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ジュリアン
対決
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数十人の兵に取り囲まれた俺とシェン。ライオネルが俺を睨み付け、力付くで連れていこうとしている。
「ペテンか…。何の証拠があって?」
シェンが俺を守るように前に出た。
「どうやってるのかは知らんが山火事を消すなど普通の人間の出来ることではない。何かタネがあるに違いないっ!」
適当に推測で物を言うあたりがバカだなぁ。
「そもそもこの火事はジュリアン王子の即位に反対する神の怒りだぞ!それを消すなど反乱か悪魔の仕業としか思えん。お前は何者だ!?」
支離滅裂じゃないか…俺が悪だと決めつけてる。民衆の前で堂々とそんなこと言ってるのっていいのか?
「怪我をしても構わん!この反乱者を引っ立てい!」
ライオネルの鋭い命令に兵が一気に俺めがけて突進した。
刺されるかも!と覚悟したその時、
金属音がして男たちの悲鳴が上がっていく。
シェンが槍を振り回して一撃で全員を吹き飛ばしていた。
舌打ちをしたライオネルが剣を振りかぶって俺に襲いかかる、兵を相手にしていたシェンには俺を守るのに間に合わなかった。
殺られる!と思って必死でよける。でも、ライオネルが相当な手練れだったので俺の身体能力が負けてしまっていた。
バサッ!
間一髪、ライオネルの剣をよけた時に俺の変装の金髪のカツラが切り落とされた。
転がる金髪と斬られた俺のマント。
ざわつく民衆と新聞記者たちのどよめきが聞こえた。そこにジャンプして割り込むシェンが槍を構えて守るために立ち塞がる。シェンも変装をかなぐり捨てていた。
「…ジュリアン王子…っ!まさか生きていたとは!シェン、お前も!」
王子王子とざわつく民衆。山火事の現場は騒然と俺たちを取り囲んだ。
バレちゃった。あーあ。ここまでか。
ライオネル結構やるね。
「王子、貴方は神の罰を何とお思いか?ペテンで民を騙すなぞ、恥の上塗りではないのですか?」
「黙れサボワの犬!貴様がジュリアン王子を暗殺しようとしたのはわかっている!グラムリア王国にまで刺客を送ったのは調べがついている!騎士団を舐めるなよ。」
シェンが挑発するようにライオネルに言った。
「ハッ!証拠があるなら出してみろ。それにシェン、お前はどこの騎士団のものだ?裏切り者のスパイめが!」
ライオネルは余裕だ。自らの勝利を信じている。
俺には切り札がある。聞こえるようにわざと大きな声を出してみた。
「みなさーん!俺はジュリアンと申します。国王ルークの息子で王子をしてまーす!聞いてもらえますかー!?」
ざわつく民衆がしーん、と静まり返った。
「さっき山火事の中を歩いて見たんですけど、こんなの拾っちゃいました!リスが持ってきてくれたんですけど。これ、なーんだ?」
俺は人差し指と中指にリスがくれた石のようなものを挟んで高く腕を上げた。
「なんだその汚い石ころは?リスが持ってきたなどと…気でもふれましたか?」
ライオネルが俺を鼻で笑う。俺はそれを黙殺した。
…来た!民衆の中に紛れて、俺はある人物を見つけてしまった。それも複数。
「これは騎士団章です!ライオネル、お前は騎士団の制服を着てるけど団章はどこにあるの?名前入りだよこれ…ライオネル・ジェファーソン!そう書いてあるけど。
騎士団長オリバー、ライオネルは今までにこの森へ来たことがあるのか?」
民衆に紛れるように立って、俺のことを信じられないような表情で見ている騎士団長オリバーに問いかけた。
「ペテンか…。何の証拠があって?」
シェンが俺を守るように前に出た。
「どうやってるのかは知らんが山火事を消すなど普通の人間の出来ることではない。何かタネがあるに違いないっ!」
適当に推測で物を言うあたりがバカだなぁ。
「そもそもこの火事はジュリアン王子の即位に反対する神の怒りだぞ!それを消すなど反乱か悪魔の仕業としか思えん。お前は何者だ!?」
支離滅裂じゃないか…俺が悪だと決めつけてる。民衆の前で堂々とそんなこと言ってるのっていいのか?
「怪我をしても構わん!この反乱者を引っ立てい!」
ライオネルの鋭い命令に兵が一気に俺めがけて突進した。
刺されるかも!と覚悟したその時、
金属音がして男たちの悲鳴が上がっていく。
シェンが槍を振り回して一撃で全員を吹き飛ばしていた。
舌打ちをしたライオネルが剣を振りかぶって俺に襲いかかる、兵を相手にしていたシェンには俺を守るのに間に合わなかった。
殺られる!と思って必死でよける。でも、ライオネルが相当な手練れだったので俺の身体能力が負けてしまっていた。
バサッ!
間一髪、ライオネルの剣をよけた時に俺の変装の金髪のカツラが切り落とされた。
転がる金髪と斬られた俺のマント。
ざわつく民衆と新聞記者たちのどよめきが聞こえた。そこにジャンプして割り込むシェンが槍を構えて守るために立ち塞がる。シェンも変装をかなぐり捨てていた。
「…ジュリアン王子…っ!まさか生きていたとは!シェン、お前も!」
王子王子とざわつく民衆。山火事の現場は騒然と俺たちを取り囲んだ。
バレちゃった。あーあ。ここまでか。
ライオネル結構やるね。
「王子、貴方は神の罰を何とお思いか?ペテンで民を騙すなぞ、恥の上塗りではないのですか?」
「黙れサボワの犬!貴様がジュリアン王子を暗殺しようとしたのはわかっている!グラムリア王国にまで刺客を送ったのは調べがついている!騎士団を舐めるなよ。」
シェンが挑発するようにライオネルに言った。
「ハッ!証拠があるなら出してみろ。それにシェン、お前はどこの騎士団のものだ?裏切り者のスパイめが!」
ライオネルは余裕だ。自らの勝利を信じている。
俺には切り札がある。聞こえるようにわざと大きな声を出してみた。
「みなさーん!俺はジュリアンと申します。国王ルークの息子で王子をしてまーす!聞いてもらえますかー!?」
ざわつく民衆がしーん、と静まり返った。
「さっき山火事の中を歩いて見たんですけど、こんなの拾っちゃいました!リスが持ってきてくれたんですけど。これ、なーんだ?」
俺は人差し指と中指にリスがくれた石のようなものを挟んで高く腕を上げた。
「なんだその汚い石ころは?リスが持ってきたなどと…気でもふれましたか?」
ライオネルが俺を鼻で笑う。俺はそれを黙殺した。
…来た!民衆の中に紛れて、俺はある人物を見つけてしまった。それも複数。
「これは騎士団章です!ライオネル、お前は騎士団の制服を着てるけど団章はどこにあるの?名前入りだよこれ…ライオネル・ジェファーソン!そう書いてあるけど。
騎士団長オリバー、ライオネルは今までにこの森へ来たことがあるのか?」
民衆に紛れるように立って、俺のことを信じられないような表情で見ている騎士団長オリバーに問いかけた。
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