29 / 101
第二十八幕 「女王危機一髪」~ヴァネッサの天誅~
しおりを挟む「ぐふふっ・・・この国の女王様の子宮に俺の子種をブチ撒けるっ!最高じゃねえかっ!オオッ!・・・ウオオッ!だっ、射精すぞっ!中に射精すぞおっ!俺の子種で孕めっ!アレクシア女王っ!」
・・・・ジャン=ベルジュが、女王の畑に禁断の種を撒こうとしたその瞬間!
・・・ガチャッ!バタンッ!
けたたましい音を立てて、楽屋の扉が勢いよく開かれる!
「ジャン=ベルジュっ!ロレーヌさんから離れろっ!」
前立腺をひくつかせ、放精のカウントダウンに入っている男の後ろから飛びつき、引き剥がそうとする小柄な男の影。
・・・・・アラミスである!
彼はアレクシアに命令され、一度は一人で劇場を後にしたものの、ふと不安になって様子を見に楽屋に戻ってきたのであった。
普段、絶対に女王の側を離れない侍女長ヴァネッサの不在、そしてジャン=ベルジュの言動にかすかな違和感を覚えたのである。
「・・・・ああっ!アラミスっ!来てくれたのねっ!」
「ぐわあああっ!なっ、なんだっ!」
ブチュウッ!・・・ジャン=ベルジュの射精寸前のペ〇スがアレクシアの女陰から飛沫と共に抜け出て、彼の巨体は背中から床にひっくり返る。
「・・・きっ、貴様っ!ロレーヌさんになってことをっ!」
男の巨体に馬乗りになり、動きを封じようとするアラミス。
・・・・しかし、○○歳の少年士官と、このデップリと太った巨漢とでは、体力の差があり過ぎた。
「てっ、てめえっ!お楽しみを邪魔しやがって!ぶっ殺してやるっ!」
ブルンっ!・・・ヌロヌロと淫液に光る、勃起したままのペ〇スを槍のように振り立てながら、ジャン=ベルジュがクリルと体を入れ替え、逆にアラミスを組み敷いてしまった。
「せっかくいいトコロだったのによおっ!!野暮な真似しやがって!それに、こいつはロレーヌなんかじゃねぇ!この国の女王、アレクシアだぜっ!お前も知ってたんだろっ!」
グギッ!・・・ドスッ!
二度、三度・・・強烈な拳が、アラミスの頬を直撃する。
軍人と言えども、入隊したての見習い准尉・・・この体格差はアラミスにとっては形勢不利だ。
「グウウッ!」
なす術もなく殴られ続けるアラミス。
ジャン=ベルジュが、床に脱ぎ捨ててあった自分のズボンに下げていた短剣を引き寄せ鞘を払う。
「可哀想だが死んでもらうぜっ!」
間一髪!・・・・ジャン=ベルジュが短剣を大きく振り上げた瞬間だった。
・・・・ドスウッ!
「・・・・この外道っ!地獄に堕ちなさいっ!」
「グゴッ?・・・ぐっ・・・オグッ・・・グアァ!・・・」
ジャン=ベルジュの脳天に深々と突き刺さり顎まで抜けたニードル状の懐剣!
男の後ろに目にも止まらぬ速さで忍び寄った陰・・・・それは侍女長のヴァネッサだった!
「ハアッ、ハアッ・・・ま、間に合った・・・申し訳ございませんでした、アレクシア様っ・・・」
眠り薬を盛られ、朦朧としながらも気力で立ち上がり楽屋に戻った侍女長ヴァネッサ。
彼女のいつものコスチューム、くるぶしまで隠れるロングドレスの中の、白い太腿を覆っているガーターには、いつもニードルや投げナイフなどの暗器が収納されているのだ。
「・・・・ヴァネッサっ!」
「・・・も、申し訳ございませんっ、アレクシア様っ・・・この男に一服盛られて、不覚を取りましたっ・・・お許し下さい・・・」
ズチュッ・・・・愛用の長いニードルをジャン=ベルジュの頭から引き抜くヴァネッサ。
糸の切れた操り人形のように無様に床に転がるジャン=ベルジュの巨体・・・即死である。
ピュル・・ピュルゥ・・・床に仰向けにひっくり返ったジャン=ベルジュの勃起したままのペ〇スの鈴口から、弱々しく白い精液が溢れ出し、天井を向いて直立したままの太い竿を伝って床に流れる。
ジャン=ベルジュの精液は間一髪で、女王の高貴な畑ではなく、楽屋の薄汚れた床に撒かれたのである。
「・・・・危なかったわっ!ヴァネッサっ!・・・お前らしくもない失態ねっ!」
「は、はいっ・・・弁解の余地もございませんっ・・・アレクシア様・・・」
そう言うヴァネッサも青い顔をして、フラフラとして今にも倒れそうだ。
まだ眠り薬の効果が残っているのだろう。
「・・・・アラミスっ!ヴァネッサを介抱なさいっ!」
「・・・はっ、はいっ・・・」
ジャン=ベルジュにしたたかに殴られ、顔を真っ赤に腫らしているアラミスが、慌ててヴァネッサをソファに寝かし、アレクシアの裸体にはローブかける。
「アラミスっ!・・・なんなのっ!あのザマはっ!それでもロシュニア王国陸軍近衛師団の准尉なのっ!訓練が足りないわよっ!」
アレクシアが、厳しく叱りつける。
「・・・は、はい・・・申し訳こざいません・・・・アレクシア様・・・」
必死の思いで女王を助けたにもかかわらず、逆に叱られションボリとするアラミス。
ヴァネッサも何とか回復し、女王アレクシアも一介のストリップ嬢「ロレーヌ」に戻って、楽屋を後にしようとした時、アレクシアが、アラミスの耳元でそっと囁いた。
「・・・・ありがとう、アラミス・・・あなたが来てくれなかったら、危なかったわ・・・」
・・・その夜の後始末は大変だった。
急いでお城に戻ったヴァネッサが、自分に忠実な秘密警察のエリート部隊を使い、ジャン=ベルジュの死体を楽屋から運び出し、床の血痕を全て拭い去って証拠隠滅する。
・・・・翌朝、市内を流れる大河、ジャロン河の川岸に、顔をメチャクチャに潰された男の全裸死体が流れ着いたのを、水汲みに来ていた近所の農婦が発見して人々を脅かせた。
所持品も一切身に着けていない身元不明のその死体は、結局引き取り手も現れないまま、近くの教会の無縁墓地に葬られた。
歓楽街ローシェルでは、いくつもの酒場を経営する遣り手の経営者、ジャン=ベルジュの失踪が話題となった。
高利貸し、女衒、賭場・・・法律スレスレのあくどい事にも手を染めていたジャン=ベルジュは敵も多い男だった。
この国一番の歓楽街・ローシェルでは珍しくもない様々な事件、縄張り争い、抗争・・・彼の失踪は金銭絡みのトラブルと思われ、そのまま人々の記憶から消え去っていった。
この歓楽街を賑わした、突如、彗星の如く出現した美貌の踊り子・ロレーヌ嬢も、ジャン=ベルジュの失踪と時を同じくして姿を消したことも、いつの間にか人々の記憶から忘れ去れていったのだった・・・。
0
お気に入りに追加
244
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる