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【七】 ちょっと禁欲的で厳し過ぎるよねぇも仏教って!・・・みたいな

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 スリランカやミャンマーなど南方(南伝仏教)に!中国や日本などの北方(北伝仏教)に!

 ・・・自国以外に広く発展してゆくワールドワイドな宗教を「世界宗教」と言います。

 その「反対語は」その国(民族)のうちだけで信仰される「民族宗教」
 世界宗教はキリスト教やイスラム教、そして仏教。

 民族宗教は、我が日本では「神道」ということになります。

 ちなみに信者の数で言えばキリスト教、イスラム教に次いで堂々の第三位のヒンドゥー教は、信者数は多いものの、インドでのみ信仰されているので「民族宗教」です。


 ・・・前回は、紀元前3世紀頃からアショカ王等の王様が仏教を庇護したので、仏教はインドで急速に勢力を拡大していったが、次第にバラモン教から進化した「ヒンドゥー教」に押され、劣勢に立たされた・・・というお話をしました。

 その理由として、仏教の信仰(信者)の本拠であるインドの都市部が荒廃したほか、次の二点を挙げました。

 ① 仏教が民衆の求める「儀式」や「おじない」を完全否定していた。

 ② 教えが難解で禁欲的(ストイック)過ぎた!特に性的な面で・・・。


 第一点目は、前回さんざん解説しましたが、今回は第二の点です。

 お釈迦様が説いた仏教の教えは「とにかく出家してひたすら修行して悟りを目指せ」というものです。
 原始仏教が「出家至上主義」というのはよく言われることですが・・・家族や「世俗」を捨てて、ひたらす修行打ち込むのです。

 そしてその「サンガ」と言われる集団生活の中では、修行の妨げになるものは徹底的に否定されました。
 お酒もそうですし「女性」もそうです!

 のちにお釈迦様は女性の出家も認めましたが、出家の修行者は性に対する厳しい抑圧を求められました。

 妻帯(妻を持つこと)は禁止!女犯(セッ〇ス)も厳禁!エッチな妄想もそれは煩悩が残っている証拠で、そういうものは考えるだけでも汚らわしいという極端な禁欲主義!

 それが僧侶の女性への嫌悪・憎悪に結び付き、仏教では次第に「女性は罪が深くて成仏出来ない」とか「たとえ成仏出来たとしてもいったん男性に生まれ変わらないとダメ(変成男子)」という極端な女性蔑視思想を生み出したのはこれまでお話しした通りです・・・。

 「酸っぱい葡萄」の理論です。


 もちろん、それは僧侶に対しての戒律で、一般人に対しては「不倫とか極端な淫蕩はいけないよ」というだけで、それほど極端な押し付けはないのですが、それでも堅苦しいには違いありません。

 ・・・だって、男性は女性を美しいと思うし、セッ〇スしたくなる、女性も男性に魅力を感じて一緒に居たいと思うのは当然の事ですから「それは煩悩だから悪いことだ」と言われてもピンとこないですよぉ。

 そして自然の営みとして、愛し合う二人はセッ〇スして子供を作って、自分達の遺伝子を残すのです。

 ・・・「遺伝子を残す」というと、一時期流行った「利己的な遺伝子」論のように聞こえますが、男女が子供を作るのは「自分の達の人生の再生産」と言った方がロマンティックかもしれません。

 ※「利己的な遺伝子」というのは、人間も含めて全ての生物は遺伝子の「乗り物」に過ぎないという考え、お腹がすいたら食事をして生命を維持する、年頃になったら異性とセッ〇スしたくなるのも全て遺伝子が自分のコピーを残す為に「命じている」「そういう風にプログラムしている」という、ある意味虚無的な考え方。


 ・・遺伝子が命じているとか、そういう風にプログラムされているのかは別として、年頃になったら、男性も女性も異性が気になりだし、セッ〇スしたくてたまらなくなる時期があるのは確かです。

 僧侶だって人間ですから、女性を見て好ましく感じたり、ムラムラしちゃうのは仕方のないことなのですが、それを「煩悩だ!」と切り捨てるのは仏教の禁欲的過ぎる部分なのです。


 現在も「上座部仏教」の国では尊ばれているお釈迦様の言葉「スッタニパータ」というのを読んだことがおありでしょうか?
 お釈迦様の死後、延々と何百年にも渡って「創作」され続けたお経と違い、これらの上座部仏教の国々で尊ばれているスッタニパータなどは、「経典」としてはかなり古いもので「リアル」なお釈迦様の教えに近いものと言われています。

 いわく「欲望を捨て去った修行者はあの世も子の世も捨て去る、蛇が脱皮するように」

 ・・・みたいな「蛇の章」「犀の章」等が続いているのですが、私達が知っている「お経」とは違って、シンプルで判りやすいことは間違いないのですが、どこか「道徳集」みたいな部分があります。


 日本の「お経」が「仏教的なもの」である日本人の私達から見ると、確かに立派な内容で「全ての執着を捨てて、良き人ととして生きよ」的な事を語っているのですが、正直あまりピンときません。

 ・・・ちょっと「当たり前すぎる」感がありますし、やはり、かなり禁欲的ストイックなのです!

 そんな堅苦しさも、インドで仏教が次第にジリ貧化していった理由でしょう。


 私も含めて人間、エリートだけではないので、小難しくて、とっても厳しい教えよりも、今の自分の悩みや苦しみを全て抱擁し、無条件で癒してくれる「優しい教え」に惹かれる部分があるのは、今も昔も変わらないのです。

 特に男性にはない、新たな生命を育む「妊娠と出産」という一大事業を抱え、社会的にも低い立場に置かれている女性にとって、そういう「癒し」を求めるのはある意味当然でしょう。

 ・・・そのニーズに答えられなかったのが衰退し始めた仏教なのです!


 しかし6世紀頃のお話・・・仏教は衰退を続ける現状をなんとか挽回しようと「一大攻勢」に出ます!

 「このままじゃヤバい!」「ヒンドゥー教に負けちゃう」と肌で感じ、最も危機感を感じたのは当の仏教の僧侶達だったのでしょう・・・。

 ヒンドゥー教に対する仏教の「逆襲」とも言えます、リベンジですっ!


 とにかく都市部がダメになった仏教は、ヒンドゥー教の王国である「農村」「農民」をメインターゲットとして新たに理論武装して逆襲に打って出たのです!

 ・・・その仏教の突拍子もない、過激過ぎる「逆襲」とは一体?

 それは次回に!(笑)



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