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もう一度、「守りたい」と誓うために…
突然の告白の意味
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「ふう」
あれから、俺は少女に連れていかれるがままに公園へとたどり着くと、その少女からペットボトルのカフェオレが投げ渡される。
「少し落ち着いた?」
俺の座っているベンチの隣に座りながら尋ねてくる。
「あ、ああ。お陰様で」
「ねえ、掘り返すようで悪いんだけど、あの行動に移った経緯を教えてくれるかな。ああ、話したくないならいいんだよ⁉無理して言ってくれなくてもいいからね?」
「いいよ。俺も誰かに話したかったんだ。俺一人で抱え込むとまたさっきみたいになりそうだから」
そこから、俺が知っている真実、現実を話した。
信じたくもない。内心そう思っている。
だけど、変えられようもない現実を前に、俺はただただ、悲しむことしか出来なかった。
「そっか…」
少女はそうとしか言わなかった。俺に気を遣ってくれたのだろうか
そして、俺は最も気になっていたことを尋ねる。
「あの~、一つ聞いてもいい?」
「ん?何でも聞いていいよ」
「さっきの真意は何?」
「……、真意?」
「さっき、駅のホームで、その…、こ、告白の意味のこと!」
「ああ、あれね」
「あれは、俺を止めるための口実?それとも、心の声?」
「本当だよ」
「へ?」
素っ頓狂な声が出た。まさか、そんなストレートに言われるとは思ってもみなかった。単なる、俺を止めるための口実だと思ってたから。それに、俺はこの少女を知らない。面識もない。もしかすると、俺が忘れているだけかも知れないが、今まで、俺の名前を言わないのは不自然だ。だったら、考えられるのは一つ。
俺も、この少女も、互いに面識もない他人だということ。そうなると、さらに、疑問は深まる。
他人に何故いきなり、前触れもなく告白をしてきたのだろう。
「今、何で告白してきたんだろうって考えているでしょう?」
「あ、ああ。うん」
「単なる同情だよ」
「同情?」
「私も君みたいな感じになった時があったから。だから、君を助けた」
「なら、告白は必要ないでしょ?」
「でも、一目惚れに近かったのは確かだから…」
「へ?」
本日二回目の素っ頓狂な声。
「だから、手伝ってあげる」
「何を?」
「本当の幸せ探し。生きるための光を見つけに。君の恋人という立場を利用してね」
「光…」
「そう、光。希望、奇跡。それが君の生きる理由になるから」
「でも…、」
「断ることはできないよ」
「え?なんで⁉」
どういうことだ?
「君は私に助けられた身。つまり、君から見た私は命の恩人。言ってる意味、分かる?」
「ああ、うん」
「というわけで、よろしくね。ええと、名前は…」
「永遠北白夜です」
「私は風原夏織。よろしくね、白夜くん」
こうして、彼女と俺の奇妙な関係が始まった。
向かう先は、幸せか、絶望か。
それは、俺の行動によって、一歩、先に踏み出すのだった。
あれから、俺は少女に連れていかれるがままに公園へとたどり着くと、その少女からペットボトルのカフェオレが投げ渡される。
「少し落ち着いた?」
俺の座っているベンチの隣に座りながら尋ねてくる。
「あ、ああ。お陰様で」
「ねえ、掘り返すようで悪いんだけど、あの行動に移った経緯を教えてくれるかな。ああ、話したくないならいいんだよ⁉無理して言ってくれなくてもいいからね?」
「いいよ。俺も誰かに話したかったんだ。俺一人で抱え込むとまたさっきみたいになりそうだから」
そこから、俺が知っている真実、現実を話した。
信じたくもない。内心そう思っている。
だけど、変えられようもない現実を前に、俺はただただ、悲しむことしか出来なかった。
「そっか…」
少女はそうとしか言わなかった。俺に気を遣ってくれたのだろうか
そして、俺は最も気になっていたことを尋ねる。
「あの~、一つ聞いてもいい?」
「ん?何でも聞いていいよ」
「さっきの真意は何?」
「……、真意?」
「さっき、駅のホームで、その…、こ、告白の意味のこと!」
「ああ、あれね」
「あれは、俺を止めるための口実?それとも、心の声?」
「本当だよ」
「へ?」
素っ頓狂な声が出た。まさか、そんなストレートに言われるとは思ってもみなかった。単なる、俺を止めるための口実だと思ってたから。それに、俺はこの少女を知らない。面識もない。もしかすると、俺が忘れているだけかも知れないが、今まで、俺の名前を言わないのは不自然だ。だったら、考えられるのは一つ。
俺も、この少女も、互いに面識もない他人だということ。そうなると、さらに、疑問は深まる。
他人に何故いきなり、前触れもなく告白をしてきたのだろう。
「今、何で告白してきたんだろうって考えているでしょう?」
「あ、ああ。うん」
「単なる同情だよ」
「同情?」
「私も君みたいな感じになった時があったから。だから、君を助けた」
「なら、告白は必要ないでしょ?」
「でも、一目惚れに近かったのは確かだから…」
「へ?」
本日二回目の素っ頓狂な声。
「だから、手伝ってあげる」
「何を?」
「本当の幸せ探し。生きるための光を見つけに。君の恋人という立場を利用してね」
「光…」
「そう、光。希望、奇跡。それが君の生きる理由になるから」
「でも…、」
「断ることはできないよ」
「え?なんで⁉」
どういうことだ?
「君は私に助けられた身。つまり、君から見た私は命の恩人。言ってる意味、分かる?」
「ああ、うん」
「というわけで、よろしくね。ええと、名前は…」
「永遠北白夜です」
「私は風原夏織。よろしくね、白夜くん」
こうして、彼女と俺の奇妙な関係が始まった。
向かう先は、幸せか、絶望か。
それは、俺の行動によって、一歩、先に踏み出すのだった。
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