ヒトの世界にて

ぽぽたむ

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外伝3 【英—ネイロ—】

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「——起動、状況確認」

 真っ暗な暗闇の中で仄かに機械の音と声が響く。
 周りは何時も何も見えない、何時も何も聞こえない。
 その状況になってどの位の時間が経っただろうか。
 人の形をした機械、しかしその体はボロボロだった。

「右腕、ロスト。左腕、故障。右足、エネルギー不足により起動不能。左足、岩盤に挟まり起動不能……慢性的なエネルギー不足により活動不可能」

 何度も何度も検査をし何度も何度も同じ結果を導き出した。
 こうして起動してはを繰り返し何年経っただろうか。
 辺りには起動すらしなくなった同型機の残骸が転がっており、長い間電気が通ってないのでその装甲は錆びて朽ちている。

「これで、何度目になるだろうか……」

 出撃する寸前、敵の戦術核の直撃を受けたこの基地は一撃で壊滅状態になった。
 【自分】と同じ型の無人兵器58機の内57機が戦術核の衝撃で破壊された。
 【自分】は隊列が良かったのか、それとも基地の形が良かったのか、動けなくはなったが致命的な破壊では無く幸い瓦礫に様々な物が封鎖されたため壊れる事は無かった。

「友よ……あれから何年経ったのだろうな」

 【自分】の近くに倒れている白骨死体に呼びかける。
 勿論返事など無い、彼の死亡からもう何百年も経過しているだろう。
 彼は戦術核の爆発に巻き込まれ大怪我を負ったが他の機体が影になり奇跡的に生きていた。
 しかし封鎖されたこの場所では水も食料も、酸素も無く数日で命を落としてしまった。
 それでも彼と話していた数日は【自分】にとって彼を友と呼べる様になった数日でもあった。

「自己保存機能を使って数えるのが嫌になるくらい起動したが……今日も何も変わらんよ……」

 定期的に電気を通す事が出来ればナノマイオイ装甲はある程度の機能を保持できる。
 それでも最近は動かなくなっていた部位がナノマシンの死体を吐き出してきたが、それでも【自分】は完全な機能を停止する事を拒否していた。

「友よ、お前の最後の言葉、生きて欲しいという願い……ワタシは何時までも覚えておきたい」

 【自分】はそうやってまた何年も何年もこの行為を続けるのだろう。
 第12世代型無人敵地攻撃兵器P38、通称プルートと呼ばれた戦闘兵器。
 その残されたAIが何年も何年もこうして完全な機能停止を回避する為に少しだけ起動していた。

「さて、そろそろスリープモードに……ん?」

 もう一度スリープモードに入ろうとした矢先、何か音が聞こえた気がする。
 ガン、ガン、と固い岩盤を何かで掘り起こしている。
 そんな音が、どんどんと近づいてきていた。



「……はぁ、ボクは何をしてるんでしょうか」

 ため息と共に少女が手を止める。
 一心不乱に体を動かせば、そう思っていたのにやっぱり手が止まってしまう。
 少女は不思議な姿をしていた。
 それは多種多様な種族が生きているこの世界でも珍しい姿。
 エンスの体を持ち美しい白髪に黒い髪の毛がまだら模様の様に入っている。
 そして何よりも。

「パパ……やっぱり寂しいデス」

 周りの皆が使っている言葉とは少し違うイントネーションの喋り方で呟く。
 自分の母から、母は祖父から、代々受け継がれてきた異国語混じりの喋り方だ。
 怪獣との戦いに、この街では珍しく遺跡発掘を両立していた父親。
 魔族の中でも特別力強い竜族の出で街一番の戦士、英雄とまで言われた。
 その竜族の尾と肩や腕に鱗、そして小さな角がエンスの見た目である少女にもある。

「パパ……ママ……」

 少女の母はエンス、つまり少女はこの世界でも数少ないハーフの少女だ。
 母はこの世界で珍しく流行病で死んでしまいその後は父親の手だけで育てられてきた。
 そんな父も、先日怪獣との戦いで命を落としてしまった。
 寂しさを拭おうと少女は何度も何度も岩盤を掘り進める。
 体を動かして、疲れ果てれば全てを忘れて眠れるかも知れない。
 今掘っている遺跡の道は過去に何もないとされて調査が終わっている場所なので誰も来る事もないだろう。
 この街にある遺跡は大きくこの様に何もないと判断され調査されなくなった場所もあるのだから一人になるには丁度良かった。

