第二の人生は王子様の花嫁でした。

あいえだ

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本編

クレオン王子

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クレオンが隣国の王子だということを後でベンが教えてくれた。

強引に唇を奪われながら。

「んっ…ん、…っ…」

あまりにも激しいキスに声が漏れてしまう。
ベン、ちょっと機嫌悪いな…俺のせいだけど。

「どこさわられた?」
「へっ?」
「クレオンに…触られてただろ?」
「あ…」

ああ、戦いながらでもしっかり見ていたんだな。ほんとはめちゃくちゃ剣の腕が立つのはわかった。

「ご、ごめんなさい…もう、観に行かないから…」

俺が半べそになりながら謝ると、何故かベンが首を振る。

「俺が観に来ないでくれと言ったから起こったことだ…俺こそすまなかった」

うわ。

何でそんなこと言うの…やさしすぎるから。

「俺が恥ずかしがらずにレイに席を用意しておけばこんなことにはならなかった、皇后の陣営に一人でつれていかれて、クレオンに拐われるなんて…怖い思いをさせてごめん」
「…っ、ぅぅ…」

俺を抱き締めて、何度も髪にキスをするベンに愛しさが込み上げる。

うう、好き…ベンが好き。
戦うところを観られるのが恥ずかしかったんだ…。

俺は頬擦りしてくるベンにこう言った。

「ん、ね、髪じゃなくて…唇に、ほしい」
「ん?」
「キ、ス…」

真っ赤になりながらねだると、ベンが唇にキスをくれた。ちゅっ、と一回だけ。そして微笑んだ。

「やだ、もっと…」

疼く体が抑えられない俺はベンにしがみついた。俺、こんなに甘えただったんだな。そう思っているとベンがもっと抱き締めた。

「クレオン…あいつは危険だ」
「え、なんで?」

そう尋ねると、ベンが唇を噛んだ。

「あいつは昔から俺の真似ばかりする…俺の欲しいものをいつも取っていくんだ、もしレイが奪われたら俺はどうなるかわからない、さっきもカッとなって思わず短剣を投げてしまって…」

クレオン、真似ばかりするんだ…。欲しいものを取られたって、子どものころのおもちゃとかかな?

あんなイケメンなのに、なんのライバル心なんだよ。

俺はベンを抱き締めて自分からキスをした。









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