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ジュリアン
バンパイア
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どこに向かってるんだろう?
俺はシェンが村で借りた馬で2人を乗りをして森の中を走っている。
シェンは俺を抱くように前に乗せている。ちらっと彼の顔を見た。
真剣な表情で前を見ているシェン。やばい、カッコいい…。
数時間馬で森の奥を進んでいくと、真っ黒な大きな古城に着いた。かなりおどろおどろしい城だ。
門は閉ざされていて、塀の中は全く見えない。
「ねえ、ここ、どこなの?」
「知り合いの家。今日はここに厄介になります。」
「…へ?どうすんの?」
「俺からアンドレアには秘密のルートから連絡しておくからあちらのことは大丈夫です…リアンもレアルに守ってもらいます。」
そう言いながらシェンは手をドアにかざすと重々しい扉が耳障りな音を立ててゆっくりと開く。魔法のロックがかかっていたのを外したようだった。
そこに広がる景色に俺は仰天した。
ゾンビのような、屍と化した人間が真っ赤な目でうようよしているのだ。俺は声も出なかった。
「大丈夫です。攻撃はしてきませんよ。だけど俺から離れないで下さい。」
門をくぐって庭を通り、俺はシェンに腰を抱かれて城の建物までなんとか着いた。ゾンビ人間は本当に襲ってはこなかった事に安心した。
城の扉を開けると、そこにはダイナマイトボディの女性が立っている。かなりの美貌だ。ぞくりとするほど悩ましい目付きを俺に投げ掛けて微笑んだ。
「あら、いらっしゃい、久しぶりねシェン。」
「ああ、エリー。ランバートはいるか?レアルも。」
シェンはそんな彼女に全く興味がなさそうに返事をする。
それにレアル?何でここにレアルの名前が?
「あら…えらく可愛らしい子ね。シェン、どうしたのこの子!」
「…恋人だ。」
しれっとシェンが俺を紹介したとたん、エリーと呼ばれた女性がギリっと唇を噛んだ。
「うわ出た!とうとうここにもリア充!どいつもこいつも腹立つわねっ!」
俺はというと、そのエリーの唇に釘付けになってしまった。
牙。牙が二本。…人間じゃないくらい大きい。
「何だ騒々しいなエリー。…!シェン、シェンじゃないか!久しぶりだな!外国へ行ったきりなかなか連絡がないからどうしたのかと思ってたぜ!」
横から声がしてそちらを見ると、ものすごく美しい男性が笑顔で立っていた。白い髪と赤い目。…この人にも牙がある。何者?
「ランバート!」
シェンが走ってその男性と抱き合った。がっちり。かなり仲が良さそうだな。
「この子…恋人か?」
「ああ。グリン王国のジュリアン王子だ。俺の大切な人。」
俺の名前を聞いた瞬間、そのランバートという男性の表情が固まった。
「…どうしたランバート?」
「あ…いや、シェン、お前の恋人、裏世界で暗殺若しくは捕獲依頼が出されてるぞ。」
俺はその言葉に凍りついた。シェンを見上げると、彼は何故か全く驚いてはいないようだった。
「だろうな。だからランバート、お前のところへ来たんだよ。この国一の裏組織、バンパイアのリーダーの一人であるお前にな。詳しく教えろ。」
俺はシェンが村で借りた馬で2人を乗りをして森の中を走っている。
シェンは俺を抱くように前に乗せている。ちらっと彼の顔を見た。
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数時間馬で森の奥を進んでいくと、真っ黒な大きな古城に着いた。かなりおどろおどろしい城だ。
門は閉ざされていて、塀の中は全く見えない。
「ねえ、ここ、どこなの?」
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「…へ?どうすんの?」
「俺からアンドレアには秘密のルートから連絡しておくからあちらのことは大丈夫です…リアンもレアルに守ってもらいます。」
そう言いながらシェンは手をドアにかざすと重々しい扉が耳障りな音を立ててゆっくりと開く。魔法のロックがかかっていたのを外したようだった。
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ゾンビのような、屍と化した人間が真っ赤な目でうようよしているのだ。俺は声も出なかった。
「大丈夫です。攻撃はしてきませんよ。だけど俺から離れないで下さい。」
門をくぐって庭を通り、俺はシェンに腰を抱かれて城の建物までなんとか着いた。ゾンビ人間は本当に襲ってはこなかった事に安心した。
城の扉を開けると、そこにはダイナマイトボディの女性が立っている。かなりの美貌だ。ぞくりとするほど悩ましい目付きを俺に投げ掛けて微笑んだ。
「あら、いらっしゃい、久しぶりねシェン。」
「ああ、エリー。ランバートはいるか?レアルも。」
シェンはそんな彼女に全く興味がなさそうに返事をする。
それにレアル?何でここにレアルの名前が?
「あら…えらく可愛らしい子ね。シェン、どうしたのこの子!」
「…恋人だ。」
しれっとシェンが俺を紹介したとたん、エリーと呼ばれた女性がギリっと唇を噛んだ。
「うわ出た!とうとうここにもリア充!どいつもこいつも腹立つわねっ!」
俺はというと、そのエリーの唇に釘付けになってしまった。
牙。牙が二本。…人間じゃないくらい大きい。
「何だ騒々しいなエリー。…!シェン、シェンじゃないか!久しぶりだな!外国へ行ったきりなかなか連絡がないからどうしたのかと思ってたぜ!」
横から声がしてそちらを見ると、ものすごく美しい男性が笑顔で立っていた。白い髪と赤い目。…この人にも牙がある。何者?
「ランバート!」
シェンが走ってその男性と抱き合った。がっちり。かなり仲が良さそうだな。
「この子…恋人か?」
「ああ。グリン王国のジュリアン王子だ。俺の大切な人。」
俺の名前を聞いた瞬間、そのランバートという男性の表情が固まった。
「…どうしたランバート?」
「あ…いや、シェン、お前の恋人、裏世界で暗殺若しくは捕獲依頼が出されてるぞ。」
俺はその言葉に凍りついた。シェンを見上げると、彼は何故か全く驚いてはいないようだった。
「だろうな。だからランバート、お前のところへ来たんだよ。この国一の裏組織、バンパイアのリーダーの一人であるお前にな。詳しく教えろ。」
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