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クソ親父からの過去からの戦争開始
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「クソ。あのクソ親父、勉学や武術だけじゃなくて会話能力も鍛えろや。こちとら苦労してるんじゃい」
俺は誰もいない部屋の中で一人愚痴を零す。
あれから、教室で俺は丸一日グループメンバーから氷の視線を刺されることとなったが、清々しい程の俺のスルーにより、何も問題なく終わった。
「まあ、観察眼と推理力、発想力を鍛えてくれたことには感謝してる」
今回で収穫できたことはかなりあった。
まず、一つ、赤樫はなんとなく察してはいたが、一間も含め、好き好んであのグループメンバーに入っているわけではないということ。
今日一日で睨んで来たのは女帝の夏山、腰巾着の青梅、雪崎のみであり、一、赤樫、一間は全く俺に視線を向けなかった。まあ、興味がないという線もありうるが、実際に一は俺と一瞬でも関わっていたため、さすがに不思議に思う。
二つ目。はっきり言おう。一間と女帝、夏山の仲には何かあると見て間違いない。
俺を見る目と夏山を見る目が完全に違っていた。俺に対する目が一般とすると、夏山に
向ける目には不安が入り混じった虚ろな目をしていた。
もしかしたら、夏山も何かグループに対して何かあるのかもしれない。
最後。俺が観察していた間、グループに対して俺とは違う視線が注がれた。
視線を向けた者の名は、白葉綾樺。クラスカースト中間のやつだが、何回かグループに対して、もっと詳しく言えば一間に向けての、何というか、好意の目線?みたいな感じのものを感じ取った。結果、白葉について担任である川寄に聞いてみたところ、どうやらグループとは一般生徒よりもつながりがあるらしい。また、一の友達らしいが、多分、狙いは一間だろう。
全く、モテるやつだ。はらたつ……。
っていうことではなく、言っちゃ悪いが、白葉は利用価値がありそうだ。
行動を取るのは彼女から揺さぶってみよう。
一通り考えがまとまった俺はベットに飛び込むと、そのまま深く意識を落としていった。
懐かしい夢を見ていた。
小1で通常の小3までの勉強を完璧に終わらせ、
小2で小学校の授業をすべて終わらせる。
小3、小4で中学、そして、高校の部分を終わらせ、
小5、小6で大学の部分を修了させた。
小何とか言っているが、実際には学校には行かず、家で勉強に明け暮れていた。
中学から通い始め、中1は存分に実力を発揮するものの、
飽きが生じた俺は中2から普通の成績へ戻し、全国模試だけ本気を出した。
無事、高校に進学し、そしてその夏頃に……。
「……ッ、はあ……」
こりゃまた珍しい夢を見るもんだ。明日はあられが降るかもしれない。
「ッ、いってえ……」
ズキズキと鳴り止まない頭の痛みに顔を歪めつつも、俺は起き上がった。
「今月最悪の目覚めだ」
素早く着替えながらそう言葉を零す。
昨日あんなこと言ったからだろうか。全く、俺の前から消えてもなお俺を締め付けるのか。いい迷惑だ。さっさとやめてもらいたい。
「クソ親父が……」
そんな愚痴を呟きながら、俺は玄関を出た。
「よお。俺の渡した情報は役に立ったか?」
「まあ、役には立ったが、まさかそのためだけに俺を呼んだのか?」
朝。登校するなり職員室にお呼ばれになり、来てみたのだが、案の定、川寄からの呼び出しだった。
「滅茶苦茶に時間の無駄なんだが?」
「まあまあそう焦るな。時間はまだある」
「人生で青春を楽しめる時間はそう多くはないと思うが?」
「そうは言ってもお前、青春なんて楽しむ気ないだろ?」
確かに、俺の目的は退学すること。青春なんて鼻から興味ない。だが、
「あんたのおかげで目茶目茶面白い遊びにありつけたからな。心が躍っている」
「心が籠っていない。あと、あいつらを遊び道具にするな。せめてもの人形ぐらいにしとけ」
それでいいのか担任。そして、その例えは例えになっていない。
「で、大々的に宣戦布告したが、なんか策はあるのか?」
「ああ、今日実行するつもりだ」
「そうか。まあ、頑張れ」
「心が籠っていたらもう少し気合が入ったかもしれない」
「そういうお前も籠っていない」
そんな言葉を背中に受けながら、職員室を出る。
さあ、戦争開始だ。
待った。俺が職員室に呼ばれた理由は何なんだ?
