19 / 51
本編
舞原千歳という少女
しおりを挟む
まだまだ一週間、と思っていた時間は瞬く間に過ぎていき、ついに試験当日となった。闘技場まではバスで移動し、そこから予定通りの行動だ。
「学校で、こんな修学旅行のような感じは初めてだな」
俺の隣の座席に座っている汗衫はポツリとそう零す。
「汗衫、ちゃんと見てみろ。その修学旅行には似ても似つかないような顔つきの輩が大勢いるが……」
バスに乗っている我らがBクラスは会話は所々聞こえるものの、ほとんどの生徒が厳しい顔つきで座っていた。まるで誰かを威嚇しているようだ。
「確かに。まあ、内容が内容だからね」
突然のFクラスからBクラスへの移動。遠かった景色がいきなり目の前に見え、更にはゴールとなるAクラスまでも視界にとらえることができる立ち位置。皆、Aクラスに必死に這い上がろうと血眼になっているんだろう。
そんな中で言い渡された特別試験。更にその内容は上がるためではなく、現状維持を確実なものへとするためのものだった。
せっかく手に入れたチャンスをここで野放しにするわけにはいかない。
大体こんな心情だろう。
「でも、意外だな」
「何が?」
「舞原先輩がお前と組むとは、思いもしなかった。しかもお前とは先約って言ってたしな」
「あ~、それはだな……」
別に正式には先約などしていない。ただ、発表された日の何時間か前に知らしめられた俺の実力にあいつが目を付けないわけがないと踏んだ、単なる希望的観測だったのだが。
「まあ、あいつも『ハンデを背負っても戦える』って言うことを知らしめたかったんじゃないか?」
正当な理由がない為、適当に誤魔化しておく。
「おおう、そんな戦闘狂みたいなタイプだったのか……」
絶対違うと思うが、ここは黙っておく。
そんなこんなで目的地に着いたのか、バスのスピードが落ちる。
「降りるぞ。もたもたすんなよ」
「分かってる」
そう言いながら、俺たちはバスを降りた。
「これから、宿舎に入る。一人一人荷物検査を受けたのち、配られたプリントの指示通りの部屋で、荷物を置いて待機だ」
教員の声が響き渡り、各々が荷物検査の列に並び始めた。俺もそれに倣いながら、検査を受ける。
検査は何事なく終わり、部屋へと入る。
「広すぎやしないか?」
部屋は十五畳くらいの広さで、洗面所、トイレ、風呂場、テレビ、冷蔵庫、金庫完備の旅館を思わすような部屋だった。
しかも、この部屋は俺一人らしい。
どうやら、チームで男女を別にして部屋を分けているらしいのだが、そうなると、俺のチームは残りの二人が女子、ということなのでこういうことになったらしい。
「優遇されすぎだろ……」
世界の秩序を守る立場にある『警察』は国からの直接支援を受けているため、このような優遇は、度を大きく超えている。
まあ、とやかく言っても何も変わらない為、荷物を下ろし、部屋の中を再度確認する。
中はさっき言った通りで、布団が押し入れの中にあった。また、お湯は出るようになっている。わざわざ大浴場に行く手間が省ける。ありがたい。
すると、突然アナウンスが流れる。
「生徒たちは部屋に入ったと判断し、説明を始める」
そう前置きを入れて、
「まずは、備え付けられている金庫の中にある腕時計を付けろ」
言われた通り、金庫を開けると、中にはチーム決めの際に使われ、回収された腕時計が入っていた。
「その腕時計は時間だけではなく、生徒自身の体温、心拍数、血圧、血中酸素、ストレスレベルが測れるようになっている。その情報は学校が用意した専用アプリで確認可能だ」
専用アプリというのは、入学時にスマホに入れたアプリのことで、学校に通う生徒たちは全員入れてある。内容は成績や現クラス、学校の情報などが入ってくる。ただ、他の生徒の情報を見ることはできない。今回はそのアプリを使うということだった。
「ちなみに、その情報はこちらで常時確認できるようにもなっている」
24時間監視ということか。まあ、困ることはない。
「それではこの後は、自由時間となる。好きにフロアを移動してよい。だが、一時間後に日程発表があるのを忘れずに」
そう言って、アナウンスは終わった。
取り敢えず、日程が上がるのを待って、今後の動き方について考える必要がある。
いち早くマークすべきチームを見分けることも進めなければならない。
一時間後、俺は部屋で寝ころんでいたのだが、いきなりスマホにバイブが走り、俺は届いたメール、すなわち日程を確認する。
一チームが戦うチーム数は、一クラス三十人で合計百五十人。それを三チームずつに分けるから、五十チーム。即ち、四十九チームとなる。とすると、一日当たり八試合することになる。
じっくりと眺めていると、扉をノックする音が響き渡った。
「開いてるから、勝手に入ってくれ」
体制をそのままにそう言うと、予想通り、舞原千歳と、ミサ・ミステリナが入ってくる。
「まさか、こんなにも呑気だなんて……」
「こんなんで驚いてたら、こいつの自由さ全てに驚くことになるわよ」
信じられない、というような目で見つめるミサに舞原がそう解説する。なんか段々と俺へのイメージが下がっていないか?
「日程についてだろ? 別にそんな焦るようなものでもなかっただろ」
「何言ってるの? 西園寺との戦いはいつだか確認した?」
「確認も何も、五日目の第五試合だろ? 問題か?」
「あのねぇ……」
呆れたように嘆息する舞原と、ミサ。一体何が問題なのだろう。
「四日目って言うと、試合が本格的になってくる時間帯で中間の一試合。体力も削られてるのは目に見えてるし、万全な状態では戦えないのよ? 分かってる?」
一気にまくし立てる舞原に俺は冷静に告げた。
「一つ質問だ。何故、全ての試合に勝とうとしている?」
「……は?」
「……何言ってるの?」
二人そろってそんな地球外生命体を見たかのような目をしながら言ったその言葉に、俺はスマホに視線を向けながら返した。
「この試験は現状維持を目的とした特別試験。昇格を目的とした試験じゃない」
昇格を目的とした試験ならば、俺も少し頭をひねることはあっただろう。だが、目的が現状維持としているのならば話は変わってくる。
「つまりは、下位五グループに入らなければいい話だ。しかも、俺たちが万が一一位になったとしても、得するのは俺だけであって、お前らは一文も儲けはない。どう考えても非効率だ。だったら、下位五グループに入らず、勝てない戦いは捨て、勝てる戦いを確実に拾い、得点を稼ぐことでペナルティを回避する。これがこの試験の答えだ」
なにも、一位にならなくたっていい。ペナルティを受けなければいいだけの話だ。その為には確実にポイントを重ね、勝率が低ければ捨てる。勝負の見極めが途轍もなく重要な試験なのだ。
だが、俺はここで一つ間違えを発見してしまった。それは……、
「……何言ってるの?」
強めの口調でそう言ってくる舞原千歳。
「私を誰だと思っているの? 学校最強と謳われる私が、勝負を捨てるわけないでしょ? 目指すなら一位。それ以外ありえないわ。……、確かに、貴方の作戦は正しい。最善といえる策には違いない。だけど、そんな臆病な作戦は私のプライドが許さない。貴方が許しても、私が納得しない」
返す言葉もない。これが、俺の間違い、ミスの答え。
舞原の強い意志に呼応するようにミサ・ミステリナが続ける。
「そうよ。舞原の言う通り。舞原があなたを選んだ理由、分ってるの? 勝つためよ。この試験で一位を取って強さを知らしめる。それがあなたを選んだ理由よ」
「…………」
心中で苦笑する。
そうだった。舞原千歳という少女は、効率よりも自分のプライドを大切にする少女で、勝利に貪欲で、頭がよさそうに見えて実は脳筋に近いタイプで、負けず嫌いで、自信過剰で、いざというときには頼りになるが、その他ではあまり頼りにならない。だけど、こうやって、自分の意思を他人に押し付け、強く明確で、貪欲な自分の道を見据えることができる強い少女なのだ。
「…………はあ……」
まったく、こんなことに気付かないとは、まだまだだな。
「一つ、いや、二つ程訂正しよう」
俺は二人の少女の前に日本の指を立て、中指を折る。
「一つ、今の話はなかったことにしてくれ。この後、じっくり作戦を練る事にする」
そして、人差し指を折りながら、真っ直ぐと、舞原の瞳を見据える。
「二つ、『万が一』じゃない。俺たちがこの試験で優勝するのは……」
ニヤリと、挑発的な笑みをたたえて、言い放った。
「絶対だ。これは誰にも覆せない未来だ」
強く、そして、明確に言い放った俺の言葉に、二人は満足そうな笑みを浮かべる。
そうだ。最善、完璧、答え、近道。そんなものは要らない。
必要なのは、貪欲なまでの勝利への確信と、それを可能にできる実力、いや、能力だけだ。何故なら、この世界は『能力者主義』なのだから…………。
「学校で、こんな修学旅行のような感じは初めてだな」
俺の隣の座席に座っている汗衫はポツリとそう零す。
「汗衫、ちゃんと見てみろ。その修学旅行には似ても似つかないような顔つきの輩が大勢いるが……」
バスに乗っている我らがBクラスは会話は所々聞こえるものの、ほとんどの生徒が厳しい顔つきで座っていた。まるで誰かを威嚇しているようだ。
「確かに。まあ、内容が内容だからね」
突然のFクラスからBクラスへの移動。遠かった景色がいきなり目の前に見え、更にはゴールとなるAクラスまでも視界にとらえることができる立ち位置。皆、Aクラスに必死に這い上がろうと血眼になっているんだろう。
