【ＡＩ画像つきエッセイ】仏教と女性のおはなし ～あるいはスジャータちゃん物語～

【十】 ヒンドゥー教の人気を取り込め！「密教」大作戦２「えっ、お、おまじないですかぁ？」

　　　
　　　
　　　
　一時期の隆盛はどこへやら、インド国内での深刻な「人気低迷」を挽回するため、ついに究極の対ヒンドゥー教リベンジ策「密教」を発動した仏教！！


　「刈り上げ」＆「男言葉」「性別不明」で鳴り物入りで売り出した奇抜な「３人アイドルユニット」がコケたと思えば、次のアルバムではいきなりフリフリミニスカドレスの超フェミニンな「アイドル路線」に強制転換したような大胆かつ、驚愕の変貌です(笑)

　・・・い、いや「スター〇ー」の話とか誰も知らないですよねぇ♥例えが判りにくくてスミマセン。


　さて、前回は「密教」の秘策第一弾として「儀式」を取り上げました。

　バラモン教、ゾロアスター教からヒンドゥー教に続くえらく古い儀式「ホーマの儀式」をそのまんま取り入れて「護摩行」とした仏教は、さらに「禁じ手」を繰り出します！


　・・・それが「おまじない」です！


　原始仏教では「呪文」「おまじない」は人々を惑わす迷信として完全否定していました！
　しかし、一般民衆の求めに応じ、密教は自身が否定していた「呪文」を大々的にアピールし始めます。

　この変わり身の早さ！・・・スゴいですよ。


　・・・これは仏教の「一部分の改定」にとどまらず、実は仏教の根本に関わる大問題なのです！

　お釈迦様自身が説いた教えは「この世のありとあらゆる欲望」から解放されて苦しい永遠の「輪廻転生」の鎖から解き放たれるのが目的でした。

　「お金持ちになりたい～♥」とか「異性にモテたい～♥」とか「人気者になりたい～♥」「ビッグになりてぇ！」などと言う「現世利益」を「煩悩」として完全否定し、そういうものを捨て去ることで悟りを得るのだ！と説いたわけです。

　そうして煩悩を捨て去り、人として「良い行い」を積み重ねてゆけば、何度も輪廻してハエや犬に生まれ変わることもあるでしょうが、いつかは「人間界」に生まれて、お釈迦様のように「悟り」を開けるときが来る・・・かもしれないよ～♥(笑)

　・・・という、メチャクチャ気の長いお話なのです。

　いや、インドの人ってほんと気が長いですねぇ！


　お釈迦様自身が「自分語り」をしたものではないですが、彼の死後に造られた「ジャータカ」というお釈迦様の「前世物語」では、なんとお釈迦様自身も何度も何度も・・・数えきれないくらい「輪廻」を繰り返し、時にはウサギになったり、人間になったりしながら、善行を積み重ね(飢えた虎に自分の身体を食べさせたり！)して、やっとのことで「悟り」を得られたというのです！

　あの悟りの天才、お釈迦様でさえ数え切れないほどの輪廻転生をして、やっと悟りを得ることが出来たとか・・・もう一般人には「悟り」なんて無理なんじゃ？


　・・・しか～し！さらに！

　「あのぉ、私は今現在、人生に悩み苦しんでいるんですが・・・」

　「初めての出産を控えてとっても不安なんです」

　「家庭問題で困っていまして・・・なにかいいアドバイスが欲しいのです」

　「・・・モテたいです・・・彼女(カレシ)居ない歴２９年です」


　実は「前世」とか「前前前世」とか持ち出してくる、やたらと気の長～い仏教には「今」リアルで苦しんでいる人々を救済することは出来ません。
　つうか、あまり想定していません(笑)

　「まあ、今の世の中はあきらめてさぁ、せいぜい次の「転生」先で頑張るんだねぇ、次に生まれ変わるのは悪役令嬢かもしらんけど、ゴキブリやナマコかもしれないし、悟れるのはいつになるか知らんけど・・・」

　・・・って「なろう小説」かよっ？(笑)

　そういう「現世であてにならない」仏教の問題点を解消しようと「密教」が取り入れたのは、例によってヒンドゥー教の方法論でした！


　マントラ！・・・要するに「呪文」「おまじない」の事で、密教界ではこれを「真言」、ちょっと長いものは「陀羅尼だらに」と言います。

　「オン　コロコロ　センダリ　マトウギ　ソワカ」(薬師如来様の真言)

　「オン　カカカ　ビサンマエイ　ソワカ」(地蔵菩薩様の真言)

