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竜騎士になったよ
★エリアスの情熱と(少し性描写あり)
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エリアスと俺はずっとキスをして、目を開くとお互いを見つめて、どちらともなくまた唇を求め合っていた。
エリアスの手がやさしく俺の背中を撫でて、腰をなぞり、そのままゆっくり胸へと上がってくる。
胸の小さな突起にエリアスの指の腹が触れたとたん、ピリッとしたような微かに尖った快感が広がり、俺の体がビクンと跳ねる。初めての感覚に戸惑ってしまった俺は真っ赤になってエリアスの袖を掴んだ。
「はッ…、ぁ…」
その声をすくいとるようにエリアスがまた唇を塞ぐ。そのまま触れて摘ままれた俺は、鋭い快感に襲われてなす術もなく、エリアスの唇にくぐもった声を漏らして身をよじらせるしかなかった。
俺よりもっと世の中を知ってるエリアスからは、情熱と男の色香が漂ってきた。
「ん…っ、なんか、変…あつい…」
「ふ、可愛いな、シンは…」
エリアスが手のひらで突起の先端を擦った瞬間、俺の口から声が漏れる。
「あぁッ…ん…や、そこ…なんで…あっ、ぁ!」
「すげぇ可愛い…声…」
エリアスの息がまた少し熱くなる。
「シン……」
エリアスが大きな木の幹に俺を追い詰めるように腕に閉じ込める。エリアスの顔がだんだんと近づいてきて、俺の頬を唇で撫でた。
「好きだ…」
エリアスの指が俺の胸をやさしく撫でて摘まんでいく。そこから俺の体に快感が何度も押し寄せてきて、あられもなく声が出てしまう。されるがまま啼く俺をがっちり掴んで動けないようにするエリアスは愉しんでいるようにも見えた。
「あっ、ん…ゃ…!」
「早く恋を知って、シンが俺のものになればいいな」
エリアスが俺の頭に顎を乗せて話始めた。彼の低い声が響いて、震える体に快感を与えてくる。俺はエリアスの胸に頬を寄せた。
「シンが俺のことを好きになれば全部俺のものになるのに。まだ、ほんとは恋とかよくわからないのはわかるから…」
「ん…でも、エリアスといると心が温かくなって、安心する…ずっと、そばにいたいと思う…いつも感謝してる」
これは俺の本心だ。それが好きという感情なのかはわからないけれど。
「そうか…嬉しいな。時々こうやって二人きりになりたい」
「うん…こういうのは特別な人とするんだよね、本にも書いてあった。エリアスにもっと触って欲しい」
俺の言葉にエリアスが固まったように黙りこんだ。しまった、何か失言した?
「お前それ……何言ってんのかわかってる?無自覚って怖ぇ…俺の我慢、いつまでもつかな…」
エリアスがまた俺を強く抱き締める。
「俺は仕事でなかなか時間がとれなくて…今日はお前の声をキャッチできたし、ダリウスがいたからよかった。でも、モンスターも増えてきて、これからシンのことが心配で仕方ない。モンスターが増えた原因が伝説の竜騎士二人の存在とは違う確証を掴まないと…」
二人目の伝説の竜騎士だと言われている俺を排除しようという動きがあるとアンディからは聞かされている。もしかしたら命を失うかもしれないけど…。
でも、ほんとは、俺は伝説の竜騎士じゃないんだよ。
さっき、俺は知ってしまったことがある。
伝説の竜騎士はこの世に二人いるのは事実なこと。ハンターのダリウスの昔話が本当なら、オリオン号は伝説のドラゴン。オリオン号の飼い主だった人が、もう一人の伝説の竜騎士。
だけど、それを誰に相談すればいいんだろう。エリアスやフィリックスに知られたら、俺はこの王宮を出ていかなくちゃならなくなるかもしれない。フィリックスだってオリオン号と引き離されるかもしれない。
誰も幸せにならない現実に俺の心は揺らぐ。
エリアスのキスはその不安を一瞬でも忘れさせてくれるんだ。ずっと触れて、抱き締めて欲しい。
「俺が守りたい…側を離れんなよ」
エリアスが頬擦りをして、ちゅ、と耳にキスをした。
俺はエリアスのことが好きなのかな…。
フィリックスも優しいキスをくれる。陛下も。俺はどこにも行きたくないのに、いちゃいけないかもしれない存在で。
「ギャウン!」
エリアスの腕の中でそんなことを考えているとラースの変な声がした。
「どうした!?」
エリアスが俺の手を繋いでドラゴンのもとへ行く。さりげなく優しいエリアスの手に胸がキュンとしてしまう。少し落ち込んだことを考えていたから、当たり前のように繋がれたこの手が胸に染みる。
うず高く積まれた、倒されたケルベロスの山が二つ。
勝ち誇ったようなカイザー号とオリオン号が鼻息を荒くしてドヤ顔でこちらを見た。ラースは苦々しい表情で俺を見る。
「いつの間にこんなに…お前らが退治したのか?」
エリアスが驚いてカイザー号に話しかける。俺はラースの首に抱きついて彼の苦虫顔の真意を知ろうとした。シンクロしてない時でも意思の疎通はできる。ラースは俺の頬に鼻をすりつけてきた。どうやら拗ねているように見える。
あ、なるほどね…。
「ラース、一匹もやっつけさせてもらえなかったから拗ねてる。さっきオリオン号が傷ついたときも、オリオン号を守れなかったし今も何もできなかったので落ち込んでる。せめて今ケルベロスを少しでも仕留めて俺に褒めて欲しかったのにって」
「成る程、ラースも立派な戦士だからな。ただ庇われたのが迷惑だったか。決して弱くないもんな、ラース」
俺の説明にエリアスが頷いた。
それを聞いた瞬間のカイザー号とオリオン号の驚愕の間抜け顔といったら。
エリアスと俺は帰り道、ずっと思い出して笑いをこらえていた。
ラースはぷんすか怒っていて、さっさと飛ばしてドラゴン舎へ戻り、ヘラクレス号の懐へ飛び込むとそのまま拗ねて眠ってしまった。そしてまたカイザー号とオリオン号がオロオロしてるのを見たエリアスと俺は爆笑した。
難しいね、ドラゴン心も。
ヘラクレス号は訳のわからない顔で、ポカンとしながらも降ってわいたラッキーに少し嬉しそうだった。
エリアスの手がやさしく俺の背中を撫でて、腰をなぞり、そのままゆっくり胸へと上がってくる。
胸の小さな突起にエリアスの指の腹が触れたとたん、ピリッとしたような微かに尖った快感が広がり、俺の体がビクンと跳ねる。初めての感覚に戸惑ってしまった俺は真っ赤になってエリアスの袖を掴んだ。
「はッ…、ぁ…」
その声をすくいとるようにエリアスがまた唇を塞ぐ。そのまま触れて摘ままれた俺は、鋭い快感に襲われてなす術もなく、エリアスの唇にくぐもった声を漏らして身をよじらせるしかなかった。
俺よりもっと世の中を知ってるエリアスからは、情熱と男の色香が漂ってきた。
「ん…っ、なんか、変…あつい…」
「ふ、可愛いな、シンは…」
エリアスが手のひらで突起の先端を擦った瞬間、俺の口から声が漏れる。
「あぁッ…ん…や、そこ…なんで…あっ、ぁ!」
「すげぇ可愛い…声…」
エリアスの息がまた少し熱くなる。
「シン……」
エリアスが大きな木の幹に俺を追い詰めるように腕に閉じ込める。エリアスの顔がだんだんと近づいてきて、俺の頬を唇で撫でた。
「好きだ…」
エリアスの指が俺の胸をやさしく撫でて摘まんでいく。そこから俺の体に快感が何度も押し寄せてきて、あられもなく声が出てしまう。されるがまま啼く俺をがっちり掴んで動けないようにするエリアスは愉しんでいるようにも見えた。
「あっ、ん…ゃ…!」
「早く恋を知って、シンが俺のものになればいいな」
エリアスが俺の頭に顎を乗せて話始めた。彼の低い声が響いて、震える体に快感を与えてくる。俺はエリアスの胸に頬を寄せた。
「シンが俺のことを好きになれば全部俺のものになるのに。まだ、ほんとは恋とかよくわからないのはわかるから…」
「ん…でも、エリアスといると心が温かくなって、安心する…ずっと、そばにいたいと思う…いつも感謝してる」
これは俺の本心だ。それが好きという感情なのかはわからないけれど。
「そうか…嬉しいな。時々こうやって二人きりになりたい」
「うん…こういうのは特別な人とするんだよね、本にも書いてあった。エリアスにもっと触って欲しい」
俺の言葉にエリアスが固まったように黙りこんだ。しまった、何か失言した?
「お前それ……何言ってんのかわかってる?無自覚って怖ぇ…俺の我慢、いつまでもつかな…」
エリアスがまた俺を強く抱き締める。
「俺は仕事でなかなか時間がとれなくて…今日はお前の声をキャッチできたし、ダリウスがいたからよかった。でも、モンスターも増えてきて、これからシンのことが心配で仕方ない。モンスターが増えた原因が伝説の竜騎士二人の存在とは違う確証を掴まないと…」
二人目の伝説の竜騎士だと言われている俺を排除しようという動きがあるとアンディからは聞かされている。もしかしたら命を失うかもしれないけど…。
でも、ほんとは、俺は伝説の竜騎士じゃないんだよ。
さっき、俺は知ってしまったことがある。
伝説の竜騎士はこの世に二人いるのは事実なこと。ハンターのダリウスの昔話が本当なら、オリオン号は伝説のドラゴン。オリオン号の飼い主だった人が、もう一人の伝説の竜騎士。
だけど、それを誰に相談すればいいんだろう。エリアスやフィリックスに知られたら、俺はこの王宮を出ていかなくちゃならなくなるかもしれない。フィリックスだってオリオン号と引き離されるかもしれない。
誰も幸せにならない現実に俺の心は揺らぐ。
エリアスのキスはその不安を一瞬でも忘れさせてくれるんだ。ずっと触れて、抱き締めて欲しい。
「俺が守りたい…側を離れんなよ」
エリアスが頬擦りをして、ちゅ、と耳にキスをした。
俺はエリアスのことが好きなのかな…。
フィリックスも優しいキスをくれる。陛下も。俺はどこにも行きたくないのに、いちゃいけないかもしれない存在で。
「ギャウン!」
エリアスの腕の中でそんなことを考えているとラースの変な声がした。
「どうした!?」
エリアスが俺の手を繋いでドラゴンのもとへ行く。さりげなく優しいエリアスの手に胸がキュンとしてしまう。少し落ち込んだことを考えていたから、当たり前のように繋がれたこの手が胸に染みる。
うず高く積まれた、倒されたケルベロスの山が二つ。
勝ち誇ったようなカイザー号とオリオン号が鼻息を荒くしてドヤ顔でこちらを見た。ラースは苦々しい表情で俺を見る。
「いつの間にこんなに…お前らが退治したのか?」
エリアスが驚いてカイザー号に話しかける。俺はラースの首に抱きついて彼の苦虫顔の真意を知ろうとした。シンクロしてない時でも意思の疎通はできる。ラースは俺の頬に鼻をすりつけてきた。どうやら拗ねているように見える。
あ、なるほどね…。
「ラース、一匹もやっつけさせてもらえなかったから拗ねてる。さっきオリオン号が傷ついたときも、オリオン号を守れなかったし今も何もできなかったので落ち込んでる。せめて今ケルベロスを少しでも仕留めて俺に褒めて欲しかったのにって」
「成る程、ラースも立派な戦士だからな。ただ庇われたのが迷惑だったか。決して弱くないもんな、ラース」
俺の説明にエリアスが頷いた。
それを聞いた瞬間のカイザー号とオリオン号の驚愕の間抜け顔といったら。
エリアスと俺は帰り道、ずっと思い出して笑いをこらえていた。
ラースはぷんすか怒っていて、さっさと飛ばしてドラゴン舎へ戻り、ヘラクレス号の懐へ飛び込むとそのまま拗ねて眠ってしまった。そしてまたカイザー号とオリオン号がオロオロしてるのを見たエリアスと俺は爆笑した。
難しいね、ドラゴン心も。
ヘラクレス号は訳のわからない顔で、ポカンとしながらも降ってわいたラッキーに少し嬉しそうだった。
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