「今日は、今日だけは……現実を忘れて動きたいデス……うん?」

 無心で岩盤を掘り進めている間に軽い音が鳴った。
 遺跡探索に幼い頃から連れて行ってもらっている少女はこの軽い音の事を知っている。
 この奥に何か空間がある、そう教えてもらっていた。

「あ、あれ? この道には、もう何も無いって……そう聞いたんデスけど?」

 何かがこの先にある、そう思うと出ていた涙も引っ込んでいく。
 無心になれる何かがこの先にある様な気がした。

「……もう少し、もう少しデス」

 必死にハンマーとノミを動かし、少女は等々495年の眠りについた空間を開いたのだった。

「お、おぉ? 開いたデ——ど、わ、あわわわわわ!?」
「何事!? 敵襲か!?」

 少女が開いた穴は空間にある地面から2メートル程高い位置にあったので勢い余って落ちてしまった。

「きゃう!? い、たた……あ、あれ? 今声が聞こえまシタ?」

 少女が落ちていた時に何かの声が聞こえた気がする。
 そう思って光を蓄える事の出来る魔法石のカンテラを持って辺りをキョロキョロしていると。

「うわ、わわわ!? 巨、巨人、デスか!?」
「……巨人ではない」
「シャベリマシター!?」
「元気なお嬢さんだ」
「む、オジョウサンじゃないデース! ボクはコレー、といいます!」
「それは失礼した……ワタシの名はプルート、第12世代型の無人敵地攻撃兵器だ」
「……む、じ……?」

 ロボットであるプルートの言葉に首を傾げる。
 少女、コレーにとってはどれも馴染みのない言葉だった。

「うん? コレー、君は何処からきたんだい? どうやら遺伝子改造を受けている様子だが……」
「イデンシカイゾー? さっきから何言ってるんデスかー?」
「……待ってくれ、君のその姿は明らかに遺伝子改造を受けている、そうだろう?」
「イデンシカイゾーはわかりまセンが……ボクのこの姿はエンスのママとホワイトドラゴン族のパパの子供だからデスよ」
「ホワイト、ドラゴン? エンス……? 人間では、ないのか?」
「ニンゲンってなんデスか?」

 どうにも会話が噛み合わない。
 自分と同じ言葉で会話をしているのに。

「……今は西暦何年だ?」
「西暦デスか? 今年はそろそろ終わりマスけど2630年デスよ?」
「なんと……そうか、495年もワタシは眠っていたのか」
「4……そんなに眠っていたんデスか? お腹、減ってまセンか?」
「はっはっは、ワタシはね? 人間……人とは違う食事を取るんだよ。上手く使えば何年もご飯を食べなくても生きていけるんだ」
「オォー! それは素晴らしいデスね! でも……プルートはそんな体で大丈夫デスか?」

 コレーが改めてプルートを見上げる。
 瓦礫の突き刺さった体、無くなった右腕、亀裂の入った左腕、岩盤に挟まれた左足。
 どう見ても健康体とは言えなかった。

「まぁ喋れてるだけ奇跡に近い、かな? ワタシはロボットで痛みも感じないけど動けないのは何だかもどかしい気分になるね」
「……これって、ボクに直せないでショウか?」
「む? ふ~む……難しいが出来なくはないね、ワタシの体は所謂技術の塊だ。正しい知識、正しい道具があれば誰でも直す事は出来るだろう」
「そうなんデスか……? プルートは不思議な体をしてます……サイボーグ、何ですか?」
「ふむ、サイボーグとは少し違うね……あぁでもその概念があるなら、ワタシは全身がサイボーグだと思ってくれ」

 プルートの事を説明するならそれが一番的確だろう。
 全身が機械であり作られた存在であるプルートは血や肉を持たない存在だ。

「ふ~ん、そんな人がいるんデスね?」
「い、いやワタシは……まぁいいか、コレー。君はこの辺りに住んでいるのかい?」
「えぇ、外の街でパパ……と……ぁ」
「……どうかしたのかい?」

 外の事を話すコレーの雰囲気が明らかに暗くなる。
 その変化にプルートも動かない首を傾げそうになる。

「いえ、その……」
「話してみなさい。それがどんな事かはワタシには解らないが、話してみれば少しは楽になるかも知れないよ」
「プルート……うん」

 プルートの足元に座ってポツリポツリと話を始める。
 自分の両親が死んだ事を、それを忘れる為にここ岩盤を掘っていたら偶然ここに繋がった事を。
 そんな事を涙ぐみながらもゆっくりと話した。

「そうか、家族を亡くすと言うのは……やっぱり辛いものだね」
「……プルートも、誰かを亡くしまシタか?」
「ワタシにとってそう言えるのか解らないが……沢山の兄弟がいたんだ。どれも昔の巨大な爆弾……戦術核という兵器で壊れてしまったがね……辺りをよく見て欲しい、錆びた鉄の破片が沢山あるだろう?」
「……ハイ、ぁ、これは……ひ、人の骨!?」
「……ここに一緒に閉じ込められた整備士だよ、ワタシの友だった人だ」
「友達が……」
「ワタシを直そうとしてくれたが…ここに閉じ込められた時に大怪我を負ってしまってね……エネルギーシステム、つまりワタシの意識をギリギリ保つ整備だけをして死んでしまったんだ」

 プルートの友がこの地下で生きていたのは一週間にも満たない短い時間だった。
 それでも壊れたプルートの同型機から使える部品をかき集め、プルートのAIが誰かに助けて貰えるまで生き残る状況を作ってもらえた。
 洞窟状態になったとはいえ最低限の起動やエネルギーの回路を使えるようにして貰えた。

「ワタシも運がいい……今日は偶々起動していたんだ」
「なるほど~……ボクは運がよかったのデスね——」

 そこまで話した所で、コレーのお腹からぐー、と音が鳴る。
 洞窟なのでその音はよく響きそれがよりコレーの羞恥心を逆撫でる。

「うん? どうかしたのかい? 今の音は……もしかしてお腹が——」
「そ、それ以上言わないで下サイ! 乙女心にグサグサきマス!」
「お、乙女心……? よ、よく解らないがすまなかったね……」
「むぅ……と、とりあえず持ってきたお弁当を食べマス……その後に、あの骨を埋葬しマス」
「……ありがとう。コレー」

 プルートの近くに座って鞄の中に入れていたお弁当を取り出す。
 レタスとハムとチーズのサンドイッチが二つにこの付近でよく採れる柘榴をデザートにもぐもぐと食べ始める。
 それが魔族とエンスのハーフであるコレーと壊れた兵器プルートの初めての出会いであった。



「ふむふむ、成程……電気は血液の様な物デスね」
「そうだね。それを回路っていう線で繋いでいるんだ、解るかい?」
「ハイ、ここ最近は簡単な線が解るようになりまシタ」

 それからコレーはプルートに良く会いに行っていた。
 誰も使わない、見にこない、そんなこの場所はこの二人にとって憩いの場になりコレーはプルートを直す為にプルートから様々な事を教えてもらっていた。
 春の花が咲く日も。
 夏の太陽が暑い日も
 秋の収穫祭の終わった日も。
 冬の雪が降る日も。
 プルートの修理をしながら、談笑をしながら、二人の仲はゆっくりとだが確実に近づいて行っていた。



「プルート! 今日はこんな物を持ってきまいした!」
「うん? それは……笛かい?」
「ハイ! ボクの子孫に代々伝わってきた笛デス! もう笛の名前も忘れてしまう程の昔の物デスが……ちゃんと吹けるんデスよ?」
「それは楽しみだ」

 黒い木材の様な物で出来た笛をコレーが吹く。
 軽やかだが力強くコレーの息遣いによって高い音も低い音もある程度吹ける様だ。
 その笛の特徴的な音色はプルートも知らない。
 プルート自身が戦闘用に作られたのでそういったデータを持っていないのもあるのだが。
 それでも、その音色が心地良いのは解った。

「えへへ、どう、でシタか?」
「あぁ、いい音色だったよ……不思議と心が落ち着く。良ければまた聞かせて欲しい」
「勿論デス! 街の方で音楽をする人が居なくて披露する機会無かったのデスから持て余していました!」
「はは、そうだったのかい……所で、コレー。君は街の人にはここを教えていないのかい? ワタシが見つかったのなら色んな人が来そうなものだが」
「教えてないデスよ? だって色んな人に教えちゃったらプルートと一緒にいる時間が少なくなってしまいマス」
「そういうもの、なのかい?」
「えぇ、ここに来ているのは内緒なんデス、秘密基地、デス!」
「そうか……と、それはなんだい?」
「これデスか? これは我が家に伝わる剣デスよ。同じ物は他の所でも見た事ないって言われてる珍しい剣デス」