　「オン　アボキャ　ベイロシャノウ　マカボダラ　マニ　ハンドマ　ジンバラ　ハラバリタヤウン」(大日如来様の真言)

　オン　ソラソバテイエイ　ソワカ(弁才天様の真言)


　長い真言（おまじない）が面倒だったら、戦国武将達も愛用した大日如来の真言「ボロン」一言だけでもオッケーです♥
　「ボロン」は万能最強の真言だといいます。

　なお、これどこの言葉かというと古代の「サンスクリット語」そのまんまで、経典が中国語に翻訳された時も、この部分は音訳しただけなのです。
　「おまじない」は、あくまで音の「響き」に霊的効果があるので、「おお、私は弁才天様に帰依いたします」とか日本語に訳しちゃうと意味がないのです(笑)


　・・・密教には、こういう呪文がた～くさんあって、なにか「現世」で願い事を叶えてもらいたい時に唱えれば即座にご利益があるというのです！

　まあ、厳密にいうと「三密」(あんみつではない)と言いまして、口で真言を唱え(口蜜)、体(特に手)で特別な「印」を結び(身蜜)、心に仏を観想する(意蜜)の３つをシンクロさせて初めて効果があるとされているのですが、まあ一般民衆の場合メインになるのは口蜜、つまり言葉であるのは言うまでもありません。

　密教ではこうしたおまじないの言葉を唱えると、即座に仏の功徳が得られる！と説きます。


　「おまじない」は「お祈り」にも似た行為・・・というか本質は同じだと思うのですが、こうした実際に発声し、体で表現することで、現在の心理学風に言えば「自己暗示効果」は間違いなくあるでしょう。

　前に例を出した妊婦さんの場合も、安産の祈祷や儀式をしてもらう他に、自分自身で子供をや女性を守ってくれる地蔵菩薩様の真言「オン　カカカ　ビサンマエイ　ソワカ」や、ズバリ「母と子供」の守り神「鬼子母神きしもじん」様の真言「オン ドドマリ ギャキテイ ソワカ」などと唱えるだけで神仏に加護されているという「安心感」が得られるのではないでしょうか？


　「まじないなんてさ、迷信だし意味がなねぇから！」という姿勢を一貫して保っていた仏教も、やっとその事に気が付いたのですね。
　不安な人、悩んでいる人がそれで「安心」できれば、プラシーボ効果でも何でも、それはそれでいいのです(笑)


　ちなみにですが・・・。

　やっぱり想い人に好かれたい！相思相愛になりたい！っていう「恋愛」の悩みは一番ニーズがあるものかもしれませんが、その場合は、ズバリ「愛欲そのもの」を神格化した愛染明王様の真言「オン　マカラギャ　バザロウシュニシャ　バザラサトバ　ジャクウン　バン　コク」とか、恋愛成就だけでなく招財、音楽、芸術、学問、そして「美」の女神ということで大人気の「弁才天(弁財天)」様の真言「オン　ソラソバテイエイ　ソワカ」あたりでしょうかねぇ・・・うん♥


　ただし「愛染明王」様はそのパワーが凄すぎるのでハンパな気持で祈ってはいけないなんて言いますから、親しみやすくて優しい「弁財天様」あたりがオススメかもしれません。


　ええと、言い忘れるところでしたが「弁才天様をカップルで参詣すると、弁財天様が嫉妬するのでそのカップルは破局する」なんて俗説がありますが、言うまでもなくありゃ失恋した誰かが言いふらしたウソですねぇ(笑)

　そもそも仏教の天部の女神様の中で吉祥天様と共に絶世の美を誇る弁財天様が、ただが人間のカップルごときに嫉妬するなどというのはナンセンスなお話で、本来なら「もっとラブラブにしてやるわっ♥」って弁才天様は思われている事でしょう(笑)

　そりゃそうです、弁才天様は「愛と美、恋愛」を司る神様なのですから、人間の男女の「愛」は大好物なのです。
　それに弁才天様自身は梵天(あのブラフマー！)という超エリート神(宇宙の根源)を夫に持つ人妻！セレブ妻なのですから、人間界のカップルなどに嫉妬するはずがないでしょう♥

　例えるなら、われわれ人間が交尾しているナメクジを見つけて嫉妬しますぅ？(笑)


　ラブラブカップルは弁才天様に「恋愛成就、男女和合♥」を祈った後は、どこか３時間４５００円(汗)とか「そういう場所」で思う存分汗だくになって「ご利益」を実感してみてください♥♥♥♥♥