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【十一】 ヒンドゥー教の人気を取り込め!「密教」大作戦3、実はあの人気のお経も!
しおりを挟む・・・前回の密教の「おまじない」から大幅に脱線しておりますが、続きで「弁才天(弁財天)」様のお話から始まります。
単なる好みですので、もう少しお付き合いください(笑)
あの相模湾に浮かぶ「江の島」では、なんとオールヌードの大胆な弁才天様の像がおわします。
・・・既に江戸時代から人気の「裸弁才天」様ですねぇ。
江の島には弁才天様の像は二体あって、もう一方は「八臂弁才天」様といって、八本の腕に武器を持った凛々しい「戦う女神」像です!カッコいいです!
頭には鳥居(!)と「宇賀神様」という蛇体の老爺の神様を乗せています・・・日本の神々と合体(習合)しているわけですね。
既存の神様との習合(合体)というのは、日本の二つの宗教「神道」と「仏教」を考えるとき重要なキーワードで、対立より融和♥・・・私はこういう日本人の智慧が好きです。
一方、普通の人間と変わらないお姿の「裸弁財天」様の方は、鎌倉時代の作なのですが、元々エッチな「オールヌード」姿が前提で造られていたのではなく、この時代仏像にもリアル志向が強まりまして、像を裸体で造ってその上に本物の「衣」を着せる演出が流行った時代の作なのです。
その後、時代と共に着物の方は朽ち果ててなくなってしまい、全裸の像だけが残ったのですが、もう既に江戸時代にはその妖艶な「全裸」のお姿の方が気に入られ「裸弁財天」として大人気だったとか。
あ~、まったく余談ですが、この「裸弁財天様」、座っているお姿で普段は見えない「女性自身」(!)もしっかり造形されるているとか(汗)
この像には、そのあまりに妖艶なお姿に恋をしてしまった浪人の夢の中に弁才天様が現れ、あろうことか弁財天様ご自身がエッチのお相手をしてくれた♥・・・という夢のような(笑)伝説も残っています。
あらぁ、弁財天様「人妻」だったんじゃ?・・・そこは「人助け」だからいいのですっ!(汗)
弁才天様は真摯にお願いするときっちり願いを叶えてくれる有難い神様なのです!
だから前回お話したように、カップルでお参りすると破局するとか、そんなのは迷信ですのでご安心を(笑)
なお「恋愛」「男女の愛」ついでに、一つだけ余談を付け加えると、「象」(あるいは猪)の頭をした男女の神が抱き合っている「聖天(歓喜天)」様という神様がいらっしゃるのですが、そのお姿のとおり「男女の和合」にかけては「最強」の功徳がある神様です。
昔はよく花柳界や遊郭で信仰されていたといいます。
・・・「象頭」からも判るように、元はヒンドゥー教の「ガネーシャ」が仏教に取り入れられたもので「抱きあう男女神」という仏教的にはかなり露骨で過激なお姿から「秘仏」(一般に公開しない)とされている像が多いのも特徴です。
・・・「男女の縁」についてはほとんど最強の、この聖天様をお祈りするのもいいのですが、実はこの聖天様、たいへん気難しくて、ちょっとでも半端な気持で拝んだり粗相をしたりすると逆に大きな災いが降りかかるといいます。
実際「プロ」であるお坊さんも慎重にならざるを得ない「高難易度」の神様ですから、ご利益が物凄いからと言って、一般人が安易に像を手に入れて拝むのは避けた方がいいというのが定説だったりします♥
ですから、まあネットで検索すれば聖天(歓喜天)様のご真言もすぐに判りますがここではあえて書くことはしません(汗)
さてさて、このように様々な「真言」・・・つまり「おまじない」の言葉を生み出して現世利益を強調し出した密教ですが、その最たるものといえる、ある「お経」があります。
・・・・それは、あの有名な「般若心経」です!
ホントですょぉ(笑)
たぶん日本で一番有名な「お経」で、260文字とお経としては短いうえに内容が凄く「深そう」なため、よく写経会なども催されているあの「般若心経」は、一部を除き宗派を超えて日本人に最も愛されているお経と言ってもいいでしょう。
般若心経は「長いやつ」と「短いやつ」(笑)がありまして、日本で親しまれているのは「短いやつ」
あの「西遊記」でお馴染みの「玄奘三蔵」法師の訳だったりします!
