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青夏(せいか)
夏休み
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「で、愛花も私もモタモタしてるうちに夏休みに入った訳だけど。どうする?」
蝉がグレーメンの音楽隊に憧れたのかのように、蝉の大合唱が嫌と言うほど聞こえる私の部屋で私と由依は、夏休みの計画を立てていた。
「でも、お互い隣の席どころか同じ班にすらなれなかったからね」
「しょうがないよねー席運が悪かっただけだし。そもそも、好きな人と仲が良すぎて、席を離される程仲良くないしねー。自由席になればいいのにー!」
由衣が言うこともわかる。けど、席が近くなったらなったらで、緊張して変なことを言ってしまったり、見られているかも、という自意識過剰で、動きがロボットのようになってしまいそうだ。
「でも、自由席でも、好きな人の近くに行くのは勇気いるよね」
由衣が「それを言ったら元も子もないだろ」と言う顔でこちらを見ている。かく言う私も、もし二学期から自由席になったとて、好きな人が見えるギリギリの席を選んでしまうんだろう。やってもいないのに本当に欲しいものから逃げてしまう勿体無い自分が恥ずかしくなってきた。
「考えてもできないことばっかり考えてないで、楽しいことの計画立てよー。どこ行くどこ行く?」
「確かに!でも、どこ行こうか」
「あ、いいこと考えちゃった」
由衣が必要以上にニヤニヤしている。由衣は隠したいことがすぐに顔に出るのが悪い癖だ。
「どうしたそんな気持ち悪い顔して」
「ひっど!由衣ちゃんの顔はクレオパトラで、夏祭り行かない?」
「だまれ、顔面偏差値中の上のくせに、クレオパトラは上の上だぞ。それで、近所の公会堂の室内でやってる祭りだっけ?行くのはいいんだけど、なんでそんなにニヤニヤしてるの?」
「聞いて驚け!みんなで夏祭りに行こう!」
「みんなって?」
「優香と恋ちゃんかな、でも、もしかしたら健太と。
山野と野沢も誘おう!あと、優香と恋ちゃんそれと、泉!」
「多いな。被ってるし。しかもメンバー全員(蒼天以外)由衣が素で接せる人たちじゃん。」
でも、正直嬉しい。まだ行くって決まったわけじゃないけど。
「素で話せない人と行っても楽しくないでしょー。愛花は山野誘う?」
「やだ、それに山野だけ誘ったら、変でしょ」
「じゃあ、愛花が全員誘う?」
「愛花ってクラスではびっくりするほど陽キャなのに、いざという時にコミュ障発動しちゃうんだろうなー」
「陽キャか陰キャかは正直どうでもいい」
「愛花って本当に、自分を区別されるの嫌いだよねー偏見だけど、天才って言われても嫌がってそう」
「その他大勢のうちの1人として括られたくないだけ。」
「真面目なのか頑固なのかわかりませんのー」
「で、愛花結局みんな誘う?」
「お任せします」
「りょーかーい」
夏祭りが私の「夏休みやりたいことリスト」に追加された。
蝉がグレーメンの音楽隊に憧れたのかのように、蝉の大合唱が嫌と言うほど聞こえる私の部屋で私と由依は、夏休みの計画を立てていた。
「でも、お互い隣の席どころか同じ班にすらなれなかったからね」
「しょうがないよねー席運が悪かっただけだし。そもそも、好きな人と仲が良すぎて、席を離される程仲良くないしねー。自由席になればいいのにー!」
由衣が言うこともわかる。けど、席が近くなったらなったらで、緊張して変なことを言ってしまったり、見られているかも、という自意識過剰で、動きがロボットのようになってしまいそうだ。
「でも、自由席でも、好きな人の近くに行くのは勇気いるよね」
由衣が「それを言ったら元も子もないだろ」と言う顔でこちらを見ている。かく言う私も、もし二学期から自由席になったとて、好きな人が見えるギリギリの席を選んでしまうんだろう。やってもいないのに本当に欲しいものから逃げてしまう勿体無い自分が恥ずかしくなってきた。
「考えてもできないことばっかり考えてないで、楽しいことの計画立てよー。どこ行くどこ行く?」
「確かに!でも、どこ行こうか」
「あ、いいこと考えちゃった」
由衣が必要以上にニヤニヤしている。由衣は隠したいことがすぐに顔に出るのが悪い癖だ。
「どうしたそんな気持ち悪い顔して」
「ひっど!由衣ちゃんの顔はクレオパトラで、夏祭り行かない?」
「だまれ、顔面偏差値中の上のくせに、クレオパトラは上の上だぞ。それで、近所の公会堂の室内でやってる祭りだっけ?行くのはいいんだけど、なんでそんなにニヤニヤしてるの?」
「聞いて驚け!みんなで夏祭りに行こう!」
「みんなって?」
「優香と恋ちゃんかな、でも、もしかしたら健太と。
山野と野沢も誘おう!あと、優香と恋ちゃんそれと、泉!」
「多いな。被ってるし。しかもメンバー全員(蒼天以外)由衣が素で接せる人たちじゃん。」
でも、正直嬉しい。まだ行くって決まったわけじゃないけど。
「素で話せない人と行っても楽しくないでしょー。愛花は山野誘う?」
「やだ、それに山野だけ誘ったら、変でしょ」
「じゃあ、愛花が全員誘う?」
「愛花ってクラスではびっくりするほど陽キャなのに、いざという時にコミュ障発動しちゃうんだろうなー」
「陽キャか陰キャかは正直どうでもいい」
「愛花って本当に、自分を区別されるの嫌いだよねー偏見だけど、天才って言われても嫌がってそう」
「その他大勢のうちの1人として括られたくないだけ。」
「真面目なのか頑固なのかわかりませんのー」
「で、愛花結局みんな誘う?」
「お任せします」
「りょーかーい」
夏祭りが私の「夏休みやりたいことリスト」に追加された。
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