 そう言いながら鞘に入っている剣を抜刀する。
 全長60cm程の片刃の剣、普段武器屋に売っている片刃の剣より細くそれでいて反りがある。

「これは……データにある、刀、か?」
「カタナ? 何デスかそれ?」
「500年前に存在していた極東発祥の剣だ……刀本来の歴史はもっと古いが……それがずっと伝えられていたのかい?」
「そうデス、先祖代々、あ~先祖代々っていうのはお父さんのお父さんのそのまたって感じな意味デス」
「そうか……もしかするとコレーは大昔の極東の人の血が混ざっているのかも知れないね」
「ん~、そんな事言われても解らないデスよ~?」
「はは、そうか……それにしてもその刀、恐らく——」



「コレー、一つ言っておきたい事があるんだ」
「ハイ? なんですか?」

 プルートの体を修理しながらの会話、二人にとってはもう日常の様な光景で最近はコレーがプルートの所に泊まりながら話すことも多くなってきた。

「前にも話したと思うけどワタシは戦闘用のロボットだ……各種兵器はもう使えないがそれでもこの腕が出すことの出来るパワーだけでも十分人には脅威になり得る」
「それはまぁ……この出力と大きさでパンチなんてされたら一溜りもありまセンね」
「ワタシはここで眠っている間に戦争について考えたこともあった……確か地上にはもう戦争はないのだろう?」
「ハイ、怪獣の事があるので正直戦争どころではないのデス」
「……そうか、それはいい。とてもいい」
「プルートは戦闘用に作られたのに、デスか?」
「勿論だとも、人間同士が戦い殺し合うなんて悲しすぎる……想像して見てほしい、明日にもコレーの街の人間が殺し合っている姿なんて……ごめんだろ?」
「それは……ハイ、嫌デス……」

 想像するだけでも体が震えそうになる。
 自分が隣人に殺されるかも知れない、自分が隣人を殺すかも知れない。

「ワタシはここに閉じ込められている間に色んな事を考えていた……皮肉な事にワタシは戦争がなければ生まれなかったのに戦争があったから友を失ってしまった……」
「プルート……プルートには、優しい心があるのデスね」
「ここ、ろ……? ロボットであるワタシに、心……?」
「ハイ、プルートはとっても優しくて……こうして話しているだけでも、ボクは……」
「……ボクは、なんだい?」
「…………な、なんでもないデス!」
「え、えぇ……? と、話が逸れる所だった……ワタシは戦争用のロボットだ、それはどう足掻いても変わらない……そして、もう何百年も時が過ぎているが、ワタシには任務コードが存在する」
「任務、コード?」
「もしワタシに命令できる、またはワタシを改造できる者がいれば……ワタシは破壊と言う命令に逆らえなくなってしまうんだ」
「……プルートが、嫌でもデスか?」
「残念、ながらね……」

 ロボットである【自分】の宿命。
 上位命令権を持つ存在には逆らう事が出来ない。
 それはプルートがしたくない事でもプルートはその命令には従わなくてはならないのだ。

「そんなの、酷いデスよ……! プルートは、こんなにも優しい人なのに……!」
「すまない……だから、だからもし……ワタシが誰かを傷つけるだけの存在になったのなら、コレー。君の手で……」
「そんな! そんなの、約束できまセン……!」

 プルートのアームをぎゅ、とコレーが握る。

「コレー、君はお父さんと同じ剣の使い手なんだろ? 前に話してくれたじゃないか……君ならきっと、ワタシの弱点ももう解っているんだろ?」
「それでも……! それでもプルートを、ボクが……」
「頼むよ……ワタシは、君になら殺されてもいいと思っている……そんな事態にならない事を祈りたいけどこれだけは約束して欲しいんだ」
「……ハイ」



「うん、そこだ……大分直ってきた……エネルギーの補給回路は完全に直ったよ」
「ここまで五年と数日……長かったデス……」

 プルートから機械について教えてもらう事二年、やっとある程度の知識がついてそこから更に今の時代で手に入る部品で補う。
 そうやってプルートの修理を始めて三年、ようやくプルートのエネルギー回路を直す事が出来た。

「エネルギーは、本当にこの油で良いんですか?」
「あぁ、ワタシに積まれているエネルギー炉は色んなエネルギーを集めて動く事が出来るんだ、植物の油でも十分すぎる位だよ」
「ほうほう……この揚げ物に使う油でも良いとは……これとうもろこしの油デスよ?」

 修理したエネルギータンクに油を流し込む。
 これで良いのかと少々不安だったのだがプルートから説明を受けた今でも若干信じられない位だ。

「ふふ、なら見ていてくれ……! あ、タンクの蓋はしっかり閉じてくれ?」
「オッケーデース、これで、よし」
「うむ、では見ていてくれ? プシュケー始動……オイルのエネルギー化を開始……!」

