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第四十話 オス蜂の決断と自由意志 ~村の因習と恋愛のはざまに揺れる菊の心~
しおりを挟むそれはいつも村の女達を抱いている時に感じる、獣欲じみた高揚とは明らかに異なっていた。
幸介は体と・・そして「心」で菊を求めているのだ。
「・・・あっ!・・・」
腰掛に座ったまま自分の方に向き直った幸介の股間の変化に菊もすぐに気づき、真っ赤になって顔を背ける。
「菊さん・・・僕は・・・僕は菊さんが好きだ!・・・今やっと気が付いたよ、自分の本当の気持ちに!」
「・・・えっ?・・・こ、幸介さんっ?」
・・・ビックン!ビックン!ビックン!・・・・
心臓の鼓動と共に急激に膨張し角度をつけてきた幸介のペニスが、菊の前でアッと言う間に完全に交尾の準備を整え、先端からは半分ほど肉色の亀頭が顔をのぞかせて菊の美貌を仰ぎ見ている・・・。
「・・・ああっ!好きだよっ、菊さんっ!」
幸介はほとんど無意識に菊の身体に両手を伸ばし、湯気に濡れ光る美しい肌に触れる。
「いっ、いけませんっ!幸介さんっ・・・こ、こんな事っ・・・いけませんっ」
幸介の手から必死に逃れようとする菊をしっかりと両腕で掴み、幸介は菊に問う。
「菊さんは僕のことが嫌かい?・・・僕は・・・菊さんが好きだ!、これは火遊びなんかじゃない、心から君を愛しているんだ!」
「いいえっ、幸介さんっ!違うんですっ!菊も菊も幸介さんの事が・・・好き・・・初めて会った時から、ずっと!・・・ずっと好きでした!」
幸介は感動に打ち震えて菊を仰ぎ見る。
菊も彼のことを想っていてくれたのだ・・・互いの気持ちが一つになったのである!
「・・・な、ならば・・・」
菊の身体を引き寄せようとする幸介の腕から逃れるように身を捩り、菊は悲しそうにささやく。
「菊も幸介さんの事が大好きです!・・・で、でも・・・「オス蜂」のお役目の幸介さんに、そ、そのっ・・・抱かれることが出来るのは、くじ引きで決まった順番の女だけなのですっ・・・その禁を破ることは菊には・・・これは村の掟なのですから・・・」
この女泣村の女王蜂である志津や、その娘・凛子でさえないがしろにすることを許されない村の掟!・・・オス蜂と交わり子種を注いでもらう順番はくじ引きで決まっている。
・・・その掟を破り、彼と勝手に「交尾」をすることなど出来ないと菊は言うのだ。
「菊さん、それば違う・・・「オス蜂」の役目とは関係がないんだ!僕が本当に菊さんを愛しているから・・・これは僕と菊さんの自由意志なんだよ!」
「・・・でっ、でもっ・・・」
「だって恋愛は僕達の自由だろう?僕は菊さんが好き・・・菊さんも僕の事を好いてくれている・・・・ならば村の掟と言えども僕達が愛し合うのを邪魔することなど出来ないじゃないか!僕は・・・菊さんと一つになりたいんだ!」
幸介がちょっと怒ったように強引に菊を引きよせ、彼女の雪のように白い上体を固く抱き締める。
菊に対しての怒りではない、この村の女達が連綿と守ってきた因習に対する疑念、恋愛という人間本来の感情を抜きにして、子孫を残す為だけに続けられてきた、機械的なオス蜂とメス蜂との「交尾」に対する反感であった。
「ああっ、幸介さあんっ・・・」
菊はほんの少し抵抗をみせたが、すぐに弛緩したように力を抜き幸介に身を委ねる。
そして、彼の求めに応じて唇を重ねるのだった・・・。
「・・・んむぅっ・・・菊さんっ・・・」
「はああ~っ、幸介さあんっ・・・菊はっ・・・菊は嬉しいです」
「僕の方こそ!・・・菊さんっ、愛してる、愛してるよっ!」
互いの両腕でしっかりと抱き合い激しい激しく菊の唇を奪う幸介・・・。
腰掛けに座ったままの幸介が逞しい腕で菊を抱え上げ、自分に抱き着かせるようにして彼女の華奢な体と密着する。
・・・俗に対面座位という恰好となったのだ。
菊の股間に幸介の素晴らしく硬い若さ溢れる剛直がグイグイと当たると、彼女の「オンナ」もそれを求めてしまう。
「好きだっ、菊さんっ・・・大好きだ!」
「・・・はああ~っ、幸介さんっ、菊もっ、幸介さんが好きっ・・・」
「いいのかい?・・・このまま・・・」
「・・・は、はい・・・きて・・・ください・・・」
幸介は腰をわずかに前後に揺すり、硬く反りかえった剛直の先端で菊の股ぐらをスリスリと擦り立て、彼女の甘美な交尾孔を探る。
・・・ヌロオンッ!・・・
「あっ、ふううんっ・・・・幸介さあんっ!そこぉ・・・」
幸介の肉柱の先端が菊の桜色の肉襞を押し割り、狭い穴の入り口に嵌ると、菊の口から切ない吐息が漏れる。
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