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第五十八幕 「間男アラミス」~夜陰に紛れて現れる夜這い少年~
しおりを挟む「・・・・アレクシア様っ・・・・アレクシア様っ・・・僕ですっ・・・」
三日月の優しい眼差しだけが王宮を見つめている、皆が寝静まった真夜中・・・・王宮の最上階の一番奥にある女王の寝室の窓の外からかすかな声がする。
・・・・少年の声だ。
アレクシアが一瞬、嬉しそうに表情でベッドから跳ね起きるが、ハッ・・・と我に返って、いつもの冷厳な女王の顔に取り繕って、優雅な足取りで窓の側へと近づく。
「・・・・アラミスっ!遅かったわよっ!」
開口一番アラミスを叱る女王アレクシア。
いつものキリリと精悍な士官服ではなく、平民の労働者が着るような木綿のツナギを着て、まるでコソ泥か闇伏兵のように鉤縄で王宮の壁をよじ登って、女王の寝室のある最上階まで登ってきたアラミス・・・・彼にとっては決死の大冒険であったろう。
「ハアッ、ハアッ・・・・も、申し訳ございません・・・警備兵の目に止まらないように注意して登ってきたものですから・・・・」
真夜中の決死行に、若くて疲れ知らずの少年もさすがに大汗をかき、肩で息をしている。
・・・・夜夜中に、女王の寝室に忍び込む曲者・・・・。
ロシュニア王国陸軍近衛師団准尉のアラミス・ユペールが、どうしてこんなコソ泥じみた真似をしているのか。
・・・それは、あの侍女長ヴァネッサの進言なのであった。
日中、公務が忙しく自慰による性欲処理も出来ず、精神的にも肉体的にもストレスがピークに達している女王・アレクシアにヴァネッサが当面の「解決策」を提案したのである。
それが・・・・夜中にアラミスが女王の寝室に忍び込んで行き淫欲の呪いに苦しむ女王の肉体に「応急治療」をする・・・・というものだったのだ。
アラミスこそいい迷惑だが、今回の事件に関係し、既に何度もアレクシアの「お相手」をしている以上、彼に拒否権などあるはずがない・・・。
「・・・・ずっと待ってたのよっ!女王を待たせるなんて、それでもロシュニア王国陸軍近衛師団の准尉なのっ?」
アレクシアがさらに追い打ちをかける。
彼女はよほどアラミスの「訪問」を心待ちにしていたのであろう・・・。
決死の思いで衛兵の目を盗み、王宮の壁をよじ登り、やっとたどり着いたと思えば女王には厳しく叱られる・・・アラミスにとってはまさに泣きっ面に蜂である。
「・・・・でも・・・・ありがとうアラミスっ・・・」
聞き取れないほどの小声・・・しかし、確かにアレクシアはそう囁いた。
37歳の女王アレクシアが、顔を真っ赤にしてうつむきながら、○○歳の少年の「夜這い」を歓迎したのだ。
「・・・これを飲んで少し落ち着きなさい・・・」
女王自ら、温かい紅茶を淹れて准尉であるアラミスに差し出す・・・・彼としては身に余る光栄でろう。
「ハッ!恐悦至極に存じますっ!・・・・女王陛下っ!」
・・・一瞬、大国・ロシュニア王国の女王様と一士官・・・それも駆け出しの少年将校に戻る二人。
アラミスが女王お手製の有り難い紅茶を頂戴して一息つくと、アレクシアが少し赤い顔をしてソワソワとベッドの端に座ってうつむき加減にアラミスに囁く。
「・・・・ア、アラミスっ・・・ねえっ・・・そろそろ・・・夜も遅いわ・・・」
「はっ・・・はいっ・・・・」
アラミスはティーカップを置いて、女王の前で直立する。
そして、変装のために着ていた汚れた平民の働者風の服と下着を全て脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となる。
・・・・真っ直ぐに起立し、恥ずかしそうに顔を赤らめて俯くアラミス。
・・・・もう既に幾度となく肌を重ね、互いの生殖器を結合させ、何度も、本来は夫婦でしか出来ないはずの「膣内射精」まで行っている二人である。
しかし、こうして観客の居ない二人っきりの密室で、アラミスがアレクシアの前で生まれたままの姿になるのは初めてのことだ。
アラミスが羞恥心を感じるのはある意味当然のことかもしれない・・・・しかし、今夜のアラミスは、すこし大袈裟なほどに、まるで少女のように恥じらいながら下を向いてモジモジとしているのだ。
・・・・少年が激しく羞恥に身を捩り、真っ赤になっている理由・・・・それは彼の股間を見れば一目瞭然だった。
全裸で直立したアラミスの股間では、もう待ちきれないようにペ〇スがピーン!と直立し、雄々しく天井を向いてピクピクと頭を振っていたのである。
・・・・まだアレクシアも着衣のまま、何もしていない状態で・・・である。
「まあっ!・・・もうそんなになってるのっ?まったくアラミスったら・・・本当にイヤラしいのねっ!いつもセッ〇スのことばかり考えているんじゃないのかしらっ?」
アレクシアがいつもの毒舌で厳しく決めつける・・・女王の威厳・・・・不思議なパワーバランスの女王と間男。
しかし、今夜の女王アレクシアは、言葉こそキツいが、その目は普段よりも優しい光を帯びていることにいかに鈍感なアラミスでも気がついている。
「・・・い、いえっ・・・ヴァネッサ様に言われて・・・そ、そのぉ、アレクシア様の「お世話」を命ぜられた時から・・・僕っ・・・・」
「・・・ウフフッ、解っているわっ・・・それでは、ヴァネッサに命ぜられたことを・・・して♥」
・・・・女王アレクシアはその瞬間、一匹の牝に戻る。
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