1 / 11
第一話 【序】結局ね、♂×♂が一番なのよっ!
しおりを挟む・・・・まだ日本の国を神々がお治めになっていた頃のお話よ。
天の浮橋の河原をウロチョロしていたセキレイに教えられて、国常立尊はBLに覚醒めて日の千麿尊を愛されたの!
そもそもね、全ての虫達までもが「男色の体位」で◯尾するから、この日本は「蜻蛉国」っていうのよ、知ってた?
(注)ホ、ホントかよっ・・・なんか嘘くせぇ!
・・・でもね、素戔嗚尊が、老後の気の迷いで女である稲田姫と戯れて(ピー)してからは、世の中にはうるさい赤ん坊の泣き声が響き渡り、取り上げ婆(助産婦)やら仲人女も出現し、親は娘の嫁入り道具の長持や葛籠の出費に頭を悩ませたりと、いろいろメンドウなことが出てきたのよ。
「BL」ほど優雅な遊びはないってのに、世の中の◯◯達は、その良さがわからないのねぇ・・・ホントに困ったことよねぇ・・・ハアァ・・・。
さあて、このBLなんだけどね、とっても歴史が古くて日本でも中国でもその仲間がたくさんいるの!
中国の衛の霊公は弥子瑕に命をまかせたし、漢の高祖は籍儒にご執心、武帝は李延年と枕を並べて寝たのよ。
日本でもその昔は、「伊勢物語」の主人公、在原業平が伊勢の弟の大門の中将と五年もの間、愛し合ったって話があるわ。
5年もの間には、色々なことがあったの・・・花を見ない春、月を忘れる秋・・・燃えたぎる二人の愛は、雪や嵐もものともせず、凍った橋を渡って恋人の元に通い、吼える犬には焼き飯を与え、警備の厳しい築地の小門からは合鍵で忍び込んで逢瀬を重ねたの・・・。
人目を忍ぶ恋ゆえに、満天の星明かりや、蛍の光さえ恨んでやっとの事で恋人の元へたどり着き、昼間は使用人が涼んでいた腰掛けに中将と一緒に座り、蚊に刺されるのもものともせずに、一緒に過ごしたわ。
業平は、彼への思いを綴った「通台集」という一巻の巻物を作ったの。
・・・・それなのに、どうして業平は美少年とのBLを見限って「伊勢物語」なんていう女の物語を書いたのかしら?
業平はその後、元服して奈良の都へ上って、薄情にも恋人と別れ、野郎歌舞伎の女形が着ける薄紫の帽子を被ることになったのだけど、これなんかは歌舞伎若衆の元祖と言うべきものねぇ。
その業平も男盛りになって、元々は美少年好きだったのに、今じゃ世間では「男女の恋愛の神様」な~んて言われるようになって、草葉の陰で悔しがっているんじゃないかしらね?
あとね、吉田兼好が清少納言の弟の清若丸に何度もラブレターを送ったのは世間でも大目にみていたのに、たった一度人に頼まれて男女間の恋文の代筆をしたばかりに後世までも汚名を残すことになった例もあるわ・・・・ほ~んと「女」ってヤバいわよねぇ!
(注)あ~、これは西鶴さんがサラッと入れた「嘘松」です、二人は時代が違いますし、清若丸とかそんな人いません。
アタシもこの世に生まれた時に、今みたいな知恵があったら、女の乳なんかぜ~ったい飲まなかったわっ!乳じゃなくて摺粉や甘葛を煮た汁で赤ん坊が育った例はいくらでもあるんですもの。
(注)そ、そこまで言うか・・・西鶴センセイ(汗)
成長したアタシは、武蔵の江戸に男所帯で住んで、浅草の片隅に土地を借りて、世間からは没交渉で家の門を閉めて朝食前に「若道根本記」(※男色道の奥義を記した架空の書)を講釈することにしたの。
その後、人生の裏表を知り尽くした四十ニ歳まで諸国を訪ね歩いて「男色」のと~っても有り難いこと調べ上げ、その全てをこの本に残らず書き記したのよ!
(注)いやぁ、西鶴さん・・・これも当然フィクションですよね?
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
枢軸国
よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年
第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。
主人公はソフィア シュナイダー
彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。
生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う
偉大なる第三帝国に栄光あれ!
Sieg Heil(勝利万歳!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる