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竜騎士になったよ
竜騎士団へと
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黒いドラゴンがまるでラースを守るようにぴったりとくっついている。ラースは全く友達がいなかったからか、嬉しそうな顔だ。
「友達ができてよかったな、ラース」
俺が話しかけるとラースは機嫌がよさそうに喉を鳴らした。…いいな、俺も同年代の友達がいなかったからうらやましい。これからできるかな?
王宮の中庭に降り立った俺たちをそこ辺りにいた兵や王宮の人たちが一斉に見る。黒いドラゴン、ラース、赤いオリオン号が一列に並び、翼を何度も羽ばたかせてそれをしまう。ラースは飛び抜けて一番小さいけれど、美しさではきっと負けてない。
「カイザー号、王宮の周りを案内してやれ」
竜騎士団長が黒いドラゴンに話しかけて肩をポンポンと叩くと、黒いドラゴンはまた翼を出してオリオン号とラースを促して飛び立っていった。
黒いドラゴンはカイザーっていうんだ。見た目はゴツくてイカツいけど、優しいドラゴンなんだな。
「俺はエリアス、竜騎士団長だ。お前の上司になる。俺のことは呼び捨てでいい」
少し長めの金髪をかきあげながら竜騎士団長エリアスが俺にそう言った。荒々しい口調やしぐさとは似合わず、その容貌はかなり美しいもので、俺は惹きこまれるように魅入られた。
黒髪イケメンのフィリックスといい、竜騎士は美形しかいないのか?
竜騎士団長エリアスはいきなり俺の顎をがちっと掴んでその綺麗な顔に引き寄せた。
「へっ…にゃに?」
頬がエリアスの親指につぶされてるから話しづらい!
「…お前、かわいい顔してんな」
エリアスは赤い瞳で俺をガン見している。至近距離すぎて固まってたら、突然後ろから腕を引かれてバランスを崩し、俺は後ろに倒れた。
「わっ」
「エリアス、シンが怖がってます」
トン、と誰かにぶつかる感触。
いや、別に怖がってはいないんだけど…。
フィリックスの厚い胸板が俺を抱き止め、庇うようにきゅっと抱き締めた。彼の優しい手のひらが俺の肩に触れる。
ふと、昨夜のキスを思い出してしまって赤くなる。
それを見た竜騎士団長エリアスが口角を上げてニヤリと笑った。
「…何ですか?」
フィリックスが涼しい顔で竜騎士団長エリアスに尋ねる。
「別に…蒼の竜騎士がこんなに綺麗な奴だとは思ってなかったもんでな。竜騎士団がまた華やかになって嬉しい限りだ。さっき見たが蒼いドラゴンとのシンクロ率も桁外れに良さそうで安心した」
「ああ…それは俺も思いました。ラースとシンの絆は深いです」
何か俺の話をしてるようだけど、シンクロとかがわからないので周囲をキョロキョロしてみる。向こうの方で王宮仕えの女性たちや使用人、貴族と思われる身なりのいい人たちがこちらを見ている。はっきりとは聞こえないがみんな熱い視線を送って黄色い声が飛んでいる。
見ているのはこの二人のこと?フィリックスとエリアスは王宮の憧れの位置の人達なのかな。俺みたいなのがこの人達の隣で竜騎士になってもいいのだろうかと少し心配になって俯くと、エリアスが手を伸ばしてそっと髪を撫でてくれた。俺は驚いて顔を上げる。
「シン、色々不安もあるだろうが、俺たちに何でも言え」
「……」
いきなりの優しさを貰えて、驚いた俺はエリアスを見上げた。
「そうだ、何でも頼ってくれ」
フィリックスも優しく微笑んでくれた。
不意に頭上でドラゴンの唸る声がしたので3人とも上を見ると、黒いカイザー号と赤いオリオン号が少し睨み合う険悪な雰囲気になっていた。そして、ラースが涼しい顔で先にひらりと着地する。
黒いドラゴンのカイザーがラースを前足で抱くように引き寄せると、赤いドラゴンオリオン号がラースの顔に頬擦りをする。するとカイザー号が唸りながらオリオン号を睨み付け、ラースをずらして触れられないようにする。オリオン号は低く唸るとラースを愛しげに呼ぶ。
「…蒼いドラゴンの取り合いになってんぞ、こんなカイザー号見たことねー、これは面白いな」
「ははっ、オリオン号もです。ラースは二匹のどちらを選ぶんでしょうね」
エリアスとフィリックスが興味深げに楽しそうに観察している。
「あのさ、カイザー号とオリオン号って雄?雌?」
俺は二人に尋ねた。
「「雄だ」」
二人とも即答する。
うっわ…俺は口に手を当てて固まった。
「ラース、男の子なんだけど…間違えてるのかな?」
あはは、とその場を和ませようとして浅く笑ってみたら。
「「それがどうした?」」
フィリックスとエリアスが真顔でハモった。
……えっ?
「友達ができてよかったな、ラース」
俺が話しかけるとラースは機嫌がよさそうに喉を鳴らした。…いいな、俺も同年代の友達がいなかったからうらやましい。これからできるかな?
王宮の中庭に降り立った俺たちをそこ辺りにいた兵や王宮の人たちが一斉に見る。黒いドラゴン、ラース、赤いオリオン号が一列に並び、翼を何度も羽ばたかせてそれをしまう。ラースは飛び抜けて一番小さいけれど、美しさではきっと負けてない。
「カイザー号、王宮の周りを案内してやれ」
竜騎士団長が黒いドラゴンに話しかけて肩をポンポンと叩くと、黒いドラゴンはまた翼を出してオリオン号とラースを促して飛び立っていった。
黒いドラゴンはカイザーっていうんだ。見た目はゴツくてイカツいけど、優しいドラゴンなんだな。
「俺はエリアス、竜騎士団長だ。お前の上司になる。俺のことは呼び捨てでいい」
少し長めの金髪をかきあげながら竜騎士団長エリアスが俺にそう言った。荒々しい口調やしぐさとは似合わず、その容貌はかなり美しいもので、俺は惹きこまれるように魅入られた。
黒髪イケメンのフィリックスといい、竜騎士は美形しかいないのか?
竜騎士団長エリアスはいきなり俺の顎をがちっと掴んでその綺麗な顔に引き寄せた。
「へっ…にゃに?」
頬がエリアスの親指につぶされてるから話しづらい!
「…お前、かわいい顔してんな」
エリアスは赤い瞳で俺をガン見している。至近距離すぎて固まってたら、突然後ろから腕を引かれてバランスを崩し、俺は後ろに倒れた。
「わっ」
「エリアス、シンが怖がってます」
トン、と誰かにぶつかる感触。
いや、別に怖がってはいないんだけど…。
フィリックスの厚い胸板が俺を抱き止め、庇うようにきゅっと抱き締めた。彼の優しい手のひらが俺の肩に触れる。
ふと、昨夜のキスを思い出してしまって赤くなる。
それを見た竜騎士団長エリアスが口角を上げてニヤリと笑った。
「…何ですか?」
フィリックスが涼しい顔で竜騎士団長エリアスに尋ねる。
「別に…蒼の竜騎士がこんなに綺麗な奴だとは思ってなかったもんでな。竜騎士団がまた華やかになって嬉しい限りだ。さっき見たが蒼いドラゴンとのシンクロ率も桁外れに良さそうで安心した」
「ああ…それは俺も思いました。ラースとシンの絆は深いです」
何か俺の話をしてるようだけど、シンクロとかがわからないので周囲をキョロキョロしてみる。向こうの方で王宮仕えの女性たちや使用人、貴族と思われる身なりのいい人たちがこちらを見ている。はっきりとは聞こえないがみんな熱い視線を送って黄色い声が飛んでいる。
見ているのはこの二人のこと?フィリックスとエリアスは王宮の憧れの位置の人達なのかな。俺みたいなのがこの人達の隣で竜騎士になってもいいのだろうかと少し心配になって俯くと、エリアスが手を伸ばしてそっと髪を撫でてくれた。俺は驚いて顔を上げる。
「シン、色々不安もあるだろうが、俺たちに何でも言え」
「……」
いきなりの優しさを貰えて、驚いた俺はエリアスを見上げた。
「そうだ、何でも頼ってくれ」
フィリックスも優しく微笑んでくれた。
不意に頭上でドラゴンの唸る声がしたので3人とも上を見ると、黒いカイザー号と赤いオリオン号が少し睨み合う険悪な雰囲気になっていた。そして、ラースが涼しい顔で先にひらりと着地する。
黒いドラゴンのカイザーがラースを前足で抱くように引き寄せると、赤いドラゴンオリオン号がラースの顔に頬擦りをする。するとカイザー号が唸りながらオリオン号を睨み付け、ラースをずらして触れられないようにする。オリオン号は低く唸るとラースを愛しげに呼ぶ。
「…蒼いドラゴンの取り合いになってんぞ、こんなカイザー号見たことねー、これは面白いな」
「ははっ、オリオン号もです。ラースは二匹のどちらを選ぶんでしょうね」
エリアスとフィリックスが興味深げに楽しそうに観察している。
「あのさ、カイザー号とオリオン号って雄?雌?」
俺は二人に尋ねた。
「「雄だ」」
二人とも即答する。
うっわ…俺は口に手を当てて固まった。
「ラース、男の子なんだけど…間違えてるのかな?」
あはは、とその場を和ませようとして浅く笑ってみたら。
「「それがどうした?」」
フィリックスとエリアスが真顔でハモった。
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