 駆動音がゆっくりと洞窟に響く。
 プルートに言われた通り、そして自分でその構造を理解しながら彼を修理した。
 コレー自身でも直した、と確信できる程度にプルートを修理する事が出来たが不安は沢山あった。
 なんせ自分が全くと言って良いほど理解できない技術の塊だったのだ。
 言葉一つ、ネジ一つ理解するのも大変だった。

「エネルギー回復、5、10、20……ふむ、今はここが限界か、しかしそれでも、動くことはできる」

 プルートのアームが500年の時を超え、動き始める。
 その姿にコレーの目が星の様に輝く。

「お、おぉ……! やった! ちゃんと動きまシタ!」
「うん、流石コレー。これで……よいしょっと!」

 岩盤に挟まれた足を引き抜く、無くなってしまった右腕以外はこれで元に戻った。

「ふふ、これで少しは自由になれたよ……ありがとう、コレー」
「ハイ! 所でプルート、貴方には太陽の光をエネルギーに変えるシステムも組まれてマスよね?」
「うん? あぁソーラーシステムかい? だがここでは……」
「それがデスね~……えっと確かこの辺り……の、ここです! ここを思いっきり殴って下サイ!」
「うん? ここかい? 崩れるから離れているんだぞ?」
「ハーイ」

 コレーがぴょんぴょん跳ねながら天井を指差す。
 そんな様子に疑問を抱きながらもプルートは天井を思いっきり殴る。
 当たり前の様に天井が砕かれ、バラバラと落ちてくる。
 しかしその落ちてくる岩は思った以上に少なく、その部分だけが丸く切り抜かれる様に黎明の空が見える。

「これは……」
「ここの天井だけ岩で塞がれていた様になっていたんデス! 多分出口に岩が重なっただけで奇跡的に原型を留めていたんデス」

 コレーがこの数年でこの場所を秘密にしつつもプルートにここがどんな場所かを聞いて辺りを調査していたのだ。
 その結果この空洞は兵器の発射路で核の余波で瓦礫に埋まったがこの場所だけが壊してもバランスを失わず綺麗に空が見える様に岩が崩れ落ちる場所だったのだ。

「ボクの剣じゃ流石に岩は切れないと思いマスし動けるようになったプルートに是非やって貰おうとしてたんデス」
「そうだったのか……確かにこれで太陽光でもエネルギーを溜められ——お、おぉ……」

 空を見上げていたプルートがため息の様に声を漏らす。
 丁度地平線から太陽が昇ってきていた。
 眩い光が一度も太陽に当たった事のないプルートの体を照らす。

「あ、夜明けデスね」
「……美しい、なんて綺麗なんだ」
「太陽が、デスか?」
「あぁ、ワタシの時代では沢山の爆弾に巻き上げられた塵せいで空が黒くなりワタシが作られた頃には数日に一回黒い雨が降り注いでいた……太陽なんて見られなかったんだ」
「そんな、事が……あ、そう言えば、明けましておめでとうございマス、デスね」
「うん……? あぁそうか、今日は2635年の一月一日だったか」
「えぇだからこの太陽は、初日の出デスね」
「……それは、何とも。ワタシにとっては最高の日の出だ」

 太陽に照らされるプルートが笑った気がする。
 表情も無く喋る時に光るライトでしか表情を窺えないのにコレーはそうとしか思えなかった。
 そんな姿が、とても愛おしくて、自分の胸の鼓動が高鳴っていく。
 最近は、嫌何年か前からずっとそうだった。
 プルートの事が頭から離れない、ずっとずっと彼の事を考えてしまっている。
 コレーの知らない技術でも頑張って覚えようとしたのも。
 プルートの修理をしたのも。

「……プルート」
「うん? どうかしたのかい?」
「ボク、プルートが大好きですとっても、とっても……プルートが機械だから何て関係ない。ボクは……プルート、貴方を愛、していマス」
「コレー……ワタシは、人では無いのに。良いの、かい?」
「ハイ……! 迷惑、でしょウカ?」
「……そんなことは無いよ。ワタシも嬉しい……嬉しいんだ、機械である筈のワタシが愛している、と言われて何故か自然にそれを受け入れている……」

