防げないかと保湿しているのだ。
効果があるかはわからないが、そもそもそこまでカラカラに乾くわけでもないので必要なさそうではあるんだけどな。
認識できれば必要な成分だけ収集できそうだし、石鹸作りに使った灰汁の取り出しも調整できたし。
で、保湿作業?を終えて服を着ると、俺達はイチャつきながらお別れ前の雑談をしていた。
「今日もスゴかったわ♡」
「またシようね♡」
そんなことを言いながら再び身を寄せてくる2人だったが、リーナさんがこんなことを言い出した。
「あ、そう言えば友達からキレイになったって言われたんだよね」
「え。それって色々とヤッたことがバレたんですか?」
「んー……どうかなぁ。ジオ君の力で湯浴みができたからかもしれないわ」
「あぁ、そっちの意味もあるかもしれないのか」
単純に、衛生的な意味で綺麗になったと言われた可能性もある。
そこにサリーさんが口を挟む。
「どっちの意味でもあるんじゃない?生娘じゃなくなると雰囲気は変わるし、気づかれててもおかしくはないわ。ただ、お相手がわからないから汚れが落ちたって意味でも聞いて探ってきたのかもね」
「あー、あり得るわね。で、そこでジオ君との関係を言って良いのかわからなかったから、湯浴みさせてもらったことだけを話したんだけど……良かった?」
こちらを窺うように聞いてきたリーナさんに、俺は少し考えてこう返す。
「んー……まぁ、ゴーレムの力は普通に使うつもりですし、こういう関係が知られるよりは問題が少ないでしょうから構いませんよ」
「そう?まぁ、私としてはジオくんとの関係が知られても良いんだけど」
少し熱を帯びた目で言うリーナさんだが、それには待ったを掛けておく。
「いや、それは……俺は村を出ることになる可能性が高いし、場合によっては危ない所に行く可能性もありますから。ここに残るリーナさんのその後のことを考えると俺との関係は秘密のほうが良いかと」
「え、出て行っちゃうの?」
「ゴーレムの力隠してはおけませんでしたし、偉い人が俺を欲しがる可能性は高いでしょうから」
「そんな……」
俺の言葉に残念そうな顔をするリーナさん。
そんな彼女にサリーさんが言い聞かせる。
「リーナ。ジオ君がゴーレムの力を隠さなかったのは私達がゴブリンに襲われたことを隠すためで、その後の検査を避けるためでもあったんだから仕方がないわ。まぁ、特に何も起きずこの村に留まってくれる可能性もあるけど」
魔物に犯された可能性があると、魔物がその場で産まれた場合に対応するため男がいる前で中まで調べられるし、その後の経過観察中、監視役の男達に手間を掛けさせるお礼としてヤられることになるらしいからな。
それを避ける手段として、農作業中の彼女達を帰らせるためにゴーレムの力を隠す事はできなかったのだ。
その事情はわかっているからか、リーナさんは複雑そうな表情で誤ってくる。
「ごめんね、ジオ君。私のせい村を出るかもしれないのね……」
「リーナだけのせいじゃないわ。私もジオ君に助けられたんだし」
「でも、あれは私が捕まったからだし……」
「いえ。それなら、そもそも私が街でもっと頑張っていれば……」
このままだと、責任の所在で2人が自責の渦に飲み込まれそうなので止めておく。
「いやあの、俺は一切後悔してないんで。お2人とこういう関係になって愉しんでますし、その……次の機会も期待していいんですよね?」
モミモミ……
「「んっ♡」」
言いながら2人の胸を遠慮なしに揉みしだくと、彼女達は小さく声を上げつつ肯定の意を口にする。
「フフッ、もちろんよ♡」
「私も、いつだって構わないからね♡」
「「チュッ♡」」
そう言って左右からキスしてきた2人に、ひとまず自分を責める様子が見えなくなったことで俺は安心する。
後悔していないのは事実だし、2人との関係も気兼ねなく愉しむつもりだからな。
一応、公にする気はないが。
そう考えていると、リーナさんがこの話になったきっかけである友人達について言及してきた。
「あ。それで友達の話なんだけど……ジオ君との関係を隠したほうが良いと思って、キレイになったのは湯浴みをさせてもらったからだって言っておいたの。それで……」
「ああ、その人達も湯浴みをしたいと言い出したんですね?」
俺の言葉に頷くリーナさん。
まぁ、キレイになることに関して女性は男よりも敏感で貪欲である傾向があるし、そういう展開になってもおかしくはない。
実は……魔石は残り3個まで減ってるんだよな。
やはり液体をゴーレムとして操るのはコストが高く、温度が変化するほどの操作はそれに拍車をかけてしまう。
十分な大きさの容器か十分な量の水が入る容器を用意し、その中で温度だけを維持するとなれば……"形状の維持"というコストは省けるか。
そこまで考えた俺はリーナさんに確認する。
「リーナさん、そのお友達って何人ですか?」
「え?3人だけど……」
「なら、昨日みたいにお湯に浸かるのは厳しいんですけど、お湯で濡らした布で身体を拭くのなら可能ですよ」
「いいの?」
「まぁ……最悪1つでも残ってれば外で魔物を狩ることもできますし、なんなら商隊相手に魔石をお代として湯浴みをさせる商売もできそうですから。リーナさんの今後のことを考えると、お友達との関係がおかしくなってしまうのは避けたほうが良いでしょうしね」
商隊なら途中で魔物を狩っている可能性が高く、商品として運んでいる可能性もあるからな。
「っ!」
ガバッ
チュウウウゥ……
言うと同時にリーナさんは俺に抱きつき、今度は口にキスをしてきた。
彼女は即座に舌まで挿入し、俺の口内でそれを大暴れさせる。
じゅっ、ちゅるる、ずずっ、じゅばっ……
サリーさんが笑顔で見守る中、少しの間好きにさせると……多少落ち着いたのかリーナさんは唇の接触を解除した。
「ご、ごめんね。私のことを考えてくれてるのが嬉しくてつい……」
「いえ。それでいつにします?俺はいつでもいいんですが」
「そう?うーん、明日話してみるから、早ければ明日って言われるかも」
「それならそれでいいですよ。ただ、畑の水やりとかありますし、そういう仕事が終わってからになりますが」
「うん、それは大丈夫だと思うわ。あの娘達だってそこまでわがままを言ったりはしないはずだから」
「じゃあ、そういうことで。そろそろ帰らないと」
話がまとまったのでそう言うと、俺は2人に見送られて家に帰る。
その後、母の手伝いで夕飯の支度に従事することとなり……ゴーレムの力について、ちょっとした発見をすることになった。
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