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【おまけ】「人妻を犯す蛇」 ~諸国百物語より~
しおりを挟む「諸国百物語」編著者不詳 延宝五(1677)年刊
「遠州の国にて、蛇、人の妻ををかす事」より
昔、遠江の国(現:静岡県西部)のある山里に名主がいた。
ある日、名主の女房が夫の留守に昼寝をしていると、丈五六尺(170cmほど)の蛇が這入ってきて、女房に絡みついて唇を吸い、その秘部を犯し始めた。
帰ってきた名主がそれを見つけて、杖で蛇を打ち据えて言った。
「おまえは人の妻を犯したのだから、本来であれば畜生なれども打ち殺すべきところであるが、今回だけは命を助けてやる、再び来るようなことがあれば、その時は容赦はしないぞ!」
名主は蛇を少し痛めつけ、山に捨ててきた。
翌朝、名主がまだ寝ていると、使用人たちの悲鳴や騒ぐ声が聞こえる。
名主が何事かと起きだすと、その長さ一丈(約3m)程の大蛇を中心に、一二尺から五六尺まで、夥しい蛇が大波のように庭に押し寄せてくるではないか。
数千という蛇が鎌首をもたげ、舌をチロチロと出して迫ってくる様は恐ろしい事このうえない。
使用人たちは、悲鳴を上げて逃げ出した。
名主も驚いたが、蛇達の前に立ちはだかって大声で叫んだ。
「お前達、畜生ではあるがよく聞け!昨日、我が妻を犯した妻敵を、慈悲の心で命だけは助けたものを、却ってこのような理不尽な報いを受けるのは納得し難いものである。畜生と言えども道理をわきまえよ!仏神三方、天神地祇、上は梵天帝釈、四大の天王、日月星宿に誓っても、俺に非が無いと断言するぞ!」
名主は怒りながら、その天の道理を大蛇達に説いた。
中央の大蛇をはじめ、幾万の蛇どもはピタッと動きを止め、一斉に頭を下げた。
そして、昨日名主の妻を犯したとおぼしき蛇のところに殺到して、その蛇をかみ殺してしまった。
幾万の蛇達は、そのまましおしおと山に帰って行った。
名主は賢い男だったので難を逃れ、蛇は畜生ではあるが、ものの道理を理解するのである。
・・・・大変不思議な事である。
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