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本編
エルンストのきもち
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皇后が地面に倒れながらエルンストを信じられないような表情で見上げた。
「は…?、エ…スト…?」
何故ここに彼がいるのだろうか。でもエルンストは皇后を黙って見下ろしていると、表情を変えずに淡々と話し始めた。
「どこの誰かわからない男に刺される気分はどう?あなたのようなクズに俺は直接手は下さない…。おかあさま」
「へ…?」
「あの世で幸せになってね、っても地獄かな…ふふ…。あ、父上」
「なんだ、エルンスト」
エルンストが陛下を呼び、向かい合う。
「どうされますか?このまま放っておけば出血多量で死にますが」
ちょ、ちょ、コワイコワイ!何その会話。
腕組みをして陛下は宙を見上げた。
その間にも皇后は痙攣しはじめる。
「うーん…悩ましいところだな…殺してやりたいが、シュワルツに怒られそうだな…。よし、適当に手当てしろ。監獄島へ送る」
ぽん、と陛下が手をうつとすぐに騎士団員がわらわらと皇后を囲んで止血を始めた。
「か、監獄島?…ってあれだよな、エリアス…」
「ああ、このA国、ガルデスフィールの地獄といわれるあの島だよな…あんなところに送られるのなら死んだほうがマシだって言われる」
また、こそこそとダリウスとエリアスが話をしていた。
ベンがそっと俺の腰に手を添えて抱き寄せる。
「…こればっかりは…救いようがない」
「…シュワルツはどうしてるの?」
「王宮に残ってる。この光景を見たくもないんだろう。最後まで皇后は殺すなと言ってたがな…救う意味か、ああやって生き地獄に送る意味だったのかはわからない、私は自分の親ながら、あの人が一番怖い…」
だよな。シュワルツは優しいけど、ほんとに何を考えてるのかわからない…。一番敵に回したくない。
すると、国王陛下が倒れる皇后に話しかけた。
「ニーナ…お前がのこのこと、この旅に来てくれて助かった。何の邪魔もされずにB国を倒して王をクレオンにできたんだからな。新国王クレオンはB国が我がガルデスフィールの属国として配下に下ることを約束している。ベン」
「はい」
「そこのニーナの兄も一緒に監獄島へ送っておけ。最上級の扱いで、二度とそこから出すな。…そこの男は…たしかどこかの王族だったか」
「はい。C国のウッド王子ですが」
「名前までは興味ない…そいつの処遇はベン、お前に任せる。私は王宮に戻るぞ、この拷問のような旅も終わった、早く私のシュワルツに会いたい」
あーあ、と伸びをしながら陛下はさっきベンが乗ってきた馬車に一人で乗り込み、騎士団に命を下すとさっさと帰ってしまった。
あとは、ベンに託されたということか。
「この男に何を吹き込んだんだ?エルンスト」
「あの女をこれで刺せば無罪放免にしてやる…」
「断言したのか?」
「…かもね、っては、言った」
エルンストの言葉にベンが満足げに頷いた。
「よし、さすがは私の弟だ」
「ふふ…その言葉、いまは何より嬉しいな」
ベンがエルンストの頭を撫でて笑う。
そして、ベンが騎士団に取り押さえられてるウッド王子に向き直った。
「ウッド王子、貴様は故郷で既に王子の位を剥奪されているそうだな、その身は我が国で好きにしていいと回答があった。騎士!そいつも監獄島へ送っとけ」
「そ…そんなっ…レイ!レイ!助けてくれっ!レイ?お前と俺の仲だろう?」
ウッドが俺にとりすがった。
「は…?、エ…スト…?」
何故ここに彼がいるのだろうか。でもエルンストは皇后を黙って見下ろしていると、表情を変えずに淡々と話し始めた。
「どこの誰かわからない男に刺される気分はどう?あなたのようなクズに俺は直接手は下さない…。おかあさま」
「へ…?」
「あの世で幸せになってね、っても地獄かな…ふふ…。あ、父上」
「なんだ、エルンスト」
エルンストが陛下を呼び、向かい合う。
「どうされますか?このまま放っておけば出血多量で死にますが」
ちょ、ちょ、コワイコワイ!何その会話。
腕組みをして陛下は宙を見上げた。
その間にも皇后は痙攣しはじめる。
「うーん…悩ましいところだな…殺してやりたいが、シュワルツに怒られそうだな…。よし、適当に手当てしろ。監獄島へ送る」
ぽん、と陛下が手をうつとすぐに騎士団員がわらわらと皇后を囲んで止血を始めた。
「か、監獄島?…ってあれだよな、エリアス…」
「ああ、このA国、ガルデスフィールの地獄といわれるあの島だよな…あんなところに送られるのなら死んだほうがマシだって言われる」
また、こそこそとダリウスとエリアスが話をしていた。
ベンがそっと俺の腰に手を添えて抱き寄せる。
「…こればっかりは…救いようがない」
「…シュワルツはどうしてるの?」
「王宮に残ってる。この光景を見たくもないんだろう。最後まで皇后は殺すなと言ってたがな…救う意味か、ああやって生き地獄に送る意味だったのかはわからない、私は自分の親ながら、あの人が一番怖い…」
だよな。シュワルツは優しいけど、ほんとに何を考えてるのかわからない…。一番敵に回したくない。
すると、国王陛下が倒れる皇后に話しかけた。
「ニーナ…お前がのこのこと、この旅に来てくれて助かった。何の邪魔もされずにB国を倒して王をクレオンにできたんだからな。新国王クレオンはB国が我がガルデスフィールの属国として配下に下ることを約束している。ベン」
「はい」
「そこのニーナの兄も一緒に監獄島へ送っておけ。最上級の扱いで、二度とそこから出すな。…そこの男は…たしかどこかの王族だったか」
「はい。C国のウッド王子ですが」
「名前までは興味ない…そいつの処遇はベン、お前に任せる。私は王宮に戻るぞ、この拷問のような旅も終わった、早く私のシュワルツに会いたい」
あーあ、と伸びをしながら陛下はさっきベンが乗ってきた馬車に一人で乗り込み、騎士団に命を下すとさっさと帰ってしまった。
あとは、ベンに託されたということか。
「この男に何を吹き込んだんだ?エルンスト」
「あの女をこれで刺せば無罪放免にしてやる…」
「断言したのか?」
「…かもね、っては、言った」
エルンストの言葉にベンが満足げに頷いた。
「よし、さすがは私の弟だ」
「ふふ…その言葉、いまは何より嬉しいな」
ベンがエルンストの頭を撫でて笑う。
そして、ベンが騎士団に取り押さえられてるウッド王子に向き直った。
「ウッド王子、貴様は故郷で既に王子の位を剥奪されているそうだな、その身は我が国で好きにしていいと回答があった。騎士!そいつも監獄島へ送っとけ」
「そ…そんなっ…レイ!レイ!助けてくれっ!レイ?お前と俺の仲だろう?」
ウッドが俺にとりすがった。
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