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竜騎士になったよ
ラースがしゃべった
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俺はラースに乗って空を飛んでいた。
エリアスのパトロールについてこいと言われたのだ。
遥か下に見える王都の街並み。ラースはカイザー号の隣を飛んでいるけどちょっと必死だ。カイザー号はラースを気にはしてくれてるけどエリアスの指示に忠実だ。普段もこんなに速いのかと思うと驚いた。
「シン、ラースとシンクロしてみろ」
エリアスから指示が飛んできた。ラースと俺は感覚を共有できる。その行為をシンクロと呼ぶと竜騎士のみんなが教えてくれた。
一瞬にしてラースと俺の視界が重なる、その時、ドラゴンの瞳のピアスがちりっ、と反応した。
『シンクロか…懐かしい感覚だ。だがお前のシンクロはラースとの感度は深いがまだ繋がりの量が足りない』
この声は伝説のドラゴン、ピアスの中にいるガラだ。
「量?それ、どうやったらいいの?」
俺はガラに問いかける。
『ラース、お前もシンの感覚ともっと深く繋がれ。今までお互い魔力が足りなかっただけだ。シンクロは本当はスイッチがいくつかあるんだ。五感それぞれを入れたり切ったりできる。危険があった時に繋がったままだと共倒れするだろう?』
あ、それ覚えがある…俺の状態異常がそのままラースにも移ったあれな。
瞬時に切ることができればラースはそうはならなかった筈だ。
『魔力が双方に少ないために起こったことだ。シンクロの深さだけに魔力を注ぎ込んでいるからそういうことになる。ほら、魔力をやるから使え』
そのとたん、俺の鼓動が大きく打った。ガラから身体中に流れ込んだ魔力の渦が大きくうねって熱くなる。魔力をくれるってこういうことか…。後でキスしないと、ってのがよぎったけど今はそれどころではない。
「っ…く…!」
「シン、大丈夫か?魔力が今増えた?オーラでわかる」
エリアスからの声がした。
「じゃあ…ラースと会話できるかもな」
「会話?」
「うん、前より細かく意思の疎通ができるだろうな」
意思の疎通…。今までラースとは感覚でわかり合うのでしゃべるのは俺の一方通行だった。「なー、ラース!」「ギャウ!」みたいな。
俺はラースに話しかけた。
「ラース、このペースで大丈夫か?疲れてないか?」
試しに話しかけてみると…明るく可愛らしい声が返ってきた
「大丈夫!大好きなシンを乗せてたらどんどん力が出てくるから!もっといけるよ!」
え…?今の、ラース?
うわ、感動…!
それに大好きって!大好きって言われた!
ラースの声が初めて聞けた…本当に口から喋る声じゃないけど、思念として俺の中に入ってくるんだ。ラースは話してもめちゃくちゃ可愛いんだな。
「シン、僕の言葉がわかるの?」
なんとラースが俺に話しかけてきた。あぁもう!可愛すぎて泣ける…。自分の事を『僕』っていうんだ、ラース…。
「うん!ラースの声が聞こえる!」
「そっか、よかった…じゃあお願いがあるんだけど…」
なんとラースが可愛くお願いをしてきて嬉しくなってしまった。
「うん、何でも言って?」
俺の返事にラースが少しだけ躊躇して、意を決したように話し始める。
「あのね、いつもの晩御飯のフード、もう少し味が薄いのにして?僕は健康思考だから塩分を控えたいんだよね」
ラース…?
健康思考…?
「あと、ドライフルーツとナッツも入れて?ビタミンや老化防止、美容のオイルも取りたいんだ、僕ってさ、シンと同じでかなり可愛いじゃん?でももっと中からも可愛くなりたいの」
ラース?
どっかのモデルかミスコン出る人みたいなこと言い出しましたけど?どこで知ったんだそんな知識…美意識高過ぎない?
ぽかーんとしてる俺に気づいてラースは畳み掛けてくる。
「シンはだいたい自分の容姿に興味なさすぎなんだよ、こんなに綺麗なのにぃ!僕はシンのドラゴンだから、シンの隣に似合うようにめちゃくちゃ可愛くなるの頑張ってるのにさ」
えっ、今度は俺の話?俺に似合うように綺麗になる努力してるってえ?
「ラース…」
俺は目の前が滲んできた。可愛い、可愛いすぎる。
「ラース、俺さ、ラースが大好きだ」
「僕もシンがめちゃくちゃ好きだよ!」
「俺のラース!」
「僕のシン!」
ラースの首に思い切り抱きつく俺と、俺にすり寄るラース。
「あのさ…お前らがすっごい両想いなのはわかった、ラブラブの邪魔して申し訳ない、だがそろそろ我に返ってくれないか。今、不審な魔力を察知したんだ、ちょっと気になるから見にいくぞ」
エリアスが突如俺に話しかけ、途端に俺とラースに緊張感が走る。
パトロールの意味がわかる。エリアスが一人で毎日パトロールしていても、こういう事案が起こってるんだ…。
改めて竜騎士の仕事の重要さが実感として湧いてきた。
エリアスのパトロールについてこいと言われたのだ。
遥か下に見える王都の街並み。ラースはカイザー号の隣を飛んでいるけどちょっと必死だ。カイザー号はラースを気にはしてくれてるけどエリアスの指示に忠実だ。普段もこんなに速いのかと思うと驚いた。
「シン、ラースとシンクロしてみろ」
エリアスから指示が飛んできた。ラースと俺は感覚を共有できる。その行為をシンクロと呼ぶと竜騎士のみんなが教えてくれた。
一瞬にしてラースと俺の視界が重なる、その時、ドラゴンの瞳のピアスがちりっ、と反応した。
『シンクロか…懐かしい感覚だ。だがお前のシンクロはラースとの感度は深いがまだ繋がりの量が足りない』
この声は伝説のドラゴン、ピアスの中にいるガラだ。
「量?それ、どうやったらいいの?」
俺はガラに問いかける。
『ラース、お前もシンの感覚ともっと深く繋がれ。今までお互い魔力が足りなかっただけだ。シンクロは本当はスイッチがいくつかあるんだ。五感それぞれを入れたり切ったりできる。危険があった時に繋がったままだと共倒れするだろう?』
あ、それ覚えがある…俺の状態異常がそのままラースにも移ったあれな。
瞬時に切ることができればラースはそうはならなかった筈だ。
『魔力が双方に少ないために起こったことだ。シンクロの深さだけに魔力を注ぎ込んでいるからそういうことになる。ほら、魔力をやるから使え』
そのとたん、俺の鼓動が大きく打った。ガラから身体中に流れ込んだ魔力の渦が大きくうねって熱くなる。魔力をくれるってこういうことか…。後でキスしないと、ってのがよぎったけど今はそれどころではない。
「っ…く…!」
「シン、大丈夫か?魔力が今増えた?オーラでわかる」
エリアスからの声がした。
「じゃあ…ラースと会話できるかもな」
「会話?」
「うん、前より細かく意思の疎通ができるだろうな」
意思の疎通…。今までラースとは感覚でわかり合うのでしゃべるのは俺の一方通行だった。「なー、ラース!」「ギャウ!」みたいな。
俺はラースに話しかけた。
「ラース、このペースで大丈夫か?疲れてないか?」
試しに話しかけてみると…明るく可愛らしい声が返ってきた
「大丈夫!大好きなシンを乗せてたらどんどん力が出てくるから!もっといけるよ!」
え…?今の、ラース?
うわ、感動…!
それに大好きって!大好きって言われた!
ラースの声が初めて聞けた…本当に口から喋る声じゃないけど、思念として俺の中に入ってくるんだ。ラースは話してもめちゃくちゃ可愛いんだな。
「シン、僕の言葉がわかるの?」
なんとラースが俺に話しかけてきた。あぁもう!可愛すぎて泣ける…。自分の事を『僕』っていうんだ、ラース…。
「うん!ラースの声が聞こえる!」
「そっか、よかった…じゃあお願いがあるんだけど…」
なんとラースが可愛くお願いをしてきて嬉しくなってしまった。
「うん、何でも言って?」
俺の返事にラースが少しだけ躊躇して、意を決したように話し始める。
「あのね、いつもの晩御飯のフード、もう少し味が薄いのにして?僕は健康思考だから塩分を控えたいんだよね」
ラース…?
健康思考…?
「あと、ドライフルーツとナッツも入れて?ビタミンや老化防止、美容のオイルも取りたいんだ、僕ってさ、シンと同じでかなり可愛いじゃん?でももっと中からも可愛くなりたいの」
ラース?
どっかのモデルかミスコン出る人みたいなこと言い出しましたけど?どこで知ったんだそんな知識…美意識高過ぎない?
ぽかーんとしてる俺に気づいてラースは畳み掛けてくる。
「シンはだいたい自分の容姿に興味なさすぎなんだよ、こんなに綺麗なのにぃ!僕はシンのドラゴンだから、シンの隣に似合うようにめちゃくちゃ可愛くなるの頑張ってるのにさ」
えっ、今度は俺の話?俺に似合うように綺麗になる努力してるってえ?
「ラース…」
俺は目の前が滲んできた。可愛い、可愛いすぎる。
「ラース、俺さ、ラースが大好きだ」
「僕もシンがめちゃくちゃ好きだよ!」
「俺のラース!」
「僕のシン!」
ラースの首に思い切り抱きつく俺と、俺にすり寄るラース。
「あのさ…お前らがすっごい両想いなのはわかった、ラブラブの邪魔して申し訳ない、だがそろそろ我に返ってくれないか。今、不審な魔力を察知したんだ、ちょっと気になるから見にいくぞ」
エリアスが突如俺に話しかけ、途端に俺とラースに緊張感が走る。
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改めて竜騎士の仕事の重要さが実感として湧いてきた。
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