93 / 93
本編
新婚旅行で最終回
しおりを挟む「それじゃあ…ん?仕事が入った。開始は十分後だ。5分ごとに送りつける。準備しておけ!」
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
リオンが自分勝手な言葉を残して転移した。
「……」
皆、少ない情報の中での早い展開に呆然としていた。
(これは…)
サイカはリオンが転移した後に何かの紙が落ちているのを見つけた。近づいて確認すると、それは指示がメモされた紙切れであった。
(『十分後』って、まさかコレやるってこと?)
「みんな、来てください!」
サイカはすぐに人を集めた。
メモのの内容は箇条書きで7つ書かれていた。
・5分ごとにモンスターを送る。旗を立ててある。
・送りつけるモンスターはお前らではやれない。罠に嵌めてアイテムで攻撃しろ
・家は安全
・周りは崖、落ちるな
・外付け倉庫に必要なものはだいたい入れてある
・トイレは玄関入って左に進め
・危なくなったら球を割れ
の以上である。
「旗?」
カイトが疑問に思って呟く。
「あそこだと思うよ」
リュートが答える。そこには、きの棒に白い布を括り付けただけの見窄らしい旗があった。
「アレか…」
「私はこっちの方が気になるのだけどアイテム?この魔道具のことかしら?」
サリアがリオンが残した武器を指して言った。
「ん、多分そう、しかも、機械タイプのお高いヤツ」
アヤメが答える。
「ちょっと!あなた達、そんなに集まったら他の人が見れなくなります!離れてください!」
サイカはギュウギュウに詰めてメモを見るリュート達を引き剥がした。
「そう言われてもな~、見ながら試したいし…」
カイトが名残惜しそうにメモを覗く。
「じゃあ、こうしよう!」
そこで、リュートがある提案をした。
ーーーーーーーー
「はーい、注目!」
『触媒魔法』で形成されたホワイトボード前でリュートが呼びかける。
「これから、メモの内容について話していこうと思います。リオンさんの話では十分後に訓練が始まるとのことです」
リュートは『闇魔法』で作られたチョークでメモの内容はをボードに書き連ねた。
「まず一つ目、見ての通りだね、シンプルだ。旗はあそこにある。トウカ先生の助言通りにラウド先生を嗾けよう」
説明を終えると文を射線で消した。
「二つ目、パワーレベリングです。今年は大変な年になりそうです」
リュートが線を引こうとした時、リョウカ質問をした。
「えっと、どう言うことなのです?」
申し訳なさそうに聞く。
「パワーレベリングの特徴は分かる?」
「それは分かるのです!」
この世界でのパワーレベリングとは遥か格上の相手を実力関係なしに倒す行為である。大量のマナを一気に吸収するため大幅な成長を可能にする。
しかし、一見やり得にも思えるパワーレベリングだが欠点がある。人が吸収できるマナの総量には限界があり、それは地道な訓練でしか増やすことが出来ない。
「そういう事だね」
「どう言う事です!?サイカっちは分かるのです?」
「…今は目の前のことを考えてください」
サイカが目を逸らして答える。
「何なのです!?意味わからなくて怖いです!」
「フフ…知らない方が良いものとは結構ございますよ」
ニナがリョウカの耳元で囁く。
「…ッ!いっそ教えるのです。覚悟できれば多少マシになるのです!」
(うぁー…)
サイカはニナの黒い本性を垣間見た。
「三つ目はそのままの意味だと思う。いないと思うけど戦いたく無い人は中に避難すればいい」
(?いないと思う?私、訓練で命掛けたく無いのです。皆んな分かってるのです?)
リョウカは一人理解できずに混乱する。
「アヤメーー!」
リュートが家の前に立つアヤメに声をかけた。
「ふんっ!」
アヤメが玄関の柱を殴る。
「この通り」
リュートが前を向く。
(どの通りなのです!?意味がわからないのです!意味がわからなすぎて…意味がわからないのです!)
リョウカの思考は混沌を極めた。
「四つ目、カリスに軽く調べてもらったところ、円形に出っぱった台地みたいになってる。安全装置みたいなの多分無いから」
リュートが線を引く。
(あっ、これは理解できたのです!)
「五つ目、倉庫はあそこ。魔道具のコアはおそらくそこにある」
「有ったわよー!」
サリアがコアを片手に手を振る。
(これも余裕なのです!)
リョウカに活力が戻る。
「六つ目はいいとして七つ目、球は使ってないサリアたちの班のを使えってことだと思う。ここで一つ問題がある。」
リュートが線を引き、真剣な表情で言う。
「何なのです?」
リョウカが声に出して聞く。
「時間がない、40秒で支度しろ!」
リュートが叫んだ。
(絶対終わらないのです!)
ーーーーーー
クラスメイト全員が魔道具を装備して旗を囲んでいる。
装備は多種多様であり大きく分けての近接、援護、遠距離の三種類がある。コアの構成は皆、機動と防御に特化させて攻撃を魔道具に頼る形となっている。
旗から近い順に近接部隊、援護部隊、遠距離部隊に分かれた。近接、援護の部隊は適当に、遠距離部隊はピクシーが担当した。
部隊の手前には申し訳程度の壁と家の前まで通じる塹壕が引かれている。
(ほ、本当に終わったのです。皆んな速いのです…)
皆が息を呑み標的を待つ。
5、4、3、2、1
旗の真上に丸々と太った齧歯動物が現れた。
(来たっ!)
リュート達はモンスターに一斉に襲い掛かる。
「え……」
カイトは呆気ない結果に思わず声を漏らした。
遠距離部隊の放った攻撃がモンスターの脳天を貫通したのである。
127
お気に入りに追加
4,161
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる