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プロローグ

能力者主義の世界

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人間には元々能力が備わっていた。
例えば、未来を予測する、占いだったり。人を操る、催眠だったり。
しかし、それは人間が進化していくうちに能力も強化されていき、世界に二つの種族ができた。
能力者と無能力者だ。
能力者は、能力を自由に行使することができる。更に、役に立つような能力だった場合、社会で出世できる。言わば、この世界の勝者。
 一方、無能力者は、能力者とは比べ物にならないくらい不当な扱いを受けてきている。働いた時に貰える給料も能力者とは十倍近く違ったりする。その為、町はずれのスラム街のような所に無能力者は住んでいる。言わば、この世界の敗者。
 この世界は完全に能力主義の世界なのだ。
 能力があれば勝者。
 能力がなければ敗者。
 しかも、能力自体が、人間が生まれた瞬間に持っているか持っていないかが決まるため、この世界に降り立った時点で、未来が決まってしまうのだ。
 能力者が一方的に有利な待遇を受け、無能力者には、それと真反対な扱いを受ける。
この事実を無能力者が簡単に受け入れるはずがない。無能力者は幾度にも渡り、反乱を繰り返していた。多勢に無勢。そんな言葉があるが、よく考えてみれば、強力な能力という武器を持った人間に丸腰の者たちが勝てるはずもなく、全て失敗に終わった。
 反乱を起こした者たちは、財産は勿論、その家族、友人、恋人など、関わりのある人たちから全てを奪った。能力主義の世界だという事を肌で感じた。
 そんな無能力者による反乱が多発したため、政府は、反乱は勿論、能力が関わった犯罪も担当する組織、『警察』を作り、そこに入るための教育を行う『学校』も作った。
 これが全ての始まりだった。
 この世界の歴史、あり方を変える、能力者と無能力者の大決戦の幕が上がろうとしていた。 
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