上 下
19 / 31

【十九】だ、団(教団)の面目まるつぶれや!(仏教OBのお釈迦様)・・・ついにセッ〇スで「パンドラの箱」を開いた密教♥

しおりを挟む
   
   
   
 『妙適淸淨句是菩薩位びょうてきせいせいくしほさい

 男女のセッ〇スのウットリしちゃう快楽は、清浄な菩薩の境地だからっ!


 前回は、日本に伝わった「中期密教」の中でもメガトン級に衝撃的な問題作「理趣経りしゅきょう」をご紹介しました!

 大胆な・・・いや過激過ぎる男女の愛欲・・・というか「セッ〇ス」礼賛です!


 仏教の「開祖」お釈迦様が僧侶には固く禁じ、在家の信者にも「まあ、煩悩の元だから、ほどほどにね」・・・と説かれた、愛し合う男女のセッ〇ス!

 人間の本能の発露であるこの悩ましい問題を、密教は明快に

「愛し合う男女の気持ちのいい~セッ〇スはね、もうね、菩薩の境地なのよっ♥」

 ・・・そう言い切っております!(笑)


 理趣経のスゴい所はこの「セッ〇ス礼賛」だけではありません。

 それだけではなく、身を飾る「虚栄心」とか、偏った心の在り方、それらの煩悩さえも全ては本来、清浄なものである・・・とサラリとトンデモない事を言っています。

 もちろん、ただ単純にそういったストレートな欲望を肯定しているのではありません、欲望や本能のままに生きるのであればそれは人間らしい生き方とは言えません、獣と同じです。

 特に本能に直結する「性欲」のような激しい欲望っていうのは、どうせ無理に抑え込むとロクな事にならないし(うんうん♥)それなら、その強烈なパワーを「悟り」の方向に・・・つまり宇宙と一体化している本来の自分への「気付き」に繋がる「向上心」に向けたほうがずっといいんじゃないの?(つまり即身成仏)そういう事です♥

 ・・・おおっ、けっこう納得できる解説ですねぇ!そう思いませんか?


 でもさぁ、それじゃ頭を丸めて、日々女性や性欲を断って厳しい修行をしている俺達「坊主」達は、一体何のために修行しているのか判らなくならねぇか?

 お坊さん的にはそんな不満も出てくるでしょう。

 まあ、そこは密教ですから「お経の文句だけ読むとこうだが、実は「真」の意味は・・・」という得意の逃げ口上があります。


 「密教はお経や教えの真実の「意味」は限られた人にしか伝授されないんだよねぇ!実はこの理趣経も、一見(!)露骨に男女のセッ〇スを肯定しているように見えるけど、実際の話ではなくて「例え」として、もっと言えば「観念」としてそう表現されているのだぞ!・・・あくまで「例え話」だから!」

 「心の中でそう念じるだけで、実際のセッ〇スを肯定しているわけではない、あくまでイメージ、頭の中の「観想」!心の修行レベルの話なのだぞ!ゆめゆめ勘違いしてはならんぞよ!」

 「一見勘違いし易いこのお経は、実はお釈迦様(※)の「ひっかけ問題」!書いてあるこのお経の真の意味を理解している者こそが、本当に悟った者であり、本物の仏教者なのであ~る!」

 ※昔は、お経は全てお釈迦様の本当の説法の記録であるという考えでした。


 ・・・まあ、メチャクチャ苦しい解釈がなされていますが、こんなんですね、誰が読んだって「異性が愛し合ってセッ〇スをする♥」ことが、ごく自然で美しい行為・・・まさに「宇宙の真理」であると高らかに宣言していることは一目瞭然じゃございませんこと?


 私が思うに、異性がどういうワケか磁石のように互いに惹かれ合い「なんか合体したい~っ♥」って気持ちになるのは、生物としての本能・・・自然の摂理、言ってみれば「宇宙の真理であり法則」!

 本来、大日如来様と一体である我々のごく自然な行為であれば、セッ〇スはなんら忌むべきものでもない気がするのですが、お坊さんたちは「密教」の時代になっても男女の性については頑なに否定したいようです・・・。


 あのさぁ、お坊さんさぁ、金剛界曼荼羅(男性原理)の「理趣会」であの「金剛薩埵」(金剛手菩薩)さんが、「愛」「欲」「触」「慢」の4人の「女菩薩」ちゃん達に囲まれている意味をちゃんと理解されています?

 ・・・男ってのは女性がいて、始めて活き活きとパワーが湧いてくるものなのです。

 理想は理想として欲望を否定しても構わないけど、「生身」の人間界ではそれでいいのだ!って金剛薩埵様が身をもって体現してくれておられるじゃないですか。

 原始仏教のお釈迦様の教えに立ち返っても考えても、女性を完全に排除して、劣った存在として貶める!っていうのは「中道」から外れる極端で偏った考え・・・それこそお釈迦様の戒めた道ではないですかね?


 実は、仏教は「中期密教レベル」になって、大胆に欲望・・・とくに男女の性愛やセッ〇スを肯定する教えを強く打ち出しましたが、かといって「仏教」という「看板」を捨てたわけではありません。

 ・・・あくまで自分達の教えは「仏教」であると宣言している間は、僧侶に課された戒律・・・例の出家(坊さん)は妻帯してはならない、女犯(セッ〇ス)をしてはならない!というアレです。

 密教の理趣経の「性」に関する露骨な部分が、仏教の僧侶の「戒律」と真っ向からぶつかってしまうのです!
 「二次創作」であとから付け加えられた設定と、「オリジナル」の元の教えが論理矛盾し始めてきたのです。
 実は仏教の長い歴史の中でそんなことは日常茶飯事でしたが、こと「性」に関する部分は、やはりウヤムヤにすることは難しかったとみえます・・・。


 漫画やアニメの二次創作ならそれでも何も問題はないのですが・・・「仏教」ではちょっとそれはヤバいのです。
 密教があんまりはっちゃけて無理しすぎたからですねぇ♥


 自ら「戒壇」という場所で仏教の教えを守り抜きます!と誓った坊さんですから、いくら裏では奥さんがいたりパパ活していたり、ソープに行ったりしていても(笑)「タテマエ」としては、やっぱり「女性とのセッ〇ス」は厳禁なのです!

 「理趣経にこう書いてあるからセッ〇スしたっていいんだもん!」とは絶対にならんのです・・・。

 お経に「男女のセッ〇スの快楽は菩薩の境地で~す♥」と書かれているのに、坊さんが女性とセッ〇スできない問題は、実は密教が盛んな当時から色々議論されていたのですが、結局は「中期密教」では、「理趣経はセッ〇スを「実践」するよう書かれた教えではなく、あくまでも菩薩の慈悲の「例え」「比喩」「イメージ」の世界なのだ!」という結論に落ち着きます。

 う~ん、痩せ我慢しちゃってぇ♥


 自然界の生物でも多くはそうですが、大日如来様と同一である「宇宙の原理」って、オス・・・つまり「男」の方の「性欲」をわざと女性よりも強くするように造られている(プログラムしている)んじゃ?

 そう思ったことはありませんか?特に現実世界を眺めて・・・。


 あの「ヤッターマン」等のタイムボカンシリーズの主題歌から「燃えよドラゴンズ」「開けチューリップ」等で有名な天才シンガーソングライター・山本正之大先生も「愛のロリータ」の曲中で、

 男性は「メカニズム」に悩んで可哀そう(意訳)

 ・・・という内容の「深遠」過ぎる歌詞を「妹」ちゃんに歌わせておられます!

 そう、そういうことなのです♥ 


 ここで「利己的な遺伝子論」に戻ってしまいますが、オス(男)がセッ〇スに対する欲望が強いのは、遺伝子が自分のクローン(子孫)を残す為に、そう「プログラム」しているとしか言いようがありません。

 メス(女性)に積極的にアタックさせ、子孫を残す為に「鉄砲玉」「使い捨てドローン」として造られたのが「オス」とも言えます(笑)

 ・・・女性を輝かせるために♥


 「男性」には「女性」が必要、そしてそれは煩悩でも、恥ずかしいことでも、汚らわしいことでもない・・・それを密教ではあえて「強調」しているとは思いませんかねぇ?

 だから「女神信仰」は世界共通・・・なのでは?


 言ってみれは「男は女神様がどうしても必要」・・・そんな心の弱いセンシティブな存在!
 だからこそ、側に女性がいるだけで、もう心乱れて「修行」どころではなくなってしまうのです。

 「酸っぱい葡萄の理論」とチンケな痩せ我慢で「女は成仏出来ないからぁ!」とか声高に叫んでいた男性僧侶達!

 ・・・実は、心の弱い劣った存在だったのは「男」の方だったというオチだったのです(笑)




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ようやく幸せになりました!〜泡沫の華々たち《異譚》

かぐら
恋愛
 ヴァット王国王妃、ステファニーは公務をこなすだけのお飾り王妃として日々を鬱々と過ごしていた。  表立って庇い、助けてくれるのは宰相だけ。絶対中立を是とする監視役の侯爵家、伯爵家が裏で出来る限り助けてくれるが、彼らではカバーしきれないほどに誹謗中傷が多く、文官からも仕事を押し付けられる始末。  当時王太子だったルークと恋仲だったカタリナを引き裂いた悪女として、社交界どころか民からも嫌われていた。  ―― 王命で、婚約間近だった隣国の伯爵令息シェルジオ・グランパスと仲を引き裂かれ、強制的に王太子妃とされてしまったのに。  しかも、初夜に「お前を愛することはない。白い結婚で通すが離婚はしない」とまで言われて。  ある日、エインスボルト王国に留学中に仲良くしていたエインスボルト王国第一王女ツェツィーリアからいつものように手紙が届いた。  …いつもと違うのは、その便箋の縁。デザインのように書かれていたのは絵ではなく、言語学でもマイナーな失われていた言語、ベガルド語だった。  何度かやりとりしてこの言語を解読できる者は検閲官にはいないことが分かった。そこで、ステファニーは意を決して同じように便箋のデザインに見せかけてベガルド語を書き込んだ。  ―― 助けて、と。  竜騎士であり竜人でもある隣国伯爵✕お飾り王妃の話。  王妃(ステファニー)視点、隣国王女(ツェツィーリア)視点、宰相(レガール卿)視点の三章立て+α予定。 ※ 9/16 に本編完結。9/19 番外編(シェルジオ)1本を追加 ※ 拙作「恥ずかしいに決まってるじゃないですか!」の二十四年後、「わたくしこの方と結婚しますわ!」の二十九年後の話ですが、読まなくても支障ないはず。 ※ 立場上、ヒーローよりも脇役(エインスボルト兄妹等)が活躍します。どうしてこうなった。 ※ 世界観は長編「彼女が幸せを掴むまで〜」と同じです。 ※ タイトルに「〜泡沫の華々たち《異譚》」を追加しました ※ 10/13に、カクヨムで泡沫の華々たちシリーズをひとつにまとめて投稿を開始しました。その中に加筆修正した当話も含まれています。

ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。

ゴルゴンゾーラ三国
ファンタジー
 猫アレルギーながらも猫が大好きだった主人公は、猫を助けたことにより命を落とし、異世界の侯爵令嬢・ルティシャとして生まれ変わる。しかし、生まれ変わった国では猫は忌み嫌われる存在で、ルティシャは実家を追い出されてしまう。  しぶしぶ隣国で暮らすことになったルティシャは、自分にネコ科の生物に愛される加護があることを知る。  その加護を使って、ルティシャは愛する猫に囲まれ、もふもふ異世界生活を堪能する!

私が悪役令嬢? 喜んで!!

星野日菜
恋愛
つり目縦ロールのお嬢様、伊集院彩香に転生させられた私。 神様曰く、『悪女を高校三年間続ければ『私』が死んだことを無かったことにできる』らしい。 だったら悪女を演じてやろうではありませんか! 世界一の悪女はこの私よ! ……私ですわ!

乙女ゲーム攻略対象者の母になりました。

緋田鞠
恋愛
【完結】「お前を抱く気はない」。夫となった王子ルーカスに、そう初夜に宣言されたリリエンヌ。だが、子供は必要だと言われ、医療の力で妊娠する。出産の痛みの中、自分に前世がある事を思い出したリリエンヌは、生まれた息子クローディアスの顔を見て、彼が乙女ゲームの攻略対象者である事に気づく。クローディアスは、ヤンデレの気配が漂う攻略対象者。可愛い息子がヤンデレ化するなんて、耐えられない!リリエンヌは、クローディアスのヤンデレ化フラグを折る為に、奮闘を開始する。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

縦ロールをやめたら愛されました。

えんどう
恋愛
 縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。 「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」 ──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故? これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。 追記:3.21 忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。

幽霊先生が真夜中に回診に来る!ちょっと不思議な病院のおはなし

むめ
ファンタジー
読むとやさしい気持ちになれる、ちょっと不思議な短編を書きました。心のコーヒータイムをお過しください。

ときめき☆えぶりでい

赤沼
恋愛
とある女子高生がときめいてえぶりでいするお話。 2000文字未満で一話完結なので気軽にどうぞ。 イメージとして、ベタベタ+αです。 しかしこれ……恋愛カテゴリーでいいのか?

処理中です...