異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました

あいえだ

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異国での決意

エリアスside

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目が覚めると、隣にフィリックスが眠っていた。シンはソファにでも寝ているのかと思って見てみると、いない。

外を見ると、夜明け前でまだ暗く、俺はあのまま眠っていたのかとまだ覚めきらない頭を軽く振った…。

それにしてもシンがいないのは変だ。バスルームにでもいるのだろうか、ドアを開け、冷水で顔を洗った。タオルを取ろうとして、ふと脱衣かごが目に入る。

きちんと畳まれたタオルの上に、ピアスと指輪と魔剣が整然と置いてあるのを見たとたん、俺の体中の血が一気に下がるのを感じた。

これは、おかしい。

「フィリックス!おい!フィリックス!!」

俺はリビングに戻り、大声でフィリックスを叩き起こす。寝ぼけたフィリックスが目を細めて体を起こす。

「ん…なんですかエリアス…?」
「シンがいない!」
「…え?」
「武器も魔道具も置いていったんだ…あのバカ!」
「散歩では…でも、ピアスまで外しはしなかったですね…」

フィリックスが怪訝な表情になった。

「おそらくドラゴンのオスカーはシンが呼ぶま出てこられない仕様になってるはずだ…ラースのところにいくぞ、ついてこい!」

俺はフィリックスを連れてドラゴンの宿舎に向かった。カイザー号達は眠っている、ラースもすやすやとカイザー号とオリオン号に抱かれて眠っている。シンはいなさそうだ。

あいつ、どこへ…!?ここはシンの知らない土地だ、王宮のどこかにいてほしい。

俺は胸騒ぎがして仕方がなかった。とにかく姿を見つけて抱きしめたい、抱き潰してやりたい衝動にかられる。

そういえば、竜騎士をやめる話をしたとき、反対していたような…ベッドでまどろむ俺にキスをしたとき、シンはどんな顔をしていたのか…。

しくじった、思い出せない。

優しい吐息と返事。柔らかい唇…それが記憶にぼやけて残っているだけだ。

見ると、フィリックスが青ざめていた。

「こ、これ…」

ラースの角飾りを指差され、見てみると。ひとつだけ飾りのようにぶら下がっていた小さなサファイアが外されていた。これはシンがラースの誕生日に買ってあげて、金具でとりつけたものだ。明らかに人工的に外されている。いつもそれを満足げにシンが眺めていたのを思いだした。


まさか。


フィリックスと俺は顔を見合わせる。

自分さえいなければ、俺たちの生活は平穏だと思ったのではないだろうか。この先永遠にハーフドラゴンは魔族から逃れるため、放浪の旅の未来…。それを予期したのかもしれない、シンなら考えそうなことだ。

ラースも連れていかないなんて…まあ、この姿を見ればそうかもしれない。この幸せそうな姿を裂くことは、優しいシンには無理だ。だとしたらあのサファイアだけを手に出た可能性がある。

あのバカ!

「フィリックス、丸腰の徒歩のシンならまだそう遠くにはいない筈だ、逆探知されないようにピアス類をを置いていったのかもしれん…そうなるとあいつは本気だ、本気でここを離れるつもりなのかもしれない」
「っ…なんで…俺はずっと一緒にいるつもりなのに…」
「探しにいくぞ、おい、ラース起きろ」

唇を噛むフィリックスを見ながら、俺はラースを叩き起こした。

「シンがいなくなった」

ぱちぱちと眠そうに瞬きをしていたラースが、俺の言葉を聞いてガバッと飛び起きる。俺はラースとシンクロした。シンほど深くはできないが、意思の疎通くらいはできる。

「なんで…シンが?」
「わからない…自分が邪魔だと思ったのかもな」
「シン…」

ラースが宙を見つめる。自分が置いていかれたことが信じられなかったようだ。

「逆探知できるか?ラース」
「シンの匂いと気配を追うことはできる、俺は相棒だからね、逃がさないよシン」

ラースがそう言って唇を噛んだ。相当頭にきているようにも見えた。

「ごめん、僕には大人一人しか乗れないんだけれど…」
「わかった、オリオン」

ラースのすまなさそうな言葉にフィリックスがオリオン号を起こした。カイザー号も目を覚ましたけれど、留守番してもらうことにした。

俺はラースに乗り、オリオン号と共に王宮を出る。空は少しずつ明るくなってきていて、きれいな紫の朝焼けが遠くに見える。

シン…どこにいる?

絶対にお前を離さない。

お前が離れていっても、必ず追いかけてこの手に抱く。

お前がいないと狂いそうだ。



頼むから…遠くに行くなんて絶対に許さない。





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