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【四】 酸っぱい葡萄の理論と、ちょっとおおらかな日本の仏教

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 イソップ童話の「酸っぱい葡萄の話」は御存じでしょうか?

 高い木の上に生っている美味しそうな葡萄を取ろうとしても届かなかったキツネが「あのブドウは酸っぱくて不味いに違いない!あんな不味いもの取れなくてヨカッタわ!」と捨て台詞を吐くというアレです。

 つまりは、自分がどうしても手に入らないものを貶める心理の事ですね。


 実際、お釈迦様の入滅後(死後)、実際にはお釈迦様が説かなかった「理論」がどんどん作られ、増幅し始めてからの仏教の坊さん達は、まさにそういう心境で女性の悪口雑言を並べる「お経」を造るに至ったのでしょう(笑)

 前述のように「私はお釈迦さまからこうお聞きしました」で始まる「お経」ですが、もちろんそんなことはなく、お釈迦様の死後、数百年もの間にどんどんと「創作」された、「いつかの時代」の「ある人達」が自身の思想を元に書き記したものです。


 だから「お経」というのは、まあ「仏教の二次創作」みたいなものでしょうかねぇ。
 江戸時代までは、全てのお経(七千余巻もあるとか!)は全て、お釈迦様の実際の説法を記録したものと信じられていました・・・がそれは事実から言えば「間違い」です。


 新理論が出来る度に、それを権威づける新たな「お経」が創作される・・・。

 だから新しいお経は、既存の教えとは違う新たな「オリジナリティ」(ストーリーとか設定とか)を出さないとダメなのです。


 ・・・話を性の話に戻しましょう。

 ヒステリックに、ありとあらゆるモノに目くじらを立てて「性的なもの」を禁止すると(なんか最近の風潮みたいだなぁ)肝心の子孫が残せませんし、人間の本能を完全に否定する教えなどには誰も耳を貸さないでしょう。

 だから仏教も普通の在家の信者には「不倫とか多淫はダメっ、なんでもそうだけどほどほどにね!」くらいの感覚で異性との交際・・・というかセッ〇スを認めていました。

 しかし出家の僧侶に対してはそうではありません。
 お釈迦様が説いた原始仏教の時代から出家した僧侶の「妻帯」(結婚)や「女犯」(セッ〇ス)は固く禁じられているのです!


 ・・・でも坊さんだって「人間」・・・「オトコ」です、女性を好きになるのは当然!

 そこで、酸っぱい葡萄の理論がムラムラと湧き出てくるのです!


 「女性って可愛くて綺麗で、柔らかそうで、見ているだけでな~んかムラムラしちゃうし♥最高だよねっ♥女性が側にいると修行どころじゃなくなっちゃうんだよな♥マジでさ、女性を見るだけでエッチな妄想しちゃうし、勃っちゃうし・・・ああっ、女性って邪魔!修行の妨げ!」

 「いや女生とエッチしたら最高らしいぞ、マジ女性って最高なんだってよ・・・俺達は戒律で女生とエッチ出来ないけどな」


 「いや、女性を見てエッチな妄想をしちゃうのは修行が足りないせいだ!お釈迦さまだって修行中に女性の姿をした悪魔が誘惑しても、それに打ち勝って悟りを開いたんだから!女の誘惑に負けてはいけない!それは堕落だっ!お前たちは修行より女を選ぶのかっ?」

 「くうう~っ!そんな理不尽なっ・・・女って絶対悪魔だよな!俺達の修行の邪魔をする悪魔!絶対ろくなもんじゃね~ゾ!」

 「そうだそうだ、女は罪が深くて絶対成仏なんてできないよな!間違いない!お釈迦さまだってあんまり女が好きじゃなかったって言うし」

 「は~い、決まり!女性は罪が深くて成仏出来ない劣ったヤツらなので~す!俺達はいつかは「悟り」を得てブッダになるスゴい存在なんだから、あんな劣った女共は無視しないといけないぞ~!」

 「ヨシッ♥女の悪口のお経書いちゃおっ!」


 もうね、ぜ~ったいこんな風に盛り上がっちゃったんでしょうねぇ。

 まさに「酸っぱい葡萄の理論」ここに極まれり!(笑)


 自分達が関われない存在、それも見るだけでムラムラしちゃう存在を「全否定」したかったのです、坊主達はっ♥
 もうそうするしかないのです、彼等には・・・。

 私怨もいいところですが、まあ人間なんてそんなもんです。

 ちなみに、これは多分、基本的には仏教の祖国であるインドでのお話。


 中国経由で日本に伝わった仏教も基本的には同じなはずですが、日本の場合坊さんの「戒律」自体、本家「インド」と比べてユルユルだった部分もあり、意外と真っ向から女性に対して罵詈雑言を吐くようなお経はあまり人気が無かったようです。

 日本の坊さんも、一応「僧侶」ですから「戒律」厳守、妻帯と女犯(セッ〇ス)は禁止のはずですが、そこは日本的おおらかさで、こっそり「隠し妻」がいたり(江戸時代にはこれを「大黒様」等と称しました)、戒律は戒律、建前は建前として本音は・・・という感じで上手く使い分けていたようです。


 ちなみにあのトンチで有名な・・・いや「エロ」の方でも有名な「一休さん」は結婚して子供作って、遊女と遊びまくり(地獄大夫との逸話は有名で感動的!)、女性大好き、エッチ大好き(笑)ジジィになってからも50歳も年の離れた「森女」という美しい盲目の旅芸人と同棲(!)してたくさんエッチな詩を残していたりします(笑)

 妻帯、女遊び、飲酒、肉食と、僧侶の戒律をことごとく、パーフェクトに破って人生を全うした一休さんは、タテマエで殊勝な事を言って偉そうにしている当時の僧や仏教界の在り方に行動をもって批判した、つまり高僧たちの偽善に対し偽悪をもって示した・・・ともっぱらの評価です。

 ・・・PUNKな生き方だなぁ!

 私は一休さんみたいな人、大好きですけどねぇ(笑)
 だからこそ当時の民衆にもとても愛され、様々な物語が造られたのでしょう。

 ちょっと話は脱線しましたが、結論から言いますと、日本の仏教界にも女性を劣った存在と見る冷たい部分はありましたが、本国インドよりは「建前と本音」を上手く使い分けていた感があります。

 性やセッ〇ス自体にも意外とおおらかです。

 ・・・日本神話からして性におおらか部分がありますから、これは日本人の「美点」なのでしょう、と私は思います(笑)


 日本仏教における「女性観」については次回に詳しく!



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