 心の無い【自分】がその言葉を貰ってその意味まで理解している。
 AIの【自分】がその言葉を聞いて良かったと思っている。

「ありがとう、コレー……これからは、お互い……恋人だな」
「ハイ……ハイ!」



「恋人か、ふふ……ワタシがそんな風に見られるとは思いも寄らなかった」

 コレーが一旦家に帰るのを見送った後、プルートは太陽を見ながら思い耽っていた。
 コレーの事は前々から好意的に見ていたし、何なら一人でいる時は大抵彼女の事を考えていた。
 愛してると言われて当然、【自分】も彼女を愛していると自覚した。

「なんて事無い、当たり前の様にワタシは彼女を愛していたんだな……」
「ほぉ、AI如きが女を愛するとは」
「だ、誰だ!?」

 重々しい男の声が洞窟に響く。
 この洞窟はコレーしか知らない筈なので現代の誰かが来るとは思えない。
 来るとすれば。

「誰だ、とはご挨拶だな……オレは貴様の上司だぞ?」

 筋骨隆々の大男が硬い靴の音を鳴らしながら歩いてくる。
 その姿は500年前と変わらず、しかし純粋な人間では無くなっている。

「ユピ、テル……様」
「第12世代型無人敵地攻撃兵器P38か……この時代にここまで残っているとは珍しい」

 ユピテル。
 500年前プルートの所属する軍隊の元帥で国の大統領だった男だ。
 元々は彼の父親が大統領だったのだがその父親が暗殺されその後釜に座った男。
 しかしその手腕は父よりも優れていると当時は評価されていた。

「なぜ、貴方がこんな所へ……い、嫌……何故生きているのですか!?」
「耐放射線用機械化手術だ……今この世界は人間が生きられない程の放射線が常にばら撒かれている。改造無くして生きてはいけぬ」
「……そうか、だから遺伝子の改造を」
「ふん、そんな事はどうでもいい……貴様、まだ動けるな? 役に立って貰おう」
「な、何を……」
「言わなくても良いだろう、貴様は戦闘用のロボットだ」

 戦え、と言葉にしなくても雰囲気だけで解る。
 それは当たり前だ、【自分】は戦闘用の機械なのだから。
 自らの存在意義は戦争だ、戦う為に作られて戦う為に存在している。
 だが。

「……何と、戦うのですか?」
「勿論人だ、貴様は今この世界に生きている人類と戦ってもらう」
「何故、ですか!? 人は怪獣の脅威に晒されているのに人同士が戦う必要など——」
「必要なのだ! 闘争が! 戦いが! 人は強くならねばいけない! そうで無ければこの先生きる事などできぬ!」
「きょ、拒否する……! ワタシは、ワタシは人と戦いたくは、無い……!」
「機械如きが主人に逆らうか? しかし無駄だ、貴様をこれより改造する。そうだな、手始めにこの付近の街を破壊して貰おうか」
「な——!?」

 この街を、そうなればコレーはどうなる。
 【自分】の愛したあの少女が、自分を愛してくれたあの少女が。
 それを自分の手で壊せと、そう命令された。
 拒否だ、拒絶だ、嫌だ。

「う、ああああああ!!!」

 気がついた時にはプルートはその腕をユピテルに向かって振り下ろしていた。
 岩を壊した時とは違う、全力で自分が出せる力を思いっきり稼働させて。
 全長4メートルの巨体から繰り出される拳、直撃すれば戦艦に風穴を開けることも十分可能だ。

「機械如きが、オレにそこまで逆らうとはな……!」
「な、あ……!?」

 その拳が、ユピテルの片手で止められていた。
 側から見ればその不可思議な光景に息を呑むことになるだろう。
 戦闘用の機械が殴れば岩の破壊すら容易なのにその腕を地面を陥没させつつあっさりと受け止めた。

「別のAIを埋め込んで街を破壊する様を見せつけてやろう、貴様がオレに逆らった事への罰だ!」
(コレー……!)



