異世界に転生したら竜騎士たちに愛されました

あいえだ

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竜騎士になったよ

ヘラクレス号発動

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ドラゴン舎から出たヘラクレス号は眩しそうに目を細める。

俺のピアス、ドラゴンの瞳からガラが話しかけてきた。

『ヘラクレス号、出るぞ。お前は肩に乗り移ってしっかり掴まれ。鞍もないから吹っ飛ばされるぞ。そして近辺人払いをしろ。こいつすごいドラゴンだ』

えっ、そうなの?火炎放射がすごいとは聞いてるけど…。
ラースがドラゴン舎から俺を追って走ってくる。

「あぶないラース!」

ラースは大きなヘラクレス号の背中、俺の後ろにぴょこんと飛び乗った。俺が心配なのだろう、ラースの心遣いが安心する。

「みんな離れろ!」

騎士団長アンディとエリアスが外に飛び出して大声で周囲に怒鳴る。散らすように周囲の騎士団員が飛んで逃げていった。

ヘラクレス号は前足を屈めて構えの姿勢をとる。…出る!

その瞬間、空間が歪むほどの揺れとともに、大きな音を立てて視界が一気に青空になった。

え?なにこの超高速。吹き飛ばされそうな風圧が襲う。ヘラクレス号の翼は体に比べると決して大きくはないのに。

『ヘラクレス号の飛翔は翼に頼らない。魔力だ。俺も同じタイプだったからわかる…この体でここまでの速度を出せるとは、どれだけの努力を重ねたのか気が遠くなるわ』

後ろを見るとカイザー号にエリアスとアンディが乗って追いかけてきた。ハムザのドラゴンもいる。全員追いかけてきたのか…。

ヘラクレス号は空中で停まると太陽めがけて上を向いた。

大きく口を開ける。

俺はものすごいものを見てしまった。

あり得ないほどの熱量がヘラクレス号の大きな口から発せられた。一面、真っ白な光がほとばしり、何か戦闘ゲームで見た大きなビームにも似た閃光が真上に一直線に吐き出されていく。

これは、見たこともないレベルだぞ…。全身に鳥肌が立った。こんなの初めてだ…。

「ヘラクレス、号…」

目の前で起こった、その力の大きさに呆然とする俺の呟きに小さく唸り、口を閉じたヘラクレス号は大きく息を吐き、快感に身を震わせ目を閉じた。

スッキリしたんだね…。


「くそ、どこ触ってんだアンディ!!!!」

エリアスの怒号がして振り向くと、カイザー号が俺たちに追い付いてきた。
エリアスの後ろにアンディがくっついている。腰をがっちり掴まれたエリアスは嫌そうにアンディを睨み付けている。

「いやー、久しぶりのエリアスの腰だよなー」

軽く笑いながらアンディはその手を離さない。

「カイザー号、こいつ落として帰ろうぜ」

エリアスがアンディの手の甲をつねっていた。

あっ…因縁ってそういうこと…。

「あっシン!お前誤解してないか?違うぞコレは何でもないからな!」

エリアスが必死で俺に何か説明しようとしている。

「何いってんだ、元カレに向かってコレっていうな」
「元カレぇ?アホか関係もないわ!」
「だって…肝心な時にどっちも譲らなかったからじゃん」
「俺はタチなんだよ!」
「俺もそこは譲らない。エリアスお前受け顔のくせに」
「はぁ?顔で決めてんじゃねえ!」

イケメン同士の諍い…。

「ねえ…二人とも」

俺は二人に尋ねたいことがあった。

「タチってなに?ウケガオって?」

「「えっ…」」

エリアスとアンディが固まった。ヘラクレス号が俺に振り向き、カイザー号も心なしか固まっている。

「いや…エリアスの得意技の名前の1つだ。いつか見られたらいいな」
「アンディてめえっ!!!!」

エリアスがアンディに突っかかっていった。エリアスに掴まれた首をガクガクさせながらアンディは笑っている。

「ええっ!それは楽しみだな!エリアスは何をどうやって技を繰り出すの?」
「ええ?シン?」

あれ?俺の質問にだんだんエリアスが蒼白になっていくよ?

「それはだな、夜、エリアスの魔剣からほとばしる雷撃が…」
「もういい喋るなアンディィィィーーーー!」

ワクワクする俺を前に、エリアスが俺に説明しようとするアンディの口を手で覆う。

因縁って。仲いいじゃん…。聞きたかったのにな。いつか見せてくれるかな?

「夜限定の技なんだね!じゃ、今度夜のパトロールで見せてね!」

「えっ…」

笑顔でそう言う俺にエリアスが青くなり、アンディは大爆笑した。

「面白いなシン!俺お前好きだわー!」
「アンディてめえ!シンに手を出したら殺すからな!」

エリアスが笑うアンディの頭をスパーンと叩いた。

「ヘラクレス号がまだ使えるってなれば話は変わってくる。ヘラクレス号はシンの言うことなら聞く、国の戦力になればヘラクレス号は処分されずに済むんだ。合同演習でそれを王宮の奴等にみせつけてやれ」

エリアスが俺とヘラクレス号にそう言って笑いかける。その笑顔は誇らしげなように見えた。

「…そうだな。ヘラクレス号の咆哮、久しぶりに見たよ。ベンに届くといいな。」

アンディがヘラクレス号に微笑みかけ、ヘラクレス号はまた小さく返事のように唸る。

ラースがポン、とヘラクレス号から翼を広げて降り、ヘラクレス号の顔の前に停まる。青い瞳でラースはヘラクレス号を映すように黙ってガン見している。

「シンは僕のだからね、ヘラクレスにはあげないんだからね!」

ラースがヘラクレス号にそう言っているのがシンクロしてないけど聞こえた気がする。

そのとたん。

ヘラクレス号の顔がみるみる赤くなっていった。

「カイザー?」

エリアスの声がして、目の前にカイザー号の黒い姿がサッとラースを抱えて飛んでいった。まるでラースが自分のものだとヘラクレス号に言ってるように。

ジェラシー丸出しのカイザー号を見ちゃった…。

「面白いなシン…エリアスが惚れてるの、わかるよ」
「ちっ…お前には渡さないからな」
「どうしようかなー、ま、俺はエリアスのこの腹筋が…」
「落ちろこの下道め!!!」


そんな会話は俺には聞こえていなくて、ただ落とされかけてわちゃわちゃしてるエリアスとアンディがとても楽しそうに見えた。

ヘラクレス号が、帰ろう、とだけ伝えてきた。

ーーーーー

ヘラクレス号は天を仰ぎ、すぐに、下を向くとドラゴン舎へと一気に空を駆け降りた。


ベン、聞いて。俺は居場所ができたよ。

シンという人の心の中に。
すごいいい子だよ、ベンにも会わせてあげたかったな。


ベンとならきっと、親友になれただろうな。















































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