孫悟空や妖怪達はもちろんフィクションの存在ですが「玄奘三蔵」は実在の人物で、実際にインドまで苦難の旅をして中国にたくさんの経典を持ち帰り、サンスクリット語の経典を中国語に翻訳した秀才。
あ~、ちなみに「男性」です・・・って、もうこのネタも通用しないかも(汗)
ちなみに「玄奘」さんがお名前で「三蔵法師」というのは敬称というか称号みたいなもので、仏典の「経蔵」「律蔵」「論蔵」を全てマスターしたスゲぇ人!的なものです。
要は「ポケモンマスター」みたいなものです(え、えぇ・・・)。
だから「三蔵法師」と言われる人は玄奘さん以外にも大勢います、日本人にも一人います!近江出身の興福寺のお坊さんで、唐に渡って修行をした霊仙さんという方です。
・・・で、その玄奘三蔵法師が翻訳した「般若心経」って、実際に何が書かれているかというと、いやぁ、般若心経の「解説本」って星の数ほど出ているんですねぇ!
内容はそれらの本を参考に・・・と言いたいところなのですが・・・。
実は「般若心経」の解説本って、大半は「自己啓発本」みたいな内容で、難しい般若心経の訳を牽強付会して、都合のいい「感動ストーリー」に仕上げたり、解説にかこつけて自分の言いたい事を言いまくったり、まあ、ぶっちゃけあんまり読む価値のないものばかりだったりします(笑)
特に仏教の専門家ではない「ライター系」の人が書いている本はちょっとアレな傾向が強いです(汗)
読むならば「大学教授」などの仏典の研究でメシを食っている学者さんとか、本職「プロフェッショナル」のお坊さんの書いた本を読むと、あまり「手前勝手な解釈」「適当なこじつけ」が入っておらず、原典に忠実な内容が読めると思います。
・・・で、その内容はというと、般若心経の舞台設定として、いきなりですが仏教の開祖の「お釈迦様」は瞑想中です!(おいっ!いいのかっ、それで?)
これが密教というか大乗仏教の特徴で、お釈迦様の影が薄く、他の如来や菩薩が大活躍しています。
でもって、瞑想中のお釈迦様の代わりに「観自在菩薩」(観音様、観世音菩薩と同じです)が、お釈迦様の弟子のシャーリプトラに対して説法をしているのが「般若心経」なのです。
すべてのものは「空」であることを縷々説いた観自在菩薩は「だから物事に執着する必要もないし、逆に不安に思うこともない、万物は「空」であるが真実は空しいものではない」と続けます。
なお「空」の思想は大乗仏教に一般的なもので、特に「密教」オリジナルのものではありません。
・・・そして後半に例のアレが来ます!アレですよ、アレ!(笑)
『だから知らねばならない、般若波羅蜜多の比類なき至高の真言(おまじない)を!』
『その智慧の完成の真言(おまじない)とは、ズバリこれである!』
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
・・・これが智慧の完成の真髄である、般若心経おしまい♥
えっ?と思われる方もいると思いますが、嘘だと思うなら、実際に般若心経の原文を読んでみてください。
本作はしょうもないエッセイですが、ここは嘘は書いていません。
般若心経は要するに「真言(おまじない)が最高っ♥この最高の真言を唱えてねっ♥」!・・・それがメインテーマです(笑)
いや、これは私見じゃなくて本当にそうですから。
繰り返しますが、密教系の経典の華である「般若心経」は、要するに「最高なのは真言(おまじない)」という内容です!
羯諦 羯諦~・・・という部分が、そのサンスクリット語の「真言」で、あえて翻訳すると、
『逝ける者よ、迷いを離れし者よ、悟りの彼岸に到着せし者よ、仏の悟りを通して、我らに幸あれ!』
・・・という意味だそうです(福田亮成氏著「空海と真言宗」より)
※なおこの「真言」の部分の訳も著者によって著しい相違があります!
まあ、この部分は繰り返しますが「おまじないの文句」なので、意味ではなくギャーティー~という言葉の響きが大事なのですが・・・。
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