女泣村の夜・女王蜂の妖しく揺れる淫ら腰

糺ノ杜 胡瓜堂

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第八話 可憐な女中・菊の白い指先の行方 ~湯殿で行われる不可解な行為~

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 湯船の中で慌てる幸介を尻目に、菊はさほど恥ずかしがる気配も見せず、努めて事務的に乳房も丸出しの湯文字一枚の姿で事務的に湯殿に入ってくる。

 「・・・幸介さん、なにも恥ずかしがることは・・・これも私の役目ですから・・・さっ、こちらの腰掛に・・・」

 確かに、風呂で背中を流すのなら恥ずかしがることはない・・・銭湯の女湯にも「三助」という客の背中を流す職業の男性もいる時代だ。

 「・・・・えっ、は・・・はいっ・・・」

 あいにく手拭を湯殿脇に並べてあった桶の上に置き忘れていた幸介は、前を隠すものがない・・・仕方なく両手で陰部を隠し、恥ずかしそうに身を縮めながら湯船から上がり腰掛に座ると、菊は慣れた手つきで垢すりで幸介の背中を擦ってゆく。

 そして垢すりが終わると、石鹸を泡立てた自分の手で幸介の背中を優しくさすってくるのだ。

 ・・・そのウットリとするような手触り!柔らかい白い指先の感触・・・・

 幸介はちょっとくすぐったさも感じながら、菊の手に身を委ねる。

 ・・・21歳の幸介は今まで恋人を作ったことはなかったが、既に男女の行為は経験していた。

 東京は〇野辺りに巣を作っている「立ちんぼ」から比較的若くて容姿のいい女を見つけ、さっさと童貞を捨てた彼は、その後もカフェーの女などを仲良くなっては一夜の快楽を得ていた。
 「純潔」とか「童貞」などの価値が現代とは比べ物にならないほど重かった時代・・・彼は旧弊な価値観に縛られるは愚かなことだと、若者らしい反抗心を感じていたのだのだ。

 ・・・石鹸を塗りたくった手で幸介の背中を這い回っていた菊の手が、後ろから彼の胸板へと伸び、這うようにさすり始める。
 彼の背中には、菊の小ぶりだが素晴らしく形の良いお椀型の乳房がある時はサワサワと・・・ある時はギュッと密着すると、彼の男性の部分は次第にムクムクと頭をもたげてくる。

 「・・・・きっ、菊さんっ・・・ありがとうっ、すっかり綺麗になってサッパリしましたよ・・・」

 幸介は急速に元気になりつつある自分のイチモツをギュッと締めた両腿で隠し、照れ隠しに笑いながら菊にささやく。

 「・・・こ、幸介さん・・・まだ前の方が・・・残っておりますから・・・」

 菊はほとんど幸介を後ろから抱き締めるように両腕を伸ばし、ネットリとした手つきで幸介の胸板を石鹸のついた手でネットリと撫でまわす。

 ・・・かすかに乱れた息・・・背中に押し当てられる火照った乳房・・・・。

 「・・・いっ、いえ・・・もうこれで・・・」

 腰掛けから腰を浮かし逃げようとする幸介に抱き着くように背中を覆う菊の白い肌!押し付けられる張りのある乳房!

 ・・・ついに、幸介の胸板を蛇のようにのた打っていた彼女の両手がゆっくりと下に移動しはじめ、彼の下腹の辺りに伸びる。

 「・・・あっ、菊さんっ・・・だ、ダメです・・・菊さんっ・・・」

 ・・・そんな切羽詰まった幸介の言葉も聞こえない風に、菊の白い手はとうとう彼の陰毛の辺りに達し・・・内股から鼠径部そけいぶへと侵入してくる。

 「ハアッ、ハアッ・・・アアッ、菊さんっ・・・ダメですって・・・」

 幸介が思わず情けない声を上げると、ついに菊の両手の指先が彼のすっかり硬直し、湯殿の天井を仰いでいるペ〇スへと伸び、その太さと硬さを確かめるように絡んでくる!

 ・・・親指と人差し指で作ったリングで、太さを測り、その指先にキュッと軽く力を込めて硬さを確認する菊!
そして、ツツ・・・と硬直した胴を這ってゆく指先で長さを調べるような仕草をする。

 キュッ・・・菊の右手の指先が幸介の剛直の先端に伸び、包皮を引っ張り出す。
 仮性包茎の彼の先端は、菊の指先に導かれ包皮が降りてゆき、まだ綺麗な肉色をした亀頭がすっかり露わになる。

 「・・・ハアッ・・・ハアッ・・・幸介さん・・・」

 菊が小さく自分の名を呼ぶと、ヌロヌロとペニスを這う彼女の手の動きが激しさを増してくる。

 「き、菊さんっ・・・アアッ!だっ、ダメですよっ・・・こんなことっ・・・」

 「・・・はい・・・終わりましたよ・・・」

 幸介が息も絶え絶えに喘ぐと、菊は最後に指先で作ったリングで彼のペニスの根元から先端までをしごくように刺激し、パッ・・・と手を離してしまう。

 「・・・・幸介さん・・・流しますね・・・・」

 菊もまた弾んだ、やや艶っぽい声で幸介の耳元で小さく囁くと手桶に湯船の湯を組んで幸介の方に流しかける。
 その手つきはすっかり事務的な・・・普通に背中を流す仕草に戻っているのだ。

 幸介は、若くて美しい女にペニスを刺激され、すっかり勃起が完成したところで無情にも放り出されたのだった。

 ・・・いくら幸介が「その気」になろうとも、このまま菊に「続き」を求めることなど出来ようはずがない。

 背中に押し付けられていた菊乃乳房が離れると、彼は必死に精神を鎮め、ペニスが元に戻るのを待たなければならなかった。

 「・・・・き、菊さん、有難うございました・・・も、もう湯船に入って上がりますから・・・」

 「はい、幸介さん・・・それでは私はお布団の支度に・・・今日はお疲れでしょう?もうすぐにお休みになるとよろしいですわ・・・」

 「ありがとうございます、菊さん・・・そうさせて頂きますよ・・・」

 菊は美しい乳房も丸出しに手桶で湯を浴びて、自分の身についた石鹸をすっかり洗い流すと、静かに引き戸を開けて出て行った。

 ・・・い、今のは・・・そ、それにしても・・・これ、どうしようっ・・・

 幸介は湯船に浸かりながら、なかなか元に戻らない杭のようにニョッキリと突き立った己の牡器官を持て余しながら、激しく困惑したのだった。




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