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【十四】 ヒンドゥー教の人気を取り込め!「密教」大作戦6・・・ついに仏教は「性別」を超越する♥
しおりを挟む・・・さて、ずいぶんと前から何の説明もなく(笑)「密教」という言葉が出まくっていますが、その説明をすっかり忘れておりました(・・・マジかよ)
「密教」とは「秘密仏教」の略ですっ!・・・なんかすげ~カッコいい~っ♥
ちなみに「密教」の反対は、全てが明らかにされているという意味で「顕教」と言います。
密教・・・つまり「秘密仏教」の何が秘密かと言いますとですねぇ、仏教経典、教義などの一番大事な部分「最も大事な意味」「経典の隠された真実の解釈」「秘密の呪術の式次第や真言(おまじない)」等が「秘密」にされているのです!
「究極奥義」は代々、師が認めた少数の弟子にだけに脈々と伝えらているのです!
・・・それって「北斗神拳」ですかぁ?(笑)
まあ、ある意味、本当に「北斗の拳」の一子相伝の「北斗神拳究極奥義」を想像していただけると分かりやすいと思います、マジであんな感じです(笑)
ガチな話、6、7世紀頃から興った密教には代々「正統後継者」がおりまして、一番最初にず~っと秘密だった(お釈迦様さえ語らなかった!)「仏教の究極の真実」をいきなり語り出した「大日如来」様から始まって、
「金剛薩埵」(一応人間だけど菩薩(笑))
↓
「龍猛」(インド人)
↓
「龍智」(インド人)
↓
「金剛智」(インド人)
↓
「不空」(インド人)
↓
「恵果」(中国人)
と脈々と受け継がれてきた(この密教の系図を「付法の八祖」といいます)秘密の法「密教」は、ついに中国人の恵果から、遣唐使として中国に渡ったあの「空海」・・・つまり「日本人」へと受け継がれます!
「わが命は尽きようとしている、ワシはずっとお前さんが日本からやってくるのを待っておったのじゃ!」
・・・と恵果さんが空海さんに言ったとか、ほとんど「少年ジャ〇プ」っぽい熱血漫画のような展開です(笑)
実はその後、本家のインドと中国では密教自体が滅んじゃいましたから、現在この世界で「密教」の正統な後継を保っているのが、なんとわが日本なのです(おおお~っ♥)
・・・まさに日本は仏教界の「ケンシロウ」「世紀末救世主伝説」状態なのれす!
な~んて散々盛り上げといて落とすのもアレですが(笑)、密教には「初期」「中期」「後期」と段階がありまして、日本に伝わった密教は教えの内容と実践のバランスが一番良く「左道」(要するにセッ〇スの要素)的なものを排除した「中期密教」
実は、中国経由で正統「中期密教」が日本に伝わった後も、インドでは密教は「進化(迷走かな♥)」し続け、最終形態の「タントラ密教」に行き着きます!
時輪タントラあたりになると、もう「イスラムとの最終戦争!」とか・・・完全にイッちゃってます(汗)
この「後期密教」「タントラ密教」については、実はこのエッセイの「裏のテーマ」でもあるので、このあとゆっくりご説明しますが、後期密教はチベットやネパールに伝わり、現在でも生き残っています!
・・・さて、ざっと「密教」のご説明をしましたが、反対に「顕教」は経典や教義等の全ての教えと意味が完全オープンにされている宗派です。
お釈迦様の説いた原始仏教は、全て教えがオープンなのでもちろん「顕教」です。
密教は、日本で言えば弘法大師・空海が高野山で開いた「真言宗」と最澄が比叡山で開いた、顕教と密教のハイブリッドの教えである「天台宗」です。
空海は高野山、金剛峯寺で真言宗、最澄は比叡山、延暦寺で天台宗!・・・学生時代、歴史のテスト前に必死に暗記しましたねぇ、歴史好きな私などは今でも覚えています。
なお「天台宗」は顕教と密教その他が混じったハイブリッド宗教なので、日本で密教専門の宗派というと空海の開いた「真言宗」のみとなります!
