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本編
銀髪のハンター
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洞穴の向こうから音がする…俺たちに緊張が走った。
足音が近づいてくるのがわかった。人だ…!追っ手か!?俺は心臓の音がめちゃくちゃに大きくなった。
人とわかればゲットの警戒心は高まるばかりだ。唸り声を上げて俺を庇うように身を進めてくれる。俺はゲットを守りたくてがっちり抱き締めた。
ザクザクと足音が近づいてくる。逃げることもできず、俺たちはその相手を睨み付けた。
「…なんだってこんなところに豹が…」
黒装束に包まれた大きな男のようだ。背中に大きな剣を背負っている。そして低いイケメンボイス。
「っ…何者だ!?」
俺は震える声をなんとか隠そうと厳しく敵意むき出しの虚勢を張った。
「いや、それは俺の台詞だろ…なんだお前も銀髪に赤い目じゃないか」
ばさり、と男がフードを取る。
男性の銀の髪が露になり、赤い瞳がこちらを見ている。これはかなりのいい男だ。整った顔に少し大きな瞳、焼けた肌。こいつは…旅装束のような格好だけど、戦士のようにも見える。
「これは…ただ事ではないな、手錠なんて」
男性は腰に下げたポケットバッグから何か道具のような針をだすと、俺の手錠の鍵穴に突っ込んで難なくそれを外してくれた。
あまりの瞬間技に俺とゲットが驚く。
皮が剥けて赤くなった手首に軟膏まで塗ってくれた。
「あ…りがとうございます…」
「いや、それより大丈夫かその豹、だいぶ体力を消耗してるぜ」
そう言われた俺はゲットを見た。目に力がない。
「ほら、これを食え」
男性が慣れた手つきで丸薬のようなものをゲットの口に無理やりねじこんだ。この人、豹が怖くないの?ゲットも一瞬の出来事にびっくりしてゴクンと薬を飲み込んでしまった。
「滋養強壮の丸薬だ。かなり効くぜ、お前にもひとつやるよ…見たところどこかから逃げてきたように見えるが?」
「あ、はい…」
「うーん、豹なんてこの国では王族くらいしか飼えねえ生き物だけど…もしやまさか、なあ。王宮から?」
この人は何者なんだろう?よく知ってるなぁ。俺は驚いて銀髪の男性を見る。
「…ああ、紹介が遅れたな。俺はダリウスっていうモンだ。トレジャーハンターをして世界を回ってる」
「トレジャーハンター?」
そういえばそんな職業の人がいるとは聞いたことがある。珍品や幻の生き物など、依頼があれば探して手にいれてくる。屈強の体と最上の審美眼を持つ者だけが一級のトレジャーハンターになれるという。だがものすごく報酬額が高いらしく、一流のトレジャーハンターに頼めるのは王公貴族や財閥などの一握りの金持ちだけだ。
「ここらへんに依頼品が眠ってるという話を聞いてこの国へ探しにきたんだが…。お前、王宮から逃げてきたのか?」
「ううん…逆…王宮から拐われたんだ。俺はレイ。誘拐されたみたいで、この豹が助けに来てくれた」
「誘拐とは…おまえ王族か?」
「ううん…違う。使いのものだよ。ただ、この豹とは仲良しなの」
安易に知らない人に深い話はしないほうがいいと思い、情報はできるだけ少なくした。
「…おまえ、もしかして…」
「え?」
「その白い髪、銀だがな…まさか、白い妖精、ってやつ?最近王子がそんな美人を手にいれたって噂は聞いたことがあるんだが。でないとそんなトラブルに巻き込まれないだろ」
へっ…?
俺とゲットはダリウスが大変な情報通なことにびっくりしてものすごい顔をしてたと思う。
「お、ビンゴか。わかりやすいな!」
そう言って彼は愉快そうに笑った。
足音が近づいてくるのがわかった。人だ…!追っ手か!?俺は心臓の音がめちゃくちゃに大きくなった。
人とわかればゲットの警戒心は高まるばかりだ。唸り声を上げて俺を庇うように身を進めてくれる。俺はゲットを守りたくてがっちり抱き締めた。
ザクザクと足音が近づいてくる。逃げることもできず、俺たちはその相手を睨み付けた。
「…なんだってこんなところに豹が…」
黒装束に包まれた大きな男のようだ。背中に大きな剣を背負っている。そして低いイケメンボイス。
「っ…何者だ!?」
俺は震える声をなんとか隠そうと厳しく敵意むき出しの虚勢を張った。
「いや、それは俺の台詞だろ…なんだお前も銀髪に赤い目じゃないか」
ばさり、と男がフードを取る。
男性の銀の髪が露になり、赤い瞳がこちらを見ている。これはかなりのいい男だ。整った顔に少し大きな瞳、焼けた肌。こいつは…旅装束のような格好だけど、戦士のようにも見える。
「これは…ただ事ではないな、手錠なんて」
男性は腰に下げたポケットバッグから何か道具のような針をだすと、俺の手錠の鍵穴に突っ込んで難なくそれを外してくれた。
あまりの瞬間技に俺とゲットが驚く。
皮が剥けて赤くなった手首に軟膏まで塗ってくれた。
「あ…りがとうございます…」
「いや、それより大丈夫かその豹、だいぶ体力を消耗してるぜ」
そう言われた俺はゲットを見た。目に力がない。
「ほら、これを食え」
男性が慣れた手つきで丸薬のようなものをゲットの口に無理やりねじこんだ。この人、豹が怖くないの?ゲットも一瞬の出来事にびっくりしてゴクンと薬を飲み込んでしまった。
「滋養強壮の丸薬だ。かなり効くぜ、お前にもひとつやるよ…見たところどこかから逃げてきたように見えるが?」
「あ、はい…」
「うーん、豹なんてこの国では王族くらいしか飼えねえ生き物だけど…もしやまさか、なあ。王宮から?」
この人は何者なんだろう?よく知ってるなぁ。俺は驚いて銀髪の男性を見る。
「…ああ、紹介が遅れたな。俺はダリウスっていうモンだ。トレジャーハンターをして世界を回ってる」
「トレジャーハンター?」
そういえばそんな職業の人がいるとは聞いたことがある。珍品や幻の生き物など、依頼があれば探して手にいれてくる。屈強の体と最上の審美眼を持つ者だけが一級のトレジャーハンターになれるという。だがものすごく報酬額が高いらしく、一流のトレジャーハンターに頼めるのは王公貴族や財閥などの一握りの金持ちだけだ。
「ここらへんに依頼品が眠ってるという話を聞いてこの国へ探しにきたんだが…。お前、王宮から逃げてきたのか?」
「ううん…逆…王宮から拐われたんだ。俺はレイ。誘拐されたみたいで、この豹が助けに来てくれた」
「誘拐とは…おまえ王族か?」
「ううん…違う。使いのものだよ。ただ、この豹とは仲良しなの」
安易に知らない人に深い話はしないほうがいいと思い、情報はできるだけ少なくした。
「…おまえ、もしかして…」
「え?」
「その白い髪、銀だがな…まさか、白い妖精、ってやつ?最近王子がそんな美人を手にいれたって噂は聞いたことがあるんだが。でないとそんなトラブルに巻き込まれないだろ」
へっ…?
俺とゲットはダリウスが大変な情報通なことにびっくりしてものすごい顔をしてたと思う。
「お、ビンゴか。わかりやすいな!」
そう言って彼は愉快そうに笑った。
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