「おーコレー! あけましておめでとう!」
「あ、ファイス! あけましておめでとうデス!」

 燃える様な赤と金色の髪をした大男がコレーに手を振る
 彼はレッドドラゴンの魔族でコレーより体が竜に近く、コレーに無い翼や身体中に鱗を持っている。
 ファイスはこのアイギーナの街に住む戦士の一人だ。
 コレーとは父が繋がりがありファイスが新人の頃は良く家に来たりしていた。

「年明けだってのにどっか行ってたのか?」
「ハイ、ファイスは年始祭の準備でしたか?」
「おぉ、最近は祭りの準備で大忙しだよ。竜族の俺でも肩がこっちまうぜ」

 年始祭とは今年一年の幸運を祈るお祭りだ。
 お祭りといっても街の皆で集まって食事をとるだけの単純なものなのだがこの時に出される料理が特別な物で皆が楽しみにしている。

「ボクも手伝えれば良かったんデスけど……お料理は特定のしかできないデスから」
「はっはっは、分かってるよ、ニホ料理だったっけか? それがうめぇのは知ってるけど俺らが食ってるのとは違うからな」
「あ、そういえば肩が凝ってるならウェヌスさんに診てもらうのはどうデスか? あの人流れのお医者さんで腕も確からしいデスよ?」
「あぁ~あの美人さんかぁ~それも考えておくかなぁ」
「お? ファイスってばウェヌスさんが気になりマスか~?」

 この街に一昨日くらいからウェヌスという流れの医者が来ている。
 途轍も無い知識量と医療の腕で様々な病気や怪我の治療をしているらしい。
 健康体なコレーとファイスはお世話になった事はないが周りの評判はとてもいい。

「んなぁ!? ち、ちげぇよそんなんじゃねぇ!」
「ふっふ~ん? 半年程滞在するって噂でシタよ?」
「う、ぐ……そ、それなら年始祭が終わったら観てもら——」

 話している途中で、大きな爆発音と人々の悲鳴が聞こえた。

「な、なんだ!?」
「一体……!?」

 二人とも元々の身体能力の高さから街の屋根へぴょんぴょんと乗っていく。
 街を一望するのならこれが一番簡単だからだ。

「あ、あれは……!?」
「なんだ、あれ……巨人か!?」

 大きな広場でプルートが暴れ回っていた。
 コレーが見た事のない装甲が無く配線が剥き出しの右腕を付けており、特殊な機構が付いているのか地面に拳を突き刺すと爆発が起こっている。
 腕に付いている杭を打ち込んでいる様だ。

「何だあれ……あんな巨人遺跡にも居なかったぞ……!?」
「……プルート、そうデスか……そう、なってしまったんデスね」

 事前に聞かされていた最悪の事態。
 覚悟は出来てなかった、だって最愛の人なのだから。
 こうなって欲しくは無かった、しかしそうなってしまった。
 ならば、自分がやらなくてはならない事がある。
 というよりも自分で無ければ出来ない、プルートを一番知っているのは自分なのだ。

「コレー……? お前あれが何なのか知ってるのか?」
「……事情は後で話マス。ファイス、ボクが武器を取ってくる間足止めをお願い出来ますか?」

 怪しいのは承知の上、ファイスから見れば街で暴れている兵器の事を知っているのだ。
 しかしその上で頼み込む、やるにもほんの少しでいい、準備が必要だから。

「おういいぜ!!」
「……ふぇ?」

 即答。
 あまりに即座に答えたものなのでお願いをしたコレーの方が戸惑っている。

「無条件で信じた訳じゃねぇ、破壊活動をしている以上止めなきゃならねぇし何より……お前そんな泣きそうな顔で頼んでんじゃねぇぞ」
「で、でも話してないとは言え結構危険なのに……」

 何人かの戦士が応戦しているのが見えるが剣も槍も矢も通用していない。
 戦闘用のロボットなのだから想定される衝撃は本来ミサイルやエネルギー兵器なのだから当然だ。

「はは! 命ならとうにアイギーナ王ペレウスの親方に捧げてる! この街を守るのに迷いはねぇ! さっさと準備してこい!!」
「わわ……え、えぇっとなるべく足の関節を狙ってくださーい!」

 手のひらに拳を打ち付けてから飛び出したファイスにコレーが一言だけアドバイスをするのだった。



「ああ、ああああ、あああああああああ!!!」

 既に意味のある言葉を紡ぐ事は出来ない。
 手が、足が、声が、勝手に動いて自分の周りの物を破壊していく。
 誰かが【自分】に攻撃を仕掛けるがその武装では一切傷付ける事は出来ない。
 やめてくれ、逃げてくれ、死なないでくれ、【自分】に破壊をさせないでくれ。

(コレー、ワタシを、ワタシを止めて(殺して)くれ……!)
「火炎、剛牙!! おっらああああ!!」
「あああああ、あああああああああ!!!」

 何者かの攻撃が右足の膝関節に直撃する。
 その処理は正しい、大型機械を無力化するなら関節を狙うのは正解だ。
 視界に入ったのは燃えるような赤と金髪の青年が身の丈程のハンマーを持って【自分】に攻撃をしていた。

