「轆轤首の婿」

 江戸時代、下級武士の出身から驚異の出世を遂げて、勘定奉行・南町奉行まで昇り詰めた秀才、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」

 その「巻之五」に掲載されているお話「怪病の沙汰にて果福を得る事」を原話として、翻案したものです。

 裕福な豪農の家に生まれ、容姿にも恵まれた一人娘になぜか「轆轤首」だという評判が立ってしまい、村では婿に来ようという者がいなくなってしまう。
 不憫に思った叔父の甚兵衛が江戸へ出て、姪の婿を探すお話。

 轆轤首というと、首がヒョロヒョロ伸びる江戸時代に流行したジャパニーズタイプと、中国の「飛頭蛮」がオリジナルの首が抜けて飛ぶ中華タイプがありますが、本作に登場するのは、小泉八雲の「ろくろ首」同様、後者のようです。

 短編読み切りです。

24h.ポイント 0pt
1
小説 192,168 位 / 192,168件 歴史・時代 2,384 位 / 2,384件

あなたにおすすめの小説

狐の媒人・狸のしくじり

糺ノ杜 胡瓜堂
恋愛
江戸時代、下級武士から驚異の出世を遂げて、勘定奉行・南町奉行まで昇り詰めた秀才、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」  その「巻之五」と「巻之八」と掲載されているお話を原話として、軽く小説風にした二話の超短編小説です。  第一話が「狐婚媒を為す事」  第二話が「狸縊死の事」  が元ネタとなっています。  狐と狸が、それぞれ媒となって男女を結びつけるお話です。

【超短編読み切り】「正直お豊の幸福」

糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
     江戸時代、下級武士の出身から驚異の出世を遂げて、勘定奉行・南町奉行まで昇り詰めた秀才、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」  その「巻之二」に掲載されているお話を原話として、軽く小説風にした読み切りの超短編小説です。  「正直に加護ある事 附 豪家其気性の事」というお話が元ネタとなっています。  当時「けころ(蹴転)」と呼ばれた最下級の娼婦が、その正直さゆえに幸せになるお話です。

二人の花嫁

糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
 江戸時代、下級武士の家柄から驚異の出世を遂げて、勘定奉行・南町奉行まで昇り詰めた秀才、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)が30年余にわたって書き記した随筆「耳嚢」  その「巻之七」に二部構成で掲載されている短いお話を、軽く小説風にした二幕構成の超短編小説です。  第一幕が「女の一心群を出し事」  第二幕が「了簡をもつて悪名を除幸ひある事」 が元ネタとなっています。  江戸の大店の道楽息子、伊之助が長崎で妻をつくり、彼女を捨てて江戸へと戻ってくるところから始まるお話。  おめでたいハッピーエンドなお話です。

「地震奇談平安万歳楽」~文政十三(1830)年の京都地震の手記~

糺ノ杜 胡瓜堂
歴史・時代
 曲亭馬琴編著の「兎園小説 拾遺」より  京都在住の東鹿斎という人の書いた「地震奇談平安(みやこ)万歳楽」・・・文政十三(1830)年の京都地震の手記です。  余震が長く続き、京都の人々を怯えさせた地震の生々しい様子が書かれています。  家の中に避難している人々を見て古老が「(倒壊するから)通りに避難しろ」と叫んで回っているのが非常に印象的です。  非常に短い読み切りです。

平安の終焉、鎌倉の始まり

Ittoh
歴史・時代
 平安時代から鎌倉時代というのは、何年で切り替わりましたというモノではなかったのだと思います。平安時代を象徴する律令制度が、新たな制度に呑み込まれていった流れが、平安から鎌倉の流れを作ったのだと思います。 史上初めて武家として、天下を統一した源頼朝を宵闇鎌倉にて描きます。  平安の終焉を迎え、新たな日ノ本の始まりについてちょっと描いてみました。時間的な関係が、話の都合上史実とは異なります。 最初は、蛭ヶ小島で暮らしていた頼朝の話となります。

晩夏の蝉

紫乃森統子
歴史・時代
当たり前の日々が崩れた、その日があった──。 まだほんの14歳の少年たちの日常を変えたのは、戊辰の戦火であった。 後に二本松少年隊と呼ばれた二本松藩の幼年兵、堀良輔と成田才次郎、木村丈太郎の三人の終着点。 ※本作品は昭和16年発行の「二本松少年隊秘話」を主な参考にした史実ベースの創作作品です。  

答えは聞こえない

春想亭 桜木春緒
歴史・時代
明治初期、旧幕臣小栗家の家臣の妻であった女性のお話。短編。完結済。

幕末博徒伝

雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
江戸時代、五街道の内の一つ、甲州街道が整備され、宿場町として賑わった勝沼は、天領、つまり、徳川幕府の直轄地として代官所が置かれていた。この頃、江戸幕府の財政は厳しく、役人の数も少なかったので、年貢の徴収だけで手がいっぱいになり、治安までは手が回らなかった。その為、近隣在所から無宿人、博徒、浪人などが流れ込み、無政府状態になっていた。これは、無頼の徒が活躍する任侠物語。

処理中です...