といいつつ、実は真言宗と天台宗以外の、その他の宗派は全て「顕教」という事になりますが、現実的には時代を経て、日本の仏教の諸宗派には、ほぼすべての宗派に「密教」の要素が入り込んで現在に至っています。
以前お話した「般若心経」を認めている宗派はすなわち、秘密の呪文(真言)や儀式を是とする密教を支持しているという事ですし、お釈迦様(釈迦如来)以外の神仏、たとえば「鬼子母神」等を本尊にしているお寺の宗派は、それは既に「密教」の一部を取り入れているということです。
そういう視点で見ると、真言宗と天台宗以外の日本の仏教の宗派にも、間違いなくほとんど「密教」の要素があります。
それほど「密教」は日本人には馴染みの深いもので「仏教なんて興味ないよ」って方も、知らず知らずのうちに、密教的なものを観賞したり、考え方が身についているかもしれません・・・。
さてさて「密教」の解説に随分と紙面を使ってしまいましたが、ここで再びお話をインドに戻しましょう(脱線ばっかりやん!)
前回のお話で密教で「明王」という新しい神仏グループがデビューしましたが、その中に「孔雀明王」様という大変に美しい明王がいることに注目ですっ!
なんと孔雀明王様は「女神」様なのでえええええ~すっ(おおお~っ♥)!
今まで頑なに「女性は五障(仏法上の5つの障り)があって、煩悩が多くて成仏出来ないぜ!」「たとえ成仏するにしてもいったん男に生まれ変わらないとダメなんだよねぇオンナなんてさぁ!」等々、女性をさんざんディスっていた仏教の中に「女の神様」が出現したというのは、これは仏教にとっては画期的な出来事なのです!
仏教の諸仏中に「女神降臨」!・・・これは今までの教えでは有り得ない事なのです。
・・・ええと、ちょっとヒネた見方をしますと「明王」という存在は、密教の主尊(最高位の如来)である「大日如来」様の化身とされていますから、「女神」である孔雀明王様の「正体」はやっぱり、どう見ても男性のようなお姿の「大日如来」様・・・つまり男性じゃないか!って・・・。
「男性」である大日如来様が、女装して「女神」に化けているんじゃ?(なんか表現がおかしい)
・・・という考えも出来ますが、実はそれも正しくありません♥
実はですねこの、密教(正確に言うと中期密教)の主尊である「大日如来」様という存在は、他の如来達とは一線を画しており「宇宙の真理そのもの」「神羅万象ありとあらゆるものと同一の存在」「万物の根本」「宇宙全体を照らす光」という壮大な存在なのです。
実はヒンドゥー教でいう「宇宙の原理」である「梵我」と似たようなものなんですねぇ!
だから「人間が修行して悟りを得たお姿」の他のシンプルなお姿をした「如来」達とは違い、王冠やネックレス、ブレスレット等、オシャレしまくりの超派手なお姿をしておられるのです!
要は他の「如来」様達がどこまでいっても「人間」の延長線なのに対し、大日如来様だけは「宇宙そのもの」の別格の存在なのです。
実はこの辺りも仏教が密教でシレッとヒンドゥー教の教えを取り入れた部分でもありましょう。
ヒンドゥー教(元はバラモン教)、インド哲学では、「梵我」と「自我」の一体化を目指します・・・。
つまりですね、この宇宙に存在するありとあらゆるもの全ては大日如来と同一、もしくは大日如来様をその内部に(人間でいえば心の中に)「内包」しているのです!
我々「凡夫」は自身の中に如来がいて、既に成仏できる存在であることを認識できないだけなのですねぇ。
それを三密・・・口に真言(おまじない)を唱え、手で「印」を結び、心で如来を想う(観想)事で「実感」・・・というか「体感」するのが密教の教えなのです!
みんながプリキュアっ♥みんなの心にプリキュアがいる! わたしたちもプリキュアになれる♥
・・・ではないですが、まあそういうことです(ダ、ダイジョウブかっ、このエッセイ???)
大日如来様と私達が「一体」であることを心と体で理解(=体感)することが出来れば、おのずとこの世のありとあらゆるものは「清浄」で、不浄なものなど一つもないことが理解出来るのです。
逆説的に言うと、それを「感じた」瞬間!我々は大日如来様と一体化・・・つまり既に「シンクロ」している状態です♥
・・・ケンシロウではないですが「お前はもう悟っている!」そんな感じ。
これを密教では「即身成仏」と言います・・・ちなみに「即身仏」ではありません!
「即身仏」だとミイラになっちゃいますから♥
もうお判りでしょう?そこには「男と女」「性別」という視点は既に存在しません!
どちらも大日如来様と「同一」な「清浄」な存在なのなです!・・・それが密教が到達した根本原理なのです。
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