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ジュリアン
リアンの体
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ルークの話は続いた。
「譲位を早めたいのは、お前が狙われ始めているのもある。さしづめ王位継承二位のサボワ公だと俺は睨んでいる。お前が国王になるのを邪魔しようとしているんだ。これは騎士団長のオリバーには言ってないが…」
「サボワ公爵はオリバーの後ろ楯ですもんね。」
オリバーの祖母は国王ルークの父である前国王の妹君だ。サボワ公爵の姉にあたる。
サボワ公爵は王族だけど現在は臣籍に下っている。この国の法律では王位継承のためなら王族復帰も可能だ。
オリバーの父ガリアスは俺の父ルークと主従関係だけれど従兄弟になる。
サボワ公爵は前国王の弟。もう一人の弟、フェルナンドは父ルークに昔粛清されて、今はもういない。
サボワ公爵は俺にとっても大叔父だ。俺にとってはいけすかないオッサンだけれど、彼はオリバーの後ろ楯として応援し、かなり可愛がっている。
そうなるとオリバーは敵側になるんだな…。
「ガリアスやロビンはサボワがお前を狙い始めたことを見抜いてるし、彼らは俺側の人間だが、オリバーはサボワ側だと思え。ガリアスの家も複雑らしくてな、サボワに息子兄弟を取り込まれているそうだ。」
ありゃ、サミュもあちら側か。この国の宰相候補と騎士団長、敵に持っていかれてるじゃん。
ガリアスの母である、オリバーのおばあさまに会ったことはある、俺には一応優しくしてくれてたけれど、結構気の強そうなおばあちゃんだった。ガリアスとロビンの結婚にも難癖をつけたそうだけれど、ロビンが優れた騎士だったことと彼の美貌を見たとたんあっけなく堕ちたというのは笑い話だ。
「シェンを俺に任命してくれたのはそのせい?」
「そうだ。だが国内にいる敵の息のかかった人間が誰かわからない以上、反対に外国人のシェンは信用できる。お前もシェンに頼んだのだろう?…護衛騎士は本当に信頼できる人でないとダメだからな。」
「リアンも護衛騎士だったもんね。」
「ああ…。24時間ずっと側にいてくれた。」
「リアンはどこ?」
父ルークは目を伏せて床を見た。
「眠ってるよ。薬のせいで眠くなるんだ。だから嫌がってほとんど飲まないんだけれど、さっき無理やり飲ませたから…。」
リアン。俺の産みの親、大切なリアン。病だなんて知らなかったし、そんなそぶりもなかったかのように元気に見えた。
俺がなんとかしてあげられることはないのだろうか。
「あのさ、その魔術師のもとへ俺がリアンを連れて行くことはできないのかな?」
俺の一言にルークがものすごく驚いた顔をした。
「譲位を早めたいのは、お前が狙われ始めているのもある。さしづめ王位継承二位のサボワ公だと俺は睨んでいる。お前が国王になるのを邪魔しようとしているんだ。これは騎士団長のオリバーには言ってないが…」
「サボワ公爵はオリバーの後ろ楯ですもんね。」
オリバーの祖母は国王ルークの父である前国王の妹君だ。サボワ公爵の姉にあたる。
サボワ公爵は王族だけど現在は臣籍に下っている。この国の法律では王位継承のためなら王族復帰も可能だ。
オリバーの父ガリアスは俺の父ルークと主従関係だけれど従兄弟になる。
サボワ公爵は前国王の弟。もう一人の弟、フェルナンドは父ルークに昔粛清されて、今はもういない。
サボワ公爵は俺にとっても大叔父だ。俺にとってはいけすかないオッサンだけれど、彼はオリバーの後ろ楯として応援し、かなり可愛がっている。
そうなるとオリバーは敵側になるんだな…。
「ガリアスやロビンはサボワがお前を狙い始めたことを見抜いてるし、彼らは俺側の人間だが、オリバーはサボワ側だと思え。ガリアスの家も複雑らしくてな、サボワに息子兄弟を取り込まれているそうだ。」
ありゃ、サミュもあちら側か。この国の宰相候補と騎士団長、敵に持っていかれてるじゃん。
ガリアスの母である、オリバーのおばあさまに会ったことはある、俺には一応優しくしてくれてたけれど、結構気の強そうなおばあちゃんだった。ガリアスとロビンの結婚にも難癖をつけたそうだけれど、ロビンが優れた騎士だったことと彼の美貌を見たとたんあっけなく堕ちたというのは笑い話だ。
「シェンを俺に任命してくれたのはそのせい?」
「そうだ。だが国内にいる敵の息のかかった人間が誰かわからない以上、反対に外国人のシェンは信用できる。お前もシェンに頼んだのだろう?…護衛騎士は本当に信頼できる人でないとダメだからな。」
「リアンも護衛騎士だったもんね。」
「ああ…。24時間ずっと側にいてくれた。」
「リアンはどこ?」
父ルークは目を伏せて床を見た。
「眠ってるよ。薬のせいで眠くなるんだ。だから嫌がってほとんど飲まないんだけれど、さっき無理やり飲ませたから…。」
リアン。俺の産みの親、大切なリアン。病だなんて知らなかったし、そんなそぶりもなかったかのように元気に見えた。
俺がなんとかしてあげられることはないのだろうか。
「あのさ、その魔術師のもとへ俺がリアンを連れて行くことはできないのかな?」
俺の一言にルークがものすごく驚いた顔をした。
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