そんな中で言い渡された特別試験。更にその内容は上がるためではなく、現状維持を確実なものへとするためのものだった。
せっかく手に入れたチャンスをここで野放しにするわけにはいかない。
大体こんな心情だろう。
「でも、意外だな」
「何が?」
「舞原先輩がお前と組むとは、思いもしなかった。しかもお前とは先約って言ってたしな」
「あ~、それはだな……」
別に正式には先約などしていない。ただ、発表された日の何時間か前に知らしめられた俺の実力にあいつが目を付けないわけがないと踏んだ、単なる希望的観測だったのだが。
「まあ、あいつも『ハンデを背負っても戦える』って言うことを知らしめたかったんじゃないか?」
正当な理由がない為、適当に誤魔化しておく。
「おおう、そんな戦闘狂みたいなタイプだったのか……」
絶対違うと思うが、ここは黙っておく。
そんなこんなで目的地に着いたのか、バスのスピードが落ちる。
「降りるぞ。もたもたすんなよ」
「分かってる」
そう言いながら、俺たちはバスを降りた。
「これから、宿舎に入る。一人一人荷物検査を受けたのち、配られたプリントの指示通りの部屋で、荷物を置いて待機だ」
教員の声が響き渡り、各々が荷物検査の列に並び始めた。俺もそれに倣いながら、検査を受ける。
検査は何事なく終わり、部屋へと入る。
「広すぎやしないか?」
部屋は十五畳くらいの広さで、洗面所、トイレ、風呂場、テレビ、冷蔵庫、金庫完備の旅館を思わすような部屋だった。
しかも、この部屋は俺一人らしい。
どうやら、チームで男女を別にして部屋を分けているらしいのだが、そうなると、俺のチームは残りの二人が女子、ということなのでこういうことになったらしい。
「優遇されすぎだろ……」
世界の秩序を守る立場にある『警察』は国からの直接支援を受けているため、このような優遇は、度を大きく超えている。
まあ、とやかく言っても何も変わらない為、荷物を下ろし、部屋の中を再度確認する。
中はさっき言った通りで、布団が押し入れの中にあった。また、お湯は出るようになっている。わざわざ大浴場に行く手間が省ける。ありがたい。
すると、突然アナウンスが流れる。
「生徒たちは部屋に入ったと判断し、説明を始める」
そう前置きを入れて、
「まずは、備え付けられている金庫の中にある腕時計を付けろ」
言われた通り、金庫を開けると、中にはチーム決めの際に使われ、回収された腕時計が入っていた。
「その腕時計は時間だけではなく、生徒自身の体温、心拍数、血圧、血中酸素、ストレスレベルが測れるようになっている。その情報は学校が用意した専用アプリで確認可能だ」
専用アプリというのは、入学時にスマホに入れたアプリのことで、学校に通う生徒たちは全員入れてある。内容は成績や現クラス、学校の情報などが入ってくる。ただ、他の生徒の情報を見ることはできない。今回はそのアプリを使うということだった。
「ちなみに、その情報はこちらで常時確認できるようにもなっている」
24時間監視ということか。まあ、困ることはない。
「それではこの後は、自由時間となる。好きにフロアを移動してよい。だが、一時間後に日程発表があるのを忘れずに」
そう言って、アナウンスは終わった。
取り敢えず、日程が上がるのを待って、今後の動き方について考える必要がある。
いち早くマークすべきチームを見分けることも進めなければならない。
一時間後、俺は部屋で寝ころんでいたのだが、いきなりスマホにバイブが走り、俺は届いたメール、すなわち日程を確認する。
一チームが戦うチーム数は、一クラス三十人で合計百五十人。それを三チームずつに分けるから、五十チーム。即ち、四十九チームとなる。とすると、一日当たり八試合することになる。
じっくりと眺めていると、扉をノックする音が響き渡った。
「開いてるから、勝手に入ってくれ」
体制をそのままにそう言うと、予想通り、舞原千歳と、ミサ・ミステリナが入ってくる。
「まさか、こんなにも呑気だなんて……」
「こんなんで驚いてたら、こいつの自由さ全てに驚くことになるわよ」
信じられない、というような目で見つめるミサに舞原がそう解説する。なんか段々と俺へのイメージが下がっていないか?