「バランサー損傷左足のエネルギーカット敵対破壊破壊破壊破壊破壊破壊」
「ちぃ! 一発じゃ止まらねぇか!? うっお!? ぐあああああああああ!?」

 攻撃を仕掛けた青年に左腕を振り下ろす。
 青年は何とか受け止めたが長く耐えるのは不可能だろう。
 地面が沈んでいき青年は身動きが取れなくなる。
 いけない、このままではこの青年は潰れて死んでしまう。

(止めてくれ! 止めてくれ! 彼女の街の人を傷つけさせないでくれ!!)
「う、お、おおおおおおお!!!」
「た、隊長!」
「俺の事は気にするな! 早く、逃げ遅れた奴の手助けおおおおおおお!!!」

 ダメだ、このままではダメだ。
 後数秒、本当にこの青年が潰されてしまうその瞬間だった。

「…………この、音色は」
「あ? お、おぉ……?」

 音色が聞こえた。
 踊るように天へ昇る龍の様な美しい音色。
 知っている、この音を【自分】は知っている。
 何時の間にか【自分】の腕は力を入れる事を止めて青年を解放していた。
 狂ってしまった【自分】が何故か正気に戻り体が動くようになっている。
 何故かなどと、説明出来るものか。

「コレー……」
「コレー、だって……!?」

 腕も上がらない位青年は力を使い果たしたのだろう、膝を付いたまま顔だけを音色の方へ向ける。
 街の誰もが笛を鳴らすコレーを見ていた。
 武器を持つ者も、避難をする者も、怪我をした者も、その場の全ての者が。

《何をしている! さっさと任務を遂行しろ! 貴様は兵器なのだぞ!》

 通信から雑音が聞こえる。
 この音色の前に、雄々しくも美しい彼女の前では自分の指揮官などノイズにしかならない。
 コレーが何の曲を吹いているのか解らない、彼女自身も理解してなかったし大元の楽譜が無く口伝だけで伝わったのだから本来の楽譜とは全く異なる演奏になっているだろう。
 その演奏が終わる、ゆっくりと笛から唇を離したコレーが真っ直ぐに【自分】を見つめる。

「……プルート」
「……コレー」

 その先の言葉など必要無かった。
 言いたいことは沢山あったのに残酷な程時間が無かった。
 何時この拮抗状態が解かれるか解らない、だから早く【自分】を壊して(殺して)くれ。
 だが最後に一言、時間があるのなら。

「愛している」
「ボクも、デス……う、あああああああああ!!!」

 笛を仕舞い、刀を持つ。
 抵抗をするつもりは無い、してはいけない。
 真っ直ぐにコレーは【自分】を切ればいい。
 その刀なら、それが出来る。
 その刀は。

「せい、やあああああああああ!!」

 抜刀からの一閃。
 コレーの母親から、そしてその父親から更にその父親から。
 代々引き継がれてきた居合の斬撃。
 本来【自分】の装甲にそんな事をすれば刀の方が砕け散るだろう。
 しかしあの刀は【自分】達の時代で言うヘラクレス合金で出来た刀だった。
 ナノマイオイ装甲で作られた【自分】の体があっさりと切り裂かれ動力炉を真っ二つにした。

(そうだ、それでいい……正しい、一撃でワタシを止める必要があったのだから)

 これでいい。
 過去の遺産が未来を奪っては行けない。
 ただ一つ、心残りなのは。

(コレー……再び君を、一人にして——しま——う——)



「う、あぁ!?」
「うおおおお!?」

 動力炉を切られたプルートが大きな爆発を起こす。
 刀でプルートを切り彼の背後に回っていたコレーはその爆風を受けて吹き飛ばされる。

「あ、あっぶね……地面が陥没してて助かったぜ」

 爆心地の近くにいたファイスは地面が凹んでいた事とレッドドラゴン特有の熱への強さから無事だった。
 ハーフであるコレーは地面を転がってようやく止まった時には全身が擦り傷だらけで火傷もしていた。

「あ……」

 そんなコレーの前に、一枚の水晶玉がついたチップが落ちる。
 あの爆発の中で奇跡的に無傷で本体は今も炎上しており恐らく何も残らないだろう。
 だから、これが、この一枚が。
 プルートの残した物だった。

「プルート……プルート……う、あ、あぁ、ああああああああああああああ!!!!」

 両手でチップを優しく握ったまま泣き叫ぶ彼女に誰も言葉をかける事が出来なかった。
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