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【二十二】滅亡した仏教の気付いた最後の「悟り」・・・それは女性の究極の「神性」♥
しおりを挟む「女は宇宙の創造者、宇宙は女の形、女は世界のいしづえ・・・。世界に息づくあらゆるものの形が女の中にはある。女に勝る宝はなく、女にまさる身分は存在しない!」
(シャクティサンガマ・タントラ第二編)
・・・ついに後期の密教は禁断の「性的ヨーガ」に到達しました!
タントリズム的に言うと、男女のセッ〇スの恍惚を通して梵我と自我を一体化しようという試み・・・密教的に言うと「即身成仏」を成し遂げようというのです!
宗教によるアクティブな「セッ〇ス」の活用!・・・これは諸刃の剣と言えます、余りに危険な「最終兵器」です。
修行者はパートナーの女性と長時間「結合」出来るいわゆる「対面座位」の姿勢で結合し続け、互いにその恍惚の中で「宇宙と一体化」してゆきます・・・。
この時、男性は射精してはいけません、それはせっかく体内に溜まった宇宙エネルギーを浪費してしまう愚行なのです。
ひたすら抱き合い、結合しながら快楽と恍惚の先にある「宇宙の真理」を目指す!
「性的ヨーガ」と言われるものです。
現在でもインド発の「ヨーガ」「ヨガ」・・・最近は「マインドフルネス」などとも言われ、「瞑想」は形を変えて日本でも欧米でも流行しているようですが、マジな話、現代的価値観で言うと「カルト」「セッ〇ス教団」の可能性もあるので、女性の方は充分に気を付けてくださいね!
ご説明したとおり、ヨーガには「性的ヨーガ」も実在するのです。
・・・さて、話を戻しまして。
もうこの辺りにくると「仏教」の片鱗さえ感じませんが、繰り返しますが、これが「密教」の最後の姿です!
その後「時輪タントラ」等も登場し「イスラム勢力との最終戦争じゃ!」なども唱えられるのですが・・・もうハチャメチャですねぇ♥
・・・で、ここまで進化飛躍(?)した「仏教」は結局どうなったのか?
ヒンドゥー教の神々と「おまじない」、秘密の儀式や禁断の性的ヨーガを取り入れて、インド民衆の間に再び支持を広げていったのでしょうか?
結論から言うと「インド」では、そうはならず仏教にとっては最悪の結果を迎えました。
13世紀にイスラム軍の大攻勢を受け、仏教寺院は徹底的に略奪破壊され、仏教の僧侶たちが虐殺されるに至って、ついに仏教はその誕生の地インドから滅亡してしまったのです・・・トホホ。
「密教」で起死回生!と思った矢先・・・インドでは仏教は滅びちゃったのです(泣)
プライドも捨て去り「密教」の流れを興し、なりふり構わずヒンドゥーの教えを取り込んで最後の延命を図った、ある意味完全な「賭け」に出た仏教でしたが、その賭けは「凶」と出てしまいました。
「イスラム勢力の侵攻と破壊、殺戮」が仏教滅亡の「ダメ押し」であることは異論はありませんが、本当の「仏教滅亡」の理由はもっと根深いものです。
・・・まあ、仏教が密教(後期密教)の選択をせずとも、いずれ衰退し滅亡していたかもしれません、それは神のみぞ知る所です。
・・・いえ、結局「神様」さえ判らなかったわけですけど(笑)
実は、この仏教の「滅亡」の理由については、特に古い文献では、このイスラム勢力の徹底的な破壊と殺りくによって「仏教教団自体」が壊滅的打撃を受けついに滅亡した・・・とされているもの(特に古い文献)が多いのですが、最近では、それ以前に既に仏教はインド民衆の支持を完全に失っていた、というのが定説らしいです。
私もそう思います。
確かに、寺院を破壊され、僧侶を虐殺されたのは痛手ですが、インドの民衆に深く仏教が浸透していれば、いくらイスラム軍が「暴力」で仏教を滅ぼそうとしても簡単に滅亡させることは困難でしょう。
・・・いったん人に根付いた「信仰」というのは生半可な事で一朝一夕に消滅したりはしません!
我が国にも「島原の乱」という大きな叛乱があり、日本のキリスト教徒は自らの死をも賭して頑強に抵抗して、そして女子供まで壮絶な最期を遂げました。
その後も江戸幕府の壮絶な弾圧、拷問にも屈せず「隠れキリシタン」の人々は地下に潜って信仰を守り続けたのです。
本物の信仰があれば、軍事力で一つの宗教を根絶やしにするのは極めて困難なのです!
・・・仏教が寺院を破壊され、僧侶が殺されたのは事実としても、あまりに「あっけなく」滅亡してしまったというのも、実はもうイスラム勢力の虐殺と略奪の前に多くの民衆の支持を失っていたと考える方が自然でしょう。
それに、たとえ密教がなりふり構わずヒンドゥー教の儀式やおまじないを取り入れたともしても、元々農村には「オリジナル」の「ヒンドゥー教」があるのですから、結果的に、仏教とヒンドゥー教は次第に「似たようなもの」になっていったのは想像に難くありません。
なりふり構わずヒンドゥー教化を推し進めた仏教は、逆にヒンドゥー教に取り込まれて(習合)して消滅してしまったと!・・・そうは言えませんでしょうか?