俺は誰もいない部屋の中で一人愚痴を零す。
あれから、教室で俺は丸一日グループメンバーから氷の視線を刺されることとなったが、清々しい程の俺のスルーにより、何も問題なく終わった。
「まあ、観察眼と推理力、発想力を鍛えてくれたことには感謝してる」
今回で収穫できたことはかなりあった。
まず、一つ、赤樫はなんとなく察してはいたが、一間も含め、好き好んであのグループメンバーに入っているわけではないということ。
今日一日で睨んで来たのは女帝の夏山、腰巾着の青梅、雪崎のみであり、一、赤樫、一間は全く俺に視線を向けなかった。まあ、興味がないという線もありうるが、実際に一は俺と一瞬でも関わっていたため、さすがに不思議に思う。
二つ目。はっきり言おう。一間と女帝、夏山の仲には何かあると見て間違いない。
俺を見る目と夏山を見る目が完全に違っていた。俺に対する目が一般とすると、夏山に
向ける目には不安が入り混じった虚ろな目をしていた。
もしかしたら、夏山も何かグループに対して何かあるのかもしれない。
最後。俺が観察していた間、グループに対して俺とは違う視線が注がれた。
視線を向けた者の名は、白葉綾樺。クラスカースト中間のやつだが、何回かグループに対して、もっと詳しく言えば一間に向けての、何というか、好意の目線?みたいな感じのものを感じ取った。結果、白葉について担任である川寄に聞いてみたところ、どうやらグループとは一般生徒よりもつながりがあるらしい。また、一の友達らしいが、多分、狙いは一間だろう。
全く、モテるやつだ。はらたつ……。
っていうことではなく、言っちゃ悪いが、白葉は利用価値がありそうだ。
行動を取るのは彼女から揺さぶってみよう。
一通り考えがまとまった俺はベットに飛び込むと、そのまま深く意識を落としていった。
懐かしい夢を見ていた。
小1で通常の小3までの勉強を完璧に終わらせ、
小2で小学校の授業をすべて終わらせる。
小3、小4で中学、そして、高校の部分を終わらせ、
小5、小6で大学の部分を修了させた。
小何とか言っているが、実際には学校には行かず、家で勉強に明け暮れていた。
中学から通い始め、中1は存分に実力を発揮するものの、
飽きが生じた俺は中2から普通の成績へ戻し、全国模試だけ本気を出した。
無事、高校に進学し、そしてその夏頃に……。
「……ッ、はあ……」
こりゃまた珍しい夢を見るもんだ。明日はあられが降るかもしれない。
「ッ、いってえ……」
ズキズキと鳴り止まない頭の痛みに顔を歪めつつも、俺は起き上がった。
「今月最悪の目覚めだ」
素早く着替えながらそう言葉を零す。
昨日あんなこと言ったからだろうか。全く、俺の前から消えてもなお俺を締め付けるのか。いい迷惑だ。さっさとやめてもらいたい。
「クソ親父が……」
そんな愚痴を呟きながら、俺は玄関を出た。
「よお。俺の渡した情報は役に立ったか?」
「まあ、役には立ったが、まさかそのためだけに俺を呼んだのか?」
朝。登校するなり職員室にお呼ばれになり、来てみたのだが、案の定、川寄からの呼び出しだった。
「滅茶苦茶に時間の無駄なんだが?」
「まあまあそう焦るな。時間はまだある」
「人生で青春を楽しめる時間はそう多くはないと思うが?」
「そうは言ってもお前、青春なんて楽しむ気ないだろ?」
確かに、俺の目的は退学すること。青春なんて鼻から興味ない。だが、
「あんたのおかげで目茶目茶面白い遊びにありつけたからな。心が躍っている」
「心が籠っていない。あと、あいつらを遊び道具にするな。せめてもの人形ぐらいにしとけ」
それでいいのか担任。そして、その例えは例えになっていない。
「で、大々的に宣戦布告したが、なんか策はあるのか?」
「ああ、今日実行するつもりだ」
「そうか。まあ、頑張れ」
「心が籠っていたらもう少し気合が入ったかもしれない」
「そういうお前も籠っていない」
そんな言葉を背中に受けながら、職員室を出る。
さあ、戦争開始だ。
待った。俺が職員室に呼ばれた理由は何なんだ?
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