上 下
30 / 31

【三十】【番外編♥】大好きなダーリンと立川流髑髏本尊を造ろうっ!一難去ってまた一難!・・・困ったわ~!

しおりを挟む
    


 なんと!無謀なチャレンジかと思われた、貴女とダーリンのエッチな(笑)共同作業「和合水120回塗布」も奇跡的に成就しました!

 ダーリンはもうヘロヘロに痩せ衰え、目はくぼんでまるで骸骨のよう・・・。

 どちらが髑髏本尊か判らなくなりそうですが、なんとか達成したのですっ♥

 なんというか、男性の放出するあの体液と、女性の「愛のネクタル」(詩的な表現っ♥)の混合物を120回塗り続けた髑髏って、スゴい異臭を発してそうでちょっとイヤですねぇ・・・。

 前回お話した通り、男女のアノ時に出る液体を塗りたくるというこの行為、素人が考えても「髑髏再生」・・・つまり魂魄こんぱくを失った髑髏に再び「命」を吹き込むための作業に他ならないと理解出来ます。


 それを裏付けるように「性の儀式」を終えた髑髏に対する次なる作業は、毎晩午前0時から2時の間に「反魂香はんごんこう」を焚き、その煙の中で「反魂真言」を千回唱えるのです!

 ・・・これを数日繰り返すといいます。

 反魂香はんごんこうというのは、古代中国由来の伝説のお香で、それを焚くと死者の魂をあの世から呼び戻すことが出来るといいます・・・。
 (あるいは煙の中にその人の生前の姿が現れるとも言いますが、まあ魂が呼び戻されるのと同義と見ていいでしょう)

 日本でも古くから有名で、歌舞伎や浄瑠璃の「傾城反魂香」などの元ネタや、さらには落語の「「反魂香」「たちぎれ線香」(「たちきれ」「たちきり」とも)になったりしております。

 落語の「たちぎれ線香」は私も、ある立川流(こちらは「たてかわりゅう」!)の実力派の落語家さんの高座を拝聴したことがありますが、いわゆる「人情噺」で、しんみりとした良い噺でした!


 当然ながらこの「反魂香」は伝説の・・・というか想像の産物なのでこれを入手するのは不可能!

 ・・・と断言しちゃうと、せっかくここまで頑張ってきたのに、この「真言立川流髑髏本尊造り」がここで頓挫してしまうので(汗)「反魂香は実在する」!・・・そして貴女はそれを奇跡的に入手出来た!
 と仮定して話を進めましょう(笑)

 広い世の中、きっと「反魂香」はどこかに存在するのですよ!反魂香ゲットだぜ~っ♥


 と思ったら・・・一難去ってまた一難~(泣)、ぶっちゃけあり得ませんねぇ。

 お次は「反魂真言」(呪文)の方ですが、こちらもまた全くのお手上げなのです。

 なんせ「真言立川流」の経典とか秘術の解説書、曼荼羅・仏具に類するものはほぼ弾圧によって破却・焼却され現存していないのですから仕方ありません・・・。
 

 また、真言立川流が隆盛を誇っていた当時としても、この「反魂真言」なるものは秘伝として公にはされていなかったと思います・・・いえ、多分そのはずです。

 というのも、密教ではその教えの最も重要な部分は書物には記されず、師から弟子へ「口伝くでん」で伝えられるものですから、「密教」のはしくれである(笑)真言立川流でも当然そこは同じだったと推測出来るのです。


 よく真言宗の古い書物を読んでいると「ここの箇所の真言は「ロイ」である」とか「ロイによる」と書かれている部分にブチ当たる事があるのですが、この「ロイ」というのは、真言密教での「符丁」(身内だけに通用する淫語・・・違うっ!「隠語」のこと)で、先の「口傳くでん」の文字を省略して符丁化したものです!
(「くちを「」と読み、「傳」のニンベンを「イ」と読んで「ロイ」の出来上がりっ♥)

 なんせ密教は「秘密仏教」の略ですから、その最高機密トップ・シークレットに該当する部分は部外者にお漏らしすることは厳禁なのです!
 また書物や経典にしても、なるべく素人には判らないように「小細工」をしている部分があるのですっ♥

 真言立川流の源流ともなった、あの「理趣経」もセッ〇ス礼賛の過激な内容の為でしょうか、

 「妙適淸淨句是菩薩位」も「みょうてきせいじょうくこれぼさつのくらいなり」・・・みたいな読み方ではなく「漢音」という独特の読み方をします!

 「びょうてきせいせいくしほさい」

 ・・・と読むのだそうで、これだとお経を聴いている人も、元の文言が殆んど想像できないでしょう!


 そんな神経質なほどに「秘密主義」の密教ですから、この「反魂真言」なるものも「ロイ」だったのではないでしょうか、私はそう考えます♥


 ただ~し!ここに一つの光明があるとすれば、鎌倉時代の一時期には、

「辺土田舎ニオイテハ真言師ト聞ユル輩ノ中ニ十人ガ九人ハ皆是レ(立川流のこと)ヲ密教ト信ジアヘリ」(受法用心集)

 田舎では真言師と言われる者のうち、十人に九人が真言立川流の事を(正統の)密教と信じている!

 ・・・というほど、庶民の間にも大流行した「真言立川流」を支えたのは、ビラミッド型の堅固な組織である密教寺院というより、民間にあって「まじない」や祈祷、占いなどを生業とした半僧半俗の「フリーランス」(笑)の宗教者、いわゆる陰陽師とか(「レッツゴー陰陽師」懐かしいなぁ)修験者(山伏)の類いのような、ちょと胡散臭い連中だったことでしょう。

 昭和の中頃まで存在していた、いわゆる「祈祷師」「拝み屋」みたいな人達ではなかったかと・・・。


 たとえある程度横の繋がりで「組織化」されていたとしても、元が大っぴらに布教出来る宗派ではないのは明らかですしねぇ。
 もちろん、立川流的なものは「正統」な密教にも深く浸透していたといいますから「ちゃんとした」格式の高いお寺も、有閑貴族などを相手に乱交パーティー的な性的な秘儀を行なっていたと想像は出来ますが、民間に広めたのは上記のような人々だったと思います!


 「セッ〇スで即身成仏っ♥」という超一般受けのし易い真言立川流は、少し密教(特に理趣経)と陰陽道などをかじっただけのインチキ宗教者にも容易に広めることが出来たでしょう。
 これまでご説明してきたように、教えはすっごくシンプルなのですから!

 そんな連中が「ロイ」である「ホンモノ」の反魂真言なるものを知っていたとはとうてい思えません。

 おそらくは、テキトーに荼枳尼天だきにてんの真言あたりで胡麻化していたのではないでしょうかねぇ(笑)

  荼枳尼天の真言も様々なバリエーションがあるようですが、

 ナウマク サンマンダ ボダナン キリク カク ソワカ
 
 ・・・あたりでどうでしょうねっ♥うん、そうしときましょう!(鼻ホジ~)

 反魂真言は、荼枳尼天(通称ダキちゃん♥)の真言で代用~っ♥



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ようやく幸せになりました!〜泡沫の華々たち《異譚》

かぐら
恋愛
 ヴァット王国王妃、ステファニーは公務をこなすだけのお飾り王妃として日々を鬱々と過ごしていた。  表立って庇い、助けてくれるのは宰相だけ。絶対中立を是とする監視役の侯爵家、伯爵家が裏で出来る限り助けてくれるが、彼らではカバーしきれないほどに誹謗中傷が多く、文官からも仕事を押し付けられる始末。  当時王太子だったルークと恋仲だったカタリナを引き裂いた悪女として、社交界どころか民からも嫌われていた。  ―― 王命で、婚約間近だった隣国の伯爵令息シェルジオ・グランパスと仲を引き裂かれ、強制的に王太子妃とされてしまったのに。  しかも、初夜に「お前を愛することはない。白い結婚で通すが離婚はしない」とまで言われて。  ある日、エインスボルト王国に留学中に仲良くしていたエインスボルト王国第一王女ツェツィーリアからいつものように手紙が届いた。  …いつもと違うのは、その便箋の縁。デザインのように書かれていたのは絵ではなく、言語学でもマイナーな失われていた言語、ベガルド語だった。  何度かやりとりしてこの言語を解読できる者は検閲官にはいないことが分かった。そこで、ステファニーは意を決して同じように便箋のデザインに見せかけてベガルド語を書き込んだ。  ―― 助けて、と。  竜騎士であり竜人でもある隣国伯爵✕お飾り王妃の話。  王妃(ステファニー)視点、隣国王女(ツェツィーリア)視点、宰相(レガール卿)視点の三章立て+α予定。 ※ 9/16 に本編完結。9/19 番外編(シェルジオ)1本を追加 ※ 拙作「恥ずかしいに決まってるじゃないですか!」の二十四年後、「わたくしこの方と結婚しますわ!」の二十九年後の話ですが、読まなくても支障ないはず。 ※ 立場上、ヒーローよりも脇役(エインスボルト兄妹等)が活躍します。どうしてこうなった。 ※ 世界観は長編「彼女が幸せを掴むまで〜」と同じです。 ※ タイトルに「〜泡沫の華々たち《異譚》」を追加しました ※ 10/13に、カクヨムで泡沫の華々たちシリーズをひとつにまとめて投稿を開始しました。その中に加筆修正した当話も含まれています。

ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。

ゴルゴンゾーラ三国
ファンタジー
 猫アレルギーながらも猫が大好きだった主人公は、猫を助けたことにより命を落とし、異世界の侯爵令嬢・ルティシャとして生まれ変わる。しかし、生まれ変わった国では猫は忌み嫌われる存在で、ルティシャは実家を追い出されてしまう。  しぶしぶ隣国で暮らすことになったルティシャは、自分にネコ科の生物に愛される加護があることを知る。  その加護を使って、ルティシャは愛する猫に囲まれ、もふもふ異世界生活を堪能する!

私が悪役令嬢? 喜んで!!

星野日菜
恋愛
つり目縦ロールのお嬢様、伊集院彩香に転生させられた私。 神様曰く、『悪女を高校三年間続ければ『私』が死んだことを無かったことにできる』らしい。 だったら悪女を演じてやろうではありませんか! 世界一の悪女はこの私よ! ……私ですわ!

乙女ゲーム攻略対象者の母になりました。

緋田鞠
恋愛
【完結】「お前を抱く気はない」。夫となった王子ルーカスに、そう初夜に宣言されたリリエンヌ。だが、子供は必要だと言われ、医療の力で妊娠する。出産の痛みの中、自分に前世がある事を思い出したリリエンヌは、生まれた息子クローディアスの顔を見て、彼が乙女ゲームの攻略対象者である事に気づく。クローディアスは、ヤンデレの気配が漂う攻略対象者。可愛い息子がヤンデレ化するなんて、耐えられない!リリエンヌは、クローディアスのヤンデレ化フラグを折る為に、奮闘を開始する。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

縦ロールをやめたら愛されました。

えんどう
恋愛
 縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。 「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」 ──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故? これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。 追記:3.21 忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。

幽霊先生が真夜中に回診に来る!ちょっと不思議な病院のおはなし

むめ
ファンタジー
読むとやさしい気持ちになれる、ちょっと不思議な短編を書きました。心のコーヒータイムをお過しください。

ときめき☆えぶりでい

赤沼
恋愛
とある女子高生がときめいてえぶりでいするお話。 2000文字未満で一話完結なので気軽にどうぞ。 イメージとして、ベタベタ+αです。 しかしこれ……恋愛カテゴリーでいいのか?

処理中です...