その証拠に、仏教の開祖である「お釈迦様」は、今でもヒンドゥー教の中で、ヴィヌス神の化身として細々と生き残っています・・・・。
密教がヒンドゥーの神々を取り込んだように、結果的に仏教の開祖であるお釈迦様は「ヒンドゥー教の一神」として辛うじて命脈を保っている・・・なんとも皮肉な事です。
ちょっと寂しい気もしますが、もう現在のインドでは仏教徒は人口の1%しかいないのです・・・。
それも、伝統的仏教徒はほとんどおらず、カースト制度の下で差別されている人々が、最近になって新たに帰依したケースが多いと言います。
(現在「カースト制度」はインドでも法律で禁止されているにも関わらず、バラモン教から発展したヒンドゥー教は、その経緯からカースト制度の温存という問題を抱えています)
生まれた国インド本国では滅び、他国に渡って様々に形を変えて生き残っている仏教。
一時期は大々的に流行をみせた中国でも現在は勢力を失い、今では「大乗仏教」系の教えが国民に浸透しているのは、我が日本、そしてチベットとネパールくらいなものです。
(一方の「部派仏教」はスリランカ、ミャンマーなどで今でも盛んです)
まさにお釈迦様ご自身が説いた通り「諸行無常」・・・これでいいのかもしれません。
仏教は本国では滅亡しましたが、他国では文化の精神的支柱として今でも生き残り、存在感を保っています。
特に日本では、あまり意識されない形ではあれ神道と共に「仏教」は重要な民族のアイデンティティとなっているのですから!
言い方を変えると、この日本こそが大乗系仏教の現在の「聖地」と呼べるかもしれませんね。
そして本エッセイのテーマでもある、ずっとわだかまっていた「女性」についての見解については、仏教は最後に「真理」に辿りきます!
お判りでしょうか・・・仏教(密教)のその法明が消える一瞬ではありますが、女性は「宇宙」あるいは「神」となったのです。
女性だけが新たな命を創造する「神」の力をもった存在・・・全ての女性は「女神」なのです!もちろん貴女も!
既存仏教は女性を「成仏出来ない劣った存在」など侮蔑しましたが、遅まきながら、その滅亡の直前に「理解」したのです!
女性こそがこの宇宙そのものであり、このちっぽけな地球で「人類」という「種」を繁栄させてくださる神聖な存在・・・「女神」であることを仏教は「悟り」ました。
「女性」無しでは「男性」は存在しえない・・・まさに女性はタントラ密教の唱えるとおり「神=宇宙」でありましょう。
九条兼実の『玉葉』に記されている澄憲僧都の法話に「一切の女性は三世諸仏の母であるが一切の男子は諸仏の本当の父ではない」という話があるそうです(笹間良彦氏著「性の宗教」より)
まさにそれは真実でしょう。
愚かな「男達」は古代から必死になって神を・・・「女神」を探し、追い求めてきました。
しかし、女神は天界から地の果てまで、世界中のどこを探しても見つかりません。
疲れ切った男達が家に帰ると・・・驚いたことに、女神達は男性達のすぐ側におわしたのです!優しく慈悲深い笑顔をたたえて!
それが「妻」であり「パートナー」である「女性」なのです。
これこそが「仏教」が滅亡前に悟った「真理」といえるのです。
「両性」が愛し合い、協力しあって宇宙を形作ってゆく、それは仏教的には「輪廻」ではあるけれども、輪廻はお釈迦様が説かれたように、決して「苦」ばかりではない。
女性と男性は互いに惹かれ合い、愛し合い、セッ〇スで宇宙と一体化し「二人の」新たな命を造り出す。
そして自分達の人生を「再生産」してもらう・・・その子供たちは再び「愛」を経験し、人生の歓びを再生産してゆく・・永遠に。
その営みの事を「輪廻」だと言うのだとしたら、それは決して悪いことばかりではない気もしますが、貴女の意見はいかがでしょうか?
男は、そして女性はセッ〇スを通して・・・「即尊成仏」(宇宙との一体化)を経験し新たな命を造り、自分達の思いを未来に託すのです!それはとても素晴らしいことだと思います。
・・・そんな単純な事実に気づいたのが、滅亡直前の「仏教」だったのではないでしょうか?
まだお釈迦様が悟りを得る為の修行の方法を模索し、体を痛めつける断食の「苦行」に見切りをつけて山を下り、餓死寸前でいたところを「乳粥」を施して助けてくれた村の少女・スジャータちゃん。
実は彼女こそ、お釈迦様を生かし、仏教を広めるためにこの世に現れた「女神」様だったのかもしれませんね。
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
~~ おわり ~~~
※ええと、まだ個人的に一番書きたかった「真言立川流」がありますので、あと少し続きます(笑)
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