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【十七】 密教と曼荼羅と男と女・・・密教の美しい宗教芸術は「二つで一つ」♥

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 ・・・まあ今回のサブタイトルでは「酒となみだと男と女」(作詞・作曲:河島英五)のダシャレをやってみたんですが、誰も理解されないでしょうねぇ・・・多分(泣)


 さてさて、6,7世紀頃からちょっと形勢がヤバくなってきた・・・つまり「オワコン」化の気配が漂ってきたインドの仏教は、「密教」という掟破りの一コペルニクス的転回!・・・というか究極の「ちゃぶ台返し」を成し遂げ、起死回生を図ります♥

 お釈迦様だけが崇高な存在だったはずの仏教に「如来」「菩薩」「明王」そしてヒンドゥー教から「移籍」(勝手に移籍された!とも(笑))した「天部の神々」という仏教を守護する神々が登場して、「地味目」だった仏教は一気にド派手になります!

 ギンギラギンにさりげなくどころじゃなくて、マツケンサンバⅡなみに金ピカド派手ですっ♥(オーレイッ!♥)


 お釈迦様が説いた原始仏教・初期仏教には「神様」はおらず、厳密には「宗教」とも違うのですが、次第にお釈迦様自体が「神格化」されつつはあったものの、ついに「密教」の時代になって仏教は「多神教」に変貌したと言えます!

 「はぁ?仏教が多神教?」・・・何言うてんねんオマエ役者やのう?(薬痴寺OB)


 かなり過激な発言ですが、そう言い切れます(笑)


 だって、現にヒンドゥー教からやってきた(笑)「神様」がたくさんいて、私達はそれを「拝んで」いますからねぇ♥
 これを「多神教」と言わずに何というのでしょう(笑)

 (まあ、アニミズムが強く残っていて、神道と仏教をなんの違和感もなく両方受け入れている我々日本人には、元々「多神教」が肌に合っているのかもしれません・・・)


 実は、日本に伝わった「中期密教」は、我々が知らないうちに多数のヒンドゥー教の「神」を拝んでいる多神教、もっとストレートで過激な表現を使うと密教は既に「形を変えたヒンドゥー教」とも言えるのです!

 少なくとも「密教」のなかでも真言宗はそう言い切れちゃいます。


 さらに厳密にいうと空海の伝えた「真言宗」は大日如来様が「この宇宙すべて」「神羅万象」と同一視されることから「絶対神」とも解釈できるので、多神教とは対立概念の「一神教」と言えないこともありません(おおっ!)

 多神教で一神教ぉ?・・・貴女はだんだんおかしくなく、おかしくなる・・・(笑)


 意味不明ではありますが密教の大日如来様は「創造主」とは言っておりませんが「万物と一体の最高神」って事は、それは「唯一神」をあがめる一神教とたいして変わりません。


 さて、こんな風にもう「お釈迦様」の原始仏教・初期仏教徒は完全に別の宗教となっているのは確かですが、このエッセイのテーマである「女性」の問題については「密教」においては既に「理想の形」で解決したと言っていいでしょう!

 なぜなら、もうそこには「女」「男」の別は存在しませんし、ず~っと仏教にわだかまっていた教義的「差別」も存在しないのですから!(密教の重要経典である「理趣経」というお経は後でご紹介します)
 

 ちなみに、「教え(教義)」方面ではなく実生活の面でも、明治時代になって「坊さんも結婚していいよ!」ってことになったので、現実的にも仏教の戒律は「なし崩し」状態です。
 江戸時代までは女犯(女性とのセッ〇スの罪)は日本橋のたもとで「晒し」とかヒドいのは「遠島」だったことを考えると隔世の感があります・・・。


 ちなみに、上座部・部派仏教(テーラワーダ仏教等とも言う)のスリランカやミャンマーでは、いまだに頑なにお坊さんは妻帯・女犯(セッ〇ス)は戒律で禁止されているそうで、奥さんがいて風俗大好きな(スミマセン、そんな破戒僧は一部の輩だけでしょう)日本の坊さんを見ると「彼らは本当に仏教の僧侶なの?」と戸惑うとかなんとか・・・。

 まあ、我々日本人自身も「坊主が非課税のお布施でベンツに乗ってキャバクラ三昧」と聞くのと「芸能人の不倫」報道だったら、確実に後者に怒りの矛先を向ける感がありますからねぇ、それも過剰なほどに(汗)

 これは本当は坊さんが猛省しないといけない事案でございますよ・・・かしこ。 


 さてさて、また話を戻しますが、密教では「男が」とか「女は」という、性に関する別はなくなりました!
 繰り返しますが、全ては大日如来様と一体!み~んな大日如来様だよっ!

 ・・・だから女とか男とか関係なく「清浄」なんです。


 この宇宙に存在する全て(もちろん女性も♥)は大日如来様と一体であり「清浄」だというのが教えなのですから「女性には五障があり成仏出来ない」なんてことは密教では有り得ない話しのです。

 「女性だから成仏出来ない」なんて心狭い教えは唾棄されました!あとは心の中の如来に気づかず悪しき行いを行なうものは「性別の問題」ではなくその個人の素質の問題なのです!


 女性・男性関係なく、我々一人一人が大日如来様と「一体」であり「自分の内面には大日如来様が存在する!」ことを意識・理解出来たその瞬間、人は生きながらに成仏できるというのが密教(真言宗)の考えです。

 特に密教ではそれを「経典」として読んで「頭だけ」で理解するのではなく「三密」(口で真言を唱え、手で印を結び、頭で神仏を観想する)によって、大日如来様との一体感を重視します!

 ・・・知識として理解するのではなく、「身体で実感する」「神秘体験」もしくは「実践する」といってもいいでしょう♥

 真言宗が仏教の諸宗派なの中でもダントツに「神秘主義」なのは、そういう理由があるのです。


 ・・・その「神秘主義」の最たるものを、真言宗のお寺では見ることが出来ます!

 真言宗のお寺に行くと「曼荼羅マンダラ」という絵画(というか「図」?)がかけられているのを御覧になったことがあるでしょうか?
 私のように「家の宗派」が真言宗だとか、観光で寺社巡りをして(拝観料払って)お寺の中まで入らないと実物を間近でじっくりと拝見出来ないと思いますが、今の時代、画像だけならネットでいくらでも見ることが出来ます(いい時代になったなぁ)
 あの仏様がたくさん書かれた幾何学的な絵のことですね!

 曼荼羅は深遠な密教を教えを絵画・図に表したものなのですが、実は「胎蔵曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」

 ・・・二種類の曼荼羅がありまして、二つでワンセットになっています!


 胎蔵曼荼羅、金剛界曼荼羅、どちらか「一方」だけ掛けられている密教寺院なんていうのは、日本では存在しないでしょう、必ず「二対で一つ」です!

 まあ、実は歴史的に見ると「胎蔵曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」は、別々の経典のものですし、最初は異なった系統の教えだったのですが、あの弘法大師・空海が密教の正統を承継した時には統合され「両界曼荼羅」として二つは不可分のものとなっていました。


 ・・・曼荼羅は難解な密教の世界・・・つまりは「大日如来」様の壮大な世界観を絵で表現したものなのですが、この胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅が「二つで一つ」なのには深い意味があります♥

 なんかもう判っちゃいました?


 そういうアナタは密教の素質充分!間違いなくイケメンの帝釈天様とか梵天様とかの神仏に愛されてっ、知らないうちにサポートしてもらえるラッキーなタイプですっ♥
 (私は「ダキちゃん」こと「荼枳尼天だきにてん」に♥ですが(汗))
 


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