「日程についてだろ? 別にそんな焦るようなものでもなかっただろ」
「何言ってるの? 西園寺との戦いはいつだか確認した?」
「確認も何も、五日目の第五試合だろ? 問題か?」
「あのねぇ……」
呆れたように嘆息する舞原と、ミサ。一体何が問題なのだろう。
「四日目って言うと、試合が本格的になってくる時間帯で中間の一試合。体力も削られてるのは目に見えてるし、万全な状態では戦えないのよ? 分かってる?」
一気にまくし立てる舞原に俺は冷静に告げた。
「一つ質問だ。何故、全ての試合に勝とうとしている?」
「……は?」
「……何言ってるの?」
二人そろってそんな地球外生命体を見たかのような目をしながら言ったその言葉に、俺はスマホに視線を向けながら返した。
「この試験は現状維持を目的とした特別試験。昇格を目的とした試験じゃない」
昇格を目的とした試験ならば、俺も少し頭をひねることはあっただろう。だが、目的が現状維持としているのならば話は変わってくる。
「つまりは、下位五グループに入らなければいい話だ。しかも、俺たちが万が一一位になったとしても、得するのは俺だけであって、お前らは一文も儲けはない。どう考えても非効率だ。だったら、下位五グループに入らず、勝てない戦いは捨て、勝てる戦いを確実に拾い、得点を稼ぐことでペナルティを回避する。これがこの試験の答えだ」
なにも、一位にならなくたっていい。ペナルティを受けなければいいだけの話だ。その為には確実にポイントを重ね、勝率が低ければ捨てる。勝負の見極めが途轍もなく重要な試験なのだ。
だが、俺はここで一つ間違えを発見してしまった。それは……、
「……何言ってるの?」
強めの口調でそう言ってくる舞原千歳。
「私を誰だと思っているの? 学校最強と謳われる私が、勝負を捨てるわけないでしょ? 目指すなら一位。それ以外ありえないわ。……、確かに、貴方の作戦は正しい。最善といえる策には違いない。だけど、そんな臆病な作戦は私のプライドが許さない。貴方が許しても、私が納得しない」
返す言葉もない。これが、俺の間違い、ミスの答え。
舞原の強い意志に呼応するようにミサ・ミステリナが続ける。
「そうよ。舞原の言う通り。舞原があなたを選んだ理由、分ってるの? 勝つためよ。この試験で一位を取って強さを知らしめる。それがあなたを選んだ理由よ」
「…………」
心中で苦笑する。
そうだった。舞原千歳という少女は、効率よりも自分のプライドを大切にする少女で、勝利に貪欲で、頭がよさそうに見えて実は脳筋に近いタイプで、負けず嫌いで、自信過剰で、いざというときには頼りになるが、その他ではあまり頼りにならない。だけど、こうやって、自分の意思を他人に押し付け、強く明確で、貪欲な自分の道を見据えることができる強い少女なのだ。
「…………はあ……」
まったく、こんなことに気付かないとは、まだまだだな。
「一つ、いや、二つ程訂正しよう」
俺は二人の少女の前に日本の指を立て、中指を折る。
「一つ、今の話はなかったことにしてくれ。この後、じっくり作戦を練る事にする」
そして、人差し指を折りながら、真っ直ぐと、舞原の瞳を見据える。
「二つ、『万が一』じゃない。俺たちがこの試験で優勝するのは……」
ニヤリと、挑発的な笑みをたたえて、言い放った。
「絶対だ。これは誰にも覆せない未来だ」
強く、そして、明確に言い放った俺の言葉に、二人は満足そうな笑みを浮かべる。
そうだ。最善、完璧、答え、近道。そんなものは要らない。
必要なのは、貪欲なまでの勝利への確信と、それを可能にできる実力、いや、能力だけだ。何故なら、この世界は『能力者主義』なのだから…………。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる