第二の人生は王子様の花嫁でした。

あいえだ

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本編

皇后ニーナ

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来てたのか皇后…エルンストに連れてこられた闘技場の廊下で彼女に出くわすとは。

「何故、エルンストが貴方と一緒にいるのかしか?その手はなに?」

皇后の顔から笑顔が消えた。エルンストは俺の背中に手を添えていたから。

「ああ、レイが騎士に絡まれてたから助けてあげたんですよ」
「あらそうなの、優しいのねエルンスト。貴方、男だらけの中に自ら飛び込むなんてさすがというか…卑しいわね」

くそムカつく毒をとばしてきやがる。

「そうですねぇ、想う相手に見向きもされないからって、愛されてる子に嫉妬ですか?」

すると、聞きなれない声がして振り向くと、そこには金髪のめちゃくちゃイケメンの男性がいた。

「クレオン…」

皇后の唇が何故か緩む。こんなディスられてんのに怒らないのはきっとこいつも皇后側の人間だな、俺は身構えた。

「エルンスト、いきなりいなくなるから探したぞ。どこいったかと思えば…その子、誰?」
「兄上の恋人…この容姿で騎士だまりに飛び込んでるから、やっぱり絡まれててそれを見かけたから助けた」

ため息まじりにエルンストが俺の肩をポンポンと叩く。はい、申し開きもございません…。

「ベンはもうすぐ出番じゃないのか?王族の特別席があるだろうに何故いかない?」

え、それ言うの…?だって見るなって言われてるんだもん。

「ベンは照れ屋だから絶対来んなとか言ってそうだよな」

う、エルンストさすが弟、よくわかってらっしゃる…!するとクレオンという金髪のイケメンはニヤリと笑った。

「じゃ、その恋人見つけて固まって無様に負けるベンを見たいな、彼はいつもかっこいいから」

はぁ!??

「いや、め、滅相もない」

俺はぶんぶんと首を振った。やめて?ほんとに勘弁して!

「あら、面白そうね、なら、私の席にいらっしゃいな」

皇后が前のめりでめちゃくちゃ楽しそうになる。

くそ、俺ピンチすぎる!ここアウェーすぎるって!!!
俺はシュワルツから離れたことをものすごく後悔し、浅はかな自分を恨んだ。

「さ、行こうか!ほらほら!」

クレオンに手を引かれ、抵抗もままならないまま、俺は皇后の陣営の特等席にクレオンに座らされる。

一番見える席だった。

シュワルツが少し離れた席で目を剥いている。彼は俺を取り返そうとしたのか咄嗟に立ち上がったけれど、俺は目で彼を制した。騒ぎになりたくない。

あーあ、一番、迷惑になる結果になりそう…。俺はクレオンという男性を睨み付けた。

「お、怖いなそんな目で睨まれたら、好きになってしまうじゃないか」
「は!?からかわないでください…」
「いや結構本気で言ってるんだけど」

ふぁ!??
俺はクレオンを本気